月面探査記 第二巻   作:gh0sttimes

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第十三話 奇妙な伝説

4日後。

再び2人は射撃場にいた。

今度のターゲットは人間ではなく的だ。

射撃訓練は今日も行われていた。

ルカとアーリマンはライフルを構えターゲットを狙う。

2人は同時に引き金を引いた。

すると弾丸は見事に命中したようだ。

そして2人は銃を下ろすとクライスの方を見た。

クライスは的を凝視すると言った。

(あれ・・・?)

2人が放った弾丸は全て的に命中していたようだが1発だけ外れていたようだ・・・ それを見たルカは言った。

「これは珍しいな・・・」

3人の銃の腕は確かであった。

クライスもアーリマンもルカの射撃の腕には一目置いていた。

2人は銃を置くと休憩室へと向かった・・・ 5分後2人が休憩室から出てくるとクライスが話しかけてきた。

「そういえば貴方達ってあの伝承知ってる?」

ルカは答える。

「あの伝承?」

クライスは続ける。

「長野県北部に伝わる死桜伝説だよ。」

アーリマンも答える。

死桜伝説とは、千年以上前に亡くなった歌聖が最も見事な桜の木を死に場所に選び、それからその桜はますます見事に咲くようになった。以降、多くの人々がこの地を死に場所に選ぶようになり、最終的には妖力を持つ存在になったという伝承である。

この桜は現在、長野県北部のとある山に存在しており、1703年を境にこの桜は一度も開花していない。

クライスは続ける。

記録上で最後に満開になったのは西暦1703年の元禄地震の際であり、それ以降、この桜はとある少女の亡骸により封印されているらしい。

しかし、非常に奇妙なのは2004年9月5日に七分咲きを観測したという点である。

この日は記録によると紀伊半島南東沖地震が発生した日であり、現地人には何かしらの理由で封印が緩まったと考えられているようだ。

クライスは話を終えると休憩室へと戻っていった。

ルカとアーリマンも休憩室へと向かったのであった・・・

翌日。

訓練を終え、母船へと帰還したルカは自室で地球偵察衛星<モチヅキ2型>の映像を見ていた。

このモチヅキ2型は2000年前にかぐや星宇宙軍によって打ち上げられた衛星であり、地球からは盾を黒く塗った騎士のように見えることからブラックナイト衛星と呼ばれている。

「うーん・・・ ここは一体何なんだろうか?・・・」

ルカは画面を見ながら悩んでいた。

衛星が映しているのはアメリカ空軍ネリス試験訓練場の一部である。

そこには何機かの戦闘機が並んでいるのだが、そのうちの一機は明らかに地球由来のものではないのだ。

かといって、かぐや星宇宙軍の機体でもない。

「特殊作戦軍の機体かな・・・ あの部隊は毎回移動してるから何をしているかが全く分からないし・・・」

かぐや星特殊作戦軍はSSのように隠密な部隊であり、式典などでも常に目出し帽を着けている。

そのためかぐや星特殊作戦軍のメンバーの顔は全く分からないのだ。

そのおかげで他の部隊からは「黒色軍」などと呼ばれている。

「まあ、下手に色々やって、機密保持違反で処されるのはまずいし、これぐらいにしておくか・・・」

ルカはそう呟くとモチヅキ2型の映像を切ったのであった。

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