改変童話■■■『狂演蔓延兎穴 ロスト・ワンダーランド』   作:リック・デッカード

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BLACKSOULS布教中。
(R-18だから未成年はやっちゃダメだぞ)


不思議の国のマスター
開幕【プロローグ】


アリスよ。幼稚な御伽噺をとって

 やさしい手でもって少女時代の

 夢のつどう地に横たえておくれ

 

 記憶のなぞめいた輪の中

 彼方の地でつみ取られた

 巡礼たちのしおれた花輪のように

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 藤丸 立香。

 

 それはまるで英雄のように。

 それはまるで御伽噺のように。

 それはまるで、まるで……。

 

 うーん……なーんかボク好みじゃないなぁ。

 だってあまりにも()()っぽいしー? 

 

 ……うん。決めたー! 

 せっかく()()()()()もあるんだし! 

 とびっきりの物語を作っちゃおう! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 藤丸 立香。

 

 母の膝の上でねんねんころり。

 夢見る子供はいつしか旅立つ。

 

 だから、いつまでも寝ているわけにはいかないだろう。

 起きなければ。

 

「……ぉい、おーいっ! 大丈夫かい!?」

 

 騒ぎ立てるような大きな声に、俺は目を覚ます。

 顔に手を当て、周囲をキョロキョロと見渡した。

 近くにはスーツを着た男が一人、周囲の光景は……屍の重なる地獄のような光景が広がっている。

 

 そして自分は……藤丸 立香。

 七つの特異点を潜り抜け世界を救い、七つの異聞帯を潜り抜けて……そして──

 ……ダメだ、全く思い出せない。

 今まで俺は……一体何をしていたと言うのだろう。

 

「マスター。大丈夫か?」

「……あ、うん。大丈夫、ありがとう……って、マスター?」

「ああ。マスターだろう?」

 

 スーツの男が差し出した手を取って立ち上がる。

 立ち上がるとすかさず、男は自らに手を当て自己紹介を始めた。

 

「僕は……ルイス・キャロル。【アルターエゴ】のルイス・キャロルだ。よろしく頼むよ?」

「ルイス……もしかして! 不思議の国のアリスの著者の……?」

「ああ、そうだね。愛しき彼女に贈った物語。それらを綴ったのは確かに僕だ」

 

 不思議の国のアリス、と言うとそれこそ知らぬ者はいない童話だろう。

 少女アリスが穴へ落っこちて、白いウサギをアリスを探さなければ追って不思議の国を旅する物語。

 少女たちの憧れ、マシュも読んでいたと……マシュ……マシュ? 

 そう言えばマシュはアリスはどこだ

 

「……アリスを、探さないと」

「ん? どうした、マスター?」

「そうだ。アリス、アリスはどこに……!」

「落ち着け、マスター! アリスならば……そう、先に行っている!」

 

 ルイスの、そんな言葉によって、俺は安堵する。

 ……そうだ、思い出した。

 俺はアリスを追ってこの特異点に来たんだ。

 だから、アリスを探さなくては。

 

「アリスは、先に行ってるんだね?」

「ああ、あの子は利口な子だ。一足先に行っていたところで、特に問題はないだろう。それよりもだ、マスター」

 

 そう言ってルイスは辺りへと周囲を向ける。

 周囲には相変わらず屍の山が広がっているだけだ。

 床には血で文字が刻まれているが、掠れていて読むことはできない。

 

「ここは一体……?」

「どうやらウサギの穴に落っこちたようだ。 そこのドアから先に進めるらしい」

 

 指差した先には出口のようなドアが一つ。

 他には道のようなものは見当たらない。

 

「マスターが眠っている間に軽く確認はしておいた。慎重に行けば特に問題は起こらないだろう……ただ、まぁ。僕の知る場所とはだいぶ異なってるみたいだけど」

「来たことが?」

「……まぁ、何度も、ね。そんなことよりも、早く行ったほうがいい。外じゃ良くないイベントが起きてる」

「イベント……?」

 

 その物言いに疑問を抱きつつも、俺は扉を開き先へ進んだ。

 が、そこは断崖絶壁。

 どうやら上の壁の方に繋がっていたらしく、辛うじて足場はあるものの、滑り落ちればお陀仏になりそうな場所だった。

 

「おーい! 慎重に行ってくれよ。マスター!」

 

 下から響くルイスの声を聞くに、どうやら扉を跨いでワープしてきたようだ。

 俺は下を覗きながら、慎重に、慎重にと前へ進んで行く。

 後からルイスも付いてきて、何とか上に。

 先にあったもう一つの扉を潜り抜けると、そこは──森だった。

 

 森だ。

 陽の光が差し込み、暖かな空気が包み込む。

 

「ここは……」

「聖森だ。少なくともここでは安全だから、安心するといい」

 

 どうやら安全な場所に出てきたらしい。

 ただルイスはあまりいい気分ではなさそうだ。

 それならば離れようか、と思っていた時。

 近くの茂みが動き音を立てた。

 

 俺がそっちへと視線を向ける、その前に。

 ルイスが近くに刺さっていた剣を引き抜き、俺の前に立つ。

 

「ここにグリムはいないぞッ!! メアリィッ!! 貴様はッ──!!」

 

 だがそれを言い終える前に、茂みの中から人影が一人現れルイスの口が止まる。

 その女性は……白い髪に、白い……ウサギの耳を生やしていた。

 そして首には懐中時計をぶら下げている。

 

「……ルイス様。落ち着いてくださいませ」

「っ! ……君は……」

「……藤丸様。私はノーデと申します。今は……この森の管理を少々。どうかお見知り置きを」

 

 そう言って彼女は、深く、深くお辞儀をしたのだった。




伝話【Fate/Grand Order】
全て奪われるよりも、全て否定されるよりも。
白く染まった地球の方が美しいと思わない?
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