今回は本編をお送りする前に幕間その2を投稿しようと思います。
それでは、どうぞ。
「ありがとうございます先輩、私のために時間を調整してもらえて」
「大丈夫だよ」
Ave MujicaとPastel*Palettesの対バンライブも終わり颯樹さんと千歌さんがAve Mujicaに加入して1週間後、各々の学校も夏休みが目前となり、日に日に暑さが増してくる今日この頃。とある休日に僕たちAve Mujicaはメンバー全員が集まってお出掛けしていた。
「しかしsumimiにヴァンガードのイベントに参加の依頼が来るとは……」
「ホントに。しかもデビューして間もないのに」
僕らが集まってお出かけしている理由…それはAve Mujicaとしてではなく、
それを受けたsumimiの2人なのだが、ヴァンガードの経験は全く無いので、経験者である颯樹さんや千歌さんにティーチングをお願いする事になったのだ。しかし、その話を聞いたにゃむさんが『せっかくだしAve Mujica全員で聞かない?』と提案してきたのだ。
勿論祥子ちゃんや僕は反対したけど、最初に話を持ちかけた初華さんもお願いしてきた事や颯樹さんから『もしかしたらAve Mujicaにも今後ヴァンガードのイベント関連でオファーが来るかもしれない』『それにダメだと言ってもにゃむが勝手についてくるだろうから意味が無い』と助言を頂いたので、渋々承諾する事となった。
というよりにゃむさん、貴女絶対にヴァンガードの動画あげる気でしょ。女子だけでなく男子からの人気も得ようとする魂胆がバレバレだし……。
でも幸いなのが、初華さんの相方であるまなさんが急遽ソロのお仕事が入ってしまったので、彼女だけ後日颯樹さんのティーチングをイベント当日までに済ませるというわけだ。
しかし此処に
そんな事を考えてる合間に、僕達は颯樹さん御用達のカードショップに到着した。
「なんだこれは……?」
「誰かファイトしてるのでしょう」
カードショップに入るや否や、僕たちがまず最初に目に入ったのは豊富な種類のカードや、そのカードが並んでいるショーケースではなく、おそらくファイトスペースに位置している場所で出来ている人混みであった。
確か今日は休日…学生のお客さんがいても不思議では無いけど、カードに目も暮れずにファイトの見学だけでこんなに集まるのは異常なのでは……?
「すげぇ、【禁忌の先導者】のファイトだ……」
「もうすぐで終わるな……」
【禁忌の先導者】?なんて二つ名だ……。この二つ名考えた人絶対頭が痛い人なのでは?(※偏見です)
そう思い僕たちは人混みを少し掻き分けて誰がファイトしているか確認した。
「京介先輩⁉︎」
ファイトスペースでファイトしていたのは、見た事ある人…京介先輩であった。京介先輩は自分の手札を睨めっこしながら考え事をしていた。そして閃いたのかすぐに手札のカードを使って実行した。
京介先輩が動き出してその数分後、彼の勝利でファイトは終わった。
「す、凄い……」
「流石京介さんですね。颯樹が
ファイトの一部始終を見終えた初華さんと千歌さんが各々の感想を呟いていた。というより颯樹さんも梃子摺るんだ。その当の颯樹さんもいつのまにか自分のデッキを取り出してるし……。
「京介。今度は僕とファイトをしないか?」
「アンタは…颯樹さんか。いいだろう、アンタとならいいファイトが出来そうだ」
颯樹さんが京介先輩の向かい側の席に座った。京介先輩が颯樹さんの姿を確認すると、ニヤリと笑みを浮かべていた。そして2人はお互いデッキをシャッフルしてファイトができる所まで準備を終えていた。
「一応言っておくぞ。俺は
「そうか……ならその怒りを全て力にして僕に挑め」
「のぞむところだ」
先輩、気が立ってたんですか⁉︎それに加えて颯樹さんも挑発してくるし、先輩も乗っかってくるし……何か不安になってきた。
「「スタンドアップ!」」
「ザ!」
「「ヴァンガード!」」
そして、2人の掛け声と共にファイトが始まるのだった────。
「こ、これは……」
「中々見応えのあるファイトでしたね」
にゃむさんが内心驚きながら、海鈴さんが関心する評価を出していた。ちなみにファイトの結果は……颯樹さんと京介先輩は攻めて守って、攻めて守って……の繰り返しをしてお互いのカードを出し尽くしながらも、僅差で颯樹さんに軍配が上がった。
僕の心配とは裏腹にこのファイトは大いに盛り上がったようで、見学していた僕たちは勿論、その他のギャラリー達から健闘を讃えるように拍手をしていた。
そして暫く間を空けて、初華さんのヴァンガードのティーチングが始まった。ちなみにファイト相手は颯樹さん達は自重してか、千歌さんがその役回りを担ったのだった。
「なるほど……お前も大変だったわけか」
「すまない、ストレス解消の吐き口にしちまって……」
「問題無いよ。お前の気が済んだなら構わない」
初華さんの初ファイトを見学しながら颯樹さんと京介先輩が積もる話をしていたけど…ストレス解消って。それほどまでに生徒会の仕事が忙しいのだろうか……?
「京介さん、お久しぶりです」
「よう海鈴。先日Morfonicaのライブに来て以来だな」
「アレ?うみこ、彼と知り合いなの?」
うん、それは僕も思いました。だって京介先輩は僕や祥子ちゃんと同じ羽丘で海鈴さんは花咲川……接点なんて無いのでは?
「以前見知らぬチャラ男達からナンパされた時に助けてもらって……それに加えて生徒手帳を拾って花咲川まで届けてくれたんですよ。その上でライブにも招待させて貰って……」
あー、まさかの偶然の邂逅だったんですか。それなら納得しますね。確か対バンライブ前に調子が良かったのは先輩にライブを誘われたからか。それなら納得できるかも……
「八幡さん!何故その時私も誘ってくれなかったんですか⁉︎」
しかしそんな矢先、祥子ちゃんが海鈴さんを掴みかかった。えぇ……祥子ちゃん、そんなキャラじゃないよね……?
「さきこ〜。落ち着きなって(ねぇさきこ〜。せっかくだし彼を引き抜かない?色々なコネがありそうだから、それを利用してAve Mujicaの人気を上げるチャンスだよ?)」
そんな中、にゃむさんが祥子ちゃんを宥めていたけど、なんか企んでない?だってニヤリと笑いながら宥めると同時に祥子ちゃんに何か耳打ちしてきた。小声で何を言ってるのか聞き取れなかったけど、貴女絶対何か良からぬ事を考えてるでしょ……。
「引き抜き話か?そんなのはこころの馬鹿で充分だ」
しかしコッソリと耳打ちしている所を見て感じ取ったのか、京介先輩はにゃむさんを睨みつけて指を鳴らしていた。というより引き抜き話だったの⁉︎よく分かったな、この人……。というより祥子ちゃんも海鈴さんもなんか目を輝かせているんだけど⁉︎
「悪かった、京介!にゃむにはあとで僕の方からキツ────ーく言っておく!だから怒りを収めてくれ!」
その時マズイと感じたのか颯樹さんが京介さんとにゃむさんの間に割って入ってきた。確かに此処を見逃せば少なくとも僕たちや先輩にとって大きな痛手になるからね……。
「そうですか……残念です」
引き抜き話を白紙にした瞬間、なんか残念そうに俯かないでください。というより海鈴さん、貴女そんなキャラじゃないでしょ?
「それに、くっ…京介様はMorfonicaさんのメンバー…くっ、そんな京介様がいなくてはMorfonicaさんは成り立ちませんわ!」
「えー、さきこのケチ!」
そんな事言ってるけど祥子ちゃん、何処か悔しがってない?先程の反応といい、ところどころ歯を食いしばってるように見えるんだけど……?
「祥は京介さんのファンだから」
睦さんがコッソリと僕に耳打ちしてきたんだけど、ファン?…あぁ、確かそよさんからそんな事聞いた気がする。確かにファンなら近くにいるだけでも大いに喜ぶだろうね……。ましてや同じグループにいればファンからしたら歓喜そのものだからね。
「引き抜きはしない。だけどちょうど良かった。お前には協力を求みたい。だから取引をしないか?」
「取引だと?」
そして颯樹さんの方から京介先輩に対して取引を提案してきた。しかし何故このタイミングで『取引なんだ……?』と思ったけど、Ave Mujicaは先日の対バンライブで更に人気急上昇、SNSで連日トレンド入りするものだから忙しくなる事は確定しているから、その仕事のサポートをお願いしたのか。
「1つ聞くけど、俺が仮に取引に応じるメリットはあるのか?」
京介先輩は眉をは
「当然。Morfonicaや生徒会を最優先で構わない。それと今お前が抱えてる生徒会とMorfonicaの…というより月ノ森に関しての手助けはある程度する。だからその見返りとして僕らのバンドの協力をしてくれないか?」
なるほど、先輩には先輩なりの事情を抱えているわけか……。それに加えて自分の都合を最優先、それどころか颯樹さんも先輩の手助けをしてくれるのか……先輩にとって破格の内容だ。
「確かに部外者の僕の手を借りるわけにはいかないだろうが、お前1人で出来る事はたかが知れてる。だから行き詰まらないための手助けだ。どうだ?」
更に颯樹さんはその話を補足するような指摘をしてくる。確かに痛い所を突いてくる……。でもこの取引に応じてくれるのかな?先輩も今腕を組んで悩んでるし。
「……いいだろう、その取引乗った」
考えが纏まった京介先輩の決断…それは取引に応じる事であった。なるほど、颯樹さんの事を余程信頼している故の決断か……。
「ホントにですか⁉︎京介様が…私のバンドに協力者に……」
しかしその
「……なるほど、バンドネームねぇ。何処ぞのチュチュチュの所と一緒だな」
場所はカードショップから僕の家に変えて、祥子ちゃんが京介先輩にAve Mujicaの…主にメンバーなどの説明をしていた。
ちなみにヴァンガードのティーチングは千歌さん曰く初華さんのスジが良かったようなので早めに切り上げる事ができたのだ。
あとこれは少し先の未来で聞く事になるのだが、初華さんがイベントでファイトをするわけだけど……そのファイトの相手を担ったのがアニメ主人公を務めている声優さんだったのだが、千歌さんの手ほどきの賜物なのか、圧勝に収めたのはまた別の話である……。
「そこはRASって言おうね。それに『チュ』が1つ多いぞ?」
「えっ、違うの?」
あのー、2人とも?今そんなやりとりいらないですからね?というか京介先輩は真顔になって驚いてるし……。
「あと、メンバーのバンドネームの大半はもしかしてラテン語…それに加えて月の海か?」
「えぇそうです。よくお気づきで」
説明をある程度聞いただけでメンバーの名前の由来を即座に推理し始めた。しかも正解なんだけど⁉︎この人結構頭良くない…いや、生徒会長を務めてる身だから知識が豊富なのも納得がいくか。
「最近
なるほど、他の人からの知識か……あとすみません、最後の部分絶対要らないですよね、それ。その一言で残念になって仕方ないんですけど。
「やっぱり根に持ってたか……京介すまない。日菜の件は本当にすまない……」
「私からも謝罪させてください……」
しかし京介先輩が言った言葉に颯樹さんが申し訳なさそうに頭を下げてきた。それに付き添うように千歌さんも颯樹さんの隣で頭を下げた。
「大丈夫っスよ。アンタらは悪くない……当の本人からその言葉を聞かないと意味ないっしょ?」
「「……ごもっとも」」
京介先輩は2人に対して悪くないと指を鳴らしながら諭した。確かに押し付けた本人から謝罪が無いと意味がないからね……。
ちなみにこれは後に知る事になるけど、本来、
……コホン、話を戻します。
あとそうなると必要なものはバンドネームか……。祥子ちゃんはどんな名前を京介先輩に与えるんだろう……?颯樹さんは『虚無』、千歌さんは『憎悪』、祥子ちゃんは『忘却』、僕の場合は『孤独』だからAve Mujicaに見合ったものにしないと……。
「……なら俺は
すると京介先輩自らがこれから名乗るバンドネームを提案してきた。でもアングイス?コレもラテン語なのか……?
「確かラテン語で『蛇』を意味するな。月の海にも『蛇の海』があったね」
するとそれを見兼ねた颯樹さんが軽い説明を入れてきた。しかし『蛇』か……感情や形の無い物が主な名前の由来なんだけど、それは浮いちゃうんじゃあないのか……?
「もしかしてAve Mujicaに飲み込まれない…そう言いたいのですね?」
「左様。俺はMorfonica一筋なので」
どうやら京介先輩、他のメンバーと区別をつけるようで、あえてそう名乗りを出たのか。だから蛇を名乗って他のメンバーの対比にしようって考えたのか……。確かに先輩以外は祥子ちゃんが決めた上に先輩のように名前の由来は生き物じゃないからね。
「分かりました…それでいいでしょう。貴方の言った事ならある程度は尊重します。ですが……本当によろしいのでしょうか京介様?後戻りは出来なくてよ?」
でも祥子ちゃんは京介先輩の意見を汲み取ってくれたようで特に否定はしなかった。しかし、祥子ちゃんは再度確認してきた。
「蛇は後退しない生き物だ。それに取引に乗ると言った以上後戻りする気は無い」
しかし京介先輩は決意を変えるつもりは無いようで、まっすぐな目をして祥子ちゃんを見る。
「そう、それなら私がこれ以上追及する気はありませんわ……これからも頼りにしてますわ、京介様…いえ、
「こちらこそよろしく、豊川さん…いや、
京介先輩の意思を聞いた祥子ちゃんは安心したようで安堵した。そしてその際に、2人は名前でなく確認の意を込めてなのか、あえてバンドネームで呼び合った。
「それと京介様……私の事は祥子とお呼び下さい……私だけ名前で呼ぶのは些か不平等かと…」
しかしそこで祥子ちゃんが待ったを掛けたから何事かと思ったけど、自分の事は名前呼びにするよう京介先輩に要求してきた。これも憧れの人に名前で呼んでほしいだけなのね……。
「了解した、祥子」
一方で先輩は、問題無いと感じたのかすぐさま祥子ちゃんを名前呼びを始めた。その後は京介先輩の衣装合わせと次回以降のライブの打ち合わせを急遽始めるのであった。
今日この日、
まずは最新話の読了とお気に入り登録をしてくれた皆様、ありがとうございます。こんな拙作にお付き合いいただいた事に感謝感激です。
今回の幕間で、京介はAve Mujicaのメンバーになりましたが、本人はMorfonica一筋だからあくまでサポーターと言い張りますけどね(笑)
次回はこの続きか他作品の投稿を予定しております。
それでは、また次回。
今回からAve Mujicaに加入する事になった、京介のプロフィールも記載します。白き蝶と変更点もありますので、目に通してくれたら幸いです。
【名前】
【性別】男 【年齢】18
【学年】高校3年生 【学校】羽丘学園 【クラス】3年A組
【身長】175cm 【体重】65kg 【誕生日】 4月4日
【血液型】AB型
【容姿】アッシュグレーのミディアムロングで、右目を前髪で隠れてる。二重の切れ長の紫色の瞳。外見は整っており、イケメンの部類。(本人自覚無し)
【一人称】俺
【イメージCV】小野友樹
【概要】
作者の処女作『白き蝶に導きかれて……』の主人公。
時系列がSeason3になっても人好しであり困った人は基本放っておかないところは変わっておらず、それに併せてか皮肉屋のところも顕著になり始めた。
本作ではSeason3になった事で学年も1つ上がっており、この世界線においては羽丘の生徒会長に就任している。
ちなみに就任理由は、日菜独断で無理矢理押し付けられた上に、彼女の行動で生徒会長に祭り上げられた事が原因である(余談だけどつぐみは(本作においては)副会長を務めている)。そのため、日菜に対して恨んでいる。
Morfonicaのマネージャーは相変わらずだが、生徒会の事があってかここ最近顔を出してない。それも加えて月ノ森の新体制について瑠唯から聞かされて悩みの種が増えた。
しかしそんな折、Ave Mujicaと邂逅と同時に引き抜き話を持ち掛けられそうになるけど、颯樹の提案でサポーターとして落ち着く事に(ぶっちゃけて言えばバイトや派遣みたいな立ち位置。しかし祥子からはメンバーの1人としてカウントされている)。
ちなみに颯樹の提案を受け入れた理由は、Ave Mujicaの存在を千聖から聞かされた事で、今後のガールズバンドで危険の有無が無いか見極めるためと何かしでかさないか監視する為である。
この時点で同メンバーのましろと瑠唯、RASのレイヤとは恋人関係である。3人揃っての修羅場が一番苦手なのは本人談。
獅音の女装回を……
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書いて下さい!
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書かなくていいです