ロボットに乗りたいとは思ったけどTSしたり転生したりは望んでないよね 作:運動エネルギー坂本
とにかく、子供の頃深夜に起きたらやってるアニメを全然前の話知らないけど見てるみたいな気持ちで見ててください
結局、訪れるであろう滅びへの明確な解決方法のないまま、日々だけが刻々と進んでいく。
小学四年生も終わろうという、Xデーへの見えないカウントダウンが始まる小学五年生まで秒読みの、修了式の日。
俺は、ケイに呼び出されていた。
「……ごめん!待たせちゃった?クラスの子と遊ぶ約束しててさ」
「全然大丈夫、今来たところだから」
ケイに呼び出されたのは、体育館の裏という、喧嘩でも挑んでくるのかと言わんばかりの場所だった。
春休み、友達と遊ぶ約束をしていて予定より少し遅れてしまった俺に、ケイが微笑む。
「あー、でもドキドキした。もしかしたら来てくれないかと思って」
「ケイに呼び出されたらそりゃあ来るけど……」
まあ、親友だと俺は勝手に思ってるしな。
主人公に親友とは、烏滸がましいとは自分でも思うが。
「それで、用事って?」
「えっと、春休みに入る前に言っておきたくって……」
ケイがこちらをまっすぐに見つめてくる。
心なしか顔が赤い気がする。
……俺は、ここに来て、やっとなんのために呼び出されたのか気づいた。
「あっ……」
「…………メイネ!」
「は、はいっ!」
なんとなく緊張して、声が裏返ってしまった。
小学四年生なんて、色恋を覚え始める時期じゃないか。
実際クラスでも、何人か付き合い始めた奴らがいる。
「俺は、君が好きです、付き合ってください!!」
……ケイは最近大人ぶって、一人称を俺に変えた。
女子の方が成長が早いからか身長は俺の方が高いが、それでも身長も同学年の中では高い方だ。
ケイも、成長している。
主人公だからか顔も整っているし、正直言って、既にイケメンの部類に入るだろう。
でも。
「えっと、ごめん」
「っ、そう、だよね」
俺には、振る以外の選択肢がない。
俺の中身は男だし、そうじゃなくても小学生は流石に恋愛対象ではない。
それに彼には、高校生になってから素敵な出会いがたくさんある。
なぜなら彼は主人公だからだ。恋愛要素もあった『ボルテック・フレーム』では、ヒロインに囲まれる彼の姿があった。
ここで、俺が介入すべきじゃない。
でも。
「あの、今はそういう目で見れないってだけで、別にケイのことが嫌いってわけじゃ」
あたふたと、弁明を並べ立てる。
確かにケイと恋仲にはなりたくない、が。
ここで、ギスギスした関係にもなりたくない。
最初は主人公としてしか見てなかったこいつを、俺はいつの間にか一人の人間として好きになっていたんだ。
最初は死ぬかもしれないから離れないと、なんて思っていたけど。
ケイの横で、俺を魅了したこの大好きな世界を見ていたい。
ケイだけじゃない。この世界の全てが、ゲームの世界というだけでは見れなくなってしまった。
この世界には、燐堂メイネには親も友達もいる。
絶対に死なない。死なせない。
乗り越えて、そして彼の近くにいたい、と
「高校生になった時」
「え?」
「高校生になった時、まだ僕のことが好きなら、その時また考えてあげる」
「う、うん」
「だから、それまで友達、ね?」
「……ずるいよ、メイネ」
流石に誤魔化したのはバレてるか。
でも、高校生になった時には、君の周りにはちゃんとした女の子たちがいるからさ。
俺は、諦めてくれ。
君と一緒に高校生になれるように頑張るから。
小学五年生になった。
結局、例の邪神の差金か、それとも運命か、五年間同じクラスで過ごすことになったケイとは、あの告白事件からも今まで通り通り仲良くしている。
……まあ、たまにケイから熱視線を感じることはあるが。
死なないで、ケイの横にいる。みんなも死なせない。
その目標を実現するためには、計画を練る必要があった。
五年生になってしまえば、いつ何が起こるかわからない。
春休みを利用して、計画を練った俺は、一つの可能性を導き出した。
まず、襲来するA級星外生物———のちにゲーム中に登場する際のコードネームは、その赤い鳥のような姿から取って朱雀———による被害は甚大だ。
描写から察するに、ケイの両親は、ケイをシェルターに入れた後、彼ら自身がシェルターに入る一歩手前で朱雀が放った熱線に焼かれ死亡している。
ムービーシーンから察するにやつに立ち向かったエクイテス達もその熱線によって撃墜されており、これが地上を焼き尽くし、死者を増やしたと推測される。
そしてこの街に現れた朱雀は、士官学校から派遣された凄腕のパイロットに駆除されるまでそのまま暴れ続けた。
これから生き残る方法は一つ。
それは、真っ先にシェルターに避難すること。
少なくともシェルターに入っていた主人公は生き残っているし、おそらくその中には熱線は届かないのだろう。
しかし、発射された熱線に対して、ほとんど全員の人々がシェルターに入る暇もなく死んだというのが、原作のシナリオだ。
回避するためには、俺が、全員が避難できるようにどうにかするしかない。
せめて身の回りの人だけでも、早く避難できるように。
それしかない。
……そもそも、なぜ普段のようにシェルターへの避難がうまくいかなかったんだ?
朱雀がそれだけ早く到達したということなのだろうか?
とにかくどうなろうと、私がやらなければいけないことなんだ。
今は、穴だらけで確証もない、この計画に頼るしかなかった。
残酷に時間は過ぎていく。
結局五年生になってからの春は、何も起こらなかった。
毎日、気を張り詰めているから、異常に疲れる。
いつくるかわからない厄災を待たなければならないというのは、存外、きつい。
避難を迅速にするために俺にできることなんざ限られている。
家族や友達にそれとなく避難のことを伝えたり、ポスターを作って街中に貼り回ったり。
変な子だと思われたかもしれないがこの際腹を括るしかない。
全員を助けられるとは思ってない。できるだけ、手が届く近くの人だけでも助けれるように、行動する。
しかし、いつまで経ってもXデーは訪れず、夏休みになろうとしていた。
「あのさ、メイネ!」
「どしたのさ、ケイ」
「えっと……一緒に夏祭り行かない?」
夏祭りとは、このあたりの神社で毎年やっている普通のお祭りだ。
毎年少しだけ花火も上がって、地元では結構盛り上がる行事なのだが……。
「毎年行ってるじゃん」
「いや、そうなんだけど、その……」
「……あー、そういう」
つまるところこいつは、一度振られた俺にデートを挑もうとしているわけだ。
まあ、毎年行ってるので特別感なんてちっともない。
別に、ケイと一緒に行くのは別に嫌じゃないしな。
「僕はいいよ」
「よかった!最近メイネ元気ないから、断られるかと思った」
「……元気ない?僕が?」
「うん、なんか余裕ないっていうかさ」
……意外と人のことを見てるな、こいつ。
人の悩みに踏み込んで解決していく、主人公の片鱗が見え始めたか?
「ま、色々考えることがあるんだよ。そんなことよりさ、夏祭りっていつだっけ?」
「確か……」
まあ、少しくらいは気を抜くのもありかな。
なんて、その時の俺は呑気にもそんなことを考えていた。
きっといい夏祭りになるんやろなあ
リアルが忙しくて書いてないと書く気が失せて半年以上小説を触らなくなったので(一敗)
今回は少しずつでも毎日書いていって、ちょっとずつ投稿して行きたいと思います
よければ感想評価お願いします って一回いってみたかった ユーチューバーの口上みたい