星歌の脳内はイマジナリーぼっちちゃん、暴走シラフ廣井、ドスケベPAさんの3つに別れ混沌を極めていた!
「今日もお仕事お疲れ様、お姉ちゃん!」
陶器のタンブラーに缶ビール『一番のヤツ』をそそぐ虹夏。
「おっとっと……。どうした、お酌なんてどういう風の吹き回しだ? 小遣いは上げんぞ」
「違うよ! 妹の好意は素直に受け取りなよ」
ぷりぷりと怒る虹夏。星歌にはその仕草すらかわいらしく感じる。
「ぼっちちゃんとのお泊り楽しかったか?」
「うん! 写真いっぱい撮ってきたからお姉ちゃんにも見せてあげるね」
虹夏はスマホを取り出して写真フォルダを開く。そこには虹夏とひとりが一つの布団に入ってパジャマ姿でポーズを決めている写真があった。
「じゃーん! ぼっちちゃんと同じ布団で寝たんだー!」
「ぶはっ!!!」
(なんで同じ布団なんだよ! 羨ましい!)
星歌の鼻から飛び散る鮮血。
「お姉ちゃんどうした!?」
「すまんすまん。ちょっと疲れてるのかな?」
「ほら、鼻抑えて。あんまり無理しないでよ。明日病院行く?」
「ね、寝てりゃ治るよ」
「それで、ずっとおしゃべりしてたらなかなか寝付けなくてさ……ねえ聞いてる?」
星歌は突然奇妙な眠気を感じた。
「……うーん。なんだか眠くなってきた……」
「大丈夫? しっかりしなよ。ベッドまで行こうか?」
「う、うん。頼む……」
小柄ながら力強い虹夏の体に支えられながら、星歌はベッドへ向かう。
「……ふふふ。よく効くね、これ」
「う、うーん……見慣れた天井。私は星歌……って何やってんだ虹夏!?」
「あ、起きた? じっとしててね。もうちょっとでオムツ着け終わるから」
星歌は生まれたままの姿にひん剥かれ、首に前掛け、そして下半身には大人用紙オムツが履かされていた。
「オ、オムツだと!? なにやってんだ! すぐ止めろ!」
「まあまあ落ち着いて。あたし知ってるよ? お姉ちゃんぼっちちゃんのぱんつ被りたいんだよね?」
虹夏は星歌にオムツを履かせ終わると、いつもの笑顔を絶やさず優しい口調で語りかける。
「な、なぜそれを!」
「でもそれはダメだよ。ぼっちちゃんはあたしだけのヒーローで……じゃなくて大切なバンドメンバーなんだから。だからさ、はいこれ。悪いけどあたしのでガマンしてよ」
すると虹夏が星歌の顔に布を被せてきた。
「白い……布か。いちごの柄だと? ってこれ虹夏のぱんつじゃねぇか!」
「さすがに恥ずかしいな。でもしっかり味わってよね。クロッチのあたりからゆっくりたっぷりと……」
あまりの異常事態。星歌の危機意識が今全力で対抗策を考えている。しかしお手上げ寸前だ。
「あたし知ってるよ。毎日密かにぼっちちゃん宛てのヤバい手紙書いてるって。考えてもみなよ。それをぼっちちゃんが知ったらどう思うかな?」
「そ、それは……」
「じゃあ、そういうのやめよ? あたしにとってはお姉ちゃんが最初のヒーローなんだよ。だからロリコンでヤバいお姉ちゃんなんて見たくないの!」
虹夏の瞳に黒い光が灯る。笑顔は決して崩さない。
「ほら、これ飲んで。本当はあたしのおっぱいあげたいけどさすがにまだ出ないもんね」
「んぐ!?」
いきなり哺乳瓶を咥えさせられる星歌。スキムミルクではなく、人肌に温めた低脂肪乳に砂糖を溶かしたものだ。これは飲みやすい。
「いっぱい飲んでね。もうママになってあげるって決めたんだ。あたしならさ、お姉ちゃんのダメなところもヤバいところも全部受け止めてあげるから。ねぇあたし妹だけどママでいいよね?」
虹夏がニッコリと微笑む。そのオーラはどす黒い太陽。太古の妖怪として一部に知られる空亡を思わせる。
「え、いや……ばたんきゅー」
星歌は考えるのをやめた。目の前に広がるあまりの現実に、これ以上の思考を放棄したのだ。
「お姉ちゃん! 起きて!」
「う、うーん……。もう朝か。それにしても酷い夢を見たな」
「お姉ちゃん、起きてよ! あたしもうすぐ学校だから朝ごはんさっさと食べちゃって!」
「……ああ、分かった。今行くから」
星歌は安堵した。昨夜のことはきっと夢だ。いや、そう思うことにしなければ精神が保てない。
――星歌の手にはしっかりといちごぱんつが握られていた。
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