転生した。
なにを言っているのかわからねーと思うが、おれも何をされたのかわからなかった…と言うのは冗談で普通に事故死して神様転生した。
転生特典としてチートを1つ選ばせてくれると言う事で、私は某放浪飯の主人公と同じ地球の食材やら調味料やらを買える能力を貰った。
元々趣味と実益を兼ねて料理人として働いていたのもあって、転生してからも料理である程度は稼げていた。
転生先は異世界らしく見た目が奇抜な種族も沢山居て、なかなか慣れる事はない。
転生して早1年、今日も屋台で料理を売る。
今日はおでんだ、年中冬景色の寒いこの世界では暖かい料理は良く売れる。
お客を捌きつつ料理をしていると、何やら辺りが騒がしくなってきた。
「おい、あれって……!?」
「なんでこんな所まで来てんだよ……!」
どうやら何かトラブルが発生したようだ。
様子を見に行きたいが仕事中なのでそういう訳にも行かないし……。
そうこうしている内にお客達を捌ききり、屋台には私1人になってしまった。
仕方がないので料理を続けてると、少し小柄な人物が屋台の前に並んだ。
「ホッホッホ。そこのアナタ、その料理を私にも頂けますか?」
………紫色の水晶球の様な頭部に黒い角、頭部を覆う白い骨格、特徴的な黄色い肩パットに紫のアーマー、ふよふよと浮かぶ1人用小型ポッド、そして何よりこの口調。
フリーザ様じゃん……
あるぇ……?ここってドラゴンボールの世界だったの…?
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珍しくザーボンさんとドドリアさんの両方が任務で居ない今日、私は1年前に支配下に置いた惑星に視察に来ていた。
何名かの下っ端戦闘員を引き連れ、年中冬景色のこの惑星へと降り立った。
気温がマイナスに届く程寒いが、美しさすら感じる一面の雪景色はなかなかに魅力的に思えた。
吐く息が白く染まるこの寒空の下、街中を軽く視察して回っていた私は不意に空腹を煽る様なとても美味しそうな香りに鼻をくすぐられた。
ふと香りの元を辿って見ると、小さな屋台でグツグツと何かが煮込まれていた。
そこで私は昼食がまだであった事を思い出し、空腹を煽るこの香りのする食べ物に強い興味が湧いた。
私の存在に気が付いたこの星の住民達が我先にと逃げ出して行くのを横目に、屋台の主に話し掛ける。
「ホッホッホ。そこのアナタ、その料理を私にも頂けますか?」
そう告げると店主は惚けた様な表情をすると、突然目を輝かせてこちらを見てくる。
「あの!フリーザ様…ですよね!お会い出来て光栄です!」
目を輝かせながら興奮した様に話す店主に、少し気分が良くなった。
「えと、ご注文でしたね、どちらにしますか?こちらの看板に品物が書いてあるので、お選びください。」
そう店主が指差す先を見ると、様々な品名が書いてある
正直私の知らない物が多い為、非常に悩ましい……
「ふむ……では、店主のおすすめを頂けましょうか」
そう告げると、店主は取り皿にサッサと煮込まれた食材を取り出すと私に差し出して来た。
「こちら、大根、ちくわ、はんぺん、煮卵になります。非常に熱いので火傷にご注意ください」
……煮卵は分かるが、大根とちくわとはんぺんとは何だろうか?
「では、まずは大根を頂きましょう」
そう言って店主から受け取ると、フォークで1口サイズに切り分ける。
大根からもわもわと真っ白な湯気が立ち上り、その熱さを表している。
ふーっ、ふーっ、と息を吹きかけて冷ましながら、その香りを楽しむ。
フォークに刺した1口サイズの大根を口に運ぶ。
「あふっ、はふっはふっ……!」
しっかりと息を吹きかけ冷ましたにも関わらず、それでも火傷するのでは無いかと思うほど熱かった。
しかし、熱さに慣れると口の中に広がったのは強い旨味だった。
口の中でほろりと崩れる程良く煮込まれた大根が、噛む度に染み出してくる汁と出汁の風味が絶妙なハーモニーを奏でている。
この1口サイズの大根だけで十分満足出来る程の味わい深さを感じることが出来る。
煮卵、ちくわ、はんぺんと次々と食べていく。
どれもこれもとても美味であり、大根同様煮込む事でより深みを増した味わいを楽しむことが出来た。
特に煮卵のトロッとした黄身が舌の上で蕩けて消えていく感覚と濃厚な旨味がたまらなく美味しかった。
次に食べるのはちくわだ。
フォークで刺して口に運んで1口噛む。
出汁をたっぷり吸ったちくわのむにむにとした食感と柔らかさは歯ごたえは無いが噛む度に旨味が染み出してきて、煮卵とはまた違った味わいでこちらもとても美味しい。
続いてははんぺんだ。
雪のように真っ白な四角いふわふわとした不思議な物。
1口齧って見ると、その圧倒的な柔らかさにまず驚いた。
噛む必要が無いのだ。
舌で軽く押しただけで潰れてしまうほどに柔らかかった。
そしてたっぷりと染み出てくる出汁の旨味と、おそらくはこのはんぺん独特の美味さが非常に良くマッチしていた。
滑らかでスベスベとした舌触りは中々に癖になる物がある。
出された食材を全て食べ終え、ふと皿に残った出汁を見る。
食材に染み込んだ出汁の旨味は大変素晴らしい物だった……なら、これを飲んだらどれほど美味いのだろう…と。
私は皿に残った出汁を一口飲む。
その瞬間、口の中に広がる濃厚な旨味。
煮込まれる事で増したその出汁の味わいは格別であり、私の舌を蕩けさせるには十分な物だった。
正直、これ程の美味は初めてだった。
この美食に比べれば、我が軍で出される食事は家畜の餌なのでは無いかと思ってしまったほどに。
ふと店主の顔を見る。
キラキラと目を輝かせ、今か今かと感想を待っている姿は何処か子供じみていた。
私はある事が頭に浮かんだ。
「店主さん、実に美味でした…貴方は他にも料理は作れるのですか?」
そう聞くと、店主は照れながらも答えてくれた。
「ええ、作れますよ。元々料理が好きで、趣味と実益を兼ねて屋台を開いてましたので」
店主のその言葉に私の考えは固まった。
「店主さん、貴方…我が軍で料理長をしませんか?今なら幹部待遇で歓迎しますよ」
私がそういうと、店主は少し考え込んでから答えを出した。
「正直な所、何故私なのかと言う思いはありますが、フリーザ様直々のスカウトとあらば喜んでお受けします!」
私は店主のその言葉に満足すると、さっそく戦闘員達に指示を出す。
「貴方達!この方を私の料理人にします。彼の望む物を可能な限り与えなさい」
私がそう言うと、戦闘員達は歓声を上げながら店主を連れて宇宙船へ戻って行った。
予想外の拾い物に私は内心ほくそ笑んでいた。
今後彼の作る美食を毎日食べれると思うと、視察に向かう足取りが軽やかになった。
オリ主くんはフリーザ様推し
次は誰を書く?(惑星ベジータはまだ破壊されてないものとする)
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ギニュー隊長
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ジース
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バータ
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リクーム
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グルド
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ベジータ
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ナッパ
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ラディッツ
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ベジータ王
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ギネ&バーダック
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コルド大王
-
クウラ