真実の愛に目覚めた伊地知星歌(29)   作:三十路スキー

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原 点 回 帰
かぜをひいたときにみるゆめ。
時間軸が少し巻き戻ります。


ぼっちちゃんセックスしよう!

 ……はあ。夢の中なら何度でも言えるのにな。

 

 ぼっちちゃんのぱんつ被りたい!

 ぼっちちゃんと結婚したい! 

 純白のウエディングドレスに身を包み、ぼっちちゃんと誓いのキスをしたい!

 その後はすぐにホテルでふたりきりのライブをしたい!

 

『もう、こんなところにいたの? ひとりちゃん!』

 

 向こうから赤髪の少女がやってくる。

 

『いよいよ二期決定よ! ひとりちゃん! 早く行かなきゃ!』

 

 ニッコリとほほ笑む赤髪。もちろん喜多だ。

 

『ぼっち……行こうか。あとお金貸して』

『もっとみんなに見せてあげなきゃ! あたしたちのロックを!』

 

 向こうで山田と虹夏がぼっちちゃんを手招きしてる。山田は余計なことを言うな。

 

『は、はい! 喜多……ちゃん!』

 

 私に見せたことのない笑顔で応じるぼっちちゃん。喜多の手を取り歩き出す。あ、こら! 私のぼっちちゃんを連れて行くな! 待ってぼっちちゃん! 待ってよ!!

 

 

 

 

 

「んは! ……夢か」

 

 毛布を握りしめたままでベッドから転落。その衝撃で目覚める私。いや、そもそも『二期』ってなんだ? テレビアニメじゃあるまいし。私たちの人生に一期も二期もあるわけないだろ? 私たちは生きた人間だ。キャラクターじゃない。しかし喜多の奴、夢の中でぼっちちゃんを強引に連れ去りやがって。羨まし……じゃなくて、なんだったんだあの夢は?

 

「お姉ちゃん! 早く起きてご飯食べちゃってよ!」

「ん……おう、虹夏か。おはよう」

 

 聞き慣れた妹の声が、意識を現実に引き戻す。

 

「今日は小テストだしちょっと早めに出るから。洗い物よろしくね!」

「わーってるよ」

 

 虹夏は最近受験勉強を頑張っている。正直大学受験とバンド活動の両立は大変だと思うが、自分で決めた道だ。精一杯頑張ってほしい。私も不器用なりに家のことを手伝うようになった。……相変わらず料理だけは鬼門だが。

 

「あ! あとね、お姉ちゃん。二期決まったよ」

「え? おい虹夏! 二期ってなんのことだよ?」

 

 また二期だ。思い出したかのように虹夏が付け加える。

 

「いってきまーす! 野菜もちゃんと食べるんだよ!」

「おい待て! ……行っちまったか」

 

 ――二期決定って、何だ?

 

 

 

 

 それはともかく今日も仕事だ。夕方からのライブに向けて準備をしなければ。今日のイベントは予約完売のビッグイベント。スターリーにはなかなか無い機会だ。気合いを入れて頑張るぞ!

 

「ふう……少し疲れたな」

「大丈夫ですか? おっぱい揉みますかぁ?」

「揉まねぇよ!」

「あっふん♪」

 

 PAの無駄にデカイケツをシバきながら作業を進める。スターリーの日常だ。

 

「も、揉むなら私の胸を!」

「しまえ。揉むとこ無いだろ」

 

 臨時バイト廣井の服を優しく直してやる。まったく、この二人にも困ったもんだ。

 

 

 

 

 

『て、て、店長さんも……行きましょう!』

『ぼっちちゃん……』

 

 またこの夢か。……光の中へ。束ねていこう、どこまでも。

 

 ――二期になっても、お前らの事ちゃんと見てるからな!




真実の愛に目覚めた伊地知星歌も第2シーズンに突入!
ますますパワーアップ(キャラ崩壊)する大人組!
お楽しみに!!

クレイジー下北沢2(仮)主人公は誰がいい?

  • ぽいずんやみ
  • 伊地知星歌
  • ファン2号
  • 結束バンドおばさん
  • PAさん
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