インフィニット・ストラトス ISを使える彼は不良であり転生者だった 作:カムクライズル
ソフィアと別れ、地下などを調べていたが無駄足に終わってしまった。
地下でさえ侵入者を迎撃できるほどの武器が設置されており、気づかれずに侵入することはおろか脱出することも無理だろう。
時間はもう早朝と呼べる時間となっていたので部屋へと戻っていった。
部屋に戻るともう更識楯無はベットにはいなかった。
生徒会としての業務にでも向かったのだろう、俺は軽くシャワーを浴び、制服へ着替えて食堂へと向かった。
食堂では生徒たちが朝食を食べていた。
入るやいなや、周りの女子たちの視線が集まっているのが分かった。
「あれが織斑一夏くんと同じIS操縦者らしいわよ。」
「織斑くんは受けで八神くんが攻めね…ぐふふ…。」
「男の子ってIS強いのかな?戦いたいわ~」
…1つ変なのはあったが気にしないようにしよう。
あちらで一夏が和食セットを食べているが、朝食はあまり欲しくないのでブラックコーヒーを頼み、1人で飲んでいた。
飲んでいるときにとても特徴的な青い髪をした少女が目に映った。
一瞬、あの更識楯無だと思っていたが間違いない。あれは妹の更識簪だ。
「久しぶりだな、簪。」
「…えっ?ええっ!?」
驚きすぎて、食べていたサンドイッチをトレーの上に落してしまった。
それもそのはず、簪は八神がIS学園に入ることはおろかISを使えることも知らない。
さらに普通の男はISを使えないのだから、驚くのも当たり前だ。
「簪は知ってるのか?」
「な、なにを?」
「更識楯無と相部屋だってこと。」
若干頬を赤らめ、にやけ顔で答えていた簪の表情が一気に冷めていった。
苦虫を噛み潰したような表情で「なんでっ…」と言い残し、トレーを持って足早と去ってしまった。
シスコンにはその愛してる妹から怒られれば少しは懲りるだろう。現時点でも更識楯無は邪魔だ。さっさと俺の部屋から追い出してやろう。
ちょうどブラックコーヒーを飲み終えたので立ち去ろうと思ったところ、突然手を叩いた音が食堂に響き渡った。
「いつまで食べている!食事は迅速に効率よくとらんか!」
織斑千冬の声が食堂にいる全員の耳に入った。その途端、八神を除く全員が慌ただしく朝食を食べ始めた。
やはり鬼教官の異名は伊達じゃない。
見つかるのも面倒なので授業がおこなわれる教室とは反対方向へ抜け出そうとしたが、織斑千冬は見逃がすはずがなかった。
「どこへ行く、お前の教室はそちらではないぞ?」
織斑千冬に見つかってしまった。
これで逃げても、この鬼は捕まえるまでずっと追ってくるだろう。
俺はあきらめて授業のある教室へと向かっていた。
―――とてもつまらない。
今、授業でやっている基礎的なことはすでに頭の中に入っている。
山田真耶が授業をやっているが、マジでつまらない。
そんなつまらなそうな俺を見て、織斑一夏の様に授業について来れてないと感じたのか、声をかけてきた。
「えっと…八神君何か分からないことでもありますか?分からないことがあったら言ってください!だって私は先生ですから!」
自信満々でそう言われても分からないことなどない、多分聞くことがない。
目をキラキラさせて、返答を待っているが聞くことは…いや、まてよ。そうだあれがあったな。
「クラス代表者を決める決闘、俺も混ぜろ。」
クラスの誰もが予想してなかった返答にみな驚き、固まってしまった。ただ1人の金髪ロールを除いて。
「何をおっしゃってますの!?クラス代表はイギリス代表候補生で入試主席のセシリア・オルコットでもう決まっていますわ!」
「まだ決まってないのに何言ってんだ?弱いやつにクラス代表やられても困るんだけど?。」
「決まったも同然ですわ!何を言ってるのかしら、極東の猿の分際で!」
「候補生如きがエリートぶるな、虫唾が走る。」
「なんですって!?」
セシリア・オルコットと八神の間に一触即発の空気が漂い始めた。
山田真耶には2人を止めることができず、ただオロオロとしているだけだった。
そんな空気の中、授業を横で見ていた担任の織斑千冬が2人の真ん中に入る。
誰もが、この一触即発の空気をどうにかしてくれると思っていたが、その期待はあっさりと裏切られた。
「いいだろう八神、クラス代表の決闘への参加を認める。」
「ええっ!?認めちゃうんですか!?」
「こいつはクラス代表を決めるときいなかったんだ。チャンスは誰にでもあるものだからな。」
「…分かりましたわ、決闘の時にエリートの力見せて差し上げますわ!」
「無様に負けるなよ、代表候補生」
先程よりも火花を散らし始めた両者。
絶対の実力を与えられた男性と代表候補生と入試主席の実績で自信つけた女性、どちらに軍配が上がるかは誰も知らない。
織斑千冬と山田真耶が、次の授業の準備の為か教室を立ち去った瞬間、女子が織斑と八神の前に詰めかけてきた。
織斑は困っているのか苦笑いを浮かべ、女子達の質問に答えていた。
こちらへの質問は、先程の決闘への乱入に心配しているものが多かった。
俺は「大丈夫だよ」と言って安心させ、女達を席に返した。
あちらでは織斑一夏が織斑千冬に出席簿で叩かれていた。
おおよそ、何か個人情報でもばらそうとしていたからだろう。ていうか織斑千冬叩いてばっかだな。
「それと織斑、お前のISは時間がかかる、専用機を用意するからな。」
織斑千冬がそう伝えると教室がざわつき始めた。
ISは世界で467機しかない、そんな貴重なものが世界初の男性起動者とはいえ、国家、企業に所属してない1年生が手に入ることはかなり特例である。
そして1人の女子があることに気が付く、ISを作った篠ノ之博士と同じ苗字の子がクラスにいることに。
「先生、篠ノ之博士と篠ノ之さんって苗字同じですけど、関係ってあるんですか?」
「そうだ。篠ノ之はあいつの妹だ。」
その言葉を聞いて、今度は篠ノ之の元に女子達が群がり始めた。
だが、長年姉との差に苦しみ続けている篠ノ之にとっては、ISを作った天才の妹で群がってくることはとても腹立たしいことだった。
「あの人は関係ない!私はあの人じゃない…教えられることは何もない。」
群がっていた女子は困惑した顔を浮かべながらも席へと戻っていった。
天才の領域を見てしまった凡人は劣等感を抱いてしまう、それが姉妹ならなおさらだ。
なぜ、あの人にできて私にできないのかと。
それができた頃にはもう手の届く場所にはいないことを。
この負の連鎖に終わりがないことを篠ノ之箒は知っている。
授業が終わり、休憩時間となるとセシリア・オルコットは授業を理解できずにあがいている織斑一夏のところにいた。
「安心しましたわ、訓練機ではフェアではありませんものね。」
「もう専用機を持っているのか?」
「ええ!わたくし、セシリア・オルコットはイギリスの代表候補生なので専用機を持っていますわ!」
「まぁ専用機は持ってるけど使いこなせてないセシリア・オルコットは。」
「使いこなせていますわ!」
いきなり話に乱入してきた八神、そして話も聞き流し、教科書を見ている織斑一夏。
セシリア・オルコットの中でストレスが蓄積していく。
「そもそも貴方は専用機を持ってらっしゃるの!?」
「持ってる。」
「持ってらっしゃるの!?」
「ああ、お前なんかとは比べ物にならないくらいに強いしな。」
「またわたくしを侮辱するのですね!決闘の際にズダズダにしてさしあげるわ!」
セシリア・オルコットは捨て台詞を放つと織斑一夏と八神の元から去っていった。
「俊、ありがとな。追い払てくれて。」
「本心言っただけだけどな。…なんでこんな簡単なところが分からないのかな。」
「分かるなら教えてくれ!教えて下さい!」
「自力で解きな。」
教えてもらえないとわかると分かりやすく落ち込んでいる。
そこで織斑一夏は篠ノ之箒に教えてもらおうと思ったのとクラスメートとしてのフォローの為か、織斑一夏は篠ノ之箒をご飯に誘っていた。
それが失敗し、床に投げ飛ばされたのを見終えた後、一服するために屋上へと向かった。