月面探査記 第二巻   作:gh0sttimes

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第三十二話 銃後の生活

その頃、戦地から遠く離れた太陽系では、アーリマンとアレクサンドルが朝食を食べていた。

アーリマンはクロワッサンを口に放り込む。

一方アレクサンドルはジャムをつけたパンをかじっている。

アーリマンが言う。

「ウチもエリナートも容赦ないねぇ・・・」

「そうなの?」

アレクサンドルはいつの間にかパンを食べ終わっていた。

「ええ。情報統制下だから詳しいことはわからないし、あくまで噂に過ぎないけど、派遣部隊がヴェルタイン連邦の農村を焼き払ったらしいわ。」

アレクサンドルは考え込む。

「なんか、どこもやることは同じなんだね・・・」

アーリマンは言う。

「そうね。まあとにかくエリナート銀河連邦は自由共和国の支援に全力を注ぐみたいね。」

アレクサンドルは続けていう。

「いつ終わるの?」

「さあ・・・ 2002年5月ぐらいには終わるって聞いたけど・・・」

アーリマンはそういい、立ち上がった。

「じゃあ、私は食器類片付けてくるわね。」

「うん。」

ちょうどアレクサンドルも朝食を食べ終わっていたので、一緒に片付けに行くことにした。

3分後。

2人は自室でラジオを聞いていた。

「・・・次のニュースです。かぐや星特殊作戦軍は昨日、ヴェルタイン連邦での内戦について、新たに5つの機動部隊を投入することを決定しました。この決定を受け、現在配備が進んでいる部隊は<バンデーラの子どもたち><アイダール><武御雷><ディキシー><ブルゴーニュ>です。」

 

<アイダール>と<バンデーラの子どもたち>はウクライナ人によって構成される機動部隊であり、アーリマンの友人であるオレクサンドル・メルニク*1が所属する部隊だ。

特に<バンデーラの子どもたち>はディアボロ政権時代にウクライナ蜂起軍残党によって結成された部隊であり、第二次銀河大戦時代から存在している。

なお、この部隊はエリナート戦争における虐殺事件に大いに関与していたとして他の部隊からは非常に煙たがられているようだ。

現在はどちらかといえば普通のウクライナ人が集まる部隊である。

「なんでこうも東欧地域出身の兵士は問題が多い人が多いのかしら・・・」

*1
ウクライナで名の知れた民族主義者。ソ連崩壊後は<全ウクライナ連合『祖国』>から1999年ウクライナ大統領選に立候補したが、結果的に敗退した。その後、ウクライナ警察が彼の失踪を発表したが、これはかぐや星宇宙軍によるアブダクション作戦に巻き込まれたことが原因である。現在は機動部隊<バンデーラの子どもたち>の司令官として働いている。

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