ロボットに乗りたいとは思ったけどTSしたり転生したりは望んでないよね   作:運動エネルギー坂本

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ちょっと難産

誤字報告感想評価マジでありがとうございます……


追記
全然容姿の説明をしてなかったので前の話にちょっと加筆しました
加筆で書いてない分含めなんとなく書いておくと

リディネ(メイネ) 短く黒い髪 中性的な容姿
レイカ 銀髪ロング 気が強そうな顔
ミレイ 水色ポニテ たぶんおっぱいがでかい

って感じです
容姿の説明全然しないとか未熟だ......


ベトレイヤ

この士官学校……通称ピラカンサでは、学生が地上における星外生物対処を担うことになっている。

宇宙では頻繁に強力な星外生物が出現し、地球に向かおうとしている。

これを撃破するのが宇宙にいるエリートパイロットの仕事であるが、それと同時に出現する小型の星外生物、もしくは彼らが取りこぼし大気圏内に侵入された星外生物に関しては、学生のパイロット養成、そして足りない地球駐留のパイロットの数を補うことを目的としてその命が私たちに課されるのだ。

 

大体は、クラス単位、もしくは何クラスかの合同作戦で、教師引率のもと行われる。

しかし、成績優秀な『エクセプション』の資格を手に入れたパイロットだけは、個人での出撃が許可され、各地の対処にあたることができるのだ。

 

私はエクセプションとして積極的にその仕事をこなしている。

 

 

 

 

入学式から数日後、A級星外生物の出現の報を聞き、私が駆除しにいくことになった。

 

「ベトレイヤを出す、準備よろしくね」

「はい!」

 

メカニック担当の生徒に機体の整備を頼む。

 

私もパイロットスーツを着込み準備をしていると、レイカがこっちの方に歩いてきた。

 

「すみませんリディネ、私も一緒に出れればよかったのですが……今日は資金援助のお願いをしに行く予定が入っていまして」

「いいよ、たかがA級でしょ?それにろくに飛びもしない『玄武』。余裕だって」

「それが余裕なのはあなただけです!あぁ、もう無理しないでください!できるだけ早く終わらせて行きますから」

「それより前に終わらせるよ」

「……本当に無理しないでくださいよ、私の計画にはあなたが必要なんです」

「わかってる、死んだりしない」

 

パイロットスーツを確認、仮面はしっかり顔についている。

害獣退治はリディネの領分、私の仕事だ。

 

「じゃ、行ってくる!」

 

機体の収められたハンガーには、私専用のオーダーメイド機が出撃を待っていた。

 

BR-02 ベトレイヤ。今主流のRV-023 リッターと違い流線的なフォルムのそれは、装甲を薄くして機動力を高める、私好みのスタイルで作られている。

目立つ紫の外装は、レイカの趣味だけど……この機体をくれたのはレイカだし、とやかく言える立場でもない。

そもそも顔を隠すだけでこんな道化師みたいな仮面を被らされている時点で、彼女のセンスはどこかぶっ飛んでいる部分があると思う。

 

コックピットに乗りこむ。

四年前のあの日と違って、もう何度も乗ってきた機体だ。

 

『デュアルソードユニット、装着完了しました!』

「だってさ。行こう、相棒」

 

現地まで乗る飛行ユニットに機体を乗せる。

ハッチが開く。

 

『出撃OKです!いつでもどうぞ!』

「了解。リディネ・ネモウ、出撃する!」

 

加速していく飛行ユニットに体を預ける。

ピラカンサを飛び立った私は、そのまま玄武の出現地に向かった。

 

 

 

 

 

玄武は、亀の形をしたA級の一体だ。朱雀のように飛行し続けるということはない。

しかし、その堅い甲羅と、その甲羅から生える蛇のような器官によって周囲に敵を寄せ付けない強敵だ。

 

「見つけた、玄武!」

 

市街地の中央に陣取っている玄武。

周囲の人は避難したらしく、好き放題にできるだろう。

両腕と一体化した大型の実体剣……デュアルソードユニットと呼ばれるそれを展開する。

 

これは、私がゲーム時代にPVPモードでよく使用していた装備の一つを再現したものだ。

高速近接戦闘特化、もちろん対人用に作ったものだが……。

 

玄武は近づいてきた私に気づくと、その背中の蛇を噛み付かせるように攻撃してきた。

本体は玄武であり、蛇は武器としての飾りにすぎないため攻撃は単調だ。

飛行ユニットを踏み台に、ジャンプして距離を取る。

 

「その攻撃は知ってるんだよ!」

 

蛇を回避し、斬りつけながらブースターでさらに加速して玄武に近づく。

道中で蛇のような器官は輪切りにされ使い物にならなくなっていった。

本体が強固で鈍足なぶん、こっちはしなやかに動くが耐久力はないようだ。

 

この世界はゲームではない。

敵はプログラムではなく思考して行動するし、学習もする。

しかし、それはこちらも同じだ。

ゲーム中よりもっと自由な戦闘を行うことができる。

 

機体の加速力で尋常じゃないGが体にかかる。

普通の人間なら耐えられないだろうが、私なら問題ない。

二対の剣を構える。

 

玄武が気づいて首を甲羅の中に納めようとするが、遅い。

速度のまま剣を振るい、玄武の首に刃を食い込ませた。

 

「……流石にこれだけじゃ無理かぁ」

流石にA級、いくらオーダーメイドの剣でも一撃で仕留めるということは無理らしい。

暴れる玄武から剣を引き抜き、距離を取る。

 

……ゲーム中でできなかったこと、それは敵の体の部位を破壊したり、コックピットを貫いて一撃で仕留めたりといった行為だ。

自由度の問題というよりはゲーム性の問題なのだろうが、今の現実になったこの世界であればそれが可能となる。

実際ゲーム中では飛んでくる蛇の頭を切り飛ばして使い物にできなくするなんてことできなかった。

 

玄武は強力な蛇という武器を失ったが、次は口から水のようなものを散弾のように飛ばしてくる。

広範囲を一気に攻撃して潰すつもりだろうが、こういう状況こそベトレイヤの真髄だ。

 

文字通り横殴りの雨のように飛んでくる水の玉を避け、斬る。

やっていることは単純だ、避けられる攻撃は避け、避けれない攻撃は斬って隙間を作る。

しかしこれは高機動力を持つベトレイヤにしかできない芸当、可能とするのは私の実力だ。

一撃でも当たれば機体はおろか中の私でさえもまずいだろうが……まあ、当たらなければいいだけの話である。

 

そのうち吐き切ったのか、水の散弾が止まる。

次が来る前に仕留め切る。

 

ブースターに着火、最高速で玄武の顔に接近し、片方の剣を突き刺す。

苦しむような声を出す玄武。

 

「悪いけど、ここで終わらせてもらうよ」

 

もう片方の剣も相手に突き刺す。

私は操縦桿を操作し、この剣に仕込まれた機能を解放する。

 

そして、剣より構成されたビームの刃が、玄武の顔を吹き飛ばした。

 

「……やっぱこの機能、えげつなすぎるかな」

 

ゲームでは不可能だった、男のロマンとも言える実体剣とビーム剣の切り替え機能は、バッテリ持続時間などの兼ね合いで一瞬しか発動することができないピーキーな代物になってしまった。

なので運用方法としては突き刺して使用するのが一番いい使い方ではあるのだが……。

 

「ベトレイヤが汚れちゃうしなぁ……」

 

私のベトレイヤは、破裂した玄武の体液やらで汚れてしまっていた。

私の身長より三倍以上はでかいこいつを洗うのはなかなかに骨が折れる。

えげつなさと、めんどくささが混ざり合う。

できれば最初で決着をつけて、綺麗なまま帰りたかった。

 

「はぁ……」

 

討伐は成功だが、なんとなく嫌な気持ちになった。

 

 

 

 

 

 

「はぁ……なんでこの国の大人ってのはいつも日和見主義なんでしょうか。いつまでもそうやっているから我が国はここまで衰退したということをわかっていないんです」

「あー、大変だったね」

「ちょっとメイネ!聞いてますか?!」

「聞いてるよ、結局資金援助はもらえたんだからいいじゃん」

「あんなちょっとのお金じゃ、ボルテックスだって買えませんよ」

 

夜、()は自室の狭いベッドの中でレイカと一緒に横になっていた。

……別に、俺とレイカがそういう関係とか、そういうわけでは全くない。

数年前に色々あってから、レイカが毎日ベッドに潜りこんできてそのままなし崩しに一緒に寝るというのが定着してしまっただけだ。

まさか学校に来て寮生活になってもなおこうなるとは思わなかったが。

 

今日は、どうやらレイカの用事はあまりうまくいかなかったらしい。

 

「メイネはメイネで、また一人で無茶をするし……」

「はいはい、僕は大丈夫だから」

「あなたに死なれたら困るんですよ……私の計画にはあなたが必要です」

「わかってるよ。僕はレイカの剣だって、そう言ったのは君だろ?」

 

あぁ、そうだ。

仮面を被ったのも、今ボルテックスに乗っているのも、彼女のためでしかない。

俺は、彼女に救われた。

そして、彼女は私の力を欲している。

何より、()()()()()辿()()()()()()()()()()

 

「明日も早いよ。おやすみ、レイカ」

「はい……おやすみなさい、メイネ」

 

レイカの体温を感じながら目を瞑る。

もう彼女の人となりを知ってしまった、今更離れられるわけがない。

たとえ()と敵対しても、俺は大事な友人を守りたい。

 

……彼女は、青蓮院レイカ。

ボルテックスを軍事利用して他国に戦争を仕掛けようとするテロリスト集団、カタコンベのリーダー。

ストーリーでケイの前に立ちはだかるボスの一人だ。




はい、ということで敵対組織に所属した正体を隠した主人公の幼馴染というヒロイン属性もりもり女だったわけでして。

ちなみにリディネ・ネモウさんのお名前は
燐堂メイネ→RINDOUMEINE→RIDINENEMOU→リディネ・ネモウ
というわかりやすすぎるアナグラムでできています
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