明日のパンツと少しの小銭で異世界を生きれるか   作:単眼駄猪介

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類は友を呼ぶって言葉がありますが、それを体感できるマキオンって最高やな!()

それはそうと質問でアンク達の状態に関してあったのでここでも。
肉体がそっくりさんなのかセルメダルでなんだかんだしたのかという解釈に別れますが、原作のアンクの髪型や色からしてセルメダルであーだこーだとしてるのかなぁと思っております。
なので今作ではその解釈です。
考えても御都合主義じゃねぇか!ってなるから前回書かなかったけど、やっぱ説明はあった方が良いのだろうか……





ハルツィナ樹海で 前編

 

 

あの一件からシアはグリード達のことが苦手になってしまった。

まあ兎人族は亜人族の中で特に温厚で虫も殺せない種族だと本人から言われるほどに性格も肉体も弱い。

 

「よ、よくあんなのといられますね、映司さん…」

 

そう呟いてしまうのも致し方なかろう。

 

「まあやり過ぎ感は否めないけど……彼等も良い人だから臆せず付き合ってみて」

 

そう言う映司であるが、怖いものは怖いのである。

シアは「はいぃ……」と答えるが腰が抜けている。

 

 

 

さて、映司達が歩いているのは【ハルツィナ樹海】という樹海の隣り合うようにある【グリューエン大砂漠】と対を為すようにある大森林である。

霧がよく多発し、亜人族の優れた感覚がなければハルツィナ樹海は死の森に様変わりするという恐ろしい場所である。

日本で例えるなら富士山近くにある青木ヶ原樹海が思い浮かぶだろう。

頼りないシアに水先案内を頼ることになる事にグリード達は一抹の不安を覚えるが、最悪森の一角を吹き飛ばせば万事解決かと強大な力を持つグリードらしい思考で自分達に怯える兎人族の案内に従っていた。

そんなこんなでシアの案内の元、兎人族の集落にやって来た映司一行。

そこは集落と言うにはあまりにも野生であった。

家屋はなく、ただ地面で雑魚寝する人もいれば花や餌付けしたのだろうリスと戯れる人もいる。

とてもではないが、助けを求めているような雰囲気ではないだろう。

 

「………どこが困ってるのか分からないから教えてくれないかな?シアちゃん」

 

映司は苦笑しつつ、問い掛ける。

シアは赤面して助けを求める理由を話し始める。

……完全に忘れていたという顔である。

 

「すみません!話すのを忘れてましたッ!」

 

そんな彼女に近付いてくる人影が。

兎人族はその特徴的な耳で遠くの音を聞くこともできる故に、シアはすぐに気付いた。

 

「シア……よく無事で…!」

 

「お父さん!はい!シアは無事ですぅ!」

 

シアの父親、そう聞いて映司は確かにどことなく似ていると思った。

まあ、シアの美少女っぷりに隠れてしまっているので実は映司もなんとなくでしか分からない。

名前はカムと言うらしく、兎人族の族長を務めているらしい。

そしてなぜ彼らが助けを求めるのか、それをシアが話し始める。

 

「まず、私は魔力持ちなんですぅ」

 

「魔力持ち……」

 

亜人族はどの種族も魔力を持たない種である。

その代わり身体能力が高く、兎人族でも気配の遮断や聴覚に優れている。

その強みを活かせるかは個人次第だが………

 

「魔力持ちは戦闘技能を習得する事が必須なんですぅ……」

 

「……ん?」

 

初耳である。

王国の図書館ではそんなことは書かれておらず、迫害されているのだと思っていた。

 

「多分、映司さんは知らないですよね。昔のとある王様が私達のご先祖様達をここに避難させる時にある言葉を残しているんです」

 

それが古代オーズである、と映司達は理解するが彼女の話を聞くのが優先である。

 

「新たなオーズと共にいつか共に戦う日が来る。その時までに国を再興して欲しい、というお言葉を」

 

「……アイツらしい欲望ダラダラの言葉だな」

 

「ホントにね」

 

アンクとカザリが呆れつつ、だが彼らしいと思った。

 

「当時の文献は今ではほとんど無くなりましたが、今でも口伝で我々の間では伝わっている昔話です」

 

カムがそう締め括る。

がまだ彼らが何故、追放されたような生活になっているのかがまだ聞かされていない。

 

「そんな訳で我々の国、フェアベルゲンではかつては魔力持ちを差別し迫害してきましたが、その風習は今はなくかつて栄えたオーズの国を再興すべく、我々は亜人族、人間族、魔人族関わらず来る者拒まず去る者止めずの精神で全種族との共生を目指しておりました」

 

「ただ、自衛の為に戦力の蓄えは必要ですので魔力持ちは発見され次第、フェアベルゲンで戦闘訓練を受けるんですが……」

 

そこでアンクが突っ込む。

 

「その戦闘訓練を拒否して逃げてきたってところか?」

 

「ええ……熊人族がかなり強引にシアを連れて行こうとしたので……私達は争い事なんて好まないのに…」

 

「「「「「それが原因だろッ!!」」」」」

 

「ひぃっ!?」

 

映司以外のグリードが殺気を立てながら叫び、カムは怯える。

映司も流石に苦笑を抑えきれなかったが、まだ彼らを助ける気でいた。

 

「えーと、つまりはシアさんを無理矢理徴兵しようとしてそれを止めようとして……」

 

「ええ、はい。その通りです」

 

「………とりあえずフェアベルゲンに行こうか?」

 

「ま、まさか……!」

 

「ごめんなさい、しに行こ?俺からも話してシアちゃんのことはなんとかしてもらうから」

 

「そんな殺生なぁぁ!魔術師養成所はとんでもなく厳しい場所で有名なんですぞ!!シアが行ったら死んでしまいます!」

 

とりあえず目の前の父親とその周囲が目茶苦茶シアに甘いという事だけは理解した映司。

そう、史実と違い完全に彼らが悪いのである。

 

「そもそもシアは天職が占術師、兎人族なのも相まって戦闘には不向きなのです!」

 

「それって……貴方の感想ですよね?」

 

「シア、諦めろ」ニヤァ

 

泥棒猫を追っ払える、とばかりにニヤァとするアレーティア。

だがしかし、フェアベルゲンの異常さが彼らをここまで追い込んだのだと思い知らされる。

 

「でも徴兵から逃げたら一族郎党打首ですぅ!実際にそれで壊滅した集落もあるし、私の友人からは戦闘向きじゃない天職持ちが無理して魔物に食い殺されたなんて話もありますしぃ……」

 

「殆どの方々が古代王万歳と、故人に忠誠が高く……この状況を解決するには予言された新生王が来るしか……」

 

古代王万歳、その言葉は映司にとって馴染み深い言葉である。

いや、古代王ではなく日本なので【天皇】という言葉になるのだが意味合い的にはほぼ変わらない。

天皇陛下万歳!と叫びながら突撃していく兵士達を描いたドラマ、映画は映司とて軽く見たことはあるし某動画サイトでもネタとして普及されまくっているのだから知る人は知るものである。

そしてその過去を持つからこそ、フェアベルゲンの亜人族達はかなり危ない状況であると感じた。

 

「……俺がオーズだよ」

 

「おい、映司。こんな奴等はほっといて行こうぜ。面倒なことに――」

 

「俺が新生王、だから君達を助けられる」

 

「話聞けやこのボケナスゥ!!」

 

「いてっ!?」

 

覚悟を決めた映司と話を聞いてくれず現在の自分の身体と言える左手で映司の頭を叩く音が、ハルツィナ樹海に響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結局、映司が新たなオーズである事が兎人族に広まり、彼を歓迎するムードが漂う。

シアも感謝のあまり映司に抱き着いたりしてアレーティアから冷たい視線を送られたりと、映司にとってもグリードと兎人族にとっても忙しい日となった。

 

「まずはその精神を叩き直してやる!」

 

「俺を強くするために強くなれ」

 

「あ、そこ、ちゃんとクローは持ってなきゃ。でなきゃ戦場で落としたら死ぬよ?」

 

「あらあら、幼女の私にも勝てないのかしら?坊や達」

 

「いっぱい遊ぶぞー!」

 

グリード達は兎人族を鍛えさせて同じ過ちを繰り返させぬよう調きょ………ではなく、教育を施す。

速攻で叩き上げるためにかなりのスパルタになったがかつて人間族、魔人族、そして神とその使徒達とも戦ったことのあるグリード達の経験はしっかりと兎人族に引き継がれた。

特に戦闘訓練ではウヴァは活躍し、適切な表現や動きを一旦肉体を乗り移ることで感覚を掴ませたりと大変教官として素晴らしい行動を行っていた。

無論、シアもそれに強制参加させられ結果的にウヴァから怪力バグ兎と称される程のパワーステータス持ちだった事が判明。

余計に逃げ出す必要性がなくカム達は大いに慌てたとか。

なんだかんだで種族特性を引き継いで好戦的ではないものの、戦う時は謝りながら命を奪うという短絡的に見ればかなりサイコパスに見える性格になった。

戦闘スタイルもウヴァ直伝の四肢を破壊して無力化してトドメを刺す戦法を伝授されたので、見た目や性格に反して残忍な種族になった。

ウヴァの言い訳としては戦闘訓練も受けていない気弱な奴らにはこの戦法が一番やりやすいだろうと思った、と言うが映司には頭をグリグリとやられ、アレーティアにはドン引かれ、ホッパーはノリでウヴァを蹴り上げた。

ちなみに憑依している肉体はグリードの魔力で肉体だけが生かされており、意識だけがない肉人形のようなものであるが、不完全なグリード態よりも感覚がしっかりとあるので始めて痛みというものを感じるのだが、それはそれで哀れであるだろう。

 

「いってぇぇぇ!?」

 

ホッパーの強烈な蹴りがウヴァに痛みと吹っ切れて快感を与えたのだから。

 

紆余曲折あって約一週間で叩き上げられた兎人族と映司一行は行き方を知るカムの案内の下、亜人族達の首都【フェアベルゲン】に向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





読了ありがとうございます。
そして評価をくださった方々、本当にありがとナス!
おかげ様で評価バーに色が付きました!
嬉しい……ウレシイ…!

前編とあるように、後編はフェアベルゲンで一波乱起こしてブルック行ってライセン迷宮でまた一波乱する感じですね。
そして次回で他作品要素が盛られる………分かる人には分かるかもしれない()

完全に興味本位なんですが読者の皆様はこの世界にいたら面白くなりそう、嬉しいという作品がありましたら投票お願いします!

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