月面探査記 第二巻   作:gh0sttimes

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第三十三話 エリナート銀河連邦大統領選挙

2000年5月25日。

エリナート銀河連邦におけるヴァール・クラトニー大統領の辞任を受け、大統領選挙が実施された。

登録有権者数は4099835004230人。全投票総数4099835004029人であった。

立候補を表明した75名のうち、中央選挙管理委員会に立候補受付書類を提出したのは59名で、そのうち立候補者として要件を満たすと認められたのは32名の候補者であった。さらに5名が最終期限内に立候補を断念し、最終的に27名の候補者が登録された。

以下はその中でも主要な人物である。

 

ヘルヴァード・ゲインヴェルト*1(統一エリナート)

アスター・レンドラント・フォーリング(エリナート人民左派)

ディー・スロヴァント・ヘリーナ(国民連合)

ゲアハルト・ヘンゲル(成長党)

ゲンナーディ・セルロフ(人民の友)

 

この選挙の結果、ヘルヴァード・ゲインヴェルトが得票率78.7%で当選した。

 

 

<ヘルヴァード・ゲインヴェルトがエリナート銀河連邦大統領に就任>

 

銀河の歴史上、最も注目されていたエリナート銀河連邦の大統領選は非左派政党の勝利という形で幕を閉じた。

統一エリナートはわずか2年前に成立した政党であるのにも関わらず、エリナートの民意は彼らを選んだのだ。

国際的な専門家はエリナートが変化の時代を迎えたと指摘しているが、同時に元CTIISOBの諜報員という異色の経歴を持つゲインヴェルト氏に対する懸念の声も上がっているようだ。

 

 

「エリナートで非左派政党の勝利ね・・・」

エリナートの選挙の喧騒から遠く離れたかぐや星宇宙軍太陽系艦隊では、アーリマンが新聞を読みながらコーヒーを飲んでいた。

アレクサンドルはオレンジジュースを飲んでいる。

「まあ、あの国は乱暴者によって統一された国だからね・・・」

エリナート銀河連邦の成立はおよそ9億年前まで遡る。

当時はカイルト星という惑星の小国の一つであったエリナティア王国が多くの軍勢を率いてわずか10年でカイルト星を統一。

エリナート帝国を宣言した。

その1万年後、宇宙技術を手に入れた銀河の人々は様々な惑星へと飛び立った。

この時にエリナート共和国は急速な軍備拡大とともに他の惑星を侵略し、500年ほどで現在の領土の殆どを有する超大国となった。

エリナート帝国の崩壊と銀河連邦の成立はここからおよそ3千年後のことである。

当時の皇帝が暗殺されたのと同時に帝都ゼルクトヴェルターズブルクで革命が発生したのだ。

2年後には新政権が首都をマスコーヴィナへ遷都し、さらに12の惑星を連邦に編入した。

ここで現在の連邦が生まれたのだ。

 

 

*1
エリナート銀河連邦大統領。学生時代はとんでもない乱暴者で、頻繁に暴力事件を起こしていた。彼いわく「人間関係と国家間の外交は全く同じであり、人間関係の中では自身の利益を最大化しなくてはならない。ただし、女性相手には話すことも喧嘩することもやらない方がいい。」らしい。この発言は学生時代に幼なじみの女子に裏切られたことが原因であるようだ。




CTIISOB

エリナート銀河連邦の事実上の諜報組織。
正式名称は対テロ情報捜査特務局。
表向きは『テロ攻撃への対応』のためであるとされているが、実際には他国に対する諜報活動を行っていることで有名。
銀河で出回っているマルウェアの殆どはこの組織由来。
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