月面探査記 第二巻   作:gh0sttimes

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第二話 忘れていたこと

翌日。

今日は特に任務もなかったため、自室で事務仕事をしていた。

突如、ルカの部屋の電話がなる。

その音がゴダートからのホログラム通信であることを示していた。

ルカは急いでホログラム通信に出た。

「ゴダa・・・ お久しぶりです。隊長。」

声から分かるようにこの呼び出しの主はやはりゴダートだった。

彼はかつてこの太陽系機動艦隊を統率していた人物であるが今は50歳を超え、やや皺のある顔になっていた。

「ゴダートで構わない。かつてのように話をしたいからね。」

ゴダートはルカにそう言い、ルカは少し悩んでから話し方を変えた。

「分かった。ゴダート。早速要件を聞こうか?」

ルカの話し方にゴダートは満足そうな笑みを浮かべた。

 

そしてルカに話しはじめる。

「最近は仕事は上手くやっているか?」

ゴダートのいう仕事とは地球方面の任務のことである。

宇宙海賊が出没している今、太陽系艦隊としては対処が急務となっているのである。

その問いかけにルカは答える。

少し照れながら。

「上手く行ってるさ。そっちこそどうなんだ?」

「ああ。かぐや星の西部地域の復興があまり進んでいないな。」

ゴダートはルカの質問に答えた。

かぐや星の西部地域は今だに復興が進んでいないのである。

あの辺りは非常に山岳地帯が多く、人が踏み込むのもやっとであるのだ。

かぐや星では多くの地域が未だに復興途上の状態であった。

数十年前の革命によって、独裁者ディアボロが斃れたのは良いものの、惑星全体が壊滅的被害を受けたことでかぐや星の国力は著しく低下し財政的な復興もままならない状況である。

そんなゴダートの話を聞いてルカはなにかしてあげたい気持ちになった。

しかし一兵士に過ぎない今のルカにはなにもできない。

少し悲しい気持ちになったが気持ちを切り替えて今の仕事に専念したのだった。

それからしばらくの間二人は会話を続けていた。

そして通信の時間が終わりを迎えるころにゴダートは言った。

「ではまたな。」

そうして通信は切れた。

しばらくして、ルカは過去のレポートを読むことにした。

「うん?」

そのレポートは別の部隊が8年ほど前に地球にて実施した偵察任務であった。

 

<シベリア地域における偵察任務について>

 

西暦1991年8月19日。

かぐや星宇宙軍は地球への偵察任務を実施した。

目的は東欧地域の偵察である。

現在、これらの地域は軍事クーデターに伴う政情不安の影響で危険な状態にあるようだ。

特に東欧地域における状況は悪化の一途を辿っており、東欧地域における偵察任務は当分の間実施するべきではない。

 

「・・・もしかしたら、のび太達と共にディアボロを斃した時よりも地球の状況は大幅に変わっているのかもしれないな。」

ルカはそう呟いた。

 

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