ゴブリンスレイヤーRTA 魔術投手チャート   作:片腕のシオマネキ

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(一度プロットのメモが消えたので)初投稿です。

リアルの方でお米と格闘する繫忙期だったので遅れてしまいました。

失踪はしません、このカシオミニを賭けてもいい


パート2 裏

 初めての冒険は控えめに言っても成功とは言えなかった。

 前衛二人はボロボロとなり、特にケガをしていない後衛も疲労で満身創痍、捕虜となっていた村娘を村へ送り届けたあとのギルドに行くまでの道中は行きの和気あいあいとした雰囲気と異なり誰も一言も発さなかった。皆、ゴブリンの悪辣さやそれによって辱しめられた女性の様子、自分までも感じた命の危機に意気消沈していたからだ。

 しかし、これはよくある新米冒険者達の事例なのだ。思い描いていた理想の冒険者像と現実の乖離から、ここで心が折れてしまう者もいれば心折れず続ける者もいる。むしろ最初の冒険で命を落とす者も一定数いる中では全員無事で終わった彼らは幸運なのだ。

 

 

 

 

 受付嬢

 

 昼間の忙しさが落ち着いた昼過ぎ、小鬼退治にいった新米の冒険者一党が戻ってきました。剣士と女武闘家は怪我をしていて、大成功といった具合には見えませんでしたがゴブリンスレイヤーさんの救援が間に合ったのか全員生存で良かったと内心で胸をなでおろします。頭目の剣士さんがそんな様子だったので冒険後のインタビューは剣士さんではなく、比較的に元気そうであった魔術投手さんが受けることになりました。

 冒険者は自分の冒険を誇張して語るものや無駄な部分が多分に入ったものも多いため、話し半分で聞き、本当のことはどうだったのか見極める必要がある。しかし、彼女は新米にしては珍しくしっかりと聞かれたことや必要なことを端的に纏めた報告をしてきました。確認のため、ゴブリンスレイヤーさんにもきいてみても「問題ない」と帰ってくるため、本当のことを言っているのでしょう。それならばしっかりとこちらもこちらの事務処理を頑張らないと。

 

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 事務手続きが終わり、受付嬢さんから報酬を受けとった一党は渡された袋の軽さに落胆してしまう。命がけで達成し、水薬や剣などを失った挙句、一人頭銀貨4枚では割に合わない。ゴブリンに冒険者として思い描いていた理想は打ち砕かれて、安い報酬という現実に打ちのめされていた。こうして冒険者は大半がすぐに辞めてしまうのだが彼らは諦めてはいなかった。

「」

 こうした能天気な考えを聞き、当人は冒険の後にも関わらずスキップしながら受付嬢に依頼を持って行っているのを見ると自分だけへこたれているのは癪だと思ったからだ。

 

「なんか濃い奴だったな」

 

「でも私達、彼女がいなかったらやられてたし、悪い人ではなかったわね」

 

「俺たちも明日から頑張ろう。しばらくはゴブリン以外で……」

 分身を出しているわけでもないのに依頼を受けたと思いきやいつの間にか他の受付に並んでいる魔術投手を尻目に幼馴染同士は語り合う。次の日からはしっかり者の幼馴染に尻を叩かれながら剣を円匙に持ち替えて溝浚いをする二人がいた。

将来の大英雄も最初のうちは円匙を握って汚泥を退治するのであった。

 

 

 

 

 下水は汚い。そこで行う溝浚いは臭いも酷く、暗さも松明がなければ鼻先も見えないような環境も相まって地上で行う同じような肉体労働よりも何倍も疲労がたまる。依頼を受けて拾った物は冒険者の自由にしてはいいとはいえ、大型のタワーシールドを拾い上げた時には落した冒険者は何で下水なんかに大楯(タワーシールド)を持ってきたのだろうと喜ぶよりも困惑してしまった。そうこうして、溝浚いの早いうちに大楯を拾ってしまったことから流石の魔術投手も溝浚いの終わる頃にはすっかり疲労してしまい、早々に強壮の水薬を飲む羽目になる。

 

 一方、追加で受けた大黒蟲や巨大鼠の討伐も淡々と行う。幸い下水の怪物はさして探さなくとも湧いて出てくるので手に持った松明と自慢の投石で安全に倒してゆく。規定の数を討伐して証拠を確保した後、脳内のよく分からない声に従って怪物の死体を一ヶ所にまとめておく。

(もう体力的にきついし、汚いから放置したいんだけど……まぁ、神託だからな)

 渋々、指示を遂行してから来た道を戻って下水の入口へむかう。強壮の水薬を飲んだとはいえ、拾った物(タワーシールド)を背負っての探索と戦闘は魔術投手でもくるものがあり、疲労で少しふらついてしまう。

 

 

 もうすぐ出口というところでなにか脳内の声が何か焦った様子で指示が飛んでくる。

(拾った大楯を装備しろ? なぜ?)

 一応指示に従って大楯を構えてみると遠くから巨大鼠が遠くからこちらに走って来るのが見える。これなら投石で、と考えていたが近くに怪物が寄ってきたことによってそれが間違いであるとわかる。近くで見てみると普通の巨大鼠よりも二回りは大きい体を持っている。巨大鼠だと思っていた物は上位種である暴食鼠であった。驚く魔術投手に暴食鼠の先制攻撃が襲いかかるが下水の狭さと大楯の大きさによって盾の心得のない魔術投手でも盾受けが成立する。

(よく分からない外なる神(邪神)だけどこういう風に役立つことがあるんだよね)

内心で外なる神に感謝しながらも脳内は戦闘モードに切り替わっていく。

 

 

 暴食鼠の攻撃を大楯でしのぎながら松明で頭を殴り続けることを暫く繰り返した後、やっと暴食鼠が倒れる。なにか脳内の声が言い訳や叫びだすなど騒がしいが今は疲労のせいでそれどころではない。

 しっかり汚れを落としていったギルドでの受付嬢さんからのお小言も今は右から左となってしまう。軽口をたたく余裕もないくらい疲れているのが伝わったのか労いの言葉と早く休むようにと言って報酬を渡してくる。クエストの基本報酬と不意遭遇での討伐で得られた銀貨で懐は暖かくなったが今はそれの重みさえ煩わしい。どこでもいいから宿屋に.と思ってギルドを出ようとすると見知った相棒の顔が見えた。

 

女魔術師

 

 魔術投手がボロボロになって帰ってきた。水で落としたのだろうがどこか下水の臭いがする大楯を持って、いつもの余裕がある態度とはかけ離れたような様子であったため一瞬本人かと疑ってしまったほどであった。

「一緒に宿を取ら……どうしたのあんた」

「ああ。女魔術師か。いやなに依頼で少し疲れただけだよ問題ない」

 そうは言うものの明らかに無理をしている彼女は今にも倒れてしまいそうだった。元々宿代を浮かせるために学院の寮でしていたようなルームシェアをしようと提案する予定だったのだがこれは少し強引にでも一緒に行動する方がよいと感じてしまった。

 少し強引に同じ部屋を提案すると否定する気力もないのかあっさりと了承される。

「じゃあ宿にいきましょうか……」

 と早速向かおうとすると後ろからの返事がない。振り返ってみるとそこでは魔術投手が倒れていた。大丈夫か、そんなにひどいケガをしていたのかと思って急いで駆け寄るとどうやら疲労のあまり気を失っただけのようでスヤスヤと寝息を立てている。ひとまず安心するが女魔術師は別の問題にぶち当たる。

「この大荷物のこいつを引きずって行かないといけないのね……」

 

 魔術投手をなんとか宿に何とか引きずっていきチェックインをすませてしまう。自分も疲れていたが流石に溝の臭いのするこいつをそのままベッドに寝かせるのは憚られるし、追加料金を取られそうなため装備品などを脱がして軽く洗っておく。一通り終わらせて自分も寝てしまおうとするとなにか魔術投手が寝苦しそうにしている。襟でも緩めて上げようと近づいたところか細い声が聞こえたような気がした。なんだろうとか細い声に耳を近づけてみるとそれは彼女らしくない弱音の言葉だった。

 曰く「小鬼退治の時にみた捕虜となっていた女性の死んだような濁った目が忘れられない」「子供の小鬼をつぶすときの感触と恨みがましい悲鳴が耳から離れない」

「外なる神の神託を信じる選択はあっていたのか」という普段ならこぼさないであろう後悔や不安の言葉がポロポロと口からこぼれ出る。これまで聞いたことがなかったこのような弱音は普段は底なしの体力と自信満々な態度という仮面で隠されていたのだろうが今は隠すものがなく、その表情は見捨てられた子供のようだった。女魔術師はそんな様子の彼女を放ってはおけず、思わず頭に手を伸ばす。

「大丈夫。あんたは間違ってないわよ」

 そう言って撫で付けるとその言葉が通じたのか魔術投手の表情は険が取れていき、安心したような表情になって安らかな寝息を立て始めた。女魔術師もそれに寄り添ってしばらくの間頭をなで続けていた。

 

魔術投手

 

「知らない天井だ」

 目覚めるとそこは知らない天井だった。人間(半森人)本当によく現状が読み込めないと本当に知らない天井だ、と自然に口に出るものだと他人事のように感心する。

 周りを確認してみると見慣れた女魔術師の服や汚れの落とされた自分の装備、空ではあるが誰かが寝ていた痕跡のあるベッドなどがあるのが見て取れる。昨日の記憶を思い出してみるとギルドの入口で女魔術師に出会ったことまでしか覚えておらず、その後はあいまいだった。周りの状況からしておそらく女魔術師が話しかけてきた後に疲労のあまり気絶してしまい、彼女が宿まで運んで介抱してくれたのだろう。

 寝ている間に悪夢とその後に何かとても安らかな夢を見ていた気がするが悪夢はともかくあまり覚えていないから気のせいだろうか。まぁなんにせよ先ずは女魔術師を探して一緒に腹ごしらえをすることからしよう。大丈夫、夢の中で震えていた私じゃなく、しっかりと自信を持った僕として今日もやっていこう。そう切り替えて寝ていた部屋を後にする。

 

 下の階に降りるとそこは食堂となっており、ちょうどテーブルについた女魔術師がなにかを注文するところだった。

「パンと牛乳をちょうだい」

「じゃあ僕はそれにスープを付けてもらえるかな」

 彼女の簡素な朝食の注文に割り込んで魔術投手も朝食の注文を行う。給仕の獣人がかしこまり~と言いながら注文を厨房に持っていくと先ずは女魔術師の恨み言が始まった。

 

「アンタ、昨日は大変だったのよ! 急に倒れるし、装備は重いし、溝臭いし。本当に苦労したのよ」

 

「それはすまなかったね。ところで今日も下水に行くんだけど一緒にどうかな。力を借りたいんだ」

 女魔術師の怒りはもっともであったが人魔術投手(人の話を聞かない奴)には通用せず、依頼の話をされる。女魔術師は下水の仕事に難色を示すが、白磁の新人が、しかも完全な後衛職が一人で受けられる仕事は限りなく少ない。昨日の剣士の一党も前衛二人が怪我をして動けず、かといって他の一党に加えてもらえるように交渉するような柄ではないことを挙げられてしまえば彼女が取りうる選択肢は一つしかない。結局、魔術投手が昨日の宿代と朝食代を持つことで折れた女魔術師は共に下水にいくこととなった。

 

 

 

 早朝で少し混みだしたギルドにいき、クエストボードに貼ってあった巨大鼠と大黒蟲の討伐依頼を持って受付にいく。この手の下水の依頼と小鬼退治の依頼は大抵塩漬けとなって溜まっており、少し連続でやってもなかなかなくならない。

「おはよう。クエストを受注したいんだけどいいかな」

 

「おはようございます。魔術投手さん。また複数依頼ですか……。昨日も言いましたが白磁で複数依頼はあまり褒められたものではありませんよ。最初のうちは着実に一つ一つの依頼を確実にしてください」

 

「ああ、了解したよ。けど大丈夫。今日は昨日と違って2つだし、術も切れてない。それに今日は心強い仲間もいるからね」

 そういって女魔術師を指さすと渋々ではあるが依頼を処理してくれる。処理が終わるが早いか足早に立ち去る魔術投手とそれに急いでついていく女魔術師に受付嬢は少し苦い顔をする。

「魔術師さん、腕はたしかそうですし、どこかあの人(ゴブスレさん)に似ているんですが。あの人と同じように危なっかしんですよね……」

 

 少しのおせっかいが通じているか少し疑問な受付嬢であった。

 

 

 

 魔術投手と女魔術師は工房で買い物をして術などの諸々の準備をして下水に入る。初めての下水ということもあって女魔術師は最初の方は溝の臭いにいやそうな顔をしていたが覚悟を決めたのか奥に進むにつれて諦めの表情をしていた。

 

「どこに向かってるの? 下水の怪物ならもっと入口付近でもいるわよ?」

 

「まぁ、それは行ってのお楽しみだよ。大丈夫さ、後衛に攻撃は漏らさないから」

 そういって前を行く大楯をもった分身に先導されることしばらく、一党は昨日魔術投手にが討伐をしていたあたりに到着した。何でもないような場所でここだという合図を聞いた女魔術師はなぜだろうとあたりをよく見てみる。そうすると松明の光が届き切らない暗がりに何かが蠢いているのが見えた。暗闇に目が慣れるとその正体に気が付き、思わず悲鳴が漏れる。下水の怪物の死骸を同じ下水の怪物たちが貪っていたのだ。しかも数匹ではなく、20匹は優に超えている。女魔術師の悲鳴でこちらに気が付いたのか死体食いをしていた怪物の群れが一斉に一党に向かって来る。しかし、分身と魔術投手は慌てずに策を講じる。

 まず、本体が群れの前に松明を投擲し、火にひるんだところに分身の『魔術』『結束』『生成』と唱えたことによって出来た【力場】が群れを囲むようなドーム状に生成される。中では怪物達が自分たちを閉じ込める力場を食い破ろうと体当たりをしたり嚙みつこうとしていたり、悲鳴をあげていたりするが力場はびくともしない

 

「これで完了かな。後は中が死ぬのを待つだけだね」

「すごい……【力場】で怪物を閉じ込めて窒息死させるのね、ていうかアンタ何時の間に【力場】を使えるようになったのよ」

「たった今が初めてさ。真言は前から知ってたけどぶっつけ本番で上手くいって良かったよ」

 さらりととんでもないことをいう魔術投手を信じられないような目でみる女魔術師が文句を言っている間に力場内の酸素が尽きたのか火が消えて、中の怪物達の息の根も止まったようだった。

 

 

 地上に戻る前に討伐の証明箇所を確保しようとしていた時、魔術投手の脳内に何かが迫っていることが告げられる。大量の同胞達の悲鳴に寄せられて来たのか、本来であれば同じ下水で縄張り争いをしているであろう生物達の親玉二匹が同時にあらわれる。

「暴食鼠に巨大黒蟲!? しかも同時に! どうしよう、逃げましょう!」

「でもまだ討伐証明も取ってないし、二人なら、いや、三人なら余裕さ」

 そういって分身と本体がやる気であれば女魔術師も戦わざるをえない。

 最初に動いたのは巨大黒蟲であった。前衛の分身に嚙みつこうととびかかるが下水の狭さと昨日の経験から大楯に阻まれてしまい、大きな隙を晒す。そこにすかさず本体の投石と女魔術師の【火矢】が刺されば火に弱い巨大黒蟲はたまらずダウンしてしまう。

「なんだ。余裕じゃないか」

 分身が余裕の言葉(フラグ)を吐くとその慢心のツケはすぐに廻ってくる。こちらも余裕だろうと考えた暴食鼠の攻撃を受けるときに通路の窪みに足を取られてしまう。その隙は致命的で暴食鼠のかみつきが分身の腕を捉える。かみつきはすぐに振りほどいたが、下水の怪物の攻撃にはその不潔さから病や毒にかかる危険性があることを思うと安心はできない。

「女魔術師、【火矢】であいつの気を引いてくれ、そのうちに分身を治療してたてなおす!」

「わかったわ。なんなら私が倒してしまってもいいのよ」

 またしても余裕(フラグ)そうなことをいって放たれた【火矢】は分身の時とは異なり、油分の多い暴食鼠によく効いた。たちまち火達磨になって悶えている隙に分身は解毒薬で回復し、盾を持ち直す。そうして借りを返すように

「よくもやってくれたね。今度は油断しない」

 そういって分身がラストアタックを決めようとしたが瀕死の暴食鼠は後ろからの投石で倒れてしまった。

「あ! 僕が倒そうと思ったのに」

「はっはっはっ。今回本当に何もしてないからね。少しは見せ場をおくれよ」

 分身が文句を垂れるが本体は意に介さない。とやかくいってじゃれ合う二人を見ながら

「どっちも自分だろうからどっちが倒しても同じじゃない」

 そう言って女魔術師は呆れるのであった。

 

 

 下水から出た後に女魔術師に急に水をかけたことで魔術投手がキレられたこと以外は問題なく上位種、通常種それぞれの討伐証明を持って地上に戻る。

 今回のクエストは殆どが移動時間で終わり、その移動時間も街の下ということもあって一時間程度で終了した。

 ギルドに着くと流石に早すぎたのか受付嬢さんに首をかしげられる。

「なにか依頼で分からないことがありましたか?」

「いや、依頼達成さ。これが討伐証明だ。上位種も倒したよ」

 そう言って雑嚢から討伐証明の部位を取り出すと受付嬢は目を丸くさせる。失礼しますといって裏に引っ込むと、早すぎて不正を疑われたのか裏から【看破】を使える監査官を連れられてきてしまった。しかし監査官が【看破】を使っても魔術投手も女魔術師も本当のことを言っているため【看破】には反応がなく、噓ではない事が証明される。

 

「大丈夫そうかい? 僕たちの事は信じてもらえたかな」

「はい……、大丈夫みたいですね。申し訳ございませんでした」そう言って謝罪とともに報酬が渡される。それを山分けしようとカウンターから去ろうとする前に、静止がかかり、受付嬢さんから昇級についてのお話になった

「魔術投手さんは既定の条件を満たしたので黒曜等級への昇級ができるようになりますがいかがでしょうか」

 本来であれば昇級は依頼の達成回数だけでなく、信頼や信用などが必要になってくるが、今回の場合は複数依頼で達成回数と学院を卒業していることから信頼できる身元であることも確認できるため問題なく条件をクリアしている。

「ああ。謹んでお受けするよ。今から出来るのかい? それとも試験があるのかい?」

 

「いえ、今回は面談だけですね。ですが信頼のおける上位の冒険者さんが立会人として必要なのですぐは無理ですね」

 すぐに昇級の面接が受けられないと告げられ、渋々次の依頼を取りに行こうとした時に都合よくゴブリンスレイヤーが訪れる。魔術投手はこれはちょうどいいと思い、訳を話してゴブリンスレイヤーと一緒に受付に聞きにいく。

「上位の冒険者はゴブリンスレイヤーさんでもいいのかな?」

 

「はい。問題はありませんがゴブリンスレイヤーさんは大丈夫ですか?」

 

「ああ、数件あるが誰かが攫われたわけでもないからな」

 ゴブリンスレイヤーがそう言って承諾すると受付嬢さんに先導される形でギルドの応接室に通される。魔術投手の向かいには受付嬢さんと先ほどの監査官の方、横にはゴブリンスレイヤーが立っている。

「それでは面接を始めます」

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 面接は問題なく進行してゆき、最後の質問にもしっかりと答える。受付嬢さんが監査官に何か噓はあったかと向き直るが監査官は首を横に振る。どうやら問題がなかったようで受付嬢さんから合格発表がなされる

「おめでとうございます。これで黒曜等級への昇級となりました。手続きの都合で認識票は明日以降になります」

 その合格発表を聞いた魔術投手はお礼を言って足早にでて行く。ゴブリンスレイヤーも終わったのなら小鬼だと言わんばかり出ていってしまう。残されたギルド職員二人も昇級の事務処理や通常業務の為に自分の受付に戻っていくのであった

 

 

 昇級試験が終わった後、ゴブリンスレイヤーが早速と小鬼退治に行こうと女神官とギルドを出発しようとするとさっきまでもっていた大楯をどこかにやったようで軽装となった魔術投手が話しかけてくる。

「いたいた、先輩。僕も小鬼退治について行っても構わないかい」

 

「ああ。構わないが、さっきまでもっていた大楯はどうした?」

 

「あれは女魔術師に修理へ持っていってもらったよ。小鬼退治には邪魔だからね」

 平然と親友をパシったことを白状しつつ、合理的な理由を述べる。ゴブリンスレイヤーも特に断る理由もないのでああ、と言って小鬼退治に出発する。

 

 付いた巣穴で小鬼汁まみれになって早いうちから女神官と魔術投手の目が死んだ事はまた別のお話であった。

 

 




感想ありがとうございます。

これまでの感想でモチベーションぶち上がってるので多分続きます
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