迷子になるか、仮面を着けるか   作:なかムー

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 皆さまお待たせしました。毎話連日投稿最終日になります。

 やばい、2日前にこの小説の投稿1周年でした。月日は早いものですね……。

 さて、前置きは置いといて……今回もMyGO!!!!!編最新話をお送りします。

 それでは、本編をどうぞ。


MyGO!!!!!編 第3話

 僕が正式に千早さんのお誘いに乗ったのと長崎さんがバンドメンバーに加わってから翌日。僕と千早さんは早速バンドの打ち合わせわする為に、放課後に昨日と同じRiNGのカフェテリアに長崎さんと待ち合わせする事となっていた。

 

 しかし、僕は急遽祥子ちゃんにお呼ばれされたので、僕は私用と言って後から打ち合わせに合流する形となった。でも祥子ちゃんの用事って何のことだろう……?とりあえず正門に集合で待ち合わせとは言ってたけど……

 

 「あの子、月ノ森の制服だよね?」

 「お人形さんみたいで超かわいいんだけど!」

 「もしかして生徒会長の彼女さんかな?」

 「まさか。確か背の高い人だって聞いたけど?」

 「あれ?髪が白い子じゃなかった?」

 「えっ?RASのレイヤじゃなかった?」

 「ねえ、あの子もしかしてお笑いの若葉の娘じゃない?」

 

 …と、正門に向かう途中でそんな事を耳にするんだけど。というか大半はどうでもいいけど、『若葉』と言う単語には心当たりが少なからずある。まさかね……

 

 「マジで?」

 「ウソでしょう?」

 「テレビで見たし。ほら絶対そうだって!」

 「やっぱり月ノ森なんだね」

 「お母さん大女優だし、超お嬢さまなんだから当然でしょう」

 

 ……そのまさかが的中してしまった。僕は早足で正門前に向かうとそこには月ノ森の制服に身を包んだ女の子がいた。その少女は薄黄緑色の髪を背中あたりまで伸ばしており、その表情は何処か無気力そうであった。

 

 幼い頃に祥子ちゃんによく話を聞かされたからすぐに理解できた。あの人が若葉(わかば) (むつみ)さんのようだ。僕は直接会った事はないけど、祥子ちゃんがよく彼女の話する上に外見まで教えてくれたものだからその特徴がすぐに合致したよ。

 

 でもそんな睦さんだけど、何故羽丘(ウチ)まで来たんだろうか?そこが理解できない……。此処は一度声を掛けて何故来たのか問いただしてみようかな…と思ったけど、僕と睦さんは面識が無いから彼女は知らない筈…と言いたいけど、多分睦さんも祥子ちゃんから話は聞かされているだろうからおそらく知っている筈だ。でも流石に此処で声を掛けるのは目立ち過ぎるかな……

 

 「ンンッ…」

 

 と、その時僕の背後から誰かが咳払いをしてきたけど、その声は祥子ちゃんのものだとすぐに分かった。その後祥子ちゃんは黙って僕の前を通りすぎようとしたが…

 

 「黙って着いて来て貰えますか?」

 

 その際に僕にしか聞こえないように耳打ちをしてきた。その後は祥子ちゃんと一緒に睦さんをスルーして正門を出て学校を後にした。その時、睦さんは「あっ…」って言って黙って僕たちの後を尾けるように追いかけてきた。

 

 学校を出て僕たちだが、ある程度離れた場所で睦さんと合流した後は商店街にある『羽沢珈琲店』に足を運んだ。確か羽丘(ウチ)の副会長の実家のようで、彼女…羽沢(はざわ) つぐみもお店のお手伝いをしていると聞いた事あるな。

 

 「いらっしゃいませ」

 

 噂をすれば何とやら、その副会長さん…羽沢先輩にお出迎えされた。まあ四六時中放課後に生徒会の仕事をしているとは限らないからなぁ、実家のお手伝いをする時もあるか。

 

 で、僕たちは席を案内された後は、僕はブレンドコーヒー、祥子ちゃんはダージリン、睦さんはマンゴージュースを頼んで注文した物が来るまで待つ事となったんだけど、今は人が少なかったから注文した物は間もなくして来たなはいいんだけど……

 

 「どうして勝手に来たんですの?」

 「返事なかったから」

 「私のことは誰にも言わないでほしいと言いましたわよね?」

 「誰にも言ってない」

 「あんな目立つマネをされては、言ったも同然。台無しですわ」

 「そよが心配してる。家に行きたいって…」

 「引っ越したとでも言っておいてくださる?……といっても、睦にはそんな芸当できませんわね」

 

 祥子ちゃんと睦さんは各々が頼んだ物を飲みながらなんか話をし始めた。根本的な内容が全く分からないため全然理解が追いつかない……。

 

 「あの…何の話をしているの?」

 「ごめんなさい。獅音には関係の無い話です」

 

 そういえば今睦さんは「そよさん」と言ってたな。もしかして知り合いかもしれないから、それについて色々聞き出そうとしたけど話をはぐらかされてしまった。これは聞き出すのは難しい…というより不可能に近いぞ。

 

 「……そういえば対面するのは今日が初めてだね」

 

 と、そんな時に睦さんは僕の方を見てそんな事を言い出した。なんか2人がしていた話に対してはぐらされそうだけど、睦さんの言う事は確かに一理ある。

 

 「あ、ああ。そうだったね」

 「初めまして、若葉(わかば) (むつみ)です。君の事は(さき)から聞いてるよ。よろしく」

 「僕は雨宮(あめみや) 獅音(れおん)です。よろしくお願いします」

 

 そして僕たちは軽く自己紹介をした。祥子ちゃんの言う通り、確かに睦さんはいい子だ。初めて会ったけどそれがよく分かる。当の祥子ちゃんは微笑みながらダージリンティーを飲んでるけど。

 

 しかしその瞬間、誰か店に来た事を告げる鐘の後が聞こえた。

 

 「へぇ、両手に華だな…少年」

 

 その時不意に誰かに声を掛けられた。でもこの声とその呼び方って……

 

 「京介先輩っ⁉︎」

 「よっ、少年」

 

 やっぱりこの人だった!なぜなら僕の事を「少年」って呼び方をするのは京介先輩しかいないから!でも先輩も此処に来るとは……まあ羽沢先輩と同じで四六時中生徒会の仕事してるってわけでもないか。

 

 というより先輩の隣にいる長身の私服の女性って誰なんだろう?先輩のお姉さんかな?年齢も大学生くらいだけど……。

 

 「京介さん。一緒にどうです?」

 

 えっ、睦さん。貴女突然何言い出すんですか?そんな急に言われても先輩たちや祥子ちゃんが困惑するだけでしょ!というよりなに睦さんは気さくに話しかけてるんですか⁉︎

 

 「ま、まさ、まさか…京介様と同席に……!(睦、ナイスファインプレーですわ!)」

 

 あの祥子ちゃん、なに声裏返ってるの⁉︎しかもガチガチに緊張してるしっ!反応がまるで憧れのアイドルと対面した時と同じなんだけど!

 

 しかしそんな祥子ちゃんの反応を見た京介先輩と女性の方は苦笑いするも、結局席を繋げて同席する事となった。そして帰ったお客の食器を片付けている羽沢先輩を呼び止めた後はオーダーを済ませたのだ。

 

 「ごめんなさい。急に相席にしたいなんて…」

 「気にしてないから大丈夫だよ」

 

 オーダーを済ませて程なくして睦さんはペコリと頭を下げながら京介先輩に謝罪した。結局突発的なんだね……。

 

 しかし先輩のお姉さんは言葉通り気にしてないようで苦笑いしながら受け流していた。

 

 「あの、先輩は何故此処に……?」

 「俺?つぐみにはね、色々と世話になってるから軽い恩返しみたいなものだよ」

 

 恩返し?へぇ、先輩もそんな事あるんだ、なんか意外だなぁ。

 

 「あの、京介様!サインを!サインをお願いできますでしょうか!無理でしたら写真か握手だけでもお願いします!!!」

 

 何処からか取り出したサイン色紙とマジックペンを京介先輩に差し出しながらそんな事を言い出し始めた。さっきまでの淑女のような対応はどうしたの?180°違うじゃないか……。

 

 「祥、京介さんの大ファンなの」

 

 えっ、ファン?ファンクラブか何かあったの?でも京介先輩に対しては『様』をつけて呼ぶし、対応も緊張気味になっているからそう言われても違和感無いかも……。

 

 「悪いな。俺はサインをしてやれるほど出来てなくてな……」

 

 そこは謙遜気味に返すんだ。まあこれが当然の反応だから何も言えないや。

 

 「でも一回くらいサインをあげたら?そうすれば彼女、大人しくなるかもだよ?なんなら私もルカくんのサイン欲しいくらいだよ

 

 先輩の隣にいたお姉さんが妥協案を出してきたけど…この人、小声で何か言ってませんでした?先輩も考えてるのか腕を組んで黙り始めたし……。

 

 「そういえば貴女は誰ですか?」

 「あっ、そういえば自己紹介がまだだったね……私は和奏(わかな) レイ。RAISE (レイズ) A() SUILEN(スイレン)というバンドに所属してるボーカル&ベーシストで、そこにいるルカくん…京介くんとは幼馴染なの。よろしくね♪」

 

 へぇ、この人もバンドに所属してるんだ……って、はい?今京介先輩の幼馴染って言いませんでした?でも意外だ。京介先輩にも幼馴染なる存在がいたなんて。

 

 聞けばレイさんは京介先輩とは小学校の時に短期間だけ同じクラスになったのを期に仲良くなったそうだ。それでレイさんの親のお仕事の都合で引越しをしたそうで、再会したのはちょうど一年前との事か……。ん?ちょっと待って、今()()()()()って言わなかった……?

 

 「……失礼を承知の上でお聞きしますけど、レイさ…和奏さんって今おいくつなんですか?」

 「私?私は…あとレイでいいよ。 ……で、今は17だけど、来年の1月13日で18になるよ」

 

 僕はレイさんのその言葉に絶句した。だって見た目的にも大学生くらいだし、身長も僕より高いから歳上なのは分かってたけど、歳の差が2つとは誰も思わないでしょ!

 

 そんなレイさんは、睦さんとなんか談笑してるし!「私も1月です。日付は14日」……レイさんと1日違いなんだ。すごい偶然だね……。

 

 あと京介先輩は祥子ちゃんにちゃんとサインしてあげてる。あそこまで「サインはしない」って言ったのに、結局サインしてあげる事にしたんですね……。

 

 その後は時間の許す限り飲み物を飲みながら談笑したけど、やばいなぁ…僕もそろそろ打ち合わせに行きたいんだけど……。

 

 しかしまずは、祥子ちゃんは予定があるとの事なので席に立ったお会計をしようとしたけど、伝票を京介先輩に取り上げられた。

 

 「今回は俺が奢るよ。此方の身勝手な要求に応えてくれたお礼だよ。()()()()さん」

 「私の名前を覚えているのですかっ⁉︎」

 「当然。羽丘(ウチ)と月ノ森の新入生の全員の顔と名前は既に頭の中に入れてるさ」

 

 京介先輩の言葉に祥子ちゃんの目には涙が流れていた。そんなに嬉しかったんだ……。というよりなぜ月ノ森の新入生まで覚えてるのですか?そこが地味に気になるんですけど……。

 

 しかし我に返った祥子ちゃんは京介先輩に「このお返しは絶対にします」と言い残して羽沢珈琲店を出て行った。

 

 「偉くルカくんの事慕ってるね、あの子…」

 「本当に。僕も驚きましたよ」

 

 レイさんは祥子ちゃんを見送った後、苦笑いしながらそんな事を呟いた。『歳月は人を変える』…とはよく聞くけど、あそこまで変わるとは思いもしなかったよ。でも祥子ちゃんはいい所のお嬢様だから、色々と影響を受けたのかな……?

 

 「先輩、僕も今日は予定があるのでそろそろ此処で…」

 「……分かった。その予定とやらに遅れないように気をつけろよ」

 

 しかし僕も前々から入っていた予定があるので、僕もその場を後にしてRiNGに行こうとしたけど、途中の道中で千早さんから連絡が来てすぐに出たけど、『ごめん!今日の打ち合わせは早く終っちゃった☆』って一言が送られてきたのだが…いくらなんでも適当すぎでしょ!

 


 

 そして翌日の放課後。

 

 僕は急遽千早さんに呼び出しを受けて一緒にRiNGのカフェテリアにいるんだけど、今は高松さんと一緒に長崎さんを待ってる最中である。でも呼び出しの張本人である千早さんは何処に行ったんだ……?

 

 しかしそんな事を考えているうちに長崎さんが来店してきた。そしてちょうどその時千早さんの声が聞こえたんだけど、問題は声の発生源なんだよなぁ……。

 

 「ほら。早く来て!」

 「ちょっと。今バイト中なんだけど?」

 

 カフェテリアのバックヤード的な所から千早さんと…この前の接客態度の悪い人っ⁉︎何バイト中の人無理矢理引っ張り出してるんですか、貴女はっ⁉︎

 

 「だって。これ解決しないと燈ちゃんバンドできないじゃん」

 「はぁ?燈…」

 

 高松さん?解決?千早さんは急に何を言い出すんだ?

 

 「「あっ…」」

 「愛音ちゃん?」

 

 高松さんと接客態度の悪い人の目があった瞬間なんだか久しぶりに会った感じになったけど、長崎さんの方は理解が追いついてないようで事情を求めてるんだけど、僕も全然理解に追いついてないです。すみません、千早さん。説明を入れてくれないと分からないのですが……?

 

 「はい、話し合って」

 

 えっ、話し合って……?何を話し合うんですか?接客態度の悪い人と長崎さんは全く理解が追いついてないんだけど?

 

 「……もしかして愛音ちゃんが、燈ちゃんを連れてきてくれたの?」

 「うん。1回ちゃんと話し合ったほうがいいよ」

 

 そう言って千早さんは僕を連れて一度カフェテリアを出たんだけど、そろそろ事情を話してくれもいいんじゃないかな……?

 

 「あのー、なんでああなったんですか?」

 「んー?実は……」

 

 千早さんはそう言って、昨日何があったか僕に大まかにだけど説明をしてくれた。

 

 ……なるほど。高松さんと長崎さんと接客態度の悪い人は、他の2人と一緒に【CRYCHIC】というバンドを1年前に組んでいて、とある事情で解散したから高松さんはバンドをやりたくてもまた解散する事を恐れていたから千早さんが長崎さんと接客態度の悪い人も呼び寄せて話し合いの場を設けた……というわけか。

 

 「でもあと2人って誰ですか?」

 「この2人なんだけど、1人は獅音くんも知ってる人だよ」

 

 そう言うと千早さんはスマホを取り出すと、軽く操作して僕に見せてきた。そこには……

 

 「……!」

 

 そう。そこには、高松さん、長崎さんと接客態度の悪い人の他にも……キーボードの前にいる祥子ちゃんと、ギターをいつでも弾けるように準備をしている睦さんの姿があった。

 

 「(まさか祥子ちゃんと睦さんも高松さんたちのバンドにいたとは……でもそんな事今まで聞いた事もないよ)」

 「ねぇ獅音くん。祥子ちゃんがバンドをやってたのって知ってたの?」

 「いや。話に聞く限りだとやってたなんて言ってませんでした。それについて知ったのはたった今ですよ」

 「そうなんだ……」

 

 祥子ちゃん、なんでこの事を黙ってたんだろう。せめて事情を説明してくれてもよかったのに……。

 

 「でもこの一件はこれ以上詮索するのはよくないかもしれない。多分聞いたところで溝を深めるだけだから」

 「そう……でも祥子ちゃんと獅音くんは知り合いってのは「それも黙って貰えますか?」なんで?」

 「今あの3人は話し合いに精一杯だと思います。だから今それを話に出してもすぐに理解出来るとは思えませんし、信じてくれるとは限らないからです」

 「……そう。分かったよ」

 

 そうだ。僕と祥子ちゃんの関係を持ち出してもすぐに理解したり信じてくれるか分からない。だからその話は今するのは得策じゃないから。

 

 「そろそろあっちは話が終わったと思いますよ?」

 「そうだね。じゃそろそろ戻ろう」

 

 そろそろ話が終わる頃合いだと判断して僕たちは高松さんたちの所に一旦戻った。すると高松さんたちは話し合いが出来たからか何処かスッキリとした表情であった。

 

 「話し合い終わった?」

 「まだいたのかよ」

 「いーまーす〜!」

 

 戻るや否や、千早さんと接客態度の悪い人は早々に口喧嘩が始まった。この2人、出会い方が悪いとはいえ、流石に仲が悪すぎでしょ……。

 

 「私たち、もう一回やり直す事にしたの。私と、燈ちゃんと、立希(たき)ちゃんと」

 

 話し合いの結果、どうやらこの3人はやり直す事を決断したようだ。確かにそうでも言わないとこの3人はあんな表情にはならないか。

 

 「ねぇそよさん。私と獅音くんは?」

 

 しかしそこに割り込むかのように千早さんが口を挟んできた。

 

 「いらな「もちろん愛音ちゃんと…獅音くんも一緒だよ」はぁっ⁉︎」

 

 あっ、そこはちゃんとカウントしてくれるんですね。でも僕の場合はただの利害の一致からくるものだからなんか複雑ではあ「ねぇ…」…とそこで先程から黙っていた高松さんが口を開いた。なんだろう、何を話すんだ?

 

 「一生…やろう」

 

 すると、高松さんの口からまた一生という言葉が出るのであった。




 まずは読んでくださった方、お気に入り登録をしてくれた方、こんな拙作を応援いただきありがとうございます!こんな拙作読んでくれるだけでもありがたいです。

 今回は(MyGO!!!!!ルートで初めて)睦が登場しました。やべ、先に登場した楽奈より先にセリフを出してしまった……。そうなったら楽奈を出させてセリフを言わせるとしましょう。でも早くて次回ですが。

 その次回の投稿日はまだ未定ですが、最新話か11月22日に燈の生誕記念回を予定しております。

 それでは、また次回。

獅音の女装回を……

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