明日のパンツと少しの小銭で異世界を生きれるか 作:単眼駄猪介
前回までの3つの出来事!
1つ、ギルド長から与えられた依頼を引き受けた映司達は、ウルの町でクラスメイトと愛子先生と遭遇!
2つ、依頼主の探していた貴族の御曹司を発見!しかし、黒竜と戦闘に!
3つ、黒竜の正体は美女!しかし、一目惚れしてしまった映司の明日は…!
後書きに本作の今後を書いているので、良かったらお目を通して頂けると有り難いです。
ちょっと短い…かな?
「アンクゥゥ〜」
「やめろ、気持ち悪い」
ウルの町に戻ってきた映司達であったが、どういうわけか惚気けている映司に、周囲はドン引いていた。
まあ、一目惚れという人間のどうしようもない心理は中々どうして、そう簡単に冷めるものじゃない。
「ティオさんのことを思い浮かべるだけでドキドキするのに、直視したらもう駄目だよアンク〜!」
「馬鹿か」
「むぅ……」
動悸が激しいのかアンクに寄りかかりながらヨロヨロと歩く映司に、アンクは気持ち悪さと軽蔑を抱きつつ周囲に助けを求める。
が、一番近くにいるアレーティアはティオに嫉妬し、同時に映司を見て拗ねている。
同胞たるグリード達は関わりたくないとばかりに愛ちゃん親衛隊を盾にして距離を取っている。
そしてティオに取られたとメソメソと泣くのはシア・ハウリア。
「映司さんがぁ〜!」
「乙女が人がいる所で泣かないの。まだチャンスはあるんだから、気張りなさい?」
メズールは最早習性と言ってもいい母性本能から為される慰めに、シアは一瞬思考が赤ちゃんに退化する。
「バブ……はっ!?」
危うく全てを忘れかけたシアは飛び跳ねるようにメズールから距離を取る。
「幼女ママ、恐るべしですぅ……」
関係ない所でシアがメズールに戦慄する中、ティオは混沌とした映司一行に困惑した顔で隣で歩く愛子に問い掛ける。
「彼らはいつもあんな感じなのか……?」
「さ、さあ……私も昨日、再会したばかりなので……」
戸惑う二人を余所に彼らはウルの町に帰るのだった。
さて、ウルの町に戻るも今度は別の問題が発生することになった。
「清水がいないぃ!?」
そうクラスメイトの一人が叫ぶと、愛子が即座に彼らに問い掛ける。
「清水君がいないって、どういうことです!?」
彼ら曰く、ウルの町に着いたときまではいたらしいが今日の朝にはいなかったようだ。
誰もが姿が見えないだけでどこかにいるだろう、とそんな思考ていたから気付くのに遅れたというのが彼らの話である。
同時に、ティオからの情報もまた衝撃の内容であった。
「なに?魔物を集めた群れがウルの町に来てる?」
ウヴァが目をパチクリしながらティオにもう一度聞くと、その答えは首肯。
「うむ。妾が覚えている限り、魔物の大軍がこの町に来ていたのじゃ」
「ヒエッ……」
宿のテーブルでティオからそう語られたシアは小さく悲鳴をあげる。
映司達と出会った時の事を思い出したのだろうか。
しかし、それに気にしていたら話が進まないので続きをカザリが促す。
「ふむ……少なくとも数千から万はいたかの?まあ、小物の魔物の数次第であろうが……」
流石に万単位となるとグリードとしても苦しい戦いになるだろう。
アンクはガタキリバコンボで蹴りをつけられないかと考えたが、映司の負担が大きいので最後の切り札だと考え……後ろを振り向く。
「誰だ」
強烈な威圧感。
何もかも飲み込むような、グリードの直感でしか分からないそれはどことなく同胞であると感じた。
が、その人物はとあるものを放り投げてきた。
「なんだ…?」
「缶?」
手に持つ筒状の物。
その形は映司から見れば見慣れた自販機などに置いてある飲料水の入っている缶である。
それを渡した丸眼鏡をかけた男は説明し始める。
「それはトラカンというものです。ライドベンダーと共用してください」
「何故そんなものを?」
カザリがそう問うと、男は即答する。
「コーガミ会長からのプレゼントですよ」
「ふーん……」
「して、ソナタは何者なのじゃ?」
おいてけぼりを食らったティオは、とりあえず目の前の人物がどういった人物なのか知る必要がある。
そんな彼女に男はまるで機械のように淡々と自己紹介する。
「私はDr.マキ。コーガミ会長の元でオーズの武装開発などを担当しております。そしてこちらはキヨちゃんです」
そこまで言うと、腕に乗せている不気味な人形【キヨちゃん】の衣服に付いたホコリを指で払う。
「なんだぁ?人形?」
大切そうにキヨちゃんを扱うマキに、ウヴァは無遠慮にその人形を触ろうとする。
「やめなさい!キヨちゃんに触れるな!」
「んだよ、ちょっとくらい良いだろうが」
「いやいや、ウヴァ。嫌がってるんだからやめなよ…」
触ろうとするウヴァと抵抗するマキに揉みくちゃになるキヨちゃんを不憫に思った映司が突然、シラフになってなだめるがウヴァはその言葉を聞くことなく遂にキヨちゃんの服を掴んでしまう。
「あぁ!あー!ふあぁ!!」
奇声をあげてウヴァの腕を振り払おうとしたマキ。
それがキヨちゃんにふりかかる不幸の始まりであった。
まず、空高く舞ったキヨちゃんは天井にぶつかりかけるほど高く上がり、そして曲線を描いて運ばれていたニシシッシルの鍋の中に投入される。
「キヨちゃん!!!!」
「ウヴァ…?」
「え、映司ィッ!?ま、待て!は、話をし…あべし!?」
悲鳴を上げながら鍋に駆け寄るマキ。
映司は珍しく笑顔のない笑顔でウヴァの首根っこを掴み外に放り投げる。
丁度、扉の空いていた宿から放り出されたウヴァは顔面から地面に激突し、擦り傷を大量に作るが彼の自業自得なので誰も同情はしない。
まあ、それを遠目に見ていたクラスメイトは不憫には思ったが。
しかし、それよりも映司の怖い笑顔が強烈に印象に残った。
「え、映司…?」
アレーティアが腰が少し引けつつ、映司に声を掛けるとさっきまでの異様な圧がなかったかのように明るい雰囲気の映司がアレーティアに笑顔を向ける。
「ん?どうしたの、ティア?」
「ほっ……」
元通りになった映司にアレーティアは安心するが、先程の光景は映司の地雷なのかと感じたアレーティアは映司の前ではそんな事はしないようにしよう、と心に決めた。
愛子がウヴァの介抱の為に宿の外に出たのと同時に、マキがニシシッシルのルーまみれのキヨちゃんを肩に乗せて戻ってきた。
「あの昆虫は後で仕返しするとして、私はここで失礼させて頂きます。キヨちゃん、服を着替えようね……」
個性の強い人物がまた一人増えたなと、アレーティアは密かに溜め息をつく。
だからといって、彼女の恋心は止まることはないが。
一方、ウヴァは宿の路地裏で体育座りで拗ねていた。
そんな彼に説教して慰める愛子の姿があったとか。
翌日、映司達は町の皆にギルドからも通してもらって、襲撃の件を伝えもしもの時を考えて避難してもらう。
そしてガメルが魔法で地面を変形させ防波堤を作り出す。
「映司、無理はするなよ」
既に必要なメダルは映司に渡したアンクは映司に忠告する。
そんなアンクに映司はキョトンとした顔になり、そして笑顔を浮かべる。
「ありがとう、アンク。後ろは任せるよ」
昨日のダラけた映司はいない。
が、チラッチラッとティオの方に視線が向いてるのはグリードも、アレーティアも気付いていた。
シアも映司に良い所を、と張り切りガメルはメズールに褒めてもらうために既に怪人態になってドラミングしている。
そして、魔物達の頭が見えたのを合図に映司達は走り出す。
タカ!トラ!バッタ!
「変身!!」
タ・ト・バ! タトバ タ・ト・バ!
オーズを先頭に、ウヴァとガメル、シアも前に出る。
後に【王の帰還】と題される戦いは、魔人族によってけしかけられた魔物の大軍を相手に無双するオーズ達を称える逸話として後世のウルの町に長く残るのは別の話。
読了ありがとうございます。
さて、前書きで告げた通り、本作のこれからについてなんですがネタ切れ気味で一旦、休もうかなと。
でもそう思ってたらいや、続けられる!ってなったりするから結構割とメンタル不安定になってるんでしょうか?
とにかく、以前程の更新速度は出せそうにないので一ヶ月くらい一旦、休載しようかなと。
無論、その間に投稿する可能性もなくはないし、結局エタる…って事もなくはないんですが思いついてしまった二次創作を吐き出して整理しないと続かないと思うので許してクレメンス。
こんなボケ作者ですが、新作やカクヨムのロボ物、ギュネイでオーズの分も頑張るので応援して頂けたら励みになります。
一応、エタる可能性も考慮して考えていたオリジナルコンボ載っけておきます。
エタらなくてもこのコンボの活躍を楽しみに待ってくれたら嬉しいです。
ヴァンパイア、ドラゴン、
頭→金と赤の色で構成。至近距離限定ながら体力を回復できる吸血が可能。夜目が良くなり、血の臭いと魔力に敏感になる。
モチーフはコウモリ。メダルはコウモリの翼を生やした人のシルエット。
胴体→黒系統の色で構成。ガントレット型の竜の爪を腕から展開して敵を引き裂く。背中には竜の翼を生やして飛行可能。一番防御力の高い部分でもあり、ほとんどの衝撃やダメージを無効化する。
モチーフはドラゴンの鱗を使った鎧。メダルは竜の横顔がシルエット。
脚→白と赤の色で構成。細かい所は水色。脹脛を包むように白色のブーツが履かれており、バッタとチーターの跳躍力、走力には劣るが制御がかなりしやすいバランス型。
モチーフは勿論、ウサギの足。メダルは兎の走る姿がシルエット。