インフィニット・ストラトス ISを使える彼は不良であり転生者だった 作:カムクライズル
八神はIS学園の寮に入り番号の書かれている部屋へと向う。
IS学園の寮は普通の寮であり特に高級という訳ではないが寮のかなり広くて大きいのがIS学園の寮である。
寮の扉を開けて入ってみてみると中からは女の匂いが鼻につく。
ここが男2人しかいない女子寮なので匂いが鼻につくのも当然である。
部屋番号の場所を知る為にロビーにいる女に話しかけた。
「ちょっといいかな。」
話しかけた女は肌は少し白く、髪は藍色のショートカットでとても凛々しいもの人である。
話しかけても驚く素振りはなく、無表情な様子であった。
本来IS学園は男子禁制の場所である為、男でIS学園で話しかけてくるのは珍しいので事であるのに全く動じない鉄のような女だ。
「なんですか?」
「この部屋番号の部屋ってどこか分かる?」
八神は織斑千冬から渡された部屋番号が書かれている鍵を女に見せた。
女は少し考えてからポーチの中に入れていたプリントを出した。
そのプリントには寮の中の構造がすべて記載されてあるため、当然部屋番号もしっかりと記載されていた。
「ここになっていますね。」
プリントの部屋番号が記載されている所を指さしている。
部屋番号も一致している事からここに間違いはないのだが、女は何か納得できない顔をしていた。
「何かおかしいのか?」
「はい・・・・この部屋のエリアは2年生達のエリアなんです。」
「2年生?」
女が持っているプリントに八神は顔を近づけて凝視する。
女は顔を近づけられたせいでびっくりし目を大きく開かせていた。
八神はこれを無意識してやっている、女を落としまくっていたクセが出てきてしまっていた。
「お前のおかげで場所分かったわ、ありがとな。」
八神は手を振りながら女の元を去って行った。
女は八神が立ち去ってから少しボーっとしていたが、我に返ってすぐにポーチからタブレット端末を取り出した。
「・・・・違う・・・・・違う・・・・・違う・・・・・これだ。」
タブレット端末には八神のプロフィールが映し出されていた。
もちろん生徒が普通に閲覧できるものではない、IS学園のコンピューターをハッキングし手に入れたものである。
「八神俊・・・・・とてもお金の匂いのする人ね。」
テブレット端末をポーチにしまいその女は立ち去った。
彼女がとんでもない能力の持ち主である事を八神は知る由もない。
階段を何段も上がって行くうちに人だかりも増え八神に話しかけてはこないが八神のチラチラ見てきている。
八神はそんな事気にする素振りを出さずに歩いていると廊下に人だかりができていた。
興味本位で近づいてみると、扉に向かって懇願している哀れな姿の一夏がいた。
「箒!これはまずい事になりそうだから入れてくれ!」
扉に数ヶ所空いてあるのでおそらく篠ノ之箒の入浴から出てきた姿を目撃したのが原因で一夏が追い出されているのだろう。
しかも一夏に囲んでいる女子達は扉に穴が開いている事など気にも留めず一夏に話しかけている。
人だかりの中の女子が八神に気づきそれがひそひそ話として伝達していった。
そして少しずつ一夏の周りの女子は八神の方を体を向きてきた。
一夏も周りの女子達が静かになっていくのに違和感を感じ女子達が体を向けている方を見てみるとそこには一夏と数ヶ月過ごした友が目に映っていた。
そんな状況の中一夏は八神に近づいていった。
「よぉ俊!どこ行ってたんだよ!」
「ちょっと遊んでいたら遅くなってな、今さっき来てげんこつ貰ったばっかりだ。」
八神はげんこつを貰った箇所を指で示した。
実際八神の頭にはややたんこぶができてしまっている。
他愛もない雑談をしている中、女子の1人が八神におそるおそる声をかけてきた。
「もしかして今日織斑先生が言っていた八神君?」
「そうだけど?」
質問を返すと後ろにいた女子達が波を打つように近づいてきた。
一夏は女子の波に飲み込まれないように廊下の壁にぴったり体を貼り付ける事で回避する事に成功した。
「ねえねえ織斑君みたいにISを動かせたって本当!?」
「織斑先生とはどんなかんじで知り合ったの!?」
「不良だけど体が弱いって本当!?」
「好きなタイプは!?」
いきなり近づいてきたかと思ったら怒涛の質問攻めが始まっていた。
一夏は静かに自分の部屋に逃げ切っていた、「あの野郎、逃げやがったな・・・」と八神は心の中で一夏に文句を言っていた。
「質問とかはまた今度にしてくれよな。」
八神は女子達に囲まれていたが強化した肉体でジャンプする事で軽々と女子達から抜け出せる事ができた。
後ろから女子達は追いかけて来ていたが少し経つと誰もついてきている者はいなかった。
そしてちょうど鍵に記されている番号と同じ部屋の前にたどり着いた。
鍵を開けて入ってみるが、部屋に電気は付いていないため中に人がいるのかどうかが分からない。
最寄りに部屋の電源のスイッチがあるのでそれを押そうとした瞬間、殺気が部屋の中から感じ取り動きを止め、自身の集中力を高めていく、そして右斜めから鋭い拳が放たれたが八神はそれを受け流し、相手の腕を掴んで扉とは反対方向に投げ飛ばした。
部屋の中で投げ飛ばしたにも関わらず、衝撃音が聞こえないということは、家具や窓ガラスに当たることなく衝撃をいなし、着地したということになる。
そんな芸当を暗闇の中やってのける奴は学園に1人しか知らない。
八神は先程押せなかった電源スイッチを押した。
「久しぶりだねぇ、更識楯無。」
「ええ数ヶ月ぶりね、八神俊。」
現在のIS学園最強の生徒会長、更識楯無が八神の前に立ちはだかっている。
そして八神は何故1年生達の区域の部屋ではなく、2年生達の区域の部屋なのかを理解した。
「俺をここの部屋にしてのお前だろ、更識楯無。」
「ええ、そうよ。」
そして更識楯無は悪びれる様子もなくあっさりと答えた。
このような行為は職権乱用である上に織斑千冬が許すとは思えない、どうやったのか気になるが更識楯無が話そうとしてるのであとにしよう。
「あなたは亡国機業と繋がっているから私が監視役としてこの部屋に呼んだわけよ!」
と堂々と宣言されたのだが八神は亡国機業となど繋がっていない。
ただ更識楯無を本気でさせたかっただけの嘘だったのだがこいつは本当だと思っている。
監視されるなど面倒な事は回避したいので本当の事を話す。
「俺は亡国機業とはなんも繋がっていない、ただ知っているだけだ。」
だが更識楯無は当然、信じた様子もなく笑みを浮かべていた。
「ただの一般人が知ってるわけないでしょ?」
今は何を言っても無駄なようだ。
時期が来たらもう一度話してみる事にしよう。
「というわけでしっぽが出るまで監視させてもらうからね。」
「はいはい、分かったよ。」
「あともう1つあるわ!簪ちゃんに近づかないでね!」
「簪ちゃん?誰だっけ?」
八神のこの発言によって更識楯無の目はとても冷たいものとなっていた。
更識楯無は別に八神のことを嫌っているわけではないので、愛し合っているのなら自分の最愛の妹との交際を許そうと思っていたのにこの男、八神俊はたった数ヶ月で更識簪のことを忘れてしまっていたのである。
そんな男に絶対に渡さない。
「私はもう寝るわ、そっちも勝手に寝てちょうだい。」
更識楯無は最後まで冷たい目を八神に向けてベットへ行った。
八神は冷たい目を向けられた意味は分かってなかったがまだ眠くはなかったので前に送られてきたIS学園の詳細をもう一度見直すことにした。
IS学園とはアラスカ条約に基づいて日本に設置された、IS操縦者育成用の特殊国立高等学校。
操縦者に限らず専門のメカニックなど、ISに関連する人材はほぼこの学園で育成される。
また、学園の土地はあらゆる国家機関に属さず、いかなる国家や組織であろうと学園の関係者に対して一切の干渉が許されないという国際規約があり、それゆえに他国のISとの比較や新技術の試験にも適しており、そういう面では重宝されている。
ただしこの規約は半ば有名無実化しており、全く干渉されないわけではないというのが実情である。
敷地内にはIS訓練用のアリーナのほか、2人1部屋の学生寮や食堂、大浴場も設けられている。
IS学園の制服は個人でのカスタムが自由となっている。学年毎に胸元のリボンの色が違い、1年は青、2年は黄、3年は赤となっている。
一方、水着と体操着は学園から指定されているものがあり、紺色の旧型スクール水着とブルマーが指定されている。
専用機を所持しているのは1年生7人、2年生では2人、3年生では1人のみ。
いろいろ確認したが1つだけ解決しなければならない問題がある。それは・・・・・
「どうやったら自由に外に出られるかな・・・・。」
そう、IS学園は外出許可書が受理されなければ外に出ることはできない。
組の様子を電話だけで済ましてはトラブルが起きてしまう可能性もあるので、定期的に組に行く必要がある。
入口は警備員が24時間見張っているので気づかれずに通るのは無理であり、上空から出てしまうとセンサーにひっかかってしまうため出れない。
仮に上空に設置されているセンサーを停止させたなら通れるが、すぐにばれてしまう。
外に出る手段は1つだけ残されている。それは・・・・
「地下だな。」
八神は立ち上がり、更識楯無の様子をうかがった。
まだ起きている可能性もあったので確かめてみたがどうやら本当に眠っているようだ。
バックから携帯とタバコを取り出しゆっくりと扉を開け、誰もいないことを確認して外に出た。
廊下の明かりは夜のため、かなり暗くなっており、人の気配がまったくない。
誰にも見つかることなく、屋上に出ることができた。
そしてタバコに火をつけ一服しながらIS学園を見渡した。
地下に通じていそうなマンホールを探していた。
ちらほらマンホールはあったので確認が必要なため、降りなければならない。
だが階段のほうを通るのは面倒なので、八神は飛び降りることにした。
屋上から飛び降りてみると体を押し戻すほどの強風が八神を襲ってきたが、なんともいえないこの昂揚感は少し心地が良かった。
下を見ると驚くことに荷物を抱えて歩いている女がいるのである。
今から声を出しても女のほうが避けれそうにないので、あえて何も言わずにそのまま落下し着地した。
着地した瞬間、女は手に持っていた荷物を上空に投げ捨て「ひぃいいいい!?。」と叫び声を上げ、地面にしりもちをついた。
「あー・・・・・大丈夫か?」
八神がしりもちをついた女に問いかける。
目の前にいる女は肌は程よい白色で、腰まで伸びている美しい銀色の長髪を持ち、とても大きい目を持っている女はプルプルと体を震わせながらこう言った。
「大丈夫じゃないわよ!」
「悪い、悪い、飛び降りる所に人がいると思わなくてさ。」
「まず飛び降りる時点でおかしいわよ!自殺志願者なの!?」
ものすごい剣幕で女は話しているが、しりもちをついた状態から動こうとしていない。
八神の頭の中で「もしかして・・・・」とある仮説が浮かび上がってきた。
もしその仮説があっているのならば、八神の中の嗜虐心がとてもそそられる。
「そろそろ立ったらどう?」
「そ、そんなのあとでいいでしょう!それよりあの荷物を取って頂戴!」
八神の仮説は当たっている、そう思ったので落ちていた荷物を取り、女の上に掲げてみた。
「持ってきたよ、取らないの?」
「私の前に置いて!とても精密な物だからそっとよ!」
「嫌だ、取りたいなら立てば?」
「えっと、その・・・・・・。」
「遠くに投げちゃおうかなー。」
荷物を遠くに投げようとするジェスチャーを見せてみる、女は元々白い肌がさらに白くなったように見える。
女は覚悟を決めたのか、ようやく自分の今の状況を話す。
「腰が抜けて立てないのよ!!」
先程までうるさかった女はとても静かになり、顔をまるで林檎の様に赤くしていた。
八神はその様子に笑いを抑えることができなかった。
八神は笑い続け、女は先程の様に体をプルプルと震わせ始め、少し涙目となっていた。
笑い終わったのか、持っていた荷物を女に返した。
「面白かったぜ、あんた。お詫びに俺が連れて帰ってやるよ。」
八神は地面にしりもちをついている女をお姫様抱っこで持ち上げた。
女は最初何が起こったのか理解していなかったが徐々に理解していくと抵抗を始めたのである。
「降ろしなさい!降ろしなさい!」
「俺が帰ったらどうやって帰るの?。」
すると女は小さな声で「第二研究室に送って・・・・。」と言った。
八神は「りょうかい」と言い第二研究室に向かっていった。
すると八神は前にもこのようなことにお姫様だっこをしたことを思い出した。
そして更識楯無が冷たい目を向けきた意味が分かった、そして更識簪のことを思い出したのである。