ようこそ橋本正義の教室へ 作:ふわふわプリン
橋本と主人公、そしてAクラスの生徒の反応をお楽しみください。
この作品はギャグ要素が強めなので、詳しい原作内容は省かれていることが多いです。
入学してから約一月が経過した。
橋本派の主要メンバーは、司城大河や神室真澄、石田優介、西春香が挙げられ、特に私は西春香と仲が良かった。
何故か橋本が派閥入りを拒んだりもしたが、私がちゃんと取り持って(丸め込んで)あげたので無事派閥入りが認められた。
神室真澄については、買い物中の橋本が「おかしい」と発言したタイミングで、彼女が鞄に商品を入れようとしたため、万引きに気付き派閥入りを強要したのである。
流石は橋本、鋭い観察眼をを持っているようだ。
その間に生徒会に所属する為に挨拶へ向かったが、生徒会入りは断られた。
風の噂でBクラスの一之瀬帆波と我がクラスの葛城康平も生徒会入りを希望したが断られ続けたと、噂で聞いた。
入学式当日。
「生徒会に入れてください!」
「まだ時期が早い。」
入学式の翌日。
「生徒会に入れてください!」
「断る。」
入学式から2日後。
「生徒会に入れてください!土下座します!」
「プライドを簡単に捨ててはならん。そして生徒会に今所属させる事は出来ない。」
「そんなぁ!いけずう!」
「…何を言っても無駄だ。」
しかし、私はめげない!しょげない!挫けない!
その後めげずに21回生徒会入りをお願いしたが、頑なに拒まれ続けた。
しかし、私の友人達は生徒会の役員に見る目がないと文句を言い、私の努力を褒めたたえてくれる。
みんな良き友人だ。
他にもボードゲーム部に入ってポイントを稼いだりした。
運要素が絡むポーカーやブラックジャックで荒稼ぎをし、今のプライベートポイントは300万を超えている。
つまり私は1年生の中ではお金持ちの部類に入るのである。
教室に向かうと多くの生徒がポイントや返ってくる小テストの点数について話していた。
「…そういえば橋本君、小テストが今日返って来るらしいけどどう?選択問題だったし、簡単だったよね!」
「…まあまあかな?そういう福智院さんはどうだったんだ?」
「選択問題は全問正解だから、全教科8割は超えているんじゃないかな。」
数学や国語、英語には記述問題も含まれていたが、社会科や理科は2問を除いて全て選択問題だった。
私にとって選択問題とは解けて当たり前のもの。
問題文の意味が分からなくとも、選択問題とは答えが限られているため、問題用紙の選択肢を見れば答えが分かってしまうのである。
というか適当に書いても当たる。
私ってば運が良すぎて困っちゃう〜!
しばらくすると真嶋が大きな紙束を持ってやって来た。
おそらく返却予定の解答用紙だろう。
しかしそれとは別に大きなポスターを腕に抱えており、何かを黒板に貼り付けていく。
「ではホームルームを始める。今日は先月行った小テストの返却を行う。名前を呼ばれた者から順に解答用紙を取りに来て欲しい。では──」
一人ずつ席順に名前が呼ばれ、私も解答用紙を取りに行く。
選択問題は全て満点だが、各科目の記述問題に誤答がある。
寮に戻ったら復習をする必要があるな。
「さて、今回Aクラスの平均点は各科目8割を超えており、素晴らしい高成績を残してくれた。この調子で3週間後の中間テストも励んで欲しい。我が校では平均点の半分以下を赤点と定められており、今回Aクラスから赤点者は出ていない。赤点を取った者は即刻退学となるので、油断せずに勉強に励んで欲しい。俺は君達全員が中間テストを乗り越えられると信じている。」
Aクラスの生徒は優等生が多いため、平均点が高い事も赤点者が出ていない事も驚きはしない。
だが、最後の「中間テストを乗り越えられると信じている」という発言は教師が使うには不適切な言葉だ。
教師とは夢を見せれば良いという職業ではなく、現実を教え導くことも求められる職業だ。
であれば、真嶋の発言はなにか根拠があると考えるのが自然。
テストを乗り越えられる方法が存在するって事だよね?
この学校は実力主義を掲げており、卒業時にAクラスだった生徒のみ希望した進路が保証され、それ以外の生徒の進路は保証されていない。
そして定期テストで赤点を1教科でもとった場合、即退学が言い渡されるらしい。
さらに毎月支給されるポイントは、クラスポイントを100倍した額であり、このクラスポイントが他クラスのポイントを越えるとクラス替えが発生し、全クラスがAクラスを掛けて競い合うそうだ。
勿論、Aクラスになれなかったからといって進路を諦める必要はなく、一般受験や就職試験、推薦等を経て進学や就職をする事も出来る。
勿論一般試験を受けたとしても、私の運の良さがあれば問題無いが、無駄な事に労力を割くのは時間の無駄だ。
そんな事があればゲームをしたり、漫画を読んだり、カカオ豆からチョコレートを作った方が有意義である。
やっぱり私は楽して進学したいなぁ。
その日の昼休み、橋本や神室、西、司城と共に学食に向かった。
神室は豚のしょうが焼き定食、西は3色そぼろ丼、司城はチキンカツ定食を頼む。
橋本と私は迷っていた。
「うーん、どれにしようかな!」
カツ丼、カツカレー、ボロネーゼ、グラタン、全部美味しそうで迷ってしまう。
司城達は先にメニューを決めて渡し口の方で待っているが、私はどれを選ぶべきか悩んでいた。
橋本の方を見やると一点を凝視していた。
視線の先を追うとそこには山菜定食のボタンがあった。
どうやら橋本は無料の山菜定食に興味を持っているらしい。
ポイントが無くなった生徒への救済措置なのだろう。
メニューを見ると、山菜の天ぷら、ライス、汁物、漬物と彩り豊かな美味しそうな内容だった。
なるほど、橋本は今から節約して備えようとしているのかもしれない。
しかし、山菜定食を食べている生徒は馬鹿にされていたり、蔑まれており、侮蔑の対象に入ってしまう可能性がある。
だからこそ食べても良いのか悩んでいるのかもしれない。
私はそんな彼の背中を押してあげる事にした。
山菜定食のボタンを押し出てきた整理券を彼に渡す。
「はい、山菜定食で良かったよね?橋本君が節約家なんてちょっとびっくりしたけど、運動部だし健康に気を遣ってるのかな?プロ意識も高いなんて凄いよ!」
「…は?」
ポカンとした顔で私の顔を凝視していたが、私は気にせずカツ丼を選択した。
節約は大事だが、食べたい物を食べる事も大切だ。
そして何より私はお肉が好きだ。
「…え、これ、俺が食べるの?」
「当たり前でしょ?橋本君が素晴らしい人だって分かってとっても嬉しいよ。ほら、はやくおばちゃんにこれ渡さないと。あ、私が出してくるよ!みんなのところで待っててね!」
「…は?なんで、俺が…」
「大丈夫、ちゃんと山菜定食を持っていくからね!待っててね。」
橋本は山菜定食なんて見ていないし、山菜定食の上にあるステーキ丼とハンバーグ定食のどちらを食べるか考えていただけなのである。
それを何故か山菜定食が食べたいのだと勘違いされ、食べたくもない山菜定食を食べる羽目になってしまった。
橋本正義は哀れな男である。
私は彼の返事を聞かずに食堂のおばちゃんに元に向かい、整理券を渡す。
出来上がるまで渡し口の近くで待ち、山菜定食とカツ丼を持って彼等が待つテーブルに向かった。
「みんなお待たせ!はい、無料の山菜定食だよ!」
「…本当に俺が食うのかよ。」
「…ん?何か言ったかな?」
「いや、だから…もういいや。なんでもねぇよ。」
橋本の前に山菜定食を置き、わたしも彼の隣に腰掛ける。
手を合わせて食前の挨拶を済ませ、美味しそうなカツ丼を頬張る。
橋本が訝しげな顔でたまに私のカツ丼を見るが、おそらく健康面を心配しているのだろう。
こんなに聖人として完成してる人間が世界中に何人いるのだろうか。
少なくともこの学校ではなかなかお目にかかれないレベルの人種だろう。
「橋本君って優しいね!大丈夫、健康面はちゃんと考えて食べるからさ。」
「は?誰もそんな事言ってないけど…」
照れているのか、思ってもいない言葉で誤魔化してきたので、これ以上この話をするのはやめておこう。
サクサクな衣に包まれたお肉は柔らかくてジューシーで、口の中で甘みが広がる。
美味しくて箸が進む。
「…あー、意外と美味いな。」
橋本はどこか疲れた表情で天ぷらを食べる。
「それ、無料の山菜定食だろ?橋本は節約家なんだな。」
「…確かに意外ね。アンタの趣味はどれもお金を使うものばかり。食費には気を遣っているの?」
司城と神室が意外そうな顔で山菜定食を見ながら疑問を投げる。
「え、いや、これは福智「橋本君、節約のためだけじゃなくて、運動部だし食事バランスにもを気を遣ってるんだって!プロ意識も高くて慎重なリーダーなんて、Aクラスにピッタリだよね!」…もう、それでいいや。」
私が橋本の素晴らしさを語れば派閥のみんなも力強く頷き賛同を示してくれた。
団結力もあるなんて、橋本の人望の厚さには畏れ入る。
「…確かに橋本君は真面目な生徒が多いAクラスのリーダーに最もふさわしいかもね。」
「流石は橋本だな。お前について行くと決めて良かったよ。」
西、司城と橋本を褒め称え、派閥の結束がより強まった気がした。
「…慎重なんじゃなくて、面倒な性格のだけでしょ。」
「…いや、そう言われるくらいなら慎重だって言ってくれよ。」
神室の発言には刺があるが、橋本の警戒心の強さには経緯を示しているのか、橋本の軽口を聞いて以降何も反論する事は無かった。
「そういえば、中間テストの勉強だけどみんな具体的に何をするか決めた?」
私は優秀なAクラスの生徒がどのような勉強方法で試験勉強をするのか気になり尋ねる事にした。
「俺はワークの復習を行うつもりだ。テストに出る問題の大半は、授業で学んだ事の応用だからな。」
「私も司城と同じ方法ね。」
神室と司城は問題集を繰り返し解き直す事で理解を深めて学習するらしい。
「私はワークの復習もするけど、出来なかったところをピックアップしてそこを重点的に覚えようと思ってるよ。」
西は苦手な問題や覚えられなかったワードを選別し、解き直したり暗記をする事に重きを置き、苦手を克服する事に時間を費やすそうだ。
「なるほどね。ちなみに私も勉強は得意じゃないから、ワークを解き直す派かな。橋本君は?」
橋本派面倒臭そうにしながらも、画期的な方法を教えてくれた。
「…まあ、それも良い方法だとは思うぜ?でも真面目に勉強したところで、どんな問題が出されるかは分からない。なら…傾向を把握した方が良いだろ?」
「…そっか!過去問だね!過去問を使えば、過去にどの先生がどんな問題を出したのか傾向を把握出来る!」
「え、過去問?俺が言いたいのは、各教科の先生方の特製プリントを「さすが橋本君!!天才だよ!その発想は無かったな。真面目なAクラスの生徒には思いつきにくい、単純明快で素晴らしい発想だよ!」…そんな事、考えてねぇのに。」
何かブツブツ呟いているが、やはりストレスが溜まっているのだろう。
中間テストが終わったら打ち上げにカラオケにでも連れて行ってあげようかな。
「…流石橋本だな。その発想は無かった。」
「過去問、ね。橋本は先生の中間テストに対する発言からここまで読んでいたのね。」
「流石は橋本君だね。その考え、すごく良いと思うよ。」
司城、神室、西の順に橋本に感心し、この派閥に入って良かったと思っているみたいだ。
橋本の考えはやはりリーダーに相応しいレベルだと再確認出来た。
やはりこの学校で勝ち抜くには橋本正義の考えや洞察力は必要だ。
橋本はさらに疲れたような顔をしているが、頭を回転させた副作用なのかもしれない。
今度大量の板チョコをプレゼントしよう。
そして体調面を考えて全てハイカカオのチョコレートにしておこう。
疲れた時は甘いものだよね!
その後食事を終えて教室に戻り午後の授業を受けた。
その日の放課後、私は各科目の先生方に3年間分の過去問を無料で譲り受け、それらをPDFにしてクラスのグループチャットに貼り付けた。
そしてこの過去問は全て同じ問題であり、毎年同じ問題が出されている事が分かった。
そしてこの考えはまだ仮設の段階なので、さらに前の過去問を貰えるだけ貰い、過去5年間分の過去問を比較した結果、歴史の分野で新たに発覚した事実を除き、全て同じ問題である事はほぼ確定した。
これらの情報をクラスに共有したことで、橋本派の支持率は上昇し、橋本の有能さをAクラス内に見せつける事が出来た。
「…過去問か。その考えは無かった。やはり、橋本は油断出来ない相手だな。」
(…過去問の事を隠し、派閥の生徒だけが高得点を取れば良いのに、クラス全体に公表するとは。器が広いのか、それともこれは何かの罠なのか?)
「あらあら、過去問くらい思いついて当然では?」
(しかし、毎年同じ問題が出ているとは予想出来ませんでした。橋本君はこの事実に気付いていた可能性が高いですね。ふふふ、面白い余興相手になりそうです。)
葛城や坂柳は橋本を強敵と判断し、警戒を強める。
そして福智院は高笑いをしながら、橋本派の優秀さをひけらかしている。
「ふふふ、これからの時代は情報がものを言うのだよ!橋本君はなんでも知っているんだからね!」
「…いや、何も知らねぇよ。」
小声で橋本が本音を呟いていた事を知る者は1人としていない。
橋本は各教科の教師が作った専用プリントの傾向を把握する事が大事だと言おうとしたら、何故か福智院にテストの過去問を解くべきだと勘違いされただけなのである。
橋本はそんな考えを持っていないし、毎年同じ問題が出るなんて知らなかった。
そもそも動いてるのは全部福智院なのに、何故か自分の功績になっているのである。
その後、Aクラスは中間テストの平均点が全教科90点を超え、歴代最高のAクラスと呼ばれる事になるとは誰も思っていなかった。
Aクラスの1位は坂柳、2位は葛城、3位は石田となっており、各派閥のリーダーと幹部がベスト3を独占している。
しかし、続けて橋本派の司城、福智院と名前が続き、橋本も10位以内にランクインしており、橋本派の生徒全員がクラスの半分以内に位置している。
今回のAクラスの成績に貢献した過去問を見つけたのも橋本なので、橋本派に関心を持つ生徒が増えた。
橋本派には新たに西川亮子と吉田健太が派閥入りを果たし、戦力が上がった。
「橋本の慧眼や発送力に感服した。是非、橋本派の一員にして欲しい。」
「橋本君の実力は坂柳さんや葛城君には及ばないと思っていたけど、今回の試験への貢献は見事だったよ。橋本君を信じる事にするね。」
「わあ、ありがとう!派閥用のグループチャットに追加しておくね!」
私は2人をグループチャットに招待し、新たなメンバーについて簡単に紹介する。
その間橋本はため息をつきながら、表情とは正反対の可愛らしい挨拶スタンプをチャットに送った。
そしてこのギャップ萌えにクラスの女子生徒数人が恋に落ちたとか落ちてないとか。
勿論橋本はそんなことを知る由もなく、自分がリーダーをするという状況に苛立ちを覚えていた。
「…なんで俺がリーダーなんだよ。絶対におかしいだろ。そもそも、派閥の人員が増えて欲しいなんて思ってねぇのに。」
「ん?なんか言った?」
「…いや、何も言ってねぇけど。」
葛城や坂柳に睨まれ、他クラスの龍園や一之瀬にも一目置かれる存在へと化した橋本はまさに無敵状態に入っていた。
今後、橋本は一体どうやって試験を乗り越えていくのだろうか。
5月1日
Aクラス 1000 CP
Bクラス 570 CP
Cクラス 490 CP
Dクラス 0 CP
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6月1日
Aクラス 1100 CP
Bクラス 663 CP
Cクラス 564 CP
Dクラス 84 CP
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残金 628万6870プライベートポイント(6月1日)
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