疑探偵TRAPのアンケート結果
1話 3位
2話 8位
3話 9位
下位に沈む事はなかったけど、上手く言っているともいいにくい順位だ。
3話後に『TRAP』連載開始後の最初の連載会議、連載中の僕達からしたら打ち切られないか会議が行われ、問題なく突破する事ができた。
ロケットで駆け抜けない。
一方で福田組からは、福田さんの『KIYOSHI』と中井さん・蒼樹ペアの『ハイドア』の連載開始が決まった。
新妻エイジ『CROW』
亜城木夢叶『疑探偵TRAP』
福田真太『KIYOSHI騎士』
中井・蒼樹『hideout door』
平丸一也『ラッコ11号』
これからは、福田組みんなで切磋琢磨して、ジャンプを盛り上げていく事になる。
そう考えると、今の位置に居ていいのか不安になってしまった。
9位というのは、僕達の夢、アニメ化を狙えるような順位じゃない。
シュージンも同じ気持ちで、担当の港浦さんと意見をぶつけあった。
結果は、このまま推理マンガ路線の継続。
どうなるか分からないけど、今の路線で読者を引っ張れるように、努力するしかない。
◇◇◇
4月8日 始業式
「これからよろしく」
「うん、よろしくー」
クラス替えで見吉と僕は同じクラスになり、出席番号順の配置により『ましろ』『みよし』の縁で、席が見吉の前の席になった。
正直、ホッとした。
見吉が後ろなら、授業中寝ててもカバーしてもらえる。
最悪、背中をつついてもらえれば、起きるはず。
これが反対で、見吉が前だったらうなじが気になって、ぐっすり眠れなかったもしれないので、見吉が後ろでよかった。
冗談だけど。
なんにせよ、これで春休みが終わった。
平日は学校に通わないといけないので、原稿を描く時間が減る。
原稿に影響を出さないように、走り続けるしかない。
幸い、ゴールデンウィークの合併号まで1ヵ月切っている。
ジャンプの読者だった頃は、合併号は次の週が休みで嫌いだったけど、今だと合併号が待ち遠しい。そこで一息つけるので、あと1ヵ月頑張ろう。
「見吉」
「真城」
「「バクマン(バクマン)!」」
始業式の日は、午前中だけで学校が終わり、クラス委員とかが決まったクラスから解散だった。
僕達のクラスは、立候補者がいたので、あっさりと終わった。
シュージンのクラスを外から覗いたけど、時間が掛かりそうだったので、一分一秒を惜しんで、先に帰らせてもらって、仕事場に向かう。
夕方からアシが来るので、それまでに今日が仮締切の10話のペン入れを終わらせたい。
見吉もシュージンを待たずに仕事場にきたので、シュージンが帰ってくる前に、1分1秒を惜しんで、性欲を処理した。
これでまた、頑張れる。
「真城、疲れぎみじゃない?」
「なんで?」
「いつもより元気ないから」
「どこで判断してるんだよ」
「今日は、精のつくもの作ってあげる。買い物行ってくる」
見吉がシャワーを浴びて、外に出ていくのと入れ替わりで、シュージンが帰ってきた。
ギリギリセーフ。
何事もなかったかのように、原稿と向き合う。
アシスタントが来るまであと4時間しかない。ペン入れペン入れ。
「さっき、電話があった。7話の本ちゃん13位だって」
「……13位。先週上がったのは、解決編だからって読みは的中か。当たって欲しくなかったけど」
「なんとか粘って読者が付くのを待つしかないな」
4話 12位
5話 13位
6話 10位(4話からのシリーズの解決編)
7位 13位
苦しい展開だけど、解決編で少し伸びたのだけが朗報って感じだ。
アニメ化するとかしないとかではなく、粘れるのかどうかになってしまっている。
「11話のネームも、4話構成の1話目でいいんだよな?」
「そこはブレないって決めただろ」
「下位が続くのは、きついって」
「毎回、解決編できればいいけど、話が破綻する」
事件の規模にもよるけど、推理マンガの欠点として、ある程度のページ数がないと事件を描きにくい。
『TRAP』の場合は、1話から3話までは1話完結で、1話で主人公の紹介。2話でヒロインの登場。3話でメインとなる敵を描いた。
そこからは、4話から6話で1つの話。7話から10話で1つの話。
「シュージンの話は面白い。4話って言わずに、もっと丁寧に描いてもいいと思う」
「外したらキツイって」
「だよな……冒険しすぎ」
1つの話が長くなればなるほど、途中からの新規読者が入りにくくなるし、その話が読者受けしなかったら、致命傷になりかねない。
もう少し人気があれば、そういう冒険もできるけど、今の僕達には無理だ。
3話から4話くらいで完結する話で、読者人気がつくのを待つ。
つかなかったら打ち切りだ。
7話が13位か。
推理マンガ路線は変えたくない。でも、このままだと厳しい。
何か工夫できる余地はないかな。
ちなみに、見吉が精がつくものとして用意した夕飯は、ウナギだった。
旬は冬らしいけど、見吉の気持ちが嬉しい。元気が出てきた気がする。
シュージンと顔を寄せ合い小声で話し合う。
「シュージン。見吉に、いくら出してるんだ?」
「食費か? 週に1万」
1万で3人+アルファの食事か。
夕食だけならいいけど、春休みとか三食用意してたから、赤字だったんじゃないか。
「アシ代もちょっと出した方がよくないか? 手伝ってもらってるし」
「いいって、好きでやってくれてるんだし」
「そ…そうか?」
見吉の事は、シュージンに任せている。僕が余計な口出しは、しない方がいいか。
「何よ2人でコソコソ。ウナギ美味しくなかった?」
「いや。違うって、見吉っていい女だなって」
「知ってるー」
調子に乗ってる。
やっぱり、アシ代は渡さなくていっか。
必要なら、シュージンが出すだろう。
港浦さんが打ち合わせに来る前に、帰る間際の高浜さんを捕まえて、どうしたら『TRAP』がよくなるのか意見を聞いてみた。
高浜さんは、マンガ家希望だけあり、マンガを見る目は確かだ。
「ちょっと固いかもしれません」
「固い?」
「推理ものですから、仕方ないのかもしれませんけど、とっかかりにくい部分は感じます」
高浜さんが喋った!?
いや、貴重なアドバイスをしてくれたのに、失礼すぎる。
イメージとしては名探偵コナンの「あれれー?」か。
確かに、あれで緩急ができている気がする。『TRAP』には、それがない。
主人公を詐欺師の探偵として、あまり隙を見せなく描いている。
もう少しコミカルなシーンがあってもいいのかも。
「港浦さん来るまで時間あるよな。ちょっと本屋とか回って笑いの資料買ってくる」
シュージンが、閉店間際の本屋に向かった。
アシたちも帰ったので、見吉と2人きりだ。
ウナギを食べた男女が2人きり。
これも1つのお約束だ。
「見吉」
「真城」
「「バクマン(バクマン)!!!」」
精がついているのか減っているのか、どっちなんだか。
見吉が言うには、さっきよりもマシらしいので、プラスになったと思うか。
「それにしても、笑いも勉強して作るってシュージンらしいな」
「努力家だから好き」
「今、言うのかよ」
「振ってきたのは、真城でしょうが」
シュージンが帰ってくる前に、服を着よう。
その後は、港浦さんとの打ち合わせだ。
夜、港浦さんが打ち合わせにきた。
紙袋に入れた大量の本とともに。
シュージンは、笑い。
港浦さんは、センス。
推理マンガの路線を維持したまま、質を上げる。
セリフを磨く。
シュージンならきっと、身につけてくれる。
作画担当の僕と、ストーリー担当のシュージン。
2人で亜城木夢叶だ。
僕ももっと絵を……
◇◇◇
「見吉」
「真城」
「「バクマン(バクマン)!!!」」
シュージンだけの打合せが増えた。
しばらくは、港浦さんとセリフを細かく詰めていくらしい。
となると、見吉と2人きりの時間も増えるので、自然と回数も増えた。
僕ももっと絵を……って思ってたら、僕ももっとエロを充実させることができた。
作画時間を削って、なにヤってるんだって感じだけど、原稿は順調だ。
終わった後で、机に座る時間を増やして描いている。
見吉とスッキリした後は、程よい疲れのおかげか寝つきがいいので、ベッドの上に居る時間は減っても、睡眠時間はそこそこ確保できている。
スッキリしてぐっすりだ。これが、見吉式健康法。
さあ、今日も見吉を抱いて、原稿だ。
こんな僕の浮かれ具合と比例するように、
8話 9位
9話 8位
10話 6位(シリーズ解決編)
『TRAP』の人気が上がってきていた。
これも努力の成果だ。
って、セリフを磨いたり、見吉を抱く回数が増えたのは、11話の原稿からなんだけど。
人気が出てるなら、なんでもいいか。