箸休め的な存在。
ライブが終わり、志麻のワンルームで廣井が寛いでいる一方、下北沢の伊地知星歌は……。
「ぼっちちゃん、音楽プレイヤーとイヤホン忘れてったのか」
「さっき連絡があってさ、帰りの電車に乗ってから気づいたらしいの。ぼっちちゃんて意外とそういうとこしっかりしてるから、忘れ物とか珍しいね」
「そうか。次にバイト来る時まで私が預かっておくよ」
「お願いね。ぼっちちゃんにはロインしとくね! おやすみお姉ちゃん」
「おやすみ虹夏」
「……さてと、虹夏は寝たな」
ぼっちちゃんも仕方ない奴だ、と星歌は思う。今回は大人として責任を持って預かるつもりだ。だがまずその前に、味を見ておこう。
「ん……ちゅぷ……ちゅぷ。美味いなぁ……。適度な湿り気と塩加減。カナルタイプのイヤホンだからしっかりと耳に密着してる。ぼっちちゃんの風味がたっぷりと楽しめるぞ。でも、ぼっちちゃんはもう少ししっかりと耳掃除をした方がいいな。あむ……あむ……。今度チャンスがあったら耳掃除してやらないと。もちろん私が膝枕して隅から隅までたっぷりと掃除してやるからな」
これを知ればファン2号は泣いて悔しがるだろう。アイツはマジ逮捕されろよと星歌は思う。
「昨日のぼっちちゃんの残り湯も少し飲んだけど、苦みがあった。もしかしてお腹の調子が悪いんだろうか? 心配だな。私はぼっちちゃんのことなら何でもわかるんだ」
星歌は淑女だから、いつでも直接暴挙に及びかねないファン2号とは違うのだ。あくまでもプラトニックラブを貫く女。それが伊地知星歌だ。
「そういやぼっちちゃんってうんこするのかな? あのかわいいぼっちちゃんが臭いうんこをするとはちょっと考え難いな。きっとピンクのマシュマロに違いない。ああ、違いないんだ。でも肉中心の食生活からのたっぷりうんこだとしてもそれはそれでいいよな。もしぱんつに付着してたらそれはそれでお得だし。最高だ」
彼女の想像の翼は無限に羽ばたいていく。ファン2号にはあげない決意だ。
「イヤホンとぼっちちゃんと私。その可能性は無限大なんだよ! いいよなぁ……。おっと、今はイヤホンをしゃぶりつくすことに専念しなければ……」
たっぷりと味を堪能した星歌。これではバレてしまう。しかし伊地知星歌、抜かりなし。
「返すイヤホンは同じものに替えておけば万全だな。ぼっちちゃんが使ってたイヤホンがダサソーで売ってる500円のイヤホンだったのが幸いだ。まあ高校生だしこんなもんだろう。うちにも同じものがある。それと入れ替えれば……。晴れてぼっちちゃんの聖遺物がまた一つ増えるというわけさ。この間はスプーンを手に入れたぞ! これはもうぼっちちゃんへの間接耳舐めと同じじゃないか! 興奮するじゃないか……」
「ぼっちちゃんのシフトは明後日の夕方からか。ふふふ……。次はまたストローが欲しいなぁ。でも、虹夏たちにバレないようにしないとな。バレたら社会的に終わってしまう!」
後日、バイトに来たぼっちちゃんは、無事に音楽プレイヤーとイヤホンを星歌から返してもらえたようだ。もちろんイヤホンは新しいものに入れ替えられたうえでだ。星歌の野望はまた一歩前進した。信じていれば、夢は叶う。
頑張れ伊地知星歌! いつかぼっちちゃんと結婚するその日まで! 負けるな伊地知星歌! 2人集まって星座になるその日まで! 年齢差なんか気にするな!
「私はぼっちちゃんのぱんつを手に入れるまで、そして頭に被るまで! 決して止まらない!」
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クレイジー下北沢2(仮)主人公は誰がいい?
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ぽいずんやみ
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伊地知星歌
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ファン2号
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結束バンドおばさん
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PAさん