明日のパンツと少しの小銭で異世界を生きれるか   作:単眼駄猪介

6 / 20

元凶の作者が言うのもアレだけど、映司なら大切にしろって思うの。

区切りの都合上、短いです。



その名はアレーティア

 

ゴリラアームはとことんサソリに致命打を与えた。

鋼鉄の鎧は砕けなくても、その中の比較的柔らかい肉や骨はサソリモドキに甚大なダメージを与える。

まあどのみちゴリラメダルのパワーはとんでもなく、何回もくらえばサソリモドキは呆気なく死んだ。

やはり、神殺しする事も視野に入れたオーズの力はとんでもないと、改めて映司は再認識させられる。

 

「終わった……の?」

 

子供にはとてもではないが見せられないグロデスクの塊に化したサソリに、少女は少し引き攣っている。

 

「ごめん、見苦しいのを見せちゃったね……」

 

流石にやり過ぎだと変身を解除しながら映司も反省する。

だが、ふと思い出した。

 

「あ……そう言えば君の名前を聞いてなかった……」

 

出会ってから全く名前を聞いていない事にようやくと言っていいほどの時間で気付いた映司。

気まずい雰囲気が二人の間に漂うが、失礼を働いた自分から名乗るべきだと思い直して、改めて映司は自己紹介する。

 

「俺の名前は火野映司。映司が名前で火野が姓名ね」

 

一応、念のために違いも教える映司。

映司の名前を反復して覚えようとする少女。

 

「君の名前は?」

 

少し考え込んで彼女は答えた。

 

「……名前、付けて」

 

「え?」

 

まさかの答えに一瞬、映司は思考が止まる。

 

「ふざけてんのか!?」

 

ご尤もなアンクの反応も合わさり、コメディ空間になるが張本人は至って真面目なようである。

 

「前の名前、いらない。新しい名前付けて」

 

そう言い放つ彼女に、映司はなんと答えたか。

 

「嫌だ」

 

「!?」

 

映司は付けることを拒否した。

否定されることを想定していない訳では無いとはいえ、即座にキッパリと断られるのは面食らった顔にもなる。

 

「なんで……」

 

そう問うと映司の顔の色が消えた、としか言い表せない顔となった。

それは怪人であるアンクからしても、見ていて気持ちいいものではないと評するものであった。

 

「親から与えてもらった名前を、そんな簡単に捨てちゃ駄目だよ。嫌な事があったとしても、それは君を形作った証なんだから」

 

「ッ……!!」

 

彼のその言葉は重く彼女の心に響く。

映司の言っていることは理解できているが、それだけなら彼女は駄々をゴネるように「嫌だ」というだろう。

だがそれを言わせない重圧とも言うべきものが、先程まで優しく明るそうな映司から発せられているという現状があった。

だからこそ、彼女は妥協案として自身のフルネームではなく名前だけを名乗った。

 

「アレーティア」

 

「アレーティア……良い名前だね」

 

自身の名に一切の未練がない、と断言できるかと言われれば微妙だろう。

無論、キッパリ切り替えれるだろうが映司の言葉に揺さぶられた今の彼女にはそれは少し難易度を増した。

とはいえ、忌々しい過去を思い出させる名前でもある。

複雑な心情であることには変わらないが、アレーティアは映司が褒めてくれた自分の名に新たな思い出を得た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな出来事から五分程度が経過した。

アレーティアが全裸なので(ロングヘアーな髪の毛が上手く胸を隠してくれていたが)その為の衣服をとりあえずバックにしまい込んでいた外套を着せることで素っ裸の状態を免れ、水の補給もしてさあ出発……の前にホッパーがあるものを発見した。

 

「キュイ!」

 

淡々と言えばホッパーが持ってきたのはアレーティアが言っていた叔父からのメッセージであった。

彼が言うにはエヒトがアレーティアの不死身の体を目当てに奪いに来る事や、それを防ぐために彼女を幽閉する事、その事への謝罪と幸せを祈るというものだった。

 

「うっ……ううっ……!」

 

泣いたのは映司だった。

 

「よがった……!ぢゃ゛んと君を愛してくれる人がいで……!」

 

情緒不安定にも思えるだろうが一度壊れている彼からして涙脆いのは、後遺症とでも言うべきだろうか?

どのみち本来涙を流す人物であろうアレーティアの涙は映司のオーバーリアクション気味の涙に引っ込んでしまったが。

 

「映司……オーバー過ぎ……」

 

「うん……ごめん……」

 

アンクは呆れ返るしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(OHO)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

映司ら一行に新しい仲間が入り、攻略が以前より進むようになったとアンクは思う。

高貴な身分だとはその身振りや髪の手入れからして、それを見たことのある経験があるアンクは察していた。

だが、怪人クオリティとでも言うのか吸血鬼の姫だとしても所詮ただの小娘だと侮っていた。

だから助けることにはあまり賛成的ではなかったし、助けても重荷なるだけだと思っていた。

しかし蓋を開けてみればとんだバケモンを引き当てていたのだ。

 

「魔法じゃ敵無し……か……」

 

魔力も体力も最低限しか回復できていないが、アレーティアの使う魔法は最強クラスのものばかりである。

それに魔力もほとんど無尽蔵という話もあって、とある嫌なヤツを思い出してしまった。

 

「ゴミの望む奴だな、アイツ」

 

そのゴミがなんなのかはともかく、迷宮攻略が早く進むのに越したことはない。

案外、その為にも助けたのかもしれないとアンクは映司の評価を少し上げるのだった。

 

尚、そんなことは映司は一切考えていないが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





曇らせって実は良くわかってないかもしれない()
でもまあ、オーズとありふれを知ってもらうということに関しては二次創作ほど右に出る者はいないし、それが果たせれば良いかな……

感想があると続く作者なので良かったらお願いします。

完全に興味本位なんですが読者の皆様はこの世界にいたら面白くなりそう、嬉しいという作品がありましたら投票お願いします!

  • イナズマン
  • アクマイザー3
  • 暴れん坊将軍
  • キングゲイナー
  • KMRウィザード
  • ┃MO)(OwO)
  • ナイツ&マジック
  • KMRガッチャード
  • KMRセイバー
  • 原作ありふれ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。