ようこそ橋本正義の教室へ   作:ふわふわプリン

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ギャグ系二次創作始めました!
冷やし中華の季節は終わったので、これからは秋の美味しいものを食べていきましょう。
なお、かき氷は年中無休です。


1話

私は生まれた時から運が良かった。

 

 

誕生日は7月7日の七夕祭り。

生まれた時間は午前7時7分7秒というラッキーセブン。

 

 

妹はクリスマスに生まれ、弟は雛祭りに生まれた。

イベント日はそれはそれは盛大なパーティーが開かれ、大きなケーキを買って貰った。

 

 

そしてくじを引けば必ず当たりを引き、テストの選択問題は全問正解。

ここまではよくあるちょっと運の良い子って感じだけど、私の運の良さはこれだけじゃないよ。

 

 

毎年買っている年末ジャンボも私の名前で買えば必ず当たるし、海外旅行のツアー券だって毎年当選している。

雑誌の懸賞も欲しいものが必ず当たる。

 

 

私は幼い頃から欲しい物は何でも手に入れてきたし、毎日が幸せでいつも華やいでいた。

そしてそんな私にとある学校の受検が勧められたのだ。

 

 

「高度育成高等学校?」

 

 

「ええ、そうよ!」

 

 

担任の先生は全寮制の少し変わったこの学校を勧めてきた。

 

 

"東京都高度育成高等学校"

 

 

東京の埋立地にある日本政府が作り上げた、未来を支える人材を育成する全国屈指の名門校。

希望する進学、就職先にほぼ100%応える学校。


3年間外部との連絡は断たれる上、学校の敷地内から出るのは禁止された寮生活になるが、60万平米を超える敷地内は小さな街になっており、何1つ不自由なく過ごす事のできる楽園のような学校。

 

 

 

この学校は表向きに受験を行うそうだが、実際は推薦で選ばれた生徒が名ばかりに受験をし、入学する学校らしい。

だが、推薦枠以外にも入学方法がある。

 

 

それが一般枠での入学なのだとか。

そして私の運の良さを試す上で、この学校を私立高校の受験と併願して受けてみないか?との事だった。

 

 

「どう?受けてみない?」

 

 

「…面白そう。公立を受ける気は無かったけど、国立の、それも変わった学校かぁ。先生、私受けてみたいです。」

 

 

こうしてお遊び感覚で受験勉強がスタートした。

 

 

私は今まで勉強もこの生まれ持った強運で何とかして来た。

選択問題以外の問題の方が出題数が多いし、そっちをメインに勉強してきた。

 

 

だからか、過去問対策はバッチリだし、分からなくても適当に書いておけば当たったりする事もしばしば。

勉強面では問題無さそうだ。

 

 

まあ、落ちたとしても本命の私立高校に通えば良いだけだし、そこまでの不安は無い。

人生は気楽に楽しく生きた者が勝つのだから。

 

 

そして迎えた受験日。

交差点の信号に1回も引っかからず、私がバス停に着いたタイミングでバスが止まり、受験会場の正門も混む事無く、私は試験室に向かう事が出来た。

 

 

ちなみに今日の星座占い、蟹座は1位だし、ラッキーアイテムの天然水も鞄に入ってるし、ラッキーカラーは赤だけどこのウチ中学のブレザーが赤だから問題無し。

やっぱり私ってラッキーね。

 

 

試験自体は簡単で退屈なものだった。

面接も普通に話せたし、面接官の人も笑顔だったし問題ナッシング!

 

 

『最後に、福智院光さん。我が校に入学したらやりたい事はありますか?』

 

 

やりたい事は色々あるけど、まずは生徒会に入らないとね。

 

 

「生徒会に所属して、学校をより活気のあるものにしたいです。全校生徒を巻き込んだ楽しいイベントを行えたら良いなと思っています。」

 

 

『全校を巻き込んだイベントですか。具体的にどの様なイベントを行いたいですか?』

 

 

「具体的には…全校を巻き込んだクラス対抗鬼ごっこや、校舎全てを使ったリアル脱出ゲーム等をやりたいです。前者は生徒の体力向上を目指し、球技大会や体育祭の様な行事と同列、もしくは近しいものとして考えて下さい。後者は文化祭等の行事で、クラスや部活動の出し物以外に、全学年全クラスを巻き込んだ出し物が出来たらより一体感を感じられますし、最高の思い出になると思いました。」

 

 

『…なるほど。ありがとうございます。ではこれにて面接を終了します。右側の出口から退出してください。』

 

 

「ありがとうございました。」

 

 

そして受験から二週間後、私の元に合格通知が届いた。

家はお祭り騒ぎで、お寿司とパスタとサーモンパイとピザとカレーという炭水化物だらけのパーティーが始まったりした。

弟妹達も美味しそうに食べてたからまあ良しとしよう。

 

 

そして遂に入学式がやってきた。

荷物は鞄一つのみ、他の家具については既に寮に送ってある。

 

 

さあ行ってきます…ってあれ?

 

 

「ちょっと、何突っ立っているの?早く行かないと入学式間に合わないわよ?!」

 

 

今って何時…?

ええっと午前8時15分。

 

 

入学式は9時半から、8時半からホームルームだっけ…

やばい、遅刻します!入学早々遅刻ですよ!遅刻!

 

 

私は大慌てで学校に向かった。

入学初日から遅刻なんて変な目立ち方をしてしまうのでそれは避けたいところだ。

 

 

学校は家から徒歩10分なので、走れば6分くらいで着いてしまうほど近い。

私は必死に走り、約7分ほどで学校に到着した。

急いで昇降口に向かうとクラス表が貼り出されており、私のクラスはAクラスだった。

Aクラスは3階の廊下の突き当たり、一番奥にあるためかなり距離がある。

 

 

階段を走って上がるってまじ?

 

 

私は死ぬ気で鞄を背負って階段を駆け上がる。

息が切れそうになるが、休んでいる暇は無い。

上履きを抱え鞄を背負い、何とかAクラスに到着した。

 

 

バンッと勢いよく扉を開けると多くの生徒が私の方を振り向く。

私は教卓に貼られた席順の紙を確認し自分の席へと向かう。

私の席は廊下側の一番前で、授業中に落書きをしたり漫画を読む事は出来なさそうだ。

 

 

残念だなあ、ミステリーの新刊を買ったばかりなのに。

授業中に読まないでいつ読むのよ?

 

 

数分後担任らしき男性が教室内に入ってきた。

真面目そうな如何にも体育会系という見た目をした教師だ。

 

 

「Aクラスの生徒諸君。入学おめでとう。俺はAクラスの担任の真嶋智也だ。担当教科は国語だ。この見た目だから体育科の教師と間違われる事もあるが、君達は間違えないように今覚えてくれ。」

 

 

真面目さだけでなくユーモアもある良い教師だ。

今後の学校生活がとても楽しみだな。

 

 

「ホームルーム中は、この学校のシステムについて説明するので、しっかり聞くように。まず始めに、我が校ではクラス替えが無いため、3年間をこのメンバーで過ごす事になる。外部との連絡が絶たれるため、ストレスを感じる事もあるだろうが、学校の敷地内に街1つ分の娯楽施設が入っており、君達はその施設を利用する事が出来る。勿論、タダではない。」

 

 

そう言って真嶋は学生証と携帯電話を全員に配り始めた。

携帯の電源をオンにすると自分の名前と100000プライベートポイントと書かれた画面が表示される。

学生証には名前と顔写真、所属クラスが書かれており、これをかざす事で買い物や施設の利用ができるそうだ。

 

 

「このポイントは1ポイント=1円の価値を持ち、毎月1日に振り込まれる。この学校ではポイントで何でも買う事が出来るので、よく考えて計画的に使って欲しい。最後に、この学校は生徒を実力で測る。この10万ポイントは君達への正当な評価の表れだ。これからも期待に応えられる様、努力を続けて欲しい。」

 

 

説明を終えると入学式の時間を告げて職員室へ戻ってしまった。

どうやら今から職員会議が行われるらしい。

 

 

ポイントで何でも買えるという事は出席やテストの点数なんかも買えるのだろうか?

他にもクラス替えは出来ないと話していたが、気に入らない人がいればクラスを替える権利を買う事も出来るのではないだろうか。

 

 

それにしてもこの学校には監視カメラが多いな。

そんなに警備体制を敷いてまで生徒を心配してくれるなんて、感動して涙が出そうだ。

 

 

私はやる事もないので暇を持て余していた。

ぐるりとクラス内を見回すの見知った顔の男子生徒を見つけた。

彼は私と同じ中学校出身で、中2の時に同じクラスになった生徒である。

私は彼の方をじっと見つめていると数秒で目があった。

 

 

「久しぶりだね!橋本正義君。」

 

 

「え、ふ、福智院さん?この学校を受けてたのか?」

 

 

「まあね!家から近いし、この学校進学実績が良いから私学を受験したい私にとっては理想的な学校なんだよね。」

 

 

公立や国立の大学は私立の学校と比べて校舎が汚かったり古びていたりする。

しかし私立の学校は見える部分にお金を使ってくれるので、不快感を感じる事なく学校生活を送る事が出来る。

中には劣悪な校舎を使う私立校も存在するけど、名門と呼ばれる大学に進学すればそんな心配もない。

 

 

希望した大学に100%合格できるんだし、私が通いたい私立大学は難関と呼ばれる部類だからとっても有難い学校だよね。

受験を受けなくても合格できるなんて、素晴らしいよ!

 

 

「橋本君はどうしてこの学校へ?」

 

 

「それは、進路が保証されているからだな。やっぱり卒業後に安定した進学先があれば、落ち着くだろ。」

 

 

「確かにそうだね。私もその考えてこの学校を受験したよ。」

 

 

そういえば彼は中学時代体育委員会に所属していた。

クラスの中心人物として人気が高く、男女問わず友達の多い生徒だった。

 

 

「橋本君、今から自己紹介をした方が良いと思わない?」

 

 

「じ、自己紹介?」

 

 

「そうそう!折角同じクラスの仲間になったんだし、みんなの事を早く知って仲良くなりたいじゃない?友達は多い方が楽しいしね。」

 

 

「確かにそれは良い案だな。福智院さんが呼びかければみんな応えてくれるんじゃないか?」

 

 

橋本君は自己紹介を始めて欲しいみたいだし、光ちゃんが頑張っちゃうぞ!

 

 

「みんな聞いてー!」

 

 

私の言葉に全員が教卓の方を向く。

全員の視線を受けて少し恥ずかしさを感じるが、堂々と言い切ってみせる。

 

 

「あのね、橋本君が自己紹介をした方が良いんじゃないかって提案してくれたんだ!だから皆で仲良くなるためにも自己紹介をしない?」

 

 

「…は?」

 

 

橋本はなにか言いたそうに口をパクパクと動かしているが、私は気にしない。

細かい事は気にしない主義だ。

 

 

「橋本君の提案はこのクラスのリーダーに相応しいよね!私尊敬しちゃうな。」

 

 

困惑する橋本に私はニッコリと笑顔を返した。

 

 

「な、何言って「良いだろう。俺もこのクラスの皆と仲良くなりたいと思っていた。橋本、見かけによらず真面目な性格なんだな。」…お、おう。」

 

 

「私も賛成させていただきます。では橋本君からご挨拶をお願いします。」

 

 

橋本が否定をしようとした時、坊主頭の男子生徒と杖を持った女子生徒が橋本の提案に乗ると言い出した。

そして彼等と話していた生徒達も提案を受け入れ、橋本に注目が集まる。

 

 

「…えっと、俺は橋本正義だ。この学校では運動部に入ろうと思っているぜ。好きな科目は体育、趣味はカラオケとかスポーツだな。皆よろしくな。まあ、いくら大金を持っているからって、来月貰えるポイントが10万とは限らないし、気を付けて生活してこうぜ。宜しくな。」

 

 

なるほど…確かに来月10万ポイントが貰えるとは限らなよね。

橋本君やっぱり頭の回転が速いよね。

 

 

「確かにそうだよね!さっすが橋本君!やっぱり優秀だね!」

 

 

私は彼の考えを褒めたたえた。

そして数人の生徒が橋本の発言に感心したように頷き、彼を支持する態度を示した。

 

 

なんだか選挙みたいだね!

 

 

「…ほお?良い着眼点だな橋本。」

 

 

「そうか?ありがとな。」

 

 

坊主頭の生徒が橋本を褒め、杖を持った女子生徒も橋本に対して挑戦的な笑みを向けている。

 

 

「俺の名前は葛城康平だ。中学では生徒会の役員を勤めていた。この学校でも生徒会に所属し、学校生活をより活気のあるものにしたいと考えている。そして橋本の考えには賛成だ。ポイントを節約しろとは言わないが、真嶋先生が言っていたように計画的に使うようにするべきだと考えている。他にもポイントが我々に対する評価の現れであれば、評価が下がれば貰えるポイントも下がってしまう可能性がある。素行にも注意して生活した方が良いだろうな。」

 

 

坊主頭もこの学校や真嶋の説明に疑問を持っているようで、数人の生徒が彼の言葉を真剣に受け止めている。

今後彼がクラスの中心人物になるかもしれない。

 

 

「私は坂柳有栖と申します。見ての通り、私は身体が不自由なので体育や体育祭等の身体能力を使う行事や授業に参加する事が出来ません。御迷惑をかけてしまいます。しかし、私は頭脳には自信があります。ですから勉学等で不安のある方はいつでも質問してくださって構いませんよ。…そして、葛城君や橋本君の考えに私も賛同致します。この学校には監視カメラが多く、このカメラは生徒の素行を確認するためのものでしょう。評価を下げるにも証拠が必要ですからね。授業中の居眠りは勿論、校則違反やマナー違反にも注意した方が良いでしょう。橋本君や葛城君といったユーモラスな方と同じクラスになれたこと嬉しく思いますよ。」

 

 

坂柳も今後の生活に関する考えをクラスの生徒に共有し、数人の生徒から羨望の眼差しを受けている。

今後彼ら3人がAクラスを率いていく事になりそうだ。

 

 

そして順番に自己紹介が行われていく。

Aクラスは真面目な生徒が多く、委員会や生徒会に所属していた経験者が多い。

そして注意喚起についての思考も自分なりに出し、真面目なクラス作りを率先して行おうとしている。

優等生タイプが多いため、勉学の不安を抱えている生徒も少ない。

 

 

我ながら理想的なクラスに入れて嬉しいなぁ。

でもみんなの注意喚起のせいで授業中の落書きや読書が出来なくなってしまった。

出席を買って授業を休んだりしてまで授業をサボりたい訳じゃないし、当分は学校に通った方が良さそうだね。

 

 

それにしても橋本は葛城や坂柳の発言を真剣な顔で聞いていた。

しかし驚きや関心は一切表に出ていなかったので、この事実を知っていたのだろうか。

 

 

「次の方、自己紹介をお願いします。」

 

 

あ、私の番だ!

 

 

「はーい!私は福智院光です。変わった苗字だって言われる事が多いけど、みんな仲良くしてね。高校では生徒会に入って、全校生徒全員参加の鬼ごっことか、校舎全てを使ったリアル脱出ゲームなんかを作りたいなって思ってます。きっと最高の思い出になるよ!って事で、生徒会選挙がある場合は、この福智院光に清き1票をよろしくお願いします!葛城君、橋本派の人間として君と戦える事、光栄に思うよ。共に頑張ろうね!」

 

 

「ああ、橋本派の人間である福智院には負けん。共に切磋琢磨していこう。」

 

 

葛城と握手を交わし、友情を育む。

 

 

「なるほど、橋本派の所属でしたか。面白くなりそうですね。」

 

 

「ふふふ、坂柳さんであろうと橋本君は負けないよ。」

 

 

「…橋本派ってなんなんだよ?!え?」

 

 

強者達が睨み合う中、1人の男が情けない顔をしていた事は誰も知らない。

知ってはいけないのだ。

 

 

ただ学校生活を有利に過ごすために適切な人間を探そうと思っていただけなのに、何故か自分の苗字を使った派閥が出来上がり、その派閥の人間だと名乗る生徒が出てきた。

そして橋本その派閥のリーダーとなっていたのだが、身に覚えがない。

 

 

まさに ほん怖、世にも奇妙な物語である。




福智院光

所属    1年Aクラス

学籍番号  S01T004563

誕生日   7月7日

【学力】   B+
【知力】   B
【判断能力】 A+
【身体能力】 B
【協調性】  C+

【面接官からのコメント】

一般試験で優秀な成績を収めており、面接試験での発言も未来を見据えた素晴らしいものだった。
コミュニケーション能力や判断力に優れており、筆記試験では選択問題を全問正解しており、成績上位者である。
中学時代は一時的に生徒会の監査を務めており、責任感のある生徒だ。
欠点も無いためAクラス配属とする。

【担任からの一言】

友人が多くコミュニケーション能力に優れた生徒です。
しかし、たまに人の話を聞かずに突っ走ってしまう事があるので落ち着きを持って学校生活を行って欲しいと思います。
また本校でやりたい活動ができるよう、生徒会に所属して実現に向けて頑張って欲しいと思います。


追記→橋本正義と同じ中学出身である。
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