今年はバレンタイン要素が多いため、祥子の生誕記念回の要素は後半以降(特に終盤)になります
あとは注意事項があるとしたら、アニメ『BanG Dream! Ave Mujica』が放送中という事もあり、現時点ではまだIF展開となっておりますのでご了承くださいm(_ _)m
一例を挙げると…
・元CRYCHICのメンバー達(燈、そよ、立希と祥子、睦)が和解済み。
・解散したAve Mujicaが再結成。プロ入りなのかは現時点ではまだ未定。
・Ave Mujicaのメンバーが抱えてる闇は既に解決済み。
……となります。
それでは、本編をどうぞ。
「よしっ。これで準備は終わりだ」
3月まであと2週間以上と差し掛かった今日この頃。僕はキッチンに立っていた。というのも明日にバレンタインデーが控えていることもあってか、その為のお菓子作りをしているのだ。
尤も、何処かの承認欲求の高いネーミングセンス皆無のブランドを立ち上げた
だけど、明日はバレンタイン以外にも
翌日。僕は作ったお菓子を紙袋に入れると学校に向かった。幸い校門前には誰も居なかったので問題無く登校出来た。ここで没収される訳にはいかないからね。一応念のために辺りを警戒しながら教室に向かうのであった。
「おっはよー、れおぽんっ!」
「おはよう、れおくん…」
教室に到着すると、まず真っ先に聞こえたのは愛音さんの声で元気よく僕に挨拶をしてきた。それに続いて隣にいた燈さんも控えめながらも挨拶をしてきた。此処までくると
「あっ、そうだ。はい、れおぽん!これあげる、ハッピーバレンタイン!」
その後何かを思い出したかのように愛音さんは鞄から何かを取り出してそれを僕に渡して来た。愛音さんから受け取ったのは、バレンタイン用にラッピングされた箱であった。
「これって…」
「そう!バレンタインのプレゼント!ともりんと一緒に作ったやつだよ!でも義理チョコなんだけどね」
愛音さんがそう苦笑いしながらもそう告げてきた。しかし男子としてはバレンタインにチョコを貰うのは嬉しいのでありがたく貰っておく事にした。
「あっ、そうだ。お返しは3倍返しねー!」
……その一言が無ければ良かったんですけど。それで全て台無しですよ……。
「あの…これ、私…から」
今度は燈さんが先程の愛音さんと似たような柄のラッピングされた包みを差し出してきた。これも当然受け取…
「「!」」
…ろうとしたその時、扉の方からなんか視線を感じた僕と燈さんはその方角を見た。すると物陰から僕たちを目にハイライトが無い状態で祥子ちゃんが覗き見をしていたのだ。
「燈、千早さん…私を差し置いて先に獅音にチョコを渡すとは……これはそれなりの制裁を下さなければなりませんね……!」
扉に縁を握りしめながらなんか物騒な事言ってるんだけどっ⁉︎しかも扉ヒビ入り始めてるしっ!
「と、とりあえずコレでも食べて落ち着いて!はい!はい!はい!」
この場をやり過ごすため、僕は鞄から3つのラッピングされた包みを取り出して祥子ちゃん、燈さん、愛音さんの順番に渡した。
「これって…」
「逆チョコってやつだよ。どうせ3倍返しを要求してくる人がいるだろうから」
僕はそう言いながら愛音さんの方をジロジロ見た。多分この時僕はジト目になっているだろうと自負する。
「ありがとうございます、獅音…あとで家宝として部屋に飾っておきますわ」
「れおくん、ありがとう…あとで昨日拾った石の隣に並べておくね?」
「いや、ちゃんと食べてね。腐っちゃうから」
そもそも食べて欲しくて作ったものでもあるからね?ちゃんと食べないと作った
その後は普通に授業を受けて、2時間目の化学は移動教室がなので燈さんたちと化学室に向かうんだけど、筆箱をウッカリ忘れたので、2人には先に行ってもらって僕は筆箱を取りに教室に戻った。
教室に到着して筆箱を手に取って化学室に向かう途中、両手に紙袋と大きな箱を背負った京介先輩と鉢合わせした。
「おはようございます、先輩」
「おう。おはよう、少年」
そろそろ『少年』って呼ぶのやめてもらえませんかねぇ?というより何故この人が学校に来てるんだ?3年生は自由登校になったと聞いてたけど……
「しかし先輩。その荷物はなんですか?」
しかしそんな事は置いといて、まずは京介先輩の荷物について指摘した。
「コレか?バレンタインチョコだ」
「しかしいっぱい貰いましたね……誰から貰ったんですか?」
「月ノ森の生徒ほぼ全員」
はあっ⁉︎このチョコもしかして月ノ森の生徒から貰ったんですか⁉︎しかも多すぎるでしょ⁉︎それ以前に月ノ森からわざわざ此処まで来たんですか⁉︎
「ちなみにコレはまだ一部だ。紙袋あと数個分は生徒会室に置いてある」
えっ、コレで一部?一部って言いませんでした⁉︎よく持ってこれましたね……
「あとその背中に背負ってるのもチョコなんですか?」
「あぁ、コレ?コレはだな……」
そう言って京介先輩は背中に背負ってる箱を一旦下ろしてから箱の蓋を開けた。そこには……
「デカっ⁉︎」
箱を開けると、まず目に入ったのがハート形のチョコであるが、問題はその大きさである。背中に背負うサイズだから量が多いのかと思ってたけど、大きさがまさかの箱いっぱいまであるとは誰も思わないでしょ!しかも『京介さんへ ましろより♡』と白いチョコペンで書かれてるんだけど、この一言で本命であるのが一瞬で理解できた。
……ってちょっと待って、まだ先輩の背中には箱が背負ってるんだけど、もしかして箱はもう一つあるんですか?先輩も僕の言いたい事が理解出来たのか、もう一つの箱も下ろして箱の蓋を開けた。そこには先程と同じくハート形のチョコが箱いっぱいに入っていた。相違点があるとすれば、チョコペンで『ルカくんへ レイより♡』と書かれている所であった。
というより先輩にチョコあげた2人、よくこのサイズの型を取り揃えたねっ⁉︎コレ絶対特注で仕入れたでしょ⁉︎
「先輩って、本命チョコを結構貰えますね…」
「まぁな。でもコレの方がまだ優しい方だ。問題はこっちなんだけど…」
そういうと先輩は鞄から何かを取り出した。今度は何……?
「チョコに婚姻届をセットで贈ってきた輩もいるんだぞ!」
えぇ……それは流石にやりすきでは?それに婚姻届をチラッと見たけど…『八潮瑠唯』って書かれていた。あー、あの人か…。あの人必要以上に京介先輩を『彼の妻になる者です』ってアピールしてたな。
「とりあえず先輩、これにサインすれば来月お返しを考えずに済みますよ?」
「いや、そうすれば他の子達絶対暴れ出すからな⁉︎」
冗談ですよ。というより先輩を想ってる人たちってそれなりにいるんですね。颯樹さんと変わらないや……。
「まあこの話は来月までどうにかするとして…少年、アレは君の知り合いだろ?」
先輩はチョコと婚姻届を鞄に仕舞いながら話を逸らすと同時に窓の方を指差した。確かあっちは校門だけど何があるんだ?僕はそう思いながら窓から外を覗いた。
「…………」
……うん、知り合いでした。何故か立希さんがボクシンググローブとヘッドギアを装着していて、ウォーミングアップしてるんですけど……
「知らない人です」
「それならよかった。 あーもしもし美咲?
下手に正直な事を言えば色々厄介な事になりかねないので僕はキッチリと赤の他人だと言ってのけた。先輩も即座に理解したのかスマホを取り出してすぐさま誰かに電話を入れていた。どうやら花咲川の生徒のようだ。
『あー…うん、分かった。それじゃあ至急対応しますねー』
「ありがとう。それじゃ」
何が起きてるのか理解していたようで電話は1分経ったかどうかの短い時間で終わった。それと同時に次の授業の予鈴が鳴り響いた。
「じゃあ俺は生徒会室行くから。授業、遅れるなよ?」
「分かりました」
そうして僕と京介先輩は各々の目的地に向かうのであった。
一方、同時刻 羽丘の校門前にて…
「あのクソライオン…私を差し置いて燈からのチョコを先に受け取りやがって…何様のつもりだ」
立希は呪詛の言葉に近い愚痴を呟きながらシャドーボクシングでウォーミングアップをしていた。ちなみに立希は獅音が燈からチョコを受け取った事は知らない。しかしその同時刻、立希自身、彼女は嫌な予感が察知した事によって、『
今の立希は、花咲川の制服だが、赤色に統一された、左右の手にはそれぞれ『
「まあそんな事はどうでもいいか。私は日頃の
ところどころルビの振り方が可笑しい事はさておき…立希はウォーミングアップをする手を止めないどころか段々と加速していくのであった。
しかしその彼女の努力は水泡に帰す事はまだ知らなかった────。
「立ー希ー?こんな所で何やってるのかなー?」
「何って、あのクソライオンにプレゼントを……⁉︎」
ウォーミングアップの最中に誰かが立希の背後から声を掛けてきた。立希は鬱陶しいと感じながらも後ろを振り向いた。するとそこには指を鳴らした颯樹と、彼の後ろには紗夜と美咲も控えていた。
「な、何故アンタがっ⁉︎」
「ちょうど花咲川の生徒が授業を抜け出して羽丘前にいるって
『終わった』。立希は颯樹を見た瞬間そう感じたのだ。先程まで自信に溢れた表情であった立希はそれとは変わって絶望感に満ちていたのだ。
「しかし立希がボクシングに興味を持ち始めたとはね…よし、僕が特訓相手になってあげよう。そうなると迅速に場所を確保して練習に励むとしますか」
「私もお手伝いします。ボクシングには少々興味がありましたので」
立希に関心したのか、颯樹は練習相手になると買って出た。それに便乗して紗夜も颯樹の手伝いになると買って出るのであった。
「それでは奥沢さん。椎名さんをお借りしますね」
「あっ、はーい。彼女は早退って事で手配しておきますね」
「感謝する。じゃあ立希、逝こうか? あと言っておくけど、僕は女子でも一切手を抜かないから覚悟しろよ?」
「あっ…あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」
その後の手配を確認した颯樹は立希を逃がさないように、彼女の首根っこを掴みながら事実上の死刑宣告をすると同時にそのまま連行するのであった。紗夜も、颯樹達の後に続いてその場から立ち去った。その光景を見送った美咲は、京介に報告をして花咲川に戻るのであった。
ちなみに余談だが、立希は颯樹考案の『ボクシングとバンドの練習を兼ねた特別メニュー』を今日と翌日の放課後から行われるのであった。数日後には海鈴曰く『なんだか立希さんが真っ白に燃え尽きてるように見えます』と言わしめるほど憔悴しきっている光景を目にするのであった。
時は少し経ち、放課後。僕は燈さんと愛音さんと一緒にRiNGに来ていた。まあ今日のバンドの練習はとある諸事情で急遽個人で行なう事となったのだ。
そんな僕たちはRiNGの待合スペースであるベンチでそよさんと楽奈さんと合流したのだ。まあ個人練習だから後者は来ない可能性があったのでお菓子で釣るしか方法はなかったけどね。
「そういえばりっきーは?」
「立希さんは急遽今日から暫く予定が出来たから、練習の方には当分の間参加出来ないって連絡がありました」
僕の報告を受けた燈さんは不安がっていたけど、楽奈さんは興味が無いようでギターをかき鳴らしていたり、そよさんは何かを察知してかため息をついていた。
……いやいや2人とも、少しは心配するくらいしましょうよ。そよさんは経緯は知っているだろうだけど、せめて心配する素振りくらい入れてあげた方がいいんじゃ…あと楽奈さん、此処でギターを弾くのはやめてください。後で僕たちがスタッフさんに怒られちゃうから。
「ま、事情があるなら仕方ないわね。あっ、そうだ。この際だから獅音くんに渡すものがあるわ」
そう言ってそよさんは自分の鞄からラッピングされた箱を取り出して僕に差し出した。あぁ…どうやらそよさんも僕にバレンタインのチョコを渡してきたようだ。
「言っておくけど、義理チョコだからね。本命は期待しないでよ?」
僕はそれを受け取ると、彼女は先程言った事に付け足すように忠告を入れてきた。大丈夫、義理だって事は理解してるから。
「どうせそよりんの本命はさっきーだからねー」
「…………」
「イタタタッ⁉︎」
しかしそれを弄るように愛音さんはニヤニヤしながら茶々を入れた。だけど、そよさんは目のハイライトをオフにして無言で愛音さんにアイアンクローを仕掛けた。
「れおん、これあげる」
そんな2人を無視した楽奈さんが僕の手に何かを乗せてきた。……コレって、チ○ルチョコ…?
「あの楽奈さん、コレは…?」
「バレンタインのチョコ、あげる。来月のお返し待ってる」
いやあの楽奈さん?いくらなんでもチ○ルチョコでホワイトデーのお返しを要求するのは流石に烏滸がましいですよ。……しかしチ○ルチョコとは言えど、コレはバレンタインのプレゼントなので、ありがたく貰うことにしたのだ。
「そろそろ時間なので、僕はそろそろお暇します」
「うん。いってらっしゃい」
しかしそんな僕は今日は練習に参加しないのだ。何故なら今日はこの後予定があるからだ。燈さんと、いつのまにか愛音さんに仕掛けたアイアンクローを解いたそよさんに見送られ…
「あっ、そうだ!せっかくだし私たちも行こうよ!」
「「ハアッ⁉︎」」
…る前に、そよさんのアイアンクローから回復した愛音さんが唐突の提案をしてきた。それは流石に無茶苦茶ですよ!
「ねぇ。いいでしょー?」
参加したかったのか、愛音さんは上目遣いで僕とそよさんに訴え掛けてきた。
「……分かったよ。4人くらい大丈夫だろうからね」
どうせ首を縦に振らないと話は進まないだろうから僕は了承せざるを得なかった。
「好きにすれば?私は行かないか「そよりんも行こっ!」…ってちょっと!」
そよさんも渋々了承したけど、参加する気は無かったようで牽制をしようとしたが、愛音さんに遮られて無理矢理連行されるのであった。そんな残った僕たちも、まず凛々子さんに事情を説明して今日の分のスタジオ使用をキャンセルして、先に行った2人の後に追いかけるようにその場を後にするのであった。
数十分後、RiNGを後にした僕たちが向かった先は、颯樹さんの自宅であった。そこには颯樹さんはもちろんのこと、既にAve Mujicaのメンバー全員や京介先輩が勢揃いしているのでした。
「今日は此方の勝手な申し出にお付き合い頂きありがとうございます」
僕は着くや否や、颯樹さんに頭を下げて今回の一件の事を謝罪と感謝をした。
「大丈夫だ。僕も祥子には縁があるからな。しかし…」
颯樹さんはそこまで気にしていなかったようで苦笑いしながら対応していた。だけどそれとは打って変わって頭を抱え始めて僕の後ろを指差した。
「「こんにちにゃむにゃむ〜!」」
そこには動画撮影しているにゃむさんと愛音さんがいたのだ。それに加えて楽奈さんはソファに寝そべってお菓子食べてるし、燈さんは祥子ちゃんと睨み合ってるし……
「まさかマイゴのメンバーも連れてくるとは…」
「そこはすみません…」
「ホントにごめんなさい…」
ホントに謝っても謝りきれないよ……。そよさんも頭を下げて謝罪しているくらいだからね……。
「そういえば立希さんはどうしました?何故か早退したから一度連絡を入れたのですが、中々出なくて…」
「立希?アイツは用事があるから帰ったそうだ」
しかし立希さんがいない事に疑問を抱いた海鈴さんが辺りを見渡しいたが、颯樹さんが弁明し始めた。まあ僕も立希さんのオシオキを執行するって連絡を受けた時は『またか…』って呆れましたね。でも授業サボって作曲してるのは聞くけど、通り魔紛いはアウトでしょ…。しかも下手すれば僕が危なかったよ……。
「そうですか…それなら獅音さんにバレンタインのプレゼントです」
いない事に落ち込んだが、すぐに気持ちを切り替えた海鈴さんはバレンタインチョコとそれに添えるようにミルクゼリーのチョコ風味のジュースを僕に手渡してきた。まあ受け取る他ないんだけどね。
「それと颯樹さんにもお渡しします」
「ありがとう」
僕にチョコを渡した後は颯樹さんにもチョコを渡して……
「もちろん京介さんにもです」
最後に京介先輩にチョコを渡したのですが……
「ありがとう…」
『デカっ⁉︎』
そう、今朝見たのと大差ない箱を渡してきたのだ。おそらくチョコだろうけど、なんでこの人たちって同じ事を考えてるんだっ⁉︎この場のいるほぼ全員驚いてるしっ‼︎
「しかしなんか複雑そうにしてるな…」
「この手のチョコは3個目だから…それに今年一番アクが強いのがもう既に手元にあるんだよ」
「婚姻届付きのチョコ?」
「それもある。が、それと同等の物があるんだけど…」
気まずそうになりながらも、京介先輩は自分の背後のものを指差した。その先には、何やら箱が置いてあった。そういえばこの箱、なんなんだ?少なくとも高さ160くらいはありそうだけど……。
しかし京介先輩はおそるおそるではあるが、慣れた手つきで箱を丁寧に開封した。するとそこには…
「…この七深特製の等身大チョコをどうすればいいんだ!」
それ以前にクオリティが高すぎるでしょ‼︎どんな製造過程をすれば自分の等身大なんて作れるんですか⁉︎そよさんも睦さんはいくら同じ学校の先輩だからって関心しないでください!
「……とりあえずアレだ。大人しく受け入れて大人しく戴くしかない」
「アンタも大学中の女生徒から貰ったものも大人しく戴くのか?」
「当然…でも如何せん数がバカにならない程多い。それを言ったら京介も月ノ森の生徒ほぼ全員から貰ったろ?」
「そうでした…」
現実逃避しているのか、お互いが傷に塩を塗り合い始めた。なんだろう、この2人が惨めに感じてくる……。
「2人とも。今はバレンタイン事情はどうでもいいので、早く始めますよ?」
「それもそうだな……獅音」
「分かりました」
一度咳払いした千歌さんにそう言われると、颯樹さんは祥子ちゃんを席に座らせた。そのタイミングを見計らって、僕はリビングからケーキを持ち出して、祥子ちゃんの目の前に置いた。
実はこのケーキは、今日が誕生日の祥子ちゃんのために作ったもので、前日から仕込みをして作ったものであるのだ。しかもベースとなる味はバレンタインにちなんでチョコ味となっている。
「それじゃ、さきこから何か一言言ってもらおうかなー?」
「私ですかっ⁉︎」
ケーキを出している間に飲み物も用意していたので、にゃむさんが手にジュースを入れたコップを持ちながら催促してきた。
急な事で戸惑う祥子ちゃんであるが、一度咳払いした。
「……皆さま、本日はお越しいただきありがとうございます。昨年は色々な事がありましたが、これからも私達Ave Mujicaはより一層精進していきたいので改めてよろしくお願いしますわ」
祥子ちゃんは言い終えると礼儀良くお辞儀をするのであった。確かに去年は色々あった。Ave Mujica結成に解散、そして再結成して今に至る。こんな波瀾万丈な一年はそうそう過ごせないと思う。
その後はいつのまにかにゃむさんが主導権を握った上で乾杯の音頭を取ったのであった。全く、少しは自重してくださいよ……。
「今日は色々ありがとうございました。今年はお陰で楽しいバースデーパーティを過ごせました」
「大丈夫だよ。君の誕生日プレゼントを渡したかったのもあるから」
その後僕たちは時間いっぱいパーティを楽しんだ後は、色々出しゃばった愛音さんとにゃむさんが颯樹さんとパーティの後片付けをする事になって、僕たちは帰る事になった。
それで僕は祥子ちゃんと帰る事になったのだけど、今は彼女のお迎えの車が来るという事で最寄駅で待ち合わせている最中であった。
「それと獅音。先程お渡ししようとしたのですが、渡しそれびたので今貴方に渡します」
お迎えを待っている中、祥子ちゃんが何かを思い出したように鞄からバレンタイン用に包装された箱を取り出して僕に差し出した。
「ありがとう、祥子ちゃん」
「構いませんわ♪」
僕が祥子ちゃんからのバレンタインチョコを受け取ると同時に、僕たちの前に一台の高級車が停まった。どうやらお迎えが来たようだ。
「それでは獅音、ご機嫌よう」
「うん。また明日ね」
祥子ちゃんが車に乗ると、そのまま走り去った。僕は電車に乗って帰った。マイゴもムジカも、一度は解散するも、紆余曲折あって再結成して今に至る。だからこれからも、この日常を守りたい。そう思うのであります────。
まずは最新話の読了とお気に入り登録をしてくれた皆様、ありがとうございます。こんな拙作にお付き合いいただいた事に感謝感激です。
今回は祥子の生誕記念回を兼ねたバレンタイン回をお送りしました。
本作品の次回の投稿はまだ未定となりますが、Ave Mujicaメインの小説…『舞い狂う仮面の人形と孤独の獅子の咆哮』が落ち着いたらMyGO!!!!.の執筆を再開しようと思います。
それでは、また次回。
獅音の女装回を……
-
書いて下さい!
-
書かなくていいです