月面探査記 第二巻   作:gh0sttimes

8 / 37
第八話 ルカの友人

ルカにはエスパル時代からの友人が多数いるが、その後に仲良くなった者もいる。

同じ艦で働いているヘルベルト・シュティーフェン・インクヴァルトもその一人である。

彼はアーリマンの同級生であり、学生時代までアーリマンに恋心を抱いていた。

卒業後はアーリマンとは疎遠になってしまったため、ヘルベルトも諦めかけていたのだがそんな時にルカがアーリマンの恋人として現れたのだ。

当然ヘルベルトは複雑な気持ちであったがとりあえず諦めることにしているそうだ。

そしてヘルベルトは現在、ルカの同僚として一緒に働いている。

 

そんなある日の事・・・

ヘルベルトの自室のホログラムが軽やかな電子音を発した。

それはルカからの通信を示すものであった。

「久しぶりだな。ルカ。」

ヘルベルトは通信相手に対してそう言った。

ルカもその声に答える。

「ああ。そっちの状況は?」

ヘルベルトは答える。

どうやら現在は任務もなく平和なようだ。

ルカは続ける。

「ああ。ちょうど朝鮮半島での偵察作戦も終わったから、しばらくは仕事はないよ。ただ、2週間後に今度は日本での偵察作戦を実施することになったからまた忙しくなりそうだ。」

「日本か・・・ あそこはスパイの練習場と呼ばれるほど緩いからな。まあ、よほどの事が無い限り、バレることはないだろうな。」

ヘルベルトの言葉にルカは答える。

「となると、日本での偵察作戦は比較的楽か・・・ ついでに会いたい人もいるし。」

「ああ。のび太のことか。」

「そうだ。確か今は30代だったかな・・・」

 

その言葉にヘルベルトは頷く。

のび太とルカが最後にあったのは1980年代である。

それ以来、一度も会っていないのである。

そんなのび太は今も東京にて生活しているという情報を得ている。

どうやらそこでエンジニアの仕事を始めたらしいのだ。

「そうなのか。とりあえず頑張れよ。」

ヘルベルトの言葉にルカは頷く。

そして通信を切ったのであった。

 

2週間後。

ルカとアーリマンはバイクを運転し、新宿のスクランブル交差点を走行していた。

「偵察作戦で来ているとはいえ、久しぶりの日本だな・・・ のび太に会ったのは20年前か・・・」

ルカは呟いた。

「そういえば、貴方は20年前のディアボロ政権崩壊の際に地球人の協力を得ていたわね・・・」

ルカの言葉を聞いて、アーリマンはそのように呟いた。

そうこうしているうちに二人は豊島区まで来ていた。

「確かこのまま練馬区まで走るんだったな・・・」

ルカは20年前に東京都内の学校に調査目的で転校してきたことがあるが、現在の東京にその面影はない。

再開発が進み、空き地だった場所には高層ビルが立っている。

東京は変わったのだ。

 

二人はバイクを走らせた。

練馬区までやってきた二人だったがここで予想外の問題が発生した。

そう。突然雨が降り始めたのだ。

ルカはバイクのハンドルについているタッチパネルを操作して天気情報を確認したがどうやらしばらく雨が続くらしい。

これには流石のルカも参ったようだ。

とりあえず、バイクを止め、リュックから2人分の合羽を取り出した。

ルカは一つをアーリマンに手渡すと自分の分を着て再びバイクを走らせた。

 

二人は雨に濡れながらも目的地の豊島区までバイクを走らせるのだった。

雨は強くなる一方で合羽を着た二人の姿はまるで消防車のようであった。

 

そして二人はやっとのことで豊島区に到着したのである。

ルカとアーリマンはバイクから降りると周囲を見渡した。

練馬区から豊島区までは意外と距離があるようだ。

雨は止むどころかさらに強くなっていたため二人は合羽のフードを被り傘を差して歩き始めた。

しばらく歩くと、かつての空き地であった場所についた。

のび太たちがいつも騒いでいた場所には面影はなく、代わりに無機質な高層ビルがそびえ立っていた。

ルカは周囲を見渡した。

東京はかつての姿を失い巨大な都市となっていたのだ。

ルカとアーリマンは濡れながらしばらく周囲を見渡していたがやがて諦めて移動することにした。

その後二人はとある学校についた。

ここはかつてのび太たちが通っていた学校であるが、今は生徒は大幅に減っているようだ。

(もうすっかり変わってしまったんだな・・・)

2人はバイクを走らせ、そこを通り過ぎた。そして目的の場所に着いたのであった。

そこはとあるアパートであった。

二人が周囲を見渡すとアパートの入口に見覚えのある人物がいた。

のび太だ。

「久しぶりだな。のび太。」

ルカはそう挨拶した。

のび太も頷く。

のび太はルカとアーリマンをアパートの中へと招き入れたのだった。

2人は合羽を脱ぎ部屋の椅子に座った。

そしてのび太と20年ぶりの再会を喜び合う・・・ その後二人は今までのことを話した。

のび太は小学校卒業後に日本の有名な実業家の影響を受けて技術者を志して猛勉強をした結果、中学校ではそれなりにいい点数を取っていたようだ。高校は東京都内の専門系の高校に進学し、卒業後は電子回路設計の仕事をやっているようだ。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。