ごみ拾いしながらコーラル漬けの飼い犬と飼い主を救おうとするお話   作:一般通過コーラル漬けルビコニアン

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おぉ、ゴース…あるいはゴスム……我らに幻覚を授けたまえっ……!!


待てコラガキ!!

 あの後カーラからお許しを頂き、ラミーとその他数名の護衛を引き連れて俺たちは解放戦線の本拠地に赴いた。

 他にも支部はあるらしいのだがここが一番人が多く、非戦闘員の数も多いという事で最初に着手することになった。

 

 子供に最優先に食料を分け、農園の整備をし、比較的成長の早い植物の種を撒き、その間もグリッドから食料を輸送しての繰り返し。冷凍とはいえ、痛みが怖いので1年以内に収穫したものを最初に与え、2年目、3年目という具合で与えたのだが(流石に3年以降はない)段々と減っていく冷凍庫を見て若干焦りを覚えたものの、何とか一番早い作物の収穫に間に合い、そこから段々と収穫できるものが増えてきた段階でこちらの支援を縮小、後は保存室の建築に取り掛かり、後は農場の拡張を繰り返して他の支部に渡すだけの量を栽培する方針にした。それまでに1年ほど掛りはしたものの*1、段々と活気を取り戻す様は見ていてとても気持ちがいい。

 さて、今俺は何をしているのかというと―――子供を一人引きずっていた。

 ワンワンと泣きながら抵抗するそいつを強引に引きずり、目的地へ向かう。

 

「風呂なんて入らなくてもいいじゃんか!! にーちゃんのケッペキショー!!」

 

――喧しい! そう言って3日間経ってるだろうが!! お前の弟から聞いたぞ!! いい加減臭いから入れてほしいってお願いされたからな!!

 

「うわーん! マキモの奴チクったなー!?」

 

 最初はやけくそで怪しい商人風に接してやろうとしていたものの、3日でぼろを出してしまい後はこんな感じだ。今や生暖かい周囲の目を受けながら俺たちは風呂場に向かった。

 

 

 俺たちがここにきて作ったのは農園だけじゃない。その一つに風呂場がある。

 此処にきて最初に思ったこと、まず『臭い』。

 お湯で布を濡らし体を拭くぐらいしか出来ていなかったらしい。

 衛生面の不安は全員わかってはいたものの、何せ設備に余裕がない。MTの整備もままならない状況だ。仕方がない――という訳にはいかない。

 グリッドからMT用のジェネレーターを運び入れ、それを簡単に改良して水を温める設備を作り、簡易的な公衆浴場を建築。本格的にやろうとするとキリがないので取り敢えず屋根があり、脱衣所から男女に分かれている・排水と給湯ができる程度に収め、そこに石鹸――オリーブオイルを作った時に色々と試行錯誤して作った――を量産して設置し、まずは体の清潔さを保つように指示して全員をぶち込んだ。

 

 取り敢えずの応急処置程度ではあったもののそれで大分解消されはした。が、一部の子供たちは面倒くさいのかサボってしまうのでこうしてとっ捕まえて風呂場に連行するのだが。

 

――全く、いつもいつも風呂には入れと口酸っぱく言っているのに……

 

 風呂場に連行し、全身を洗った後マッルゥ――連行した子供の名前だ――を開放し、愚痴を吐く。

 

「すっかり慣れたようですね」

 

 背後から声を掛けられ、振り向くとフラットウェルが笑みを浮かべて近づいてくる。

 

「――申し訳ない。最初の頃、あなた方を怪しい商人だと勘違いしてあのような対応をしてしまった」

 

――いえ、あれは私の話し方もその後の交渉も下手くそだったが故の仕方ないことでしたから。

 

「……貴方には感謝してもしきれないくらいだ。農園だけでなく、あのような場所まで作ってくれたそれで当初の予定より長くここに留まらせてしまった。」

 

――潔癖症なだけです。それにこちらも感謝だってしてます。ほら――

 

 と指をさした。そこには顔を赤らめているラミーに笑顔で話している女性の姿。他にもちらほらと鼻の下を伸ばしたり中には手を繋いでいるドーザーの面々。

 

――おかげで部下に春が来た。

 

「……そう言うことにしておこう」

 

――1週間後、私はRaDに戻ります。部下たちはもう少し此処の整備と防衛に留まらせておきます。

 

 先日、拠点に帰った時にカーラから伝えられた。

 

「ノヴァテックと共同で作成したレポートで2社が協力することを合意した。現地の私兵部隊が集合して顔合わせをすることになる。アンタも出席しな」

 

 日時までまだ余裕があるとはいえ、色々と準備しなければならないこともある。早いうちに帰還した方がいいだろう。

 

「そうか…企業からの襲撃は無くなるという事か」

 

――ええ、後は惑星封鎖機構だけですが、企業の相手をしている以上こちらに来ることはそうそうない筈です。襲撃があったとしても、戦力は大したことないでしょうし、そうなった時の為にもあなた方のACもメンテナンスしましたから

 

「何から何まで申し訳ない」

 

――お礼でしたら現金で構いませんよ

 

「フッ、金がほぼ価値を持たないのは知っているでしょう」

 

――だからこそです。では、私は調理場の監視をしてきます。

 

 そう別れを告げて厨房に向かった。つまみ食いする連中の阻止をする為に。お替りする量はあるだろうに全く。

 ちなみに重要指名手配犯はマッルゥとドルマヤンだ。アンタ仮にもリーダーでしょうに何してるんですか。

*1
ちょくちょくRaDの拠点にはローテーションで帰っている




 色々と指が暴走してしまった感は否めない。でも止められないの♡

 次から企業連の集合に入ります。ストーリーも折り返し地点ぐらいですかね? 621とごすも登場させなきゃ……


 ルビコンの金はほぼデフレの最底辺にいる状態です。政府もクソもない状況じゃあね……信用がないのでほぼ取引ができません。
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