ごみ拾いしながらコーラル漬けの飼い犬と飼い主を救おうとするお話 作:一般通過コーラル漬けルビコニアン
あと一つ注意。ACの動きか? これが……みたいな戦闘になります。
合同基地、シミュレーション室。俺はシミュレーション内で621と対峙していた。
新しいアセンブルを試すと同時に前回の黒星を帳消しにするべく、ウォルターと621に頼んで再戦をしてもらった。
フロイトが必死に手を上げて立候補していた気がするが知らなかったし見えてもいなかった。スネイル、お前仮にも自分の上司なんだから諫めるくらいしろ。あ、モニターの方に行きやがった。
『聞こえるか!? これよりレッドガン特別訓練を掛けた、ファイヤーワークス対621のリベンジマッチを行う。存分に遊ぶがいい!!』
その声と共にカウントダウンが始まった。
―621、新しい構成ですが恐らく今までと同じ戦闘になるかと。気を付けてください
0の合図と同時に地面を蹴り、急接近。今までと違う速度で流れる景色、急激に近くなる相手との距離。
直線でくることを予測した621がグレネードで迎え撃つ。クイックブーストで強引に横に逸れ、そこにもショットガン。それを甘んじて受け止め、ゼロ距離でグレネード、ショットガンを接射。避ける間もなく全てを受け、621の機体が若干傾いたところに更に蹴り。しかし蹴りは空を切り、彼女はその爪先すれすれまで引いていた。
こちらも何か受ける前に撤退。お互い前回同様距離をじりじりと詰める展開になってしまった。
―――やっぱキツイなぁ……
ちょくちょく模擬戦をするたびにこちらの技術を吸収して更に自分でアレンジしてくる。全く、愉しいものだ。
ただ、いくら俺と彼女の戦略が一緒だとはいえ、脚部パーツの差はどうしようもない……勝ち筋は既に見えている。
オートで行っていた跳躍を手動に切り替え、真上―――より少し前にジャンプ。
―!? レイヴン!? 一体―――?
シミュレーション空間は何もない上下左右四角い箱。それを使うまでだ。
ブースターを使い反転、
『――びっくりした。けど、対応できない訳じゃ――――――――』
せずにその向こうの地面に着地。バックステップで621の上空を跳び、半回転。彼女と丁度上下で向かい合う形に。
―621、上です―――――
パイルバンカーを起動。頭部からコアまで鋼の杭が貫いた―――瞬間現実に戻った。
「お疲れさん。見事なもんだったよ」
―――まあ、あれだけデカい部屋とかならいけるかもですが、これは現実じゃ使いたくないですね。機体への負荷がかかりすぎます。
カーラからお褒めの言葉を頂いたものの、戦闘記録を見て思う。
滅茶苦茶な起動でやっているせいか脚部の関節とコックピットにかかるGとか考えたらあまり多用は出来なさそうだ。
まあ、そんな機会ないか。
「ケッ、ニンジャかよ……」
イグアス君、聞こえているからね? ニンジャという単語を六文銭以外から聞くとは思わなかったよ。
「終わったか? ならつぎは俺とシミュレーターに入れ。あの動きをもう一度してもらうぞ」
「いえ、此処は私が。あの動きを読み切って防ぎきって見せましょう」
ヤメロ対戦ガチ勢と受け専門の変態。俺の方に近寄るな。
――…………
「621、負けたが気にすることはない。今回は奴が一枚上手だっただけだ」
―621、動きは見えていました。次は勝ちましょう
621はこっちを見つめないで。怖いから。
「勝負はついたな!? お望み通り勝った方にG5との特別訓練をプレゼントしてやろう!!」
―――「は?」
俺とイグアスの声が重なった瞬間である。
多分ミシガン総長なら621には調整した訓練を受けさせるし、何なら罵倒とかもしないという安心感はあるけど、それでも作者はイグアスに流れ弾を受けてほしいんだ(歪んだ愛情)