前世記憶が蘇ったリトル・ツィイーはルビコン3から逃げたい   作:とうや

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ルビコン解放戦線は封鎖機構の抑圧からの解放を目的と号した組織であり、精神的支柱にサム・ドルマヤン、実質的指導者にミドル・フラットウェル。
現場指揮のインデックス・ダナム、ドルマヤンの近侍リング・フレディの4人が有名。リトル・ツィイーを主要メンバーに挙げる声もあるが近しくはあっても彼女は独立傭兵を名乗り解放戦線メンバーと名乗ったことはなく、他幹部も解放戦線メンバーと認めたことはない。
幹部級は基本的にACに乗って戦う武闘派組織となるが、実情はドーザーやレイダーの目に余る行いからそちらへの対処に振り回されているのが現実となる。



リトル・ツィイーと解放戦線の依頼

「ストライダー、名前は聞いたことがあったけどよくこんなアンティークを持ち出す気になったね」

「古くはあってもコレが動いて迫るだけでドーザーは逃げ出す。威圧効果は十分にというわけだ。仮に立ち向かってくるとして分厚い装甲に殆どの攻撃は弾ける以上、木っ端なAC乗りでは落とせまい」

 

私と六文銭はルビコン解放戦線の移動拠点、ストライダーに乗船して久しく顔を合わせていなかった嘗ての保護者と顔合わせと彼等からの大口依頼の説明を受けることになっていた。

場所に関しては向こうからの提案で同時に今回の目玉は正体不明の機動兵器だと思っていたのだけど、どうも解放戦線メンバーが余りにも忙しく戦闘準備を整えているので様子が違う気もする。

ストライダーの格納庫に乗り込み、其処から会議室に向かうと向こう側の人員ミドル・フラットウェルおじさんとインデックス・ダナムが居た。

サム・ドルマヤン師匠とリング・フレディは相変わらず別行動だろう、厭世家みたいなもんだし。

 

「とはいえ、何事にも例外は御座ろう。某が以前遭遇した謎の機動兵器の内、高機動重MTであればあの機動性を鑑みるにこの威容を以て当たった所で逆に懐に入りこまれてしまいかねない」

「君の見識は正しいだろうな、六文銭。君の戦闘ログは私も拝見させて頂いたが、あの機動力では護衛に付けている一般的なMTでは翻弄されている内に全滅だろう。中途半端な腕のAC乗りでも一方的に負ける可能性は高い」

 

後、言いたくないけど封鎖機構の重騎兵(HC)LC(軽騎兵)やバルテウス辺りでも撃破される可能性はあるだろう。

カタフラクトなら超遠距離からのレーザー射撃が当たるならどうにかなるが、そうでないなら足元から削られるだけになりそうだ。

重武装ヘリなら撃墜できるだろう……ACで戦う時は微妙に面倒な相手だけど、アレで戦い方が分かれば楽な相手だ。

まぁ、私は師匠やおじさんから「封鎖機構とは勝てそうだと確信しても絶対にやり合うな」と傭兵になって暫くしてから何度となく釘を刺されているので戦った事は無い。

 

それでもこのストライダーや解放戦線が今も封鎖機構から撃破対象にされない理由はただ一つ、本来の役割である掘削作業、特にコーラルの掘削をする素振りを見せない、大した脅威でもない事で見逃されているという、ただそれだけの話だ。

 

「さて、今回の依頼の話に入ろう。君達には複数の討伐を連続で実行してもらいたい。先ず、手始めがグリッド92を占拠しているレイダーコンビ、バート・バートンとWRの二人を抹殺。こいつらは本来AC等持ちえなかった輩なのだが、どうにもここ最近本来ならAC等入手できなかった様なモノたちがACを乗り回して暴れる事が増えている。ACが無くともMTを保持した集団が一挙に増えている。我々も動いてはいるが、どうしても手が足りん」

 

そう言って地図上にマッピングされる多数の行動が活発化したドーザー、レイダーの数に思わずドン引きする。

現在のAC乗りなどほんの少し前まで20に満たなかったというのに、50以上のACを示す赤い点、更に集団に赤い円で戦力規模を示すと隙間なく埋まった様は何処にこれだけいたのかとなる。

ちなみにこの中には私と六文銭、そして解放戦線の面々のACも含まれてる。

 

「えぇっと……えぇ??どうなってんのこれ??」

「こういってしまうのは問題かもしれぬが、ルビコン3にここまでACを集める金や伝手があるとは到底思えぬのだが……何者かの陰謀としか思えぬな。だが、それにしても目的が見えん。やれるとしたらBAWSやエルカノの二社だが、これを行う意味が見えぬ」

 

戸惑う私や考え込む六文銭を見てフラットウェルおじさんが口を開く。

 

「この状況は何も昨日今日唐突に現れたわけではない。それでも、ここ2~3か月の話ではある」

「……陽動であろう、我々や或いは惑星封鎖機構に対する。コーラルを持ち出そうとする何者かが決定的な情報を得る為に混乱を起こし我々の持つ井戸、もしくは封鎖機構のウォッチポイントに攻め込み決定的な情報を得るのが目的かもしれん……ルビコンを滅ぼしかねぬ賽を投げさせる訳にはいかん」

 

今回は守勢に回れば手が付けられなくなると読んで、独立傭兵にも討伐依頼を出すことと相成った。

当然、私と六文銭も出るけど師匠を始め、おじさん達幹部まで総動員だ。

更に今回は企業の支援を受けて数名程芽のある解放戦線の人員にACを回すそうだ。

おじさん、赤字覚悟だって言ってたけど大丈夫だろうか?

まぁ相手の拠点を接収できれば案外トントンなのかな?

 

「今回は二人の移動と補給支援に我々の輸送ヘリと人員を回す。速度優先のため拠点には余り戻れないことを覚悟してくれ。厳しい任務となるが、どうかルビコンの民の為に力を貸して欲しい」

 

おじさんの話を聞いて六文銭はやる気充分のようだ。

討伐リストを眺めていた私は『灰被り』(シンダー・)カーラとRaDの名前を見て少し考える。

ドーザーではあるけど、ドーザーらしくない技術者集団を抱える一派。

これを機に繋がりを強めるのもありかどうか…。

 

よし、ちょっとカーラと頑張って縁繋いでおこう。

あそこのLOADERフレームはカッコいい!!

 




原作には無いトラブルを追加しました。
いったいだれのしわざなんだー(棒

最後に、ツィイーは今生が女子な影響かずんぐりむっくり感があって愛嬌を感じる(?)BASHOが好きですが、前世成分が付加された影響でLOADERみたいなシュッとしたシンプルカッコイイ感じのフレームも大好きです。
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