-井深大
「野比君。今日はこれを頼むよ。」
「はい!」
そういって、のび太の席には大量の書類が置かれた。
ルカ達とともにディアボロを打ち倒してから20年の時が経ち、2000年を迎えた日本は新たな世紀の訪れを期待していた。
そのような中でものび太の生活は変わらなかった。
それでも、のび太は今の生活に満足していた。
13歳になり、練馬区の豊玉中学校に入学した彼はやりたいことが見つかったのか生まれ変わったように勉強し始めた。
中学校では物静かな彼であったが、常に成績は良かった。
中学校卒業後、彼は東京大学附属科学技術専門学校に見事に進学。
ここでも猛勉強を続け、テストでは高い点数を叩き出し続けた。
高校卒業後、彼は都内のテックブースター株式会社*1というベンチャー企業に内定し、現在はここで働いている。
「ここの回路って・・・」
彼は怪しい箇所を見つけたのか、メモ帳を取り出し、複雑な計算式を書き始めた。
しばらくの時間の後、彼は最終的な答えが示している事実に気づいた。
「これは下手したら電線が高温で溶けてショートするぞ・・・ とりあえずここは別のパーツを使うとして・・・」
コーヒーを一口飲み、コピーした回路図に修正点を書き込んだ。
午後6時。
彼は仕事を終え、帰路についていた。
「・・・久しぶりにジャイアンに会いに行くか」
剛田武ことジャイアンは中学校卒業後に剛田商店を継ぎ、それからはずっとそれを続けている。
のび太は中学卒業以来久しぶりに剛田商店へと足を運んだのだった。
翌日、彼はいつもより遅く起きた。
今日は土曜日で仕事は休みだった。
のび太が高校を卒業した後にドラえもんは22世紀に帰ってしまったため、ドラえもんとの関係は希薄になっていたが、少しガタが来た勉強机はいつまでも自分の家にある。
おそらく、この勉強机は子供に継ぐだろう。
のび太の思い出であり、数々の冒険への入り口だったのだから。
のび太はそんなことを思いつつ朝食のパンをかじるのだった。
昼になりのび太は街を歩く。
すると偶然ジャイアンに出くわした。
久しぶりに会うジャイアンはかなり太っていた。
しかし健康的でもあったので特に不満はなかったのである。
そんな二人であったが昔のように公園へと向かうことになったのだ。
2人は公園のベンチに腰掛けると話し始めたのである。
近況報告に始まり仕事の話などをしながら二人は時間を過ごしたのだ。
20年前と変わらない関係の2人であった。
私は確かに小学生時代はあまり良くありませんでした。恐らく、あの時に父から井深大の伝承を買ってもらっていなければ、今でもやるべきことを見つけられずにいたでしょう。
-のび太の採用面接時の発言より抜粋