(性欲が)増しろ最高のバクマン   作:チームメイト

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第15話 見吉式健康法と快進撃

 疑探偵TRAPのアンケート結果

 1話 3位

 2話 8位

 3話 9位

 

 下位に沈む事はなかったけど、上手く言っているともいいにくい順位だ。

 3話後に『TRAP』連載開始後の最初の連載会議、連載中の僕達からしたら打ち切られないか会議が行われ、問題なく突破する事ができた。

 ロケットで駆け抜けない。

 

 一方で福田組からは、福田さんの『KIYOSHI』と中井さん・蒼樹ペアの『ハイドア』の連載開始が決まった。

 

 新妻エイジ『CROW』

 亜城木夢叶『疑探偵TRAP』

 福田真太『KIYOSHI騎士』

 中井・蒼樹『hideout door』

 平丸一也『ラッコ11号』

 

 これからは、福田組みんなで切磋琢磨して、ジャンプを盛り上げていく事になる。

 

 そう考えると、今の位置に居ていいのか不安になってしまった。

 9位というのは、僕達の夢、アニメ化を狙えるような順位じゃない。

 

 シュージンも同じ気持ちで、担当の港浦さんと意見をぶつけあった。

 

 結果は、このまま推理マンガ路線の継続。

 

 どうなるか分からないけど、今の路線で読者を引っ張れるように、努力するしかない。

 

 

   ◇◇◇

 

 

 4月8日 始業式

 

「これからよろしく」

「うん、よろしくー」

 

 クラス替えで見吉と僕は同じクラスになり、出席番号順の配置により『ましろ』『みよし』の縁で、席が見吉の前の席になった。

 正直、ホッとした。

 

 見吉が後ろなら、授業中寝ててもカバーしてもらえる。

 最悪、背中をつついてもらえれば、起きるはず。

 

 これが反対で、見吉が前だったらうなじが気になって、ぐっすり眠れなかったもしれないので、見吉が後ろでよかった。

 冗談だけど。

 

 なんにせよ、これで春休みが終わった。

 平日は学校に通わないといけないので、原稿を描く時間が減る。

 原稿に影響を出さないように、走り続けるしかない。

 

 幸い、ゴールデンウィークの合併号まで1ヵ月切っている。

 ジャンプの読者だった頃は、合併号は次の週が休みで嫌いだったけど、今だと合併号が待ち遠しい。そこで一息つけるので、あと1ヵ月頑張ろう。

 

 

「見吉」

「真城」

 

「「バクマン(バクマン)!」」

 

 始業式の日は、午前中だけで学校が終わり、クラス委員とかが決まったクラスから解散だった。

 僕達のクラスは、立候補者がいたので、あっさりと終わった。

 シュージンのクラスを外から覗いたけど、時間が掛かりそうだったので、一分一秒を惜しんで、先に帰らせてもらって、仕事場に向かう。

 夕方からアシが来るので、それまでに今日が仮締切の10話のペン入れを終わらせたい。

 見吉もシュージンを待たずに仕事場にきたので、シュージンが帰ってくる前に、1分1秒を惜しんで、性欲を処理した。

 

 これでまた、頑張れる。

 

「真城、疲れぎみじゃない?」

「なんで?」

「いつもより元気ないから」

「どこで判断してるんだよ」

「今日は、精のつくもの作ってあげる。買い物行ってくる」

 

 見吉がシャワーを浴びて、外に出ていくのと入れ替わりで、シュージンが帰ってきた。

 ギリギリセーフ。

 何事もなかったかのように、原稿と向き合う。

 

 アシスタントが来るまであと4時間しかない。ペン入れペン入れ。

 

「さっき、電話があった。7話の本ちゃん13位だって」

「……13位。先週上がったのは、解決編だからって読みは的中か。当たって欲しくなかったけど」

「なんとか粘って読者が付くのを待つしかないな」

 

 4話 12位

 5話 13位

 6話 10位(4話からのシリーズの解決編)

 7位 13位

 

 苦しい展開だけど、解決編で少し伸びたのだけが朗報って感じだ。

 アニメ化するとかしないとかではなく、粘れるのかどうかになってしまっている。

 

「11話のネームも、4話構成の1話目でいいんだよな?」

「そこはブレないって決めただろ」

「下位が続くのは、きついって」

「毎回、解決編できればいいけど、話が破綻する」

 

 事件の規模にもよるけど、推理マンガの欠点として、ある程度のページ数がないと事件を描きにくい。

『TRAP』の場合は、1話から3話までは1話完結で、1話で主人公の紹介。2話でヒロインの登場。3話でメインとなる敵を描いた。

 そこからは、4話から6話で1つの話。7話から10話で1つの話。

 

「シュージンの話は面白い。4話って言わずに、もっと丁寧に描いてもいいと思う」

「外したらキツイって」

「だよな……冒険しすぎ」

 

 1つの話が長くなればなるほど、途中からの新規読者が入りにくくなるし、その話が読者受けしなかったら、致命傷になりかねない。

 もう少し人気があれば、そういう冒険もできるけど、今の僕達には無理だ。

 

 3話から4話くらいで完結する話で、読者人気がつくのを待つ。

 つかなかったら打ち切りだ。

 

 7話が13位か。

 推理マンガ路線は変えたくない。でも、このままだと厳しい。

 

 何か工夫できる余地はないかな。

 

 

 ちなみに、見吉が精がつくものとして用意した夕飯は、ウナギだった。

 旬は冬らしいけど、見吉の気持ちが嬉しい。元気が出てきた気がする。

 

 シュージンと顔を寄せ合い小声で話し合う。

 

「シュージン。見吉に、いくら出してるんだ?」

「食費か? 週に1万」

 

 1万で3人+アルファの食事か。

 夕食だけならいいけど、春休みとか三食用意してたから、赤字だったんじゃないか。

 

「アシ代もちょっと出した方がよくないか? 手伝ってもらってるし」

「いいって、好きでやってくれてるんだし」

「そ…そうか?」

 

 見吉の事は、シュージンに任せている。僕が余計な口出しは、しない方がいいか。

 

「何よ2人でコソコソ。ウナギ美味しくなかった?」

「いや。違うって、見吉っていい女だなって」

「知ってるー」

 

 調子に乗ってる。

 

 やっぱり、アシ代は渡さなくていっか。

 必要なら、シュージンが出すだろう。

 

 港浦さんが打ち合わせに来る前に、帰る間際の高浜さんを捕まえて、どうしたら『TRAP』がよくなるのか意見を聞いてみた。

 

 高浜さんは、マンガ家希望だけあり、マンガを見る目は確かだ。

 

「ちょっと固いかもしれません」

「固い?」

「推理ものですから、仕方ないのかもしれませんけど、とっかかりにくい部分は感じます」

 

 高浜さんが喋った!?

 

 いや、貴重なアドバイスをしてくれたのに、失礼すぎる。

 

 イメージとしては名探偵コナンの「あれれー?」か。

 確かに、あれで緩急ができている気がする。『TRAP』には、それがない。

 主人公を詐欺師の探偵として、あまり隙を見せなく描いている。

 

 もう少しコミカルなシーンがあってもいいのかも。

 

「港浦さん来るまで時間あるよな。ちょっと本屋とか回って笑いの資料買ってくる」

 

 シュージンが、閉店間際の本屋に向かった。

 アシたちも帰ったので、見吉と2人きりだ。

 

 ウナギを食べた男女が2人きり。

 これも1つのお約束だ。

 

「見吉」

「真城」

 

「「バクマン(バクマン)!!!」」

 

 精がついているのか減っているのか、どっちなんだか。

 見吉が言うには、さっきよりもマシらしいので、プラスになったと思うか。

 

「それにしても、笑いも勉強して作るってシュージンらしいな」

「努力家だから好き」

「今、言うのかよ」

「振ってきたのは、真城でしょうが」

 

 シュージンが帰ってくる前に、服を着よう。

 その後は、港浦さんとの打ち合わせだ。

 

 

 夜、港浦さんが打ち合わせにきた。

 紙袋に入れた大量の本とともに。

 

 シュージンは、笑い。

 港浦さんは、センス。

 

 推理マンガの路線を維持したまま、質を上げる。

 セリフを磨く。

 

 シュージンならきっと、身につけてくれる。

 作画担当の僕と、ストーリー担当のシュージン。

 2人で亜城木夢叶だ。

 

 僕ももっと絵を……

 

 

   ◇◇◇

 

 

「見吉」

「真城」

 

「「バクマン(バクマン)!!!」」

 

 シュージンだけの打合せが増えた。

 しばらくは、港浦さんとセリフを細かく詰めていくらしい。

 

 となると、見吉と2人きりの時間も増えるので、自然と回数も増えた。

 僕ももっと絵を……って思ってたら、僕ももっとエロを充実させることができた。

 

 作画時間を削って、なにヤってるんだって感じだけど、原稿は順調だ。

 終わった後で、机に座る時間を増やして描いている。

 

 見吉とスッキリした後は、程よい疲れのおかげか寝つきがいいので、ベッドの上に居る時間は減っても、睡眠時間はそこそこ確保できている。

 スッキリしてぐっすりだ。これが、見吉式健康法。

 

 さあ、今日も見吉を抱いて、原稿だ。

 

 

 こんな僕の浮かれ具合と比例するように、

 

 8話 9位

 9話 8位

 10話 6位(シリーズ解決編)

 

『TRAP』の人気が上がってきていた。

 

 これも努力の成果だ。

 って、セリフを磨いたり、見吉を抱く回数が増えたのは、11話の原稿からなんだけど。

 人気が出てるなら、なんでもいいか。

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