月面探査記 第二巻   作:gh0sttimes

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第二十六話 演習終わり

翌日の午後。

ルカとアーリマンは通信演習を終え、アレクサンドルを連れて母船に帰還していた。

ちょうど母船に帰還したところであり、二人の姿はまだ甲板上にあった。

しばらくすると、甲板に2機ほど戦闘機が着陸した。

「やあ。アーリマン。」

戦闘機から降りてきたファジルはすぐにアーリマンにそう言った。

「あら、ファジル。また演習に行ってきたの?」

「ああ。エンケラドスでの毒ガス演習だ。市街地を模した演習場に戦闘機から10発程度のマスタードガス弾を投下。そこにガスマスクを着けた地上軍歩兵部隊が突入し、速やかに制圧するという感じだ。」

「やっぱり地球での作戦を想定したものかしら?」

「ああ。比較的栄えている西ヨーロッパから西ロシア地域にかけた侵攻作戦を想定している。」

その後ファジルはアレクサンドルの方を向く。

そして言うのであった。

「やあ少年。」

いきなり話しかけられたアレクサンドルは一瞬黙った後慌てて言った。

「演習ついでに地球の伝承について勉強してきたようだが、理解できたか?」

アレクサンドルは答える。

「理解できたけど、日本の伝承って複雑・・・」

ファジルは言う。

「まあいきなり全てを理解できなくてもいいさ。少しずつ勉強していくんだいいな?」

「うん。」

そうして、アーリマンとアレクサンドルとルカは甲板を去った。

 

しばらくして、ルカとアーリマンは自室に戻っていた。

アレクサンドルは後ろの机でノートを広げて勉強している。

「三角関数サイン、コサイン、タンジェントを用いることで理論上の着弾点を算出できるが、実際にはさらに砲弾の弾道を左右し得る環境上の要因も加味しなくてはならない。ここでいう環境上の要因とは第一に風向、風速、天候。次に発射装置の劣化、火薬の量・・・」

弾道学を勉強しているようだ。

宇宙軍としてはもうレーザー砲を採用しているから特に重要なものではないのだが・・・

そのうちアレクサンドルはぶつぶつと独り言を言い始める。

「都市への砲撃はさらに複雑になる可能性がある・・・ この時に加味するべきであるのは・・・」

ルカは後ろから口を挟む。

「都市の構造だな。地下鉄が多い都市では地中貫通弾を使うべきだ。」

するとアレクサンドルは言った。

「そうなのか・・・」

この他にも多くの知識をアレクサンドルは吸収していった。

数時間後。

アレクサンドルは勉強を終え、ノート類を片付けていた。

時刻はもう午後9時。子供であればもう寝る時間だ。

アレクサンドルは言う。

「勉強できたしもう寝るかな・・・」

アーリマンは言う。

「私はちょっと色々書かないといけないから先に寝ててね。」

「うん。」

アレクサンドルはベッドに横たわる。

少し経ち完全に寝息を立てていた。

アーリマンはというと何やらノートに書き込んでいた。

「とりあえず、レポートは明日提出しよう・・・」

そういって、アーリマンはアレクサンドルの隣で眠りについた。

 

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