前世記憶が蘇ったリトル・ツィイーはルビコン3から逃げたい   作:とうや

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621はゲームの都合上ACの修理があっというだったり、お仕事はウォルターやエアが仕事を持ってきたり指名依頼のメールが来ましたが、他の人はどうなのかという話。


リトル・ツィイーは専属傭兵、という訳でもない。

「内装は修理で十全に機能回復可能ですが、フレームは直すより新規購入がおすすめですね。ここまでヤラれて爆散しなかっただけ運がいい。仮にフレームを修理しても性能はだいぶ落ちてしまいますよ?傭兵支援システムに取り寄せ依頼した場合の見積もりを出させましたが、輸送費がパーツ代5倍で、納品は困難ですからね。衛星砲で破壊されても補填はありませんし」

 

BAWSの技師は六文銭のACシノビの状況を淡々と説明したあと、そう語った。

六文銭が以前内装系がダメになったと言っていたのはそれより先にフレームがダメになって安全措置の為にシャットダウンした結果だろうとの事だった。

 

「なんとかならぬか?この際代替になる軽量機向けパーツでもあればそれでも構わぬが」

技師の方もシノビの戦闘ログは見た後なので、流石にBASHOは合わないだろうと思い、その代案は用意していた。

 

「エルカノのFIRMEZAなんてどうです?軽量でありながら頑丈さ、積載量もある方なのでお客さんにもおススメですよ。真正面からの殴り合いだったらBASHOが一番ですが、お客さんはそういうタイプじゃないでしょう?」

「うむ、当面はこちらにしておくか……」

 

シノビのアセンブリが決まった所でお値段を見ると比較的安くついたように思えたが、どうやら渋い顔。

足が出ている、もしくはかなりギリギリなのではないだろうか?

 

「代金は今回こっち持ちでお願い、技師さん。貴重な用心棒だから仕事道具はきっちり揃えてあげよう」

 

ふふんと鼻を鳴らす私。

元々はユエユー用の貯蓄だけど、FIRMEZA一式とここいらで買える武装程度なら揃っていても払える。

お高い買い物ではあるが、ケチる理由はない。

 

「姫、このご恩は働きにてお返しいたしましょう!」

「ん、よきにはからえ…だったかな?」

 

とはいえ私の方もメンテ代程度は残したが、随分予算が減ったのは確かだ。

 

「内装は生きているのを使うとして、フレームや武器一式揃えるとどのぐらいかかるの?」

「そうですねぇ…ウチの工廠やエルカノからの生産と輸送で大体3日ってトコですわ」

 

それを聞いてふと気づく。

 

「となると、護衛依頼も出るかな?」

「そうなるな。やるならフレーム一式のエルカノがお勧めだ。内装が無いとは言え、フレーム一式揃ってるのは価値が高いからな。代金の半分は輸送時の担保みたいなもんだ。推薦しておくか?」

「よろしく。六文銭は今回はどうする?ユエユーの予備機が一機あるけど」

「であれば、それをお借りしてBAWS工廠に向かいましょう」

「わかった、その線で推薦を出しておくぜ。合流ポイントは中継点であるここ、『壁』だ。

 専属とまでは言わないが、この星の企業の依頼を多く受けてくれると助かるぜ」

 

BAWSとエルカノは同種として張り合うのではなく、そこそこに住み分けが出来ているので互いに襲撃して~と言った様な血を血で洗うような事は早々無い。

そもそもBAWSはACのパーツや武装も出しているが、メイン商材はMTだったりするので売りたくない訳では無いし技術発展させたくない訳でも無いが、商売敵をぶん殴ってでも…と言う所までは行っていないというのが大きい。

また耐久性重視と機動性能重視の差もあるし、護衛、輸送依頼を多く受ける者はBASHOを選ぶし、遊撃や奇襲と言った攻勢に出るタイプはFIRMEZAを選ぶという特徴が分かれていた。

 

 

 

「輸送ミッションの概要を説明させてもらう。今回の依頼主は我々エルカノ。任務内容は『壁』への物資護送となる。定期的に行われる依頼ではあるが、ドーザーの様な無頼の襲撃は後を絶たん。『壁』までの2日間やる気があるのならば帰還の2日間の追加護衛となる。我々エルカノは奴等と遭遇した際の撃破と機体からの情報収奪、或いは撃破機体の回収時は追加の報酬を用意している。なに、屑鉄と言えども溶かしてしまえば再利用の術はある。また、今回に直接関係する話では無いがドーザーを根城ごと殲滅するミッションもあるので、機会があれば交易拠点などのミッションボードから詳細を確認して欲しい。楽とまでは言わんが、難しい話ではない筈だ。諸君らの健闘を祈る」

 

エルカノからのミッション概要の説明を受け、ルート確認を行うと「いつも通りだな」と言うのが感想だった。

ACに搭乗し、コクピットで出発まで待機していると通信が入ってきた。

 

『いよぅ、リトル・ツィイー。相変わらずこの手の依頼じゃお前さんをよく見るな』

 

マシンガンを手に持ち、この辺では完全にレアなロックオンが利かない武装である連装ロケット砲を背負った改造MTバガモールは大型の相手や拠点襲撃で活躍するタイプだ。

 

「あら、荒事の方でよく見るポリソビッチさんだっけ?前に会ったRaD襲撃の参加メンバーに名前があったから酷い目に遭ったかと思ったけど」

『奴等の腕はこの吾輩を以てしても苦戦したが、まぁ何とか生きておるよ。あの依頼を受けたのは完全に失敗だった。特にここ最近RaD頭目になったカーラとその腹心のチャティはAC乗りとしても腕前が尋常じゃない。奴らが出てきたら悠長に施設破壊も出来やしないな』

「死んでないだけ上出来ね。生きていれば挽回の芽はあるけど、死んだらそれまでだもの」

『違いない。ただまぁMTでどうこうするのはやっぱり限界があるな。金を溜めて早く吾輩もACを入手せにゃならん』

「だねぇ…。まぁ、今回は私が前衛に出るから支援砲撃頼むね」

『吾輩に任せるがよい!』

 

 

>>Side MT乗りのポリソビッチ

 

リトル・ツィイーとの通信が切れた所で吾輩は思わず顔がにやけた。

リトル・(かわいい)ツィイーはこの界隈の傭兵にはアイドルみたいなものだ。

それでいて本人が可愛いだけじゃなく、前に出て戦える、味方を最大限生かせる若いながらにベテラン顔負けのAC乗りだ。

以前、彼女と出会う前に解放戦線がツィイーのグッズ配っている時はどうなんだと思ったがアレはお守りみたいな物であり、アイドル応援グッズでもあったという事だろう。

この近辺の集落防衛の守護神であり街道の守り神、彼女に恩を感じる住民は多い。

その反面でドーザー共からは不倶戴天の敵扱いだが、これはまぁ仕方ないし本人も進んでやっている所があるのだから当然だ。

傭兵仕事は汚れ仕事でなんぼでもあるが、気持ちよくヒーローをしたいという気持ちが無い訳でも無いのだ。

 

「とはいえ、金が掛かるのも傭兵だからな。吾輩も彼女に負けんようにせんとな!」

 

MTも悪くはないのだが流石にACと比較すると戦力差が大きいからな!

 

まぁ、流石に輸送依頼の護衛程度では必要な予算の10分の1にもならんな。




傭兵の仕事は基本は交易拠点にあるミッションボードに登録されている公示依頼か、指名依頼の二種類です。
ミッションボードの依頼は早い者勝ちの人数制限アリです。
他にも賞金首には多額の懸賞金が掛かっていたりしてツィイーも実はドーザーの一部に賞金を懸けられていますが、AC乗りからするとしょぼい小遣いレベルな上に襲撃すると解放戦線やBAWS等の地元企業賞金を懸けられて昼夜問わず狙われるデメリットが付く上に本作ツィイーは普通に強いのでハズレ賞金首として有名です。
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