今回から数話に向けてヴァンガード回をお送りします。今回、作中のオリキャラや原作キャラがヴァンガードをやる都合上、タグにもヴァンガードを付け加えさせて貰います。
あとは後書きに今後の活動についてお知らせがあるので最後まで読んでいただくようよろしくお願いします。
それでは、どうぞ。
Ave Mujicaとの対バンライブが終わって早数日、パスパレのメンバーはAve Mujicaに大敗を喫して以降はレッスンにより一層励んでいた。
かけがけのないメンバーを理不尽に引き抜かれた悔しさから、彼女達はよりレベルアップを図ってからAve Mujicaにリベンジを狙っているのだ。
ただし、Ave Mujicaに敗北して以降はいつも行なっているレッスンよりもより数倍の量を自分達から進んで追加しているのだが、問題はその量が多いのが欠点である。
他からしたらオーバーワークとも捉えられる状態であるためか、プロデューサーのナオは今のパスパレに頭を悩ませており、度々苦言を呈しているのだ。
そんなある日、レッスンを終えたパスパレメンバーは突如ナオに呼び出されたのだった。
「プロデューサー、話とはなんですか?」
「実は先程事務所宛にこんなメールが届いたんだ」
早速本題に入った千聖だが、ナオはその事は織り込み済みのようでノートパソコンを開いてメンバー全員にメールを見せた。
『パスパレの皆さん、如何お過ごしですか。私は貴女方の築き上げた糧を引き継ぎ、日々厳しいレッスンやお仕事に励んでいます。颯樹先輩の教えはとても身になる事の連続で、私やまなちゃんの刺激となり、力になっています』
そこには、初華が書いたであろう文面のメールが目に入った。しかも内容からしてパスパレを嘲笑や挑発しているとも捉えられるのであった。
「こんのぉ…っ!」
「なんてゴクアクヒドウなんでしょう……許せませんッ!」
「い、いいイヴさん落ち着いてくださいっす!相手のペースに呑まれちゃ駄目っすよ!」
当然、そんなメールの内容に日菜とイヴは憤りを隠さなかった。しかもイヴに至っては何処からか取り出した木刀を構える始末なので、すぐさま麻弥に咎められた。
「落ち着け。氷川、若宮。話はまだ終わっていない」
そう言ってナオはパソコンのマウスを操作して画面を下にスクロールさせた。
「えぇーっとなになに……『さて、物は相談なのですが……今度私たち宛にヴァンガードイベントのお話が来ているんです。其方さえよろしければ、私たちと対決しませんか。もし私たちのうち誰か一人でも負かす事ができたなら……私からさきちゃんに再戦を掛け合っても構いません。ただし貴女方にそんな余計な事に時間を割く余裕と、やる気があればの話ですが♪』…だって」
彩がメールの続きを朗読すると、ナオ以外の全員が驚きを隠さなかった。それもそのはず、まさかこんな短期間にAve Mujicaとの再戦のチャンスが舞い降りてきたのだから。それに加えてヴァンガードで一人でも勝つという破格の条件で。それを全員の心が一つになったのだ。
「もちろんその挑戦受けます!」
『うんっ!/はいっ!』
当然彩達はその
「待てお前たち、一旦落ち着け。三角がこんなメールを送ってきたのは意味があるのは承知の上だろ?」
「承知?そんなの関係無いね!ようは勝てばいいんでしょ!」
しかしナオは落ち着くよう諭すと同時に、明らかに怪しさ漂う内容に対し懐疑心を抱いていた。だが、日菜にはそんなの関係ないと言わんばかりの対応にナオは呆れてため息をついた。
「いいか。おそらく相手はパスパレに対して5人で挑んでくる筈だ。当然此方は5人のうち1人でも勝てば再戦のチャンスを掛け合ってくれる……だが逆を言えば相手には『自分達が勝つ』もしくは『絶対負けない』という自信がある事を忘れてないだろうな?」
ナオのその一言で全員が黙ってしまった。確かに初華が提示した条件は『パスパレが一勝する』というパスパレ側にとっては破格の条件。普通この場合、条件を合わせるなら『過半数を上回る』というのが適切だからだ。
だがそうしなかったのは悪い話、『普通の条件に合わせてもパスパレは勝つ事はできない』とも捉えられるのだ。そんな単純な話を彩達は見逃していたのだ。
「……まあ、遅かれ早かれお前たちはAve Mujicaに再戦する気満々だからその千載一遇のチャンスを逃すという事はしないだろう。分かった、私も許可する。今はそんなに仕事の依頼がないからな。デッキに入れる強化に必要なカードくらいは事務所から必要経費として出させるから安心してくれ」
しかしナオも彩達の事も考慮してくれたのか、この挑戦を受ける事に許可した。彩達は目を輝かせるもナオは「しかし…」と言って言葉を続けた。
「まずはちゃんと休め。ただでさえオーバーワーク気味だからそんな状態で本番を望むと身が持たない、だから休め。でないと、当日までベッドにロープと鎖で無理矢理拘束するから覚悟しておけよ?」
そう言ってナオは部屋を出て行った。そして自分達の現状を省みた彩達はイベントまでのスケジュールを調整しながらデッキ構築や改良に手を出すのであった。
そしてヴァンガードイベント当日。
パスパレメンバー全員は一般客とは違い関係者入口で会場入りを済ませた。その時会場前を少しだけ覗き見をしたのだが、sumimiがゲストで来ると知ってからかファンが大量に押し寄せていた。
そして今現在スタッフ案内の元、楽屋に向かっている最中である。
「い、いよいよこの日が来たね……」
「彩ちゃん、緊張しすぎー!もっとリラックスしようよー!」
ライブとは違うが、今日は大事な日でもあるためか彩はガクガク震えながら緊張していた。しかし、彩とは真逆の日菜はそんな彼女を見兼ねてか、本人なりの激励(?)をしながら彼女の背中を叩いた。
「こうなった以上私達は何としても勝たなければならないわ。一勝、それさえ達成されれば充分よ」
「モチロンです!こうなってしまった以上、正々堂々戦うだけです!」
イヴが檄を飛ばした事を機に、彩の緊張は一気に
彩は全員を見渡すと、自分達と同じくらいかそれ以上に真剣な目つきで彩を見ていた。『皆んなも自分と同じ気持ちになってる』……そう実感する彩であった。
「あらあら、何勝った気になってらっしゃるのですか?それは少し気が早くてはなくて?」
しかしそれに水を差すように、彼女達にとっては罵倒ともいえる言葉を浴びせられた。もちろんその声に聞き覚えがあるため全員が声の方を振り向いた。
「祥子ちゃん……!」
「おやおや、まるで目の敵を見ているような目をしますね。元を正せば貴女方が招いた事でしょうに」
そこには彩達パスパレにとって敵といっても過言ではない…Ave Mujicaのリーダー、祥子がいた。彼女以外にも、隣には獅音がいて、後ろには初華以外のAve Mujicaのメンバー全員が揃っていた。
「一体何の用?私達は貴女達と違って忙しいの。あとにしてくれるかしら?」
「何の用…その質問にお答えするなら、私達も特別ゲストとしてお呼ばれされたのですわ」
祥子達Ave Mujicaも…呼ばれた事を聞かされた彩達は戸惑いを隠さなかった。
「それではAve Mujicaさんがジブン達のファイトの相手をするんですか?」
「えぇ…といっても私や獅音ではございませんわ。何故ならsumimi側からは颯樹さん以外にもあと2人ほどAve Mujicaから助っ人として参加しますわ」
なんという重大な事実……Ave Mujicaがsumimiの助っ人に入るとは誰もが予想できなかったのだ。しかしsumimiとパスパレの人数差を考えてれば助っ人が来るのは予想できなかった彩達ではないが、Ave Mujicaとの再戦だけしか頭に入ってなかったので見落としていたようだ。
「でもその助っ人って誰なの?祥子ちゃんと獅音くんじゃないとすると、後ろの3人のうちの誰かが相手してくれるの?」
「私も違います」
「あたしも違うねー」
「…………」
日菜が誰が相手をするか尋ねるも、海鈴とにゃむは真っ先に否定してきた。睦も無言で首を横に振っていた。
「何はともあれ、その先をお話しするのは機密事項になりますので」
そう言って祥子は全員を連れて楽屋に向かう事となった。しかしその際、祥子は一度立ち止まって「あと……」と言って、彩達の方を振り向いた。
「私たちAve Mujicaの身辺を嗅ぎ回るのは、自ら墓穴を掘るのと同じ事。……今は分からずとも、
祥子はパスパレ全員に脅しとも捉えられる忠告をした。その目からは冷酷さを露わにして彩達を見下すように見ていた。
「そんなデタラメ……良い気になれるのも今のうちだからねッ!」
「あらあら、威勢の良い事。では……ここで白黒付けましょうか。貴女方と私たちの……宿命に、決着を」
彩達が臆してない事を確認した祥子は進行方向に振り返り、今度こそAve Mujicaのメンバー全員を引き連れてその場を後にするのであった。
より一層負けられないと決意を改めた彩達はスタッフに一言詫びを入れてから、楽屋に向かうのであった。
「……どうやら本気で潰しに行く気でいかないと理解出来ないですわね」
先程パスパレの皆さんとすれ違った際に起きた事を思い出しながら祥子ちゃんは歩いていた。確かに忠告の一つや二つ聞き入れないとどうなるか芸能界の先輩なら理解できるでしょうに……。
「悪どいねー、さきこも」
その際、にゃむさんは祥子ちゃんに茶々を入れるように彼女の頬をツンツンと指差した。……やめましょう、にゃむさん。祥子ちゃん青筋立てて怒ってますよ?
そんな中、僕たちより先に会場に来ていたsumimiの二人と、颯樹さんと千歌さんと京介先輩とすれ違った。
「初華、あの方々は私の忠告を聞きいれませんでしたわ」
「……わかった。じゃあ、潰していい?」
「ええ、完膚無きまでに叩き潰して、思い知らせて差し上げなさい……頼みましたわよ、ドロリス」
「了解」
すれ違った際に祥子ちゃんは初華さんに要件だけを掻い摘んで報告を耳打ちで済ませた。その際、祥子ちゃんが初華さんを
ちなみに、初華さんの相方のまなさんもAve Mujicaの詳細はあらかじめ知されていたようで、世界観が崩れる恐れは何とか大丈夫のようだ。
「颯樹さんの事を好きなのって、これから戦う人たちがそうなんだよね?」
「そうだよ、まなちゃん」
「……教えてあげよう? 私たちの方が、貴女方よりも何倍も強いんだって」
まなさんも話に加わって、祥子ちゃんの報告を聞いた時はパスパレの皆さんに目に物を見せる決心を露わにしていた。初華さんも握り拳を作ってから軽く頷いてまなさんの決意に同意した。
「いやー、sumimiの二人が決意するところいいねぇ、動画に収めたいよ」
しかしそこににゃむさんが目を光らせながら割り込んできた。図々しいにも程がありますよ、貴女?
「やめてやれ」
しかしそれを止めるように京介先輩がにゃむさんの頭を叩いた。先輩、流石に手を出すのは……いや、にゃむさんが悪いからイーブンってところかな?
「きょーこのケチー!」
にゃむが頭を抑えながら京介先輩に訴えてきた。というより先輩の事は『きょーこ』って呼ぶんですね……。
「ケチで結構。あと俺はいつ何処ぞのピーキーなカリスマになった?どちらかと言うとまなさんの声に近い外見も中身も天使の子が好みだ」
「いや、きょーこの好みは聞いたないからね?」
全く以ってその通りです。あとここは『Dで始まる新世界』ではありませんよ?
「五月蝿い、にゃむ太郎」
「にゃむ太郎ってなにっ⁉︎」
「俺の事をきょーこと呼ぶならにゃむ太郎って呼ばれても文句は無いだろ?」
なんかにゃむさんにニックネームつけちゃったよこの人。というより何故にゃむ太郎なんですか?
「なんか暴論言い始めちゃったよ!」
それは正論に近いのでは?にゃむさんの自業自得……いや、因果応報と捉えるべきかな?
「流石に京介さんの言う事は一理ありますよ、にゃむ太郎」
いや海鈴さん、貴女まで早速『にゃむ太郎』って呼ばないでください。初華さんから聞いた話だと『うみこ』って呼ばれた際ににゃむさんに『にゃむこ』って呼んだそうじゃないですか?貴女マジメそうに見えるけどもしかして茶目っ気のあるタイプですか⁉︎
「うみこまで言わないで!あとあたしはにゃむち!」
「「にゃむ太郎……にゃむ太郎……にゃむ太郎……にゃむ太郎……」」
「何このコール!やめてー!」
『にゃむち』と言い張るも、京介先輩と海鈴さんは手拍子しながら『にゃむ太郎』コールを始めたんですけど……。ていうかなぜそこまで息ピッタリなんですかっ⁉︎もしかして事前に打ち合わせしてました?
「はいはい。京介、海鈴、時間は限られてるからそろそろやめてやれ」
「……はーい」
「そうですね」
颯樹さんにそう
スタッフさんの案内で楽屋に案内された私達はライブで着る衣装に着替えた後は呼ばれるまでデッキ調整をしてるけど、うぅ……また緊張してきた……。さっき日菜ちゃんに馬鹿にされたのにこれじゃまた何か言われそうだよぉ……。
「彩さん落ち着いて下さい。気持ちは分かりますが色々考えてたら本番に支障をきたしますよ?」
「麻弥ちゃんの言う通りよ。だからあまり気負いしないでちょうだい」
麻弥ちゃん、千聖ちゃん……今の私には心に染みるよぉ……。でも二人の言う通りだね。私がパスパレのリーダーなんだから私がしっかりしないと!そう思った私は無意識に自分の頬を叩いて気合いを入れていた。
「彩ちゃん、気合い入ってるー!なんだかるんっ♪って来るよー!」
「ヒナさんの言う通りですね!なんだかワタシも気持ちが昂ってきました!」
日菜ちゃん、イヴちゃん……!その気持ちは大事だねっ!
その直後、スタッフさんが来て会場まで案内される事となった。そして案内の元、舞台裏で待機していた。
「それじゃあ……行くよ、皆んなっ!」
「うんっ!」
「えぇ」
「はいっ!」
「ハイっ!」
そう言って私達は円陣を組んで絶対勝つ……そう意気込んで舞台に姿を出す。会場内は何処ぞの体育館を借りて使用していて、2階の観客席は今回のイベントを見届けたいためか何処を見渡しても満席だった。
多分、sumimi目当ての観客が多いかも……うぅん、そんなの関係ない。パスパレが格上だって事を芸能界の先輩として分からせてあげるんだからっ!
そう決意を改めた私達は会場中央にあるステージまで観客に手を振りながら向かって行った。
「皆さーん、こんにちはー!Pastel*Palettesでーす‼︎」
『ウオォォォォォォォ‼︎』
私が観客に向かってそう挨拶すると、一部が反応を示してくれた……よかった、私達のファンも来てたんだ……。
同じくステージにはsumimiが揃っていたけど、目を引くのはフードを被ったローブ姿の3人。おそらくそのうちの2人は颯樹くんと千歌ちゃんだろうけど、あと誰だろ?多分、颯樹くんの知り合いなのは明らかだけど……。
そして司会を務めてくれる人から今回の特別ファイトのルールの説明を数分行われてからステージの中央に床に収納されたファイトスペースが上がってきた。
私達はステージの端で待機していて、最初にファイトするか相談する時間を貰ったので、誰が最初にファイトするか相談するのであった。
「……誰が行きますか?」
「ならあたしが行く!」
「日菜ちゃん……そうね、おそらく日菜ちゃんなら大丈夫でしょう」
「ですね!ヒナさん、頑張ってきてください!」
「うんっ!行ってくる!」
私達の同意を得た日菜ちゃんはステップを踏みながらファイトスペースまで向かっていった。一方、そのうちの黒色のローブを羽織った1人が日菜ちゃんとは対照的に淡々と歩きながらファイトスペースに向かっていった。
「よろしくねっ!」
「…………」
2人はファイトスペースで対面すると、日菜ちゃんは元気よく手を伸ばして握手を求めた。しかしローブの人は自分のフードを外した後、ローブを勢いよく脱ぎ捨てた……って、えぇっ⁉︎
「き、きょーくん⁉︎」
「よぉ、日菜さん」
日菜ちゃんの対戦相手って……京介くん⁉︎えっ、何故京介くんがここにっ⁉︎なんでsumimi側に立っているの⁉︎
「驚いた……って顔してるな。なぁに、俺はちょいと傭兵として雇われたのよ」
驚いている日菜ちゃんとは対照に京介くんはそう言いながらデッキをシャッフルした後ファーストヴァンガードをセットするところまで準備を終えていた。
「いいもん。きょーくんくらいよゆーで勝ってやるから!あたしはきょーくんの事は手に取るように理解してるからね!」
「へぇ。その言葉、ここでは無意味に終わるぞ」
日菜ちゃんは気持ちを切り替えて京介くんと同じでデッキのシャッフルを終えてファーストヴァンガードまでセットを終えた。
その後は先攻後攻を決めるために行なったコイントスの結果、日菜ちゃんは後攻で、京介くんが先攻となった。
「行くよ、きょーくん!スタンドアップ!」
「嗚呼。スタンドアップ…」
「「ヴァンガード(!)」」
最初の掛け声と同時に、ファイトの先鋒が始まった。
まずは読んでくださった方、お気に入り登録をしてくれた方、こんな拙作を応援いただきありがとうございます!こんな拙作読んでくれるだけでもありがたいです。
次回は京介と日菜がヴァンガードでファイトする事になります。どちらが勝つか楽しみにしてくださるとありがたいです。ちなみに今回の続きはブースターパックの新弾である【宿命決戦】の発売日である8月9日以降を予定しております。
このヴァンガード回が終わったら、Ave Mujicaの話は来年の初春である2025年1月放送予定の「BanG Dream! Ave Mujica」の内容に寄せる都合上一旦休載しまする。
その間、此方の小説は前書きにもお伝えした通り、MyGO!!!!!のライブに行って、その影響を受けました。その為、MyGO!!!!!ルートを連載を決定しました。題名は【MyGO!!!!!編 迷える獅子】(仮)となります。ヒロインはもちろん燈となります。
掲載日はMyGO!!!!!の映画の前編である9月27日以降を予定しておりますので、お楽しみに下さい。
それでは、また次回。
獅音の女装回を……
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書いて下さい!
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書かなくていいです