IS―狂い損ねた少年の罪と罰   作:東流

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今回はほぼ戦闘回です。
マドカたちのISもでます。やっぱり戦闘シーンを書くのは難しく、ちょっと物足りないとか思うかもしれません。

それでも楽しんで読んでもらえたら嬉しいです。

それではどうぞ


第2話③

時間は飛んで、クラス対抗戦当日。

 

「……ふぁわぁ…」

 

春人は屋上にいた。周りには誰もおらず、春人一人でベンチに座っており、遠くから聞こえてくる歓声を屋上で聞いていた。

 

「クラス対抗戦か…確か…織斑兄の相手は中国の子、だったかな」

 

中国の子…とは以前食堂で会って以来、それっきりの相手である。恋が脅かしたせいか、恋を見るたびにビクビクと震えている。トラウマ植え付けてどうすんの?恋。

まぁ僕も人の事は言えないけど…

 

「見に行かないのか?主人」

 

春人の後ろに突如現れたのは、春人のISである天照だ。ここには誰もいないので、天照が周りを気にせず出てくることが出来る。

 

「…見に行っても一緒かな。結果なんてどうでもいいし、それに、簪が見に行っているから後で聞けるしね」

 

「先程まで寝ていたが…いつものメンバーはどうした?試合を見に行っているのか?」

 

「マドカと愛紗は整備室でISの調整中、恋は…多分どこかで寝てるんじゃないかな?」

 

春人は背伸びをしながら答える。天照はフム、と考え込むと、

 

「今更だが、自由だな…絶対見に行かないといけない…ということは無いのか?」

 

「観戦しても、しなくてもどっちでもいいっぽいね…まぁ自由に観戦していいんじゃないの」

 

春人が答えると、自分のポケットから携帯の着信音が聞こえてきた。かけてきたのは玲衣さんだ。春人は携帯を取りだし、電話に出る。

 

「…もしもし玲衣さん。どうしたんですか?」

 

『あぁ~春人…先日こっちに送ってきたISだが、あと数日後にはそちらに送れそうだ~』

 

「本当ですか?」

 

『あぁ~今回は久しぶりのIS作成で、気合が入ってな~朱里とユキにも少し手伝わせた~』

 

「……はい?」

 

『うんじゃあ伝えたぞ~』

 

「えっ?ちょっ、まっ、玲衣さん!?」

 

プツープツープツー

 

電話が切れた。どうやら簪のISは半ば完成したようで、もう少ししたら届くそうだ。だが、

 

「…朱里とユキも携わっている…だと?」

 

彼女達のIS知識は特にぐんを抜いている。いわゆる頭がいいのだ、二人とも。

玲衣さん一人でも凄いというのに、あの二人も関わったら…考えるだけで恐ろしい。

 

「…物凄いのが届きそうだな…」

 

「まぁいいんじゃないか?喜んでくれると思うぞ」

 

「そうかな……、そうだね」

 

春人は取り合えずこれ以上は考えず、もう一眠りしようかな、そう思った時だった。

 

 

 

ドオオオオオオオン!!!!!!

 

 

 

耳をつんざくような音が聞こえてきた。どうやらアリーナの方からだ。

 

「なんだ?」

 

春人は慌てて立ち上がり、アリーナを見る。そのアリーナからはたくさんの悲鳴が聞こえてくる。なにやらトラブルが起こったらしい。取り合えず行ってみようと駆け出すが、こちらに二機、何かやって来る。

黒い物体であり、ISにも見えた。

 

 

そしてそれはやって来る。

 

 

「…なんだよ…お前ら…」

 

春人の目の前には二機の黒いISがいた。見たことがない形で、アリーナのトラブルもこいつか?と思ってしまう。

 

「答えろ…何者だ?」

 

「………」

「………」

 

乗っている人物は答えない。いや…むしろ、人は乗っているのか?

 

『主人…ソイツらから生体反応を感じない…どうやら無人機みたいだな』

 

ISに戻った天照が答える。天照いわく、人は乗っていない…ということ。

 

「…無人機か…何でここにいるのかは知らないが、取り合えず迎撃しよう」

 

春人は天照を纏うと、ヴァリスを取り出す。

 

引き金は躊躇なく引かれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マドカ・愛紗side

 

アリーナの怒号はIS学園の殆どに響き渡っていた。勿論整備室にいた、二人にも聞こえていた。

 

「何の音だ?」

 

「わからない、取り合えず外に出よう」

 

マドカと愛紗はISを待機状態に戻し、外へ出る。

すると、アリーナの方角から煙が上がっていた。微かだが、悲鳴も聞こえる。

 

「アリーナの方角か…、何かあったのか?」

 

「どうやらただ事ではないようだな…まずは春人達と合流を―」

 

愛紗の言葉は二機のISのせいで掻き消された。

二機の黒いISはマドカと愛紗の元へ降りる。

 

「……なんだ…このISは…」

 

「…わからない…私も初めて見る」

 

すると、屋上の方から戦っている音が聞こえてきた。天照と目の前にいるISが空中で戦っていた。どうやらこの二機だけでは無そうだ。

 

「あれは、兄さん!?兄さんの方にも行っているのか?」

 

「だが、春人が戦っている以上…コイツらは敵だ。取り合えずある程度、ダメージを与えて―『愛紗!聞こえるか?』…春人!」

 

春人からオープンチャンネルでこちらに話しかけてきた。

 

『こっちからマドカと愛紗が見えた。ついでにその黒いISも』

 

「兄さん、コイツらは何者だ?」

 

オープンチャンネルなので、マドカにも春人の声は届いている。

 

『敵だ。アリーナを襲っているのと同種っぽい。中には人が乗っていない、コイツらは無人機だ!』

 

「「ッ!?」」

 

二人は同時に驚く。無人機などというものが、あったとは。

 

『だから、ある程度本気でかかっていいよ。でもコアはなるべく傷つけないようにね。調べると思うから』

 

それじゃあ、と言って春人は通信を切った。

 

「…無人機か…だったら、充分やれるな」

 

「ええ…取り合えず、機能を停止させよう」

 

二人はISを纏う。

 

その瞬間、戦いの合図は鳴った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

恋side

 

恋は今さっきまで、中庭にいたネコと遊んでいた。何故ネコがここにいるのかは謎だったが、ネコの相手は恋。深くは考えない。

だが、ネコはあるものに怯えて何処かに行ってしまった。

 

 

あるもの…それは、

 

 

恋の目の前にいる三機の黒いIS。この黒いISが来て丁度、春人からの連絡を受けていた恋。だから相手が無人機であることは知っていた。

 

 

だから何だ。

 

 

コイツらはせっかくの一時を邪魔してくれた。ネコは恋の好きな動物である。こっちに来てからはネコとふれ合っていなかったので、久しぶりにふれ合いを楽しんでいたら、この有り様だ。

恋は無人機だろうが、有人機だろうが知ったことではなかった。

 

 

取り合えず、壊す。取り合えず、潰す。

 

 

恋の頭にはそれしかなかった。

 

「…三機とも、全部スクラップ…」

 

恋はISを纏う。

 

今から起きるのは戦いでは無い、ただの殲滅である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

春人side

 

ヴァリスを放った瞬間、それと同時に空へと飛び立った。メインカメラである頭を狙ったが、どうやら外してしまったらしい。中々スピードがあるようだ。

春人が飛んだと同時に二機のIS…無人機も春人の方へ向かって飛び出した。無人機は何も武器のような物は持っていない…と思っていたのだが、

 

春人の横を極太の紫のビームが通り過ぎる。

 

幸い当たらなかったものも、今のを喰らえば流石に春人でも只じゃ済まない。

 

「ッ~!…また凄いビームだな」

 

春人はビームを避けながら上へ上へと上昇していく。春人の戦っている場所はアリーナでは無く、学園の真上だ。ここではあまり派手に戦えないし、学園側に被害が出ないとも限らない。

まぁこの変なISが襲ってきている時点で被害を被っているのだが…。

 

「ここなら丁度いいかな…」

 

春人は空中で静止し、ヴァリスを無人機に向けて打ち出した。

が、

 

ヴァリスから撃ち出された緑色の弾を難なく避ける無人機達。お返しとばかりに極太のビームのシャワーを浴びせられる。

 

「…おっと、この無人機やるな…」

 

春人はビームを器用に避けながら考える。明らかに今の弾道は無人機に当たるコースだった。だが、それを避けた。―まるで元々知っていたかのように。

 

『神速射撃』を撃てばまた話は違うのだが…

 

「…(見られてる…かな…これは。多分前の試合を何処からか見てた奴がいるな…)」

 

春人はビームのシャワーを抜け出すと、MVSを取りだし、接近戦に持ち込む。

無人機の攻撃を巧みに避けながら、自分の攻撃を加えるが、表面がゴム?みたいな装甲で、中々攻撃が通らない。

 

「(…厄介だな…さっさと倒したいけど、やっぱり…『今も』見られてる)」

 

春人は薄々感じていたのだ。自分が見られていることに。今は二つだが、学園にいるときは片方が消えて、新しい誰かがたまにこちらを見ているのに。学園で見られているのは悪意を感じないのだが、時々悪意?というより、嫉妬…みたいな視線を感じることがある。

まぁそれは今はいいだろう。

 

春人は剣で、足で、シールドを使って無人機の攻撃を上手く捌いている。

 

「(海の方から一つ、上から一つ。やっぱり見られてるよね)」

 

春人は幼少期の頃にたくさんの人体実験を経験してきており、その副作用か異常に感覚が研ぎ澄まされていた。人間が鍛えるにはまず不可能なレベルだ。もはや第六感と呼ぶのに相応しい。

 

若干『視線』を感じながらも気を緩めない春人。

 

目の前にはビームが迫っている。これを春人は慌てず、冷静に対処する。その対処法は…

 

 

 

「…取り合えず斬ろう」

 

 

 

春人はMVSを腰に刀をしまうような形をとる。いわゆる抜刀術の構えだ。

そして、瞬時加速と同時にMVSで斬り上げる。

 

ビームはそのまま斬り上げた方向と同じように別れていき、一つのビームはそれぞれ違う方向に飛んでいった。春人は斬った後の状態から更に瞬時加速をかける。

腰部のハーケンを撃ちだし、無人機の右足に撃ち込む。ハーケンはグサリと刺さり、春人一人を支えるには充分だった。春人は振り子の要領で無人機の下から一気に上へと飛び出した。

ハーケンを戻し、そのまま無人機へとドロップキックをおみまいしてやった。

そして、

 

「ウォォォォォアアァ!!」

 

MVSをもう一本取りだし、胴体と腕への関節部分へと刺し込む。

 

ギリギリと音はなり火花を散らす。

もう一機の無人機は春人へ向かって極太のビームを撃ち出そうとしていのだが、それに気づかない春人ではない。

パッと二本のMVSを離しバック転をしながらヴァリスを二個取りだし、照準をもう一機の掌と頭に合わせ、

『神速射撃』の要領で撃ち出す。

 

ドンッ!

 

響いたヴァリスの弾はそのまま無人機の掌と頭に命中した。横で、しかも空中で反転しながらの精密射撃だ。

メインカメラとして重要な頭は見事吹き飛び、掌はビームを撃ち出そうとしていた所に当たり、撃ち出す筈だったビームは無人機の腕の中で爆発した。

 

ヴァリスを素早く収納し、目線をMVSが刺さったままの無人機へと向ける。だいぶ下へ落ちたようだが、すぐに追い付く。

無人機は必死に体勢を整えようとしていたが、

 

「壊れろ」

 

春人はMVSを更に押し込み、両手がクロスするように一閃した。

腕は半分無くなり胴体も首の辺りから真っ二つに斬れている。胴体の方にはコアがあったので、それを鷲掴みし、おもいっきり取り出した。

すると、コアを取られた一機の無人機は機能を停止し下へ落ちていく。IS学園から結構離れた位置に来たので下へ落ちても海岸ぐらいなので被害は出ない…と思う。

もう一機の無人機は残った腕でビームを放っていたが、最早暴走しているのに変わりなかった。

春人はビームを斬っていき、無人機へ近づく。そして胴体から足へと延びている関節部分へ零距離からのヴァリスをおみまいした。ヴァリスの威力は織斑一夏達と戦っていた時よりも威力が上で両足は面白いように飛んでいった。

そのまま踵落としを頭の無い首にぶち込む。

追い撃ちと言わんばかりのヴァリスを撃ち込み、海岸へと激突した。

コアへの直接攻撃は避けていたので、多分大丈夫だろう。そう思いながら落ちた無人機の方へ降りていく。

 

「マドカ達は…心配ないか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マドカ・愛車side

 

通信を終え、ISを纏った二人は無人機を各自一体ずつ相手をしていた。

マドカのIS『サイレント・ゼルフィス』。

このISは遠距離タイプで、無人機は全身装甲でなおかつ近距離、遠距離での戦闘は問題ない。近づかれればマドカは不利になるのだが、

 

「貴様如き木偶人形が…私に近づけるとでも思ったか」

 

マドカはスターライトブレイカーを構え無人機向けて撃ち出す。無人機はそれを当然のように避ける。だが、マドカはあえて避けさせたのだ。何故なら、

 

「貫け」

 

マドカはあらかじめ、六機あるビットの二機を無人機の近くに配置させてあった。そしてマドカの合図と共にビットが火を吹く。

 

『……ッ!?』

 

予測不可能な場所から撃ち出されたビームは見事無人機へと当たるが、

 

「……チッ…流石全身装甲…中々の防御力じゃないか」

 

当たった場所から煙は出ているものも、無人機は悠然とした状態で立っていた。

 

だが、とマドカは区切り、

 

「そっちのほうが面白い」

 

マドカは残りの四機のビットを呼び出し、六機のビットとスターライトブレイカーで無人機を攻撃しだした。

 

 

 

 

 

 

一方の愛紗は、マドカと少し離れた位置に立っていた。IS『リンドヴルム』を纏って。

リンドヴルムは装甲が薄いが、攻撃力、機動力が高い。愛紗は愛刀である青龍偃月刀を右手に持ち構える。

そして、

 

「ハァァァァァァ!!!!」

 

背中にある4つのブースターで瞬時加速を行い、無人機へと近づく。

間合いに入った愛紗は青龍偃月刀を振りかざし、無人機へ降り下ろす。無人機はその攻撃を避けながらビームを放ってくる。

 

「甘い!!」

 

愛紗は青龍偃月刀を使ってビームを反らし、空へと打ち上げた。それと同時に左手でマシンガンを取りだし、照準を合わせ引き金を引く。

 

ダダダダダダダン!!!!

 

マシンガンの音が周囲に鳴り響く。無人機は全身装甲なのでたいしたダメージは与えていない。

 

「牽制出来ればそれでいい」

 

少しだが、無人機の動きを止めている。その間に愛紗は、

 

「来い、刀たちよ」

 

背中にあるブースターの一つから刀が六本現れる。刀は愛紗の周りで浮いている。そしてマシンガンをそのまま撃ちながら、青龍偃月刀で刀を器用に撃ち出す。

刀は真っ直ぐではなく、どれも違う方向から無人機向けてやって来る。愛紗もマシンガンを撃つのを止め、無人機へ突っ込んでいく。無人機は刀を避けながらビームを放つが、

 

「だから甘いと言っている」

 

ビームを難なく弾く。刀は愛紗に呼び戻せられ、再び周りを漂っている。

愛紗は避けれるビームは避け、弾けるビームは弾いて無人機に近づく。

刀は相変わらず周りを漂っているが、愛紗が青龍偃月刀で斬りつける度に刀も一緒に攻撃する。青龍偃月刀を巧みに操りながら刀も同時に操る。完全に愛紗のペースだ。

 

「六連六閃」

 

愛紗は刀を手で、足で青龍偃月刀を使って六連撃をおみまいする。

だが、無人機も反撃をしてくる。殴ったり、蹴ったりしてくるが、その度に愛紗は無人機の後ろへ回り込む。

 

「お前のような攻撃など当たらん」

 

愛紗は更に槍、戟、多刃といった武器を取りだし、青龍偃月刀抜きで周りに浮かぶ武器は20を越えている。

先程の六連撃で無人機のブースターを一機壊しているので、機動力は半減だ。元々図体がデカイぶん機動力はそこまで無い。

愛紗は青龍偃月刀で手で足で、武器を無人機に向けて撃ち出す。勿論、無人機はビームで対抗するが、愛紗にとってこの武器達は囮でしか無かった。

愛紗は武器を全て撃ち出した瞬間に無人機の下へと潜り込んでいた。そして、

 

「来い、武神」

 

愛紗の掛け声と共に青龍偃月刀が姿を変える。刃の部分は大きくなり、後ろにも武器がつく。まるで武器そのものと言ったような形だ。

それを無人機へ差し込む。下から急に攻撃された無人機はビームを撃っていないもう片方の手からビームを撃ち出そうとするが、

 

「咲き誇れ、刀幻鏡!!」

 

無人機の体から無数の剣や槍といったものが内側から現れる。無人機は串刺しの状態だ。

その攻撃でコアを貫いたのか、無人機は動きを止めた。幸い爆発はしなかった。整備室からすぐの所で戦っていたため校舎の方に被害は出ていないか心配はしたが、どうやら大丈夫のようだった。

 

 

 

 

 

マドカはビット、スターライトブレイカーを使って無人機を圧倒していた。ビットは次々と無人機に攻撃をしていく。あるビットはビームの刃をだして直接攻撃をしている。スターライトブレイカーを終い、小型のレーザーガトリングを取りだし、無人機向けて発射した。本来ビットで攻撃しているときは自分は動けなくなると言うが、マドカに至ってそれは無かった。これは空間把握能力が高ければビットを動かしながらも普通に自分はいつも通り動ける。これは訓練すれば身に付く力だ。

ビットで他方から攻撃されレーザーガトリングで更に追い撃ち、

まるで嵐の中にいるような感覚だ。

 

「どうした?この程度か木偶人形!!」

 

無人機も負けじとビームで応戦するが、なにぶん数が多い。しかも常に動きながらの攻撃だ。ビームを乱射するも当たらない、だが、

 

「周りへの被害も考えろよ?」

 

マドカは瞬時加速で近づくとレーザーガトリングを頭の至近距離からぶっ放した。

 

 

ドドドドドドドドン!!!!!!

 

 

小型ではあるがこの至近距離から放たれれば普通は耐えきれない。案の定頭は吹き飛んでいた。

マドカは小型レーザーガトリングからスターライトブレイカーに持ち替えそのまま顔を、無人機の頭を失った首へ向けてスターライトブレイカーの照準を合わせた。マドカのISサイレント・ゼルフィスは手数が多いが、決定打に欠ける。どうしても攻撃力が低いのだが、内部が見えているこの位置からは一発で仕留めることが出来る。

 

「Auf Wiedersehen―さようならだ。木偶人形」

 

マドカはスターライトブレイカーの引き金を引いた。見事無人機を貫き、コアを焼き壊した。そして、気づく。

 

「…あ!コア、壊した…どうしよう…」

 

無人機を見ながら呟くマドカだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

恋side

 

そこに立っている赤毛の少女は鬼か悪魔か…三対一といった状況がまるで意味を成さない。春人も二対一という状況で、戦って勝ちをした。したのだが、恋は違った…

 

 

最早戦いというのが起きていたのかどうかも怪しい。

 

 

三機いるうちの一機が恋に頭を掴み上げられていた。無人機は恋の腕をほどこうとするのだが、

 

 

グシャ!!

 

 

恋がそれよりも早く頭を潰した。もう片方には恋の主要武器である『方天画戟』が握られている。他の二機は…

 

 

各自バラバラになりスクラップとして地面に転がっていた。

 

 

二機がスクラップとなる前

 

恋は二重瞬時加速で無人機に近づき、その手に握られた方天画戟で一機目の左腕を斬り落とした。そしてそのまま二撃目を入れようと体を捻り、頭を吹き飛ばす。

簡単に言えば、無人機達は恋の動きについていけていない。

方天画戟を持っていないほうの手で、新たに武器を取り出す。二連槍『歪』。

そのまま持つことも、分けて持つことも出来る。その形は名前通りに歪な形をしている。その歪を腕を斬り落とされた無人機へと突き刺す。歪は二つに分けることが出来るので方天画戟を直し、両手で歪を持つと、そのまま中で二つに分けた。

勿論その攻撃で一機目の無人機の上半身と下半身が分かれた。そしてその場でジャンプし脳天から歪をぶち込んだ。

無人機はそのまま何も出来ず機能を停止する。

 

これを合図に残りの二機が動く。それ程まで恋の動きは早く、スムーズだった。

二機の無人機はビームを恋へ放つが、恋はそれを簡単に避ける。歪はさっきのに刺さったままなので、方天画戟を取りだし、手前の一機に投げつける。猛スピードで飛んでいく方天画戟に反応しきれない無人機は避けきれず、胴体の真ん中辺りに突き刺さる。

恋は方天画戟を投げたと同時に瞬時加速を行ったので突き刺さったと同時に無人機へ乗っかる。

そのまま方天画戟を掴み背負い投げの要領で地面へと投げ飛ばす。そして方天画戟で胴体を叩き潰す。

地面が陥没し、そのまま機能を停止した。

 

残った一機はビームを乱射してくるが、恋は避け、方天画戟で弾き、無人機へと近づく。

無人機も必死に飛び回るが、恋のスピードには到底及ばない。すぐに捕まり、頭を持たれ地面へと急降下していく。

 

 

ドンッ!!

 

 

頭が埋まるほど押し込められそのまま恋は無人機を持ち上げて頭を潰す。

 

 

これで最初の方に戻る。

 

 

頭を潰したと言っても機能が停止したわけではない。腕で恋を攻撃しようとするが、方天画戟を振るわれ両腕はバラバラになる。そのまま方天画戟を握っていない方の手で拳を握り首元から殴り付ける。

その攻撃で上半身がスクラップとなりその場に倒れる。

 

恋は辺りを見回すとISを解く。

恋の専用機『鬼神』。その名の通りまさに鬼神並みの動きで相手に殆ど何もさせず勝利した恋。春人からコアはなるべく壊さないでと言われていたが…

 

「……まぁ、いいかな」

 

恋は取り合えず無人機のコアが無事か壊れてるかを確認するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その光景をモニターで見ていた世界の何処かにいる天災。

 

「……ふーん……」

 

天災は少し不機嫌そうに春人達の戦いを見ていた。時おり男のほうがこちらをチラッと見てくるのだが、それはないよね~と思う天災。

 

「いっくんの方は…うんうん見事に倒したようだね♪」

 

別のモニターからは織斑一夏達が春人達の戦っていた無人機を倒していた。

 

「まぁ、実験段階だから別に壊されてもいいんだけど~なんかこうもあっさり倒されるとムカツクな~」

 

天災はパソコンを動かし、更に黒いIS―ゴーレムを調整しだす。

 

「データは取れたし、まぁいいかな」

 

天災は更に指の動きを早くし、ケラケラ笑う。

 

 

 

「だって最後はどうせ壊れるもん♪」

 

 

 

天災の声は誰にも聞こえず、届かず、その場に響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

もう一方から春人を見ていたのはクラス代表戦の時春人達を見ていた人物だ。

 

「こんな雑魚みたいなのに遅れをとる春人さんじゃないよ」

 

見ていたのは前、天道と呼ばれた人物と、

 

「アハハハハハ♪かっくいね~この人」

 

もう一人茶髪のツインテールの少女だった。

 

二人は天災が何かアクションかけてくると思い、天道達が所属している組織の上から命令されはるばるやって来たのだ。案の定天災は無人機をぶつけてくる、といった行動を移してきた。

 

「天災の方には興味ないけど、この人には興味でたかな~」

 

少女は映し出される映像をみながらニコニコとした表情で春人を見ていた。

 

「エイミも気に入った?」

 

天道はエイミと呼ばれる少女に顔を向ける。

 

「うん♪」

 

エイミは笑顔で言うと、

 

 

 

「だからこの人、私にちょうーだい♪」

 

 

 

ズダァン!!!!

 

 

 

爆音が辺りに鳴り響く。

 

天道は超高速で刀を降り下ろし、エイミはそれを盾でガードした。

 

「…エイミ、いくら君でもそれは許さない」

 

天道は笑顔を絶やさないものも、れっきとした殺意をエイミに向けていた。

エイミはこの殺意を何事もなく受け流していた。

 

「えー、いいじゃんいいじゃん。私にもちょうーだいよー」

 

駄々をこねるような感じでエイミは天道に喚く。

 

天道は刀をしまい、殺意を消す。そしてポンと、エイミの頭に手を置く。

 

「エイミにはエイミの獲物がいるからそれで我慢して…ね」

 

「…ぶー…ユウガのばかー」

 

先程のぶつかり合いは何だったのだ?と言うぐらいホワホワした空気が流れている。まるで兄妹のようだ。

 

「帰ろうか、そろそろ時間だし」

 

「……今日は一緒に寝てよね…」

 

「…うーん…考えとくよ…」

 

天道……ユウガと呼ばれた少年は苦笑いしながらエイミの言葉に答えた。

 

二人はその場から一瞬でいなくなり、虚空へ消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 




どうだったでしょうか?

やっぱり戦闘シーンムズい。まだまだ勉強しなければ…

春人がビームを斬るシーンがありましたが、あれは春人の身体能力と天照のスピードで出来たので、進みながら斬っていっていると考えてください。
↑ちょっと無理があったかなと思っています。作者がもうちょっと上手く説明出来ればいいのですが…

本当に戦闘シーンは難しく、春人と恋を書くのは比較的簡単だったんですが、マドカと愛紗の所を書くのが一番難しかったです。
戦闘シーンにおいては、ここをこうすればいい等のアドバイスがあったらよろしくお願いします。


ヒロインアンケートはまだまだ続きます。


それでは、また読んでくれると嬉しいです。

では_(..)_
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