月面探査記 第二巻   作:gh0sttimes

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ヨハネス・ヴィッテンバーグ・アーリマンの画像(休日の様子)


【挿絵表示】



第一話 時は経ち

ゴダートは年老いた。

数十年前まで難なくやっていた何気ない作業にも多くの体力と時間を必要とするようになった。

ルカは既に30歳を迎え、子供らしい様子はほぼ失われていた。

ゴダートは一瞬、ルカが選択を誤っていたのではないかと考えたが、すぐにその考えを拭い去った。

永久の命というのは無限の困難を伴う。

それはゴダートが誰よりも知っていた。

だから、信じようと思うのだ。

ルカの歩む道が間違いではなかったことを、ルカが成し遂げたことを証明できる日を。

 

現在、ルカはかぐや星宇宙軍太陽系機動第一艦隊において一兵士として働いている。

数年前にムービット達の王国がかぐや星政府の傘下に入ってからは太陽系機動艦隊の重要性はこれまで以上に増している。

宇宙海賊や異星人から惑星を守るため、今も艦隊は演習と実戦を繰り返していた。

そしてルカもまた日々を忙しく過ごしていた。

地球周辺におけるデブリの回収任務は艦隊のリソースを補給するために最も重要な任務だ。

「アーリマン。とりあえず、人工衛星のデブリを中心に回収するぞ。」

「分かったわ。」

そう言ったのはかぐや星宇宙軍の伝統的な青色のヘルメットと青色の装甲服を身につけた女性であった。

彼女はヨハネス・ヴィッテンバーグ・アーリマン。

ルカの同僚である。

 

しかし、最近では同僚以上の関係になっているように思える。

一見すると真面目そうにみえるアーリマンだが、密かにルカに惚れていたのである。

ルカとアーリマンはデブリ回収任務に勤しんだ。

宇宙空間を漂う宇宙ゴミ、小惑星や彗星の隕石等を回収していく。

今日も一日が終わろうとしていた。

ルカは旗艦ツクヨミの兵舎にてその日の回収作戦の報告書を書いていた。

「先月の作戦に比べて、プルトニウムの回収量が増えているな・・・」

このところ、東アジア地域からミサイルが頻繁に打ち上げられており、その際に出るデブリも比例して増えていた。

ルカには地球の国々の事情は分からないが、太陽系機動艦隊の悩みの種である。

その一例が空母ミカヅキ失踪事件である。

かぐや星の軍上層部は空母ミカヅキが宇宙海賊の襲撃を受けたと発表したが、最終的に核爆発による事故であるとの結論が出たことで、かぐや星の軍部では地球侵攻作戦が計画された。

これは最終的にゴダートらの反対によって凍結されたが、実行されていたとしたら相当数の死者が出ていたことだろう。

勿論、この一連の危機は地球人にとっては知る由もない。

地球内で争っているのだから。

ルカは報告書を書き終えると食堂に向かった。

「あら。貴方も来てたのね。」

そう言ったのは青い髪の女性。

ヘルメットをしていない時の彼女はどこかおっとりとしている印象を受ける。

二人は食事の席についた。

今日の献立は肉じゃがであった。

旗艦の食堂では地球の料理を再現したものが作られている。

食堂には数百名の兵士が詰めていたのでそれなりに騒がしい。

そんな中を二人は食事をしたのだった。

夕食後、二人はそれぞれ自室に戻って行った。

 

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