ごみ拾いしながらコーラル漬けの飼い犬と飼い主を救おうとするお話   作:一般通過コーラル漬けルビコニアン

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1週間何も書かなかったってマ?















誠に申し訳御座いませんでした(土下座)


色物が意外な役目してるの、嫌いじゃないです

 目が覚めた。

 

 あたりを見回す。見慣れたコックピットではない。カーテンで仕切られたベッドの上、横には机とナースコール、そして点滴の袋が付いている棒。そして袋から伸びているチューブの先は俺の腕。

 

―目が覚めたようですね、レイヴン

 

 確か、シースパイダーを倒して、離脱しようとして―――

 

―あの後私が機体に残留したコーラルを利用してACをハッキング。そのまま基地まで戻りました。

 

 ……とりあえず誰か呼ぼう。そう思ってナースコールを押そうとした。が――――――――

 

 

「お・ま・た・せ♡ 定期健診の時間よ~♡」

 

―……

 

 

 背筋にぞわっとするというのはこういう事か。

 

 野太い男らしい声。しかし、わざとらしい女性口調がそれに見事なアクセントとして絶望的なまでの異様さを醸し出している。

 

「さーて、キュートな花火師ちゃーん♡ 調子はどうかし・ら?」

 

 俺のベッドを仕切っていたカーテンが開かれ、声の主が現れた。

 

 

 太い眉、厚い唇。そして角ばった顎には青髭。誰もが見ても男らしい男と評するであろうその顔に不釣り合いな細い身体つき。クネクネとしなを作るその腰つきになで肩、細いながらもしなやかな足。何もかもがミスマッチな男がそこにいた。

 

 そう――――オカマ、若しくはオネェである。

 

―流石のレイヴンでもその反応になりますか

 

 思わず上がりかけた悲鳴を抑え、口を開いた。

 

―――あ、あの

 

「やっだ~!! もう起きてたの~? んもぅ~ナースコールを押してくれればす~ぐに行ってあげたのに~! 恥ずかしがり屋さんなのねぇ~? 抱きしめたくなっちゃ~う♡」

 

 ガバリと開く男の体、次の瞬間感じたぬくもりとほほにじょりじょりとした感触。

 

 誰が悲鳴を我慢できるだろうか。目が覚めたばかりとは思えないほどの悲鳴が部屋を超え、廊下内に響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ごめんなさいねぇ? 可愛かったからつい抱きしめちゃったわ」

 

―――い、いえ、こちらも突然悲鳴を上げて申し訳ありませんでした。

 

 

 一通り落ち着いた後、申し訳なさそうに謝る彼女? にそう返す。

 

「あらいけない、自己紹介してなかったわ、アタクシ、ノヴァテック社のゾディアック部隊の一つ、蛇使い座(オフィウクス)の隊長、ラス・アル・ハワーよ。親しみを込めてラスちゃんと呼んでね?」

 

 バチコン☆ と擬音が出そうな力強いウインクをスルーして質問した。

 

―――あの、俺確か―――――

 

「そうね、あのキュートな蜘蛛ちゃんのプレゼントで寝ていたわ。因みにその日から凡そ5日間寝てたわ」

 

 質問の答えとその先まで読んでいたのか、そう言った彼女? は続けて言った。

 

「ついでにそのままアナタの状態についても言うわね、致死量レベルのコーラルを浴びたアナタは基地に帰還した後緊急で手術室に搬送されたわ。時間があまり経っていなかったから殆どが除染されたし、後遺症もあまりないと思うけど、どうかしら?」

 

―突飛な容姿をしていますが、技術は確かなものでした。しかし意識の拡張自体はそのままになっているので私の声が聞こえる筈ですが…

 

 カルテを俺に見せながらそう尋ねられた。

 

―――い、いえ。特にありません。

 

―フーム…今はまだ混乱しているようですし、大人しくしておきましょう

 

「ならよかったわ。まだ本調子ではないみたいだし、しばらくは安静よ?」

 

 ちゃーんといい子で待っているのよ? と言って彼女? は部屋を出た。投げキッスと一緒に。黙って俺は避けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「如何だい彼の様子は?」

 

「あら来てたの?」

 

「あんなに大きな声が聞こえたからね」

 

「安心して頂戴。貴女の想い人には手を出さないわ」

 

「……それは心配してないさ。それより…」

 

「ええ、残留コーラルの事よね?」

 

「それも安心して、『何も』残ってなかったわ」

 

「何も?」

 

「ええ」

 

「そんな顔をするのも分かるわ。ふつうは多少なりとも残っているもの。それに…」

 

「それに?」

 

「脳のスキャンをしてみたら一般的な人のシナプスよりも拡張されてたわ。恐らく、コーラルが入り込んだ結果ね」

 

「…本来ならば脳が損傷してもおかしくないわ。」

 

「幸運だった。としか言いようがないな」

 

「それで済む話じゃないのよ。」

 

「彼、第十世代の強化手術に、元の年齢を推測するに大幅な年齢操作もした跡があるわ」

 

「…何だって? なんでわかったんだ」

 

「抱きしめた時の感触、後はアタシの勘よ。残念ね、貴女の好みじゃなくなったわ」

 

「それは些細な問題だよ。そんなことじゃなくて」

 

「ええ…本来ならば何処か歪になっている。だというのに彼は普段通りの様子…あれが普段通りよね?」

 

「ああ」

 

「…尋常じゃない精神性ね。流石は『英雄』といったところかしら?」

「とりあえず、しばらくは経過観察ね。貴女もお見舞いに行ってあげなさい。ついでに『彼女達』にも負けられないくらいに距離を詰めるチャンスよ?」

 

「そうするよ」

 

「頑張りなさいね? 折角応援してるんだもの、チャンスは作ってあげるわ」




 おまけ:蛇使い座隊について

 ACを主としない救助部隊。主に被災地の医療、食糧支援、救難を主にしている。ACを使うには使うもののその用途は主に左記のとおりである。





















 裏の顔はゾディアック部隊隊長他本社と軍事部門の幹部、そしてゾディアック総隊隊長であるレオーネしか知らない隠密部隊。表向きの部隊共にトップはラス・アル・ハワーである。
 裏の隊員の詳細はレオーネと本社および軍事部門の幹部しか知らない。使うACはステルス機能及び暗号通信、そして高度なコンピュータを備え、武装面においても火薬を使わないレールガンによる長距離射撃、搭乗者ごと対象を排除する為の近接と隠密を主体とした装備している。(隠密なのにレールガン? とは思ってはいけない)
 なお死者が出たとしても後任が前任者の『全て』を継ぐため、死者は『いない』。


 ついでのついで:本文の文字数は1919である。だからなんだ()
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