ごみ拾いしながらコーラル漬けの飼い犬と飼い主を救おうとするお話   作:一般通過コーラル漬けルビコニアン

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 はい、気合で3話書き下ろします(鋼の意思)


手向けの花火

 翌日。早朝に俺は目が覚めた。横には布団に包まって眠るカーラの姿。床には服その他諸々が散らかっている。

 

―――――やっちまった。

 

 

 いや、あそこで拒んだら取り返しつかないからどうしようもないけど、そう思うしかない。

 机の引き出しに向かい、紙の箱を取り出す。中に入っている棒状のそれを唇に挟み、ジッポライターで火をつける。

 フィルターを通して煙が肺に入り込んでいく。当の昔に賞味期限は切れてはいるが貴重なものだ。5箱あったストックもすでに残り2箱まで減ってしまった。

 ゆっくりと息を吐き、煙を開けた窓へ流す。

 

「何だ、随分といいもの持ってるじゃないか?」

 

 いつの間にか起きたカーラがこちらに歩いてくる。

 

――ボス、流石に下着くらいつけてくれ。

 

「あんなことしちまった後なんだ。恥じらいもへったくれもないだろうに」

 

 昨日の夜の様子はどこへとやら、カラッとした声で答える。それに呆れながらも箱からタバコを差し出し、それに火をつけようとする。が、いくら火打石を擦っても火が付く様子がない。

 ジッポライターと格闘していると突然俺の顔に手を置き自分の方に振り向かせ―――

 

「……ンッ」

 

 俺の吸っているたばこの火で自分のタバコを付ける。

 ……流石に心臓がはねた。

 

「悪かったね。あんなことして」

 

 一息、たばこを吸ったあと若干暗い声で謝るカーラ。

 

――いえ、別に女性経験ナシってわけでもないので

 

「何だい、惜しいことしたね」

 

 一転してカラカラと笑う。そして真面目な顔つきに変わった。

 

「ブルートゥのことだけど」

 

――始末しますか?

 

「……ここに来た時の甘ちゃんが言うようになったね」

 

 そりゃ目的のためだ。あの時みたいに甘いままでいたら救えるものも救えない。

 

――場所は掴めてるんですか?

 

「心当たりはあるよ」

 

――自分から言っておいてなんですが、殺っていいんですか?

 

「すまないね、アンタに後始末を押し付けて。アタシの目も曇ったもんだ」

 

 それが答えだった。既に身内ではないと、排除すべき敵であると。

 それなら俺のやることは一つだけだ。服を着てドックに――「待ちな」

 

 カーラに腕を掴まれる。何か言い忘れたかと振り返れば

 

「アンタ、流石にシャワーくらい浴びていきな。急ぐのは分かるけどそのままにしていたらコックピットが悪臭になるよ」

 

 

 シャワーは二人で浴びた。最初は抵抗したものの「時間の節約だ」と押し切られた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ここだよ、あいつの残した手紙が正しければだけど』

 

 円形に広がる広い足場。ここにいるらしい。周りをみてもそれらしき影はない。が、俺は未だに覚えている。あいつがゲームの時に何処にいたのかを。

 

『お待ちしておりましたよ、ご友人』

 

 オープンチャンネルが開かれる。同時になる警告音。

 咄嗟に飛びのけばさっきいた場所にマスブレードが叩きつけられた。

 

『ブルートゥッ!!』

 

 カーラが声を荒げる。

 

『ああ、カーラ……ワタクシのプレゼントはお気に召しましたか?』

 

――気に入ったさ、だから俺たちもお返しをしようと思ってね

 

 頭に血が上ってるであろうカーラに代わって答える。

 

『嬉しい…プレゼントを頂いたのに更にプレゼントを頂けるとは……これほど嬉しいことはあるでしょうか? さあ、ともに踊りましょう、ご友人!』

 

――悪いが社交ダンスはやったことないんでね。せいぜいがソーラン節だ

 

 聞こえているのかいないのか、火炎放射器でこちらを炙りながらアイツは虚ろに、囁くように呟く。

 

『スロー…スロー…クイッククイック、スロー……嗚呼、素敵だ、ご友人』

 

『面白いヤツだと思っていたがトンだ気狂いだったってことか』

 

――裏切ったという自覚さえないんでしょうね

 

『……気味が悪いね、早いとこ始末してくれ。気が狂いそうだ』

 

――奇遇ですね、俺もですよ

 

 リクエストが来たし、さっさとカタを付けよう。

 火炎放射器のオーバーヒートが来たのかミサイルを撃ちながら近づいてくるミルクトゥースにこちらもアサルトブーストで接近する。

 

『なんと情熱的なステップ、素敵だ、ご友人!』

 

 感極まった声でこちらにマスブレードを振るうが、急造で取り付けたせいか、いまいち速度が出ていない。ブースターが起動していない所を見るに出力が足りずにACのパワーで無理やり殴っているようだ。振り切る前に奴の懐に潜り込み―――

 

――最期の手向けだ。受け取りな

 

 パイルバンカーで打ち上げた。綺麗に吹っ飛んだそれにグレネードランチャーを向け―――――

 

『嗚呼……なんと素敵な贈り物でしょうか―――――有難う御座います。ご友人…』

 

 

 花火が打ち上がった。

 

『…ブルートゥの撃破を確認した。脱出レバーを引いた様子もないよ。最期まで友人扱いしてくるとはね』

 

――きっとアイツは欠片も敵だとは思ってないと思いますよ

 

『ハァ・・・機体は回収しなくていい。あいつにやったものだ、地獄行きのお供にしてやるさ。帰投しな』

 

 散々疑ってかかったブルートゥの死に何か胸のつかえを感じながら俺はグリッドに戻った。




 長年疑っていたとは言え付き合いのあった人間を始末して靄ッとする主人公。まだ甘いですねぇ(ニチャニチャ)

 あっさりとしたスピード決着だとは思いますがマスブレードをまともに使い方わかっていない状態で装着したら多分こうなるよなと。むしろ力任せで振るえるだけましで軽量機体ならまともに動けないと思うんですよね。

カーラさんのーちょっと

  • 乙女な部分を見てみたい
  • 泥っとした部分が見てみたい
  • カラッとした姉御なところを見てみたい
  • いや、イケメンムーブかますやろ
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