明日のパンツと少しの小銭で異世界を生きれるか   作:単眼駄猪介

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自分の書く映司やグリード達がちゃんと再現できてるのかと不安になりますが、まあ違ってたら作者の解釈ということで許してクレメンス……ダメ?

それはさておき、このSSトータス世界の設定を開示していく回だゾ。




真相とメダルと攻略

 

熊モドキは突然、奇妙な現象と共に姿が変わった人間に驚いていた。

奇妙なものと何やらしている……と思っていたら姿が変わるものだから、始めて見るそれはこの階層の主として長い間君臨し続けた熊モドキには警戒に値する存在だった。

その体を包む鎧は全て高密度・高品質の魔力からなる物で、それを貫く事は無理だと野生の勘で見抜く。

だがしかし、ここで逃げては階層の主としてのプライドに傷がつく。

だから、熊モドキは風の魔法を目の前の敵に放つ。

小手調べ程度に放たれた魔法は、映司………否、オーズのタカヘッドによって得られる超視覚には丸見えであった。

攻撃の避けづらさで随一の風魔法を避けたオーズに、熊は警戒度は引き上げ、自慢の腕力をオーズにぶつけるべく突進する。

 

「わ!わわっ!?あ、あの変な手さん!武器とかないの!?」

 

「変な手じゃねぇ!アンクだ!」

 

流石に初見の相手に素手で殴りに行くほど勇敢でも頭が坂上でもない。

なので、映司は武器を求めるが変な手もといアンクはその質問にツッコミを加えながら答える。

 

「その腕に武器があるだろう!」

 

「え!?これ!?」

 

腕と言われて見てみれば確かに腕にクローらしきものが付いている。

それに意識を寄せれば腕の甲にあったトラクローが前に展開され、オーズはこれなら熊を倒すことができると確信した。

 

「よし、熊さん悪いけど……!」

 

バッタレッグが変化して脚力を大幅に上げる。

まあバッタの足、そのままなのだが。

 

「タアアッ!!」

 

クロス字にクローをタイミングよく熊モドキに振り下ろす。

熊モドキもその動きに合わせるように腕を振り下ろそうとした。

しかし、既に熊モドキは即死していた。

バラバラに引き裂かれた熊を置いて、オーズは部屋から飛び出てしまう。

 

「うわっとと!?」

 

締まりが悪いが、まあ初変身ということでご愛嬌という奴だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

変身の解除でもたつくも、それが終われば映司はすぐに怪我をしていたウサギモドキの手当てを始めた。

 

「おい、何やってんだ」

 

「何って、助けてるだけだよ」

 

外傷はパッと見では大したものはないため、恐らく骨が折れたのだろうと引き摺っていた足を触れてウサギに威嚇される。

ソレに怯える事なく、映司は念のために持っていた短剣を当て木代わりにして骨折の処置をする。

 

「この階層じゃどこにでもいるただのウサギだ。助けた所で生存競争の世界で野垂れ死ぬだけだ」

 

そう冷淡に告げるアンクと名乗る腕に、映司は反論する。

 

「そうかもしれない。俺のやったことは無駄になるかもしれない。でも助けて欲しい人を見捨てる理由にはならないし、俺には助けられなかった人達の分も助けないといけないんだ」

 

「………ふん。好きにしろ」

 

魔物とはいえ、完治するのには時間がかかるだろう。

しばらくはここで暮らすしかないか……そう考えていると、アンクが「お前は人間だよな?」と映司に質問する。

 

「うん、俺は人間だよ」

 

「ならオーズに変身しておけ。ここには人間が食えるもんはねぇからな」

 

「え?でも変身しても変わらないんじゃ……」

 

あの姿ってオーズっていうんだ、なんて暢気な事も考えつつ空腹になるのは変わらないのではと疑問に思う。

 

「オーズになっている間はコアメダル……変身に使ったメダルの魔力で生命維持される。若干の空腹感はあるだろうが、魔物肉を食って死ぬよりはマシだ」

 

そう説明されては否とは言えず、映司はベルトを腰につける。

王城の図書館にあった魔物についての説明で、魔物肉は人間を死に至らしめるとしっかり明記されていたので知識としては知っていたが、こうして言われると現実を見させられる。

だがしかし、その前に聞かなければならない事があった。

 

「なあ、アンコ」

 

「アンクだ!次に間違えたらブッ殺すぞ!!」

 

「アンクは何者なんだ?それにこの部屋も一体……」

 

そんな問いにアンクは少し怠そうにだが話す様子のようだ。

 

「……そうだな、オーズの訓練にも正しい歴史を教えるのも託された者としてやる必要があるか」

 

そこから彼から明かされたトータスという異世界の歪んだ世界を語り始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(OMO)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今より昔、今の人は反逆者と呼ぶ者達が神に反逆を行おうとする少し前の話。

魔人族と人間族の国の間に圧倒的な力を持った王が国を作りあげた。

錬成師を重宝し、王もまた錬成術でいける技術の先に新たな世界があると夢とロマンを胸に国を統治した。

そこに人種差別等はなく、お互いを認め合い、高み合う欲望という名の夢のぶつけ合いであった。

そんな彼らの技術力は現在になってもオーバーテクノロジーいって差し支えないものであった。

軍は魔人族も人間族も簡単に蹴散らし、彼らの持つ兵器は巨大な巨人や火を吹く棒が猛威を振るっていた。

しかし、今は彼らの国は存在しない。

オーズという、王の最高傑作と幾つかの兵器を残して彼は反逆者達……いや、解放者達と共に消えた。

国は今ではハイリヒ王国に一部を接収されてウルの町となっているが、それは今はいいだろう。

滅びた国で、オーズという最高傑作を作る際に王は複数のカテゴリーに分けられたメダル十個ずつに魔力を込めた。

それらは【コアメダル】と呼び、満たされた十枚のメダルの一つを抜くことで「満たしたい」という欲望が生まれ、アンクのような【グリード】と呼ばれる怪人が生まれた。

 

「怪人にしては腕しかないけど……」

 

「やかましい!体になるセルメダルが足りねぇんだよ!」

 

とまあ、少しギャグを挟んで話を続けるとそのグリードを隷属化させて彼らのコアメダルを使用して様々な形態に変化して戦う。

隷属化、というにはグリード達は割と自由だったが……各々の欲望を少しでも満たすために、オーズと協力していた。

彼らはセルメダルと呼ばれるコアメダルの劣化版で肉体を構成している。

それを得るためにも程々にグリードの眷属であるヤミーを生み出しつつ、己を強化しそして時折その存在を否定・殲滅すべくやって来る魔人族と人間族の軍を軍と共に逆にコテンパンにした。

そんな彼らと軍であったが、解放者達が人間族の神エヒトに反旗を翻しそんな彼らを援助する形で参戦した滅びし王国。

結果から言うとエヒトが本格的に排除しようと動き始めた事もあり、神の使徒と人間族と魔人族軍の連合軍との大規模戦争に起きた。

解放者達は扇動・洗脳された民衆達と敵対する事を忌避して直接対決はせず、王は仲間のグリード達と共にエヒトの根城である神域に殴り込みに行った。

しかし、腐っても神を名乗るほどの力はあるエヒトに敗北し、グリード達も9枚のコアメダルのうち3枚を奪われ、完全体の力を発揮できなくなった。

王達が敗北し、同時に国もまたそれを共にするように徐々に押し込まれていき、王は愛用していた兵器のとある機能で全てを終わらせた。

無論、その頃にはグリード達はオルクス大迷宮の主であるオスカー・オルクスの元にいて何をしたのかは当事者たるアンクにも分からない。

ただ、映司の知るトータスの歴史を鑑みれば滅んだ国の事は「完全に忘れ去られている」という事実だけが残っていている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アンクから空白の歴史に起きた真実をあらかた語り終えて、映司の感想は至ってシンプルであった。

 

「とんでもない過去を聞いたような感じだな……」

 

だが同時に彼はグリード達の主である王にも評価を述べる。

 

「それにしても王様は優しかったんだね。魔人族でも人間族でもないアンク達を殺したりしないんだから」

 

そう言うとアンクはツンケンとした物言いで喋る。(口がないのはあえて指摘はしない)

 

「アイツは良くも悪くも欲望に素直だっただけだ。時折行き過ぎて俺が振り回される事もあった。王としては失格だよアイツは」

 

そう言いながらもどこか懐かしむような感じは完全に映司はアレを思い起こさせた。

 

「ツンデレだなぁ」

 

「ツンデレ?なんだそれ」

 

「知らなくていーよー」

 

後にツンデレの意味を聞いた際、その腕で映司の頭を万力で絞めてやったのは容易に想像できるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、それから一週間程経過した。

魔物らしく驚異の再生力でウサギモドキの脚は復活し、ぴょんぴょんと嬉しそうに飛び跳ね、そして蹴りが貴重な歴史資料の壁画の角をぶっ壊してしまう。

とはいえ、完全に映司に懐いているようで映司も彼……いや彼女?

どちらにせよウサギモドキを見捨てられずにいて結果、映司とアンクの迷宮攻略に参戦することになった。

 

「ホッパー、よろしくね」

 

「キュイ!」

 

「はぁ……どうなっても知らん」

 

映司は新たな仲間に名前をつけ、ホッパーと名付けられたウサギモドキは嬉しそうに鳴き、アンクはこれからの旅路に少々不安を伴っていた。

 

「おい映司、目的は分かってるな?」

 

「まずは最下層に行ってここから脱出でしょ?それからセルメダルを稼いで仲間達を復活させるんだよね」

 

そう言って熊モドキの毛皮で補修したバックパックから取り出したコアメダルの収納ケースを見る。

この中には、アンクの同胞たるグリード達が復活の時を待っている。

まだ見ぬ新しい仲間を楽しみにするのと同時に、ホッパーから生まれたヤミーが階層の中の魔物を殲滅しているのに冷や汗をかく。

 

「オーズになっても時折負けるのにヤミーがこんなんじゃ、アンク達と戦ったら死にそうだなぁ……」

 

「そう思うのだったらとっとと強くなれ。オーズドライバーを持ってるだけでも、エヒトの連中はこっちを狙ってくる」

 

「あんまり争いたくないんだけどなぁ」

 

迷宮攻略が始まろうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ああ、そう言えばオーズを手に入れるには本来は迷宮を攻略してからだから、お前は運がいいな」

 

「いや、割とマジでそうじゃん!?」

 

「キュウ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 





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ちなみにダディ!は悪ふざけです、ごめんなさい。

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