ガンダムブレイカー・シンフォニーRe:BREAK   作:さくらおにぎり

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13話 『恋人』の正位置

 サイド6 リボーコロニー

 

 U.C.0079時点では中立地帯だが、連邦軍の駐屯基地が点在し、さらには新型ガンダムこと、『ガンダムNT-1(アレックス)』の調整が行われていたが、この情報を掴んだジオンは特殊工作部隊『サイクロプス隊』を送り込み、コロニー内部で強襲型MS『ケンプファー』を組み立て、ガンダムNT-1の奪取、ないしは破壊を試みるも失敗してしまう。

 この結果を受けたジオンは、核ミサイルでコロニーもろともガンダムNT-1の破壊を試みるが、連邦艦隊の迎撃によって核ミサイルは撃たれることなく敗北に終わる。

 

 ……と言うのが俺の知っている一連の出来事だが、『ザクでガンダムと相討ちに持ち込んだエースパイロット』がいたって聞いた覚えがあるんだが、一体誰のことだったんだろう?

 

 まぁいいか、今はガンプラバトルに集中するか。

 

 リボーコロニー外宙域へ出撃した俺は、今回はオリジネイトではなく、以前に組み立てたジムを操縦している。

 

 対する相手であるケイスケ先輩が駆るのは、『ブレイズザクウォーリア』だ。

 

 中距離の間合いに踏み込むなり、ブレイズザクウォーリアはビーム突撃銃を連射してくるが、慌てずに回避しつつ、こちらのビームスプレーガンの射程まで距離を詰めていく。

 

 ブレイズウィザードの特徴は、大推力のブースターとミサイルポッド『ファイヤビー』だ。

 

 宇宙空間における機動性は、ブレイズザクウォーリアの方が圧倒的に上だが……それくらいは操縦技術でカバー出来る。

 

 加速しながらビーム突撃銃を連射するブレイズザクウォーリアに対して、こちらは最小限の挙動でやり過ごしながら、頭部のバルカンで牽制、ブレイズザクウォーリアの機動を誘導し、その先にビームスプレーガンを撃ち込む。

 

 先読み射撃には成功したが、咄嗟にショルダーシールドに防がれてしまった。

 

『ブレイズウィザードのスピードについてこれるとか、お前のジム、ホントにパチ組みか!?』

 

 意外に思うかもしれないが、ジムのスラスター推力はガンダムと大差ない上、量産に際して不要な機能を削ぎ落とした事で軽量化も果たされたた為、カタログスペック上のパワーウェイトレシオはガンダムよりも上……つまり、瞬間的な機動戦闘で言えばガンダムよりもジムの方が強いのだ。

 

 ガンダムが"神話"を生み出すにまで至ったのは、その基本性能の高さもちろんあるが、あれはひとえにアムロ・レイの化け物じみた操縦技術と、ニュータイプ能力による戦闘の優位性の他に、その上からガンダムそのものもメカニックやアムロ自身の手によって改修・改良を幾度も重ねられてきたことも、加味していると言えるだろう。

 

「パチ組みですよ。最初に見たでしょう?」

 

 まぁそれでもさすがに改造と塗装が施されたブレイズウィザードのザクに、パチ組みのジムじゃ普通に追い付かないよ?

 

 それでも何故追い付くのかと言えば、バルカンとビームスプレーガンを的確に使い分けて足を鈍らせ、こっちも"最も無駄の無いルート"でマニューバしているからだ。

 

『そうなんだよなクソッ……!』

 

 悪態をつきながらも、ブレイズザクウォーリアはファイヤビーミサイルを展開、一斉発射してくる。

 このファイヤビー、一発一発は小型のミサイルだからバルカンとかで迎撃しにくいんだよな。

 

 だから――こうする。

 

 操縦桿を大きく捻り倒し、ジムを迂回させるように機動させれば、それに伴ってミサイルもホーミングしてくる。

 で、一箇所に固まってきたところを、ビームスプレーガンを一発撃ち込んで、先頭の数発のミサイルを破壊・誘爆させて、纏めていただき。

 

『……何だか先輩として自信が無くなってきたんだが?』

 

「まぁまぁ、そう言わずに」

 

 ビームサーベルを投げ付けて、それにビームスプレーガンを撃ち込んでのビームコンフューズをしても良かったんだけど、下手すると一本しかないビームサーベルを自ら捨てることになるから、格闘戦に対応出来なくなってしまう。

 

『チッ、接近戦は得意ってわけじゃねぇんだけどなっ!』

 

 ビーム突撃銃を撃ちながらも、ブレイズザクウォーリアはシールド裏からビームトマホークを抜いて接近戦を仕掛けてくる。

 こちらもビームサーベルで対抗だ。

 

 ビームの剣刃と斧刃が衝突し、リボーコロニーの宙域を眩く照らしつける――。

 

 

 

 

 波乱に満ちたオープンクラス個人戦の部を優勝した俺=オウサカ・リョウマは、新生ガンプラバトル部に二杯目の優勝トロフィーを部室に飾った。

 

 だが、これは本当に自分が勝ち取ったモノなのか、疑問に思うところがある。

 

 あの、†ゼロ・マスター†と名乗る、ロボット。

 

 一体誰が、何の目的でロボットを選手権大会に出場させたのか。

 

 謎は、謎のままだった。

 

 まぁそれはいいとして(あまり良くはないのだが)、七月に入り、いよいよ夏の暑さが本格的になり始めた頃。

 

 俺のジムと、ケイスケ先輩のブレイズザクウォーリアとのバトルが終わった辺り、(もちろん俺の勝ちだ)イツキの大声が部室に響く。

 

「やだぁ!期末テストなんていーやーだー!」

 

 イヤイヤをする子どもみたいに、部室の机の上で頭をごてんごてんと転がしている。

 

 ……そう、俺達学生にとって、決して避けられない壁――期末考査が間近に迫っているのである。

 来週明けから、テスト前の一週間のテスト勉強期間に入ることになるから、ガンプラバトル部の活動も当然お休み期間になる。

 

「……嫌なら放棄してもいいけど、夏休みは補修と追試だらけになるわよ」

 

 現実をエスケープしたいイツキに、ミカゲさん(地味子ちゃんモード)は無慈悲なる宣告を突き付ける。

 テストを受けるか受けないかは本人次第だけど、受けた上でそれなりの成績を出さないと、夏休みの日数が減るどころか、進級すら危うくなる。

 

「イヤァァァァァ!そんなのもっとやだァァァァァ!!」

 

 頭を抱えて絶望的な怨嗟の声を上げるイツキ。

 

「期末テストか……確か、中間テストの範囲も含まれるよな?俺、中間の範囲の内容知らないんだけど……」

 

 ただでさえ永年の間、異世界転生でハイファンタジーな世界を行き来していたせいで、今の高校授業の勉強の遅れを取り戻そうと必死なのに、この上からさらにテスト範囲も同時に見直なければならない。 

 うーむ、イツキの絶望っぷりも、俺にとっては他人事では無いなぁ、明日の休日に参考書でも買いに行こうかね。

 

「そっか、オウサカくんはちょうど中間テストが終わった辺りに転校してきて、前の学校の範囲も大分違ったんだっけ?」

 

 マユちゃんは期末テストを前にしても、イツキほどの絶望感は感じていないようだ。

 

「ようやく授業のペースに追い付いたところなんだがなぁ……まぁ、俺だけ特別扱いしてもらうわけにもいかないし、やるしかないか」

 

 テストに一喜一憂するのも、学生の醍醐味みたいなもんだし、やだやだ言ってもどうせ避けられんのだ、こうなりゃ受け入れたもん勝ちである。

 

「なら、来週から一緒にテスト勉強しよっか。わたしもちょっと試験範囲不安だし」

 

 テスト勉強をしましょうと意見を出してくれるマユちゃん。ありがてぇありがてぇ。

 

「マーユーゥ!テスト範囲教えてぇ!一から十まで!」

 

「ぜ、全部は無理だよ!?」

 

 イツキはマユちゃんに助けを求めるが、さすがに全部教えるのは無理だろう、マユちゃんも自分の勉強があるのだから。

 

「……せめて自力でも頑張ろうって気概ぐらいは持ったら?」

 

 初っ端から他力本願上等なイツキに、ミカゲさんの厳しいお言葉。その通りだ。

 

「無茶言うなし!あたしは勉強に関するスキルは習得しないんだよぅ!」

 

 何の話だそれは、ソシャゲーか?

 

「無スキルでも無双出来る転生者もいるんだから、それくらいスキル無しでもどうにでもなる」

 

 俺とか、俺とか、あと俺とかな。

 

 最近の異世界転生だと、ハズレスキルのせいで無能扱いされて冒険者パーティとか婚約破棄された上で後宮を追放されるけど、その後でハズレスキルが実はめちゃくちゃ有能でチート過ぎることが発覚して、追放された先でチヤホヤされたり、追放した側をざまぁ・もう遅いしたりするのが、お約束というかスタンダードルールというか。

 

「ともかく、来週のテスト勉強期間に入ったら、イツキにはみっちり勉強させるから。せっかくの夏休み、補修なんかで減らされたく無いでしょ?」

 

 夏休みと言う極上の人参をぶら下げて、ひたすらイツキに鞭を打ちまくると言うマユちゃん。

 

「う〜〜〜〜〜……わーったよ、頑張る、頑張るぅぅぅぅぅ……っ」

 

 ここまで絶望感を出されていると可哀想に思えてくるが……だが、ここは身も心も魂も鬼になってやらねば。

 

 

 

 来週からはテスト勉強期間が始まりますよ、と言うことで、テスト前に遊べる土日は今週が最後だ。

 

「さて、どうしたものかね」

 

 そんなアフター5の晩、俺はあるひとつの問題に直面していた。

 

 自室の勉強机の上に鎮座する、オリジネイトガンダム。

 

 これまで、ゴジョウイン先輩やチユキちゃん、シオン、アサクラ先輩と言った強敵を相手に戦ってきたこのガンプラだが。

 

 ハッキリ述べるのなら、決定力が足りない。

 

 オーソドックスなビームライフルとビームサーベル、ハイパーバズーカ、シールドと言ったシンプルな武装群で構成しており、機体の基本性能の高さもあって、これまで戦ってきたガンプラと比べても優位性を保っていた。

 

 けれど、ゴジョウイン先輩のゼイドラ・スタインのような、機体性能もファイターとしての実力も格上の相手や、シオンのイフリート・ラピートのような、他に類を見ない武器や戦い方を繰り出してくる相手には、どうしても後手に回らざるを得ない。

 また、ナノラミネートアーマーを持った相手に対するダメージソースも不足している。

 

 機体性能がバランスよく正直であるが故に、一際尖った性能や特性を持った相手には一点部分で劣りがちになるというわけだ。

 

 足りないならば足せば良い……と、言いたいところなのだが、このオリジネイトは、高い水準で過不足無いこと、それこそが最大の特徴なのだ。スペックの高い器用貧乏とも言う。

 

 "俺"が『オウサカ・リョウマ』に転生・憑依したその時から既に完成されていたオリジネイト――"原初なるもの"を冠するこの機体は、確かに何かを加えれば加えただけの強化はされるだろう。

 しかし、その加えたことによって伴う"劣化"もまた顕著に現れてしまうだろう。

 

 例えば、火力が足りないと言って銃火砲を追加すれば、当然全備重量は増して、機動性の低下と、それに伴う被弾率の上昇にも比例する。

 ならば低下した機動性を補うべく、バーニアやブースターを追加し――またさらに重量が増し、そうした果てに待っているのは、"恐竜化"だ。

 

 グリプス戦役〜第一次ネオ・ジオン抗争でよく見られた傾向だ。

 MSの多機能、高性能を目指せば目指すほど機体は肥大化し、その最終到着点がΞガンダムやペーネロペーだ。

 

 そこから先はF90やF91、F97(クロスボーンガンダム)、V(ヴィクトリー)タイプと言った小型化と高性能化が進み……確かそこでMSの高性能化は一旦留まって、宇宙戦国時代の末期になれば、かつての大型化したMS・MAのジャンク品が大量に出回る、"文明退化"とも言うべき時代になっていたはずだ。

 

「ふむ……」

 

 身近で尤もたる例があれば、シノミヤ先輩のフルコマンドガンダムMK-IIだ。

 

 あれは、本体はほぼガンダムMK-IIそのものだが、背部に大型の空力翼と大出力のスラスターに加えて、ガトリング砲とその弾倉、さらに大量のミサイルを積んだ、空飛ぶ弾薬庫とも言える機体だ。

 ガンダムMK-IIは、後にエゥーゴによってGディフェンサーと合体して火力と機動性を強化される『スーパーガンダム』になることを考えれば、納得のいく改造だ。

 

 だが、あれだけの重装備を背部に集中させているのだ、操縦性は恐らくとてつもなく悪いはずだ。

 それだけ重い装備を扱うために、ガンダムMK-II本体にも緻密な改造は施されているのだろうが……あのカスタムは人を選ぶだろう、少なくとも俺の性に合うものではない。

 支援戦闘機と合体する強化形態(フルコマンドガンダムMK-IIのアレは戦闘機ではないが)……参考にはなるけど、参考はあくまでも参考。

 最後にどうするのかは、己の手で決定しなければならないのだから。

 

 ……一人で煮詰まっても仕方ない、こう言う時は誰かと会話しよう。

 時刻は20時が過ぎた辺りだ、もう寝てるって人はいないだろう。

 

 誰にかけようかな――

 

 ・マユちゃん ←

 

 ・イツキ

 

 ・ミカゲさん

 

 ・ゴジョウイン先輩

 

 ・シノミヤ先輩

 

 ・ナナちゃん

 

 ……今なんか、選択肢が出てくる画面が脳裏を過ぎったのはきっと気のせいだな。

 

 よし、マユちゃんに掛けよう。

 RINEの無料通話をポチッとな。

 

『もしもし?オウサカくん?』

 

「こんばんは、アサナギさん。今、電話しても大丈夫だったか?」

 

『うん、大丈夫。それで、どうしたの?』

 

「実は今ちょっと、オリジネイトの改造をどうするか迷っててさ」

 

『オリジネイトの?』

 

「この間のオープンクラスの選手権大会で、決定力が足りないって感じてて」

 

『うんうん』

 

「けど、過不足ないバランスの良さがオリジネイトの長所と言えるところだから、何かを足すとその分だけの欠点も比例する。その辺の、"増える欠点"とどう向き合うか……ってところか」

 

 そうだ、マユちゃんのファラリアルだって、元々はシンプルなガンダムタイプであるエアリアルがベースなんだ。ちょっと踏み込んでみよう。

 

「アサナギさんのファラリアルは、エアリアルにファラクトのブラストブースターを組み込んでいるけど、その分ビームサーベルが装備出来なくなったんだよな?」

 

『うん。代わりに、ライフルから銃剣ビームサーベルを使えるとかの工夫はしたけど、それでもやっぱり素早く動き回って狙撃するのが基本だから。普通のサーベルが装備出来なくなった辺りは、それはもう弱点として割り切ったかな。前衛なら、イツキやオウサカくんが引き受けてくれるし、あ、もちろんミカゲさんもね。それならわたしは後方からの狙撃とか援護射撃役に徹しようって』

 

「なるほど……チーム戦として考えれば、仲間に弱点を補ってもらう前提で割り切っているのか」

 

『そうそう。もちろん、バックパックを元のエアリアルの物に戻すことも出来るけどね』

 

 欠点を僚機に補ってもらう前提の改造か。それを採り入れるかどうかは別にして、考え方の参考のひとつになりそうだ。

 

『オウサカくんのオリジネイトって、サイドスカートに3mm口径の軸穴とかあるし、バックパックはファーストガンダムのランドセルをそのまま使ってるんでしょ?』

 

「あぁ。ランドセルの軸穴は、シールドのマウントとして使っていたけど、サイドスカートの方はどうするかなと」

 

『だったら、今のオリジネイトをそのままに、パーツだけを新しく追加して、すぐに切り離せるようにするとかは?』

 

「バトル中に不都合を感じたら、すぐにパージ出来るようにか」

 

 ちょうど、シノミヤ先輩のフルコマンドガンダムMK-IIみたいに、不必要になった武装を随時パージしていくのと同じというわけだな。

 

『うん。……あのさオウサカくん、明日か明後日、どっちか空いてる日ってある?』

 

「特に予定は入れてないからどっちも空いてるな」

 

 お?これはもしや……

 

『じ、じゃぁ明日。明日、わたしと一緒に……遊びに行かない?』

 

 デートのお誘いキターーーーーッ!!

 ……フゥ、落ち着け俺。

 

「あぁ、いいよ」

 

『あっ……う、うんっ、ありがとっ』

 

 なんかちょっとマユちゃんの声が上擦ってる。かわいい。

 

『えっと、じゃぁ、10時に……駅前の広場で待ち合わせでいいかな?』

 

「よしきた」

 

 それから、明日のデートに関する予定をいくつか決め合ってから。

 

『明日の朝、起きられそう?モーニングコールはいるかな?』

 

「さすがにそこまでは手間だろうし、9時頃におはようのメッセを一言交わし合うくらいでいいと思う」

 

『そっか。じゃぁオウサカくん、また明日ね』

 

「またな、アサナギさん」

 

『うん』

 

 マユちゃんの方から通話を終了するのを確かめてから、『通話を終了する』ボタンをポチッとな。

 

 さて……今世初のデートだ、今夜は気合入れて早寝するぜ。

 

 

 

 

 

 おはようございますグッドモーニング、朝飛び起きて洗濯機を回しながら顔を洗いつつ朝食を作る……って、字面だけみたら物凄く器用なことをしてるな、俺と言うオウサカ・リョウマ。

 

 脳内で繰り広げられるしょーもない自己分析をしながらも、今日の予定を確認。

 

 マユちゃんとのデートである!

 

 ここまでずっとバトルバトルしてばかりの展開だったからな、バトルありきのギャルゲーならここらでデートのひとつでも挟んでおきたいところだったのだよ。

 

 休日に、男女二人が、お出かけ。完璧なデートやな!

 俺とマユちゃんは恋人同士では無い?

 

 いいや、これはデートだ。私がそう判断した。

 

 人の休日の予定勝手に決めんなこのダブスタクソ親父!って勢いでミオリネがモビルクラフトに乗って窓を突き破って来そうなのでこれ以上はやめておこう。

 そうでなくとも勝手に被害妄想に走った強化人士四号がキレ散らかして、そこにグエルが首突っ込んで決闘(ケンカ)吹っ掛けに来そうだし。

 デートしただけで(肝心の女(スレッタ)のことをそっちのけで)MS使った喧嘩に発展するとか、やっぱあの学園頭クワイエット・ゼロだわ。

 

 ……そういえば、休日の予定を勝手に決められるっていう点では、ナナちゃんもそれに含まれるなぁ。今日か明日か、また撮影に行くんだろうか。

 もし撮影中とかに出会したら、そっと差し入れくらいは用意してもいいかもしれない。

 

 っと、デート中に他の女の子のことを考えるのはご法度だ。

 

 とかなんとか考えている内にも朝食を食べ終えて、洗濯機もコース終了したのでそそくさとベランダに干して、スマホチェックしながらボケーっと過ごして、9時ちょうどにマユちゃんからRINEのメッセージが届いたので返信し、そろそろ待ち合わせ時間が近くなって来たので、アスラン・ザラ、ジャスティス出る!トゥ!トゥ!ヘヤァー!モゥヤメルンダ!

 

 

 

 駅前のモールの出入り口付近で、10時に待ち合わせ。

 ならば意識高い系男子を演じるべく、9時45分頃に着けば完璧。

 マユちゃんの行動時間パターンを見ても、彼女は10分前行動である可能性が高いため、男である俺はさらにもう5分早く待つべきであろう。

 

 なーんて甘いことを考えていたのが前フリだったのか。

 

「あっ、オウサカくーん!」

 

 マユちゃんかい?早い、早いよ!

 

 キャメルパトロール艦隊に向けて先制射撃を放ったスレッガーさんに対するカイの心境が少し分かった気がするので、駆け寄る。

 

「おはようアサナギさん、随分早いんだな?」

 

「えへへ、この間ガンダムベースに遊びに行った時、オウサカくんは15分前行動って言ってたから、それに合わせてみたの」

 

「そんな無理に合わせなくても良かったんだが……まぁ、そんなに待たせたわけでも無さそうだから、いいか」

 

 細けえことはいいんだよ。

 

「じゃぁ、早速行こっか」

 

「行きますか」

 

 デート(俺視点)開始だぜ。

 

 

 

 昨夜に大体のデートプランは立ててはいるが、デートすると決めたのも昨夜なので、行き先の目安はあってもほぼ行き当たりばったりに近い。

 

 というわけで最初の目的地は、駅近くのモールでのお買い物、それもブティックだ。

 

 実はプランニングしている時に、マユちゃんの口からブティックに行きたいとは言わなかったのだが、俺の方から「服とか見なくていいのか?」と訊ねてみたところ、マユちゃんは「オウサカくんにはちょっと退屈だと思うから」と遠慮していた。

 そんな遠慮なんぞせんでえぇんやで、お互いに好きなところ行こうや(意訳)と言ってあげたら、喜んでくれたのでよしとしよう。

 

「そろそろ、夏物の品揃えが増えてくるから……」

 

 ブティックに入るなり、マユちゃんは意気揚々と繰り出す。

 当然ながら、この場にいる男性は俺しかいないので、ちょっぴり肩身が狭い。

 が、そんなことはおくびにも出さん!今日の俺はマユちゃんの彼氏(第三者視点)、ならば彼氏らしく、堂々と後方彼氏面させてもらう!

 

 ………………

 

 …………

 

 ……

 

 予想はしていたし、シノミヤ先輩やナナちゃんと言う前例も知っているとは言え……マユちゃんもブティックにインした女の子の例に漏れず、かれこれ30分くらいは試着しては俺に意見を求めてを繰り返している。

 色んな服を可愛く着こなしてみせるマユちゃんを眺めると言うのは良い目の保養なんだが……堂々後方彼氏面をしていても肩身の狭さは変わらんのである。

 

「うーん、これも可愛いなぁ……あ、でも、こっちも捨て難いし……でもお高いし……むぅ〜」

 

 マユちゃんはハンガーに掛けられた洋服を手に取って、鏡越しに見ては自分に似合うかどうかを確かめては、またハンガーを元に戻す、と言うことを延々と繰り返している。

 

 厳密には繰り返しているのでなく、ひとつひとつきちんと吟味し、そして取捨選択をしている。

 俺の視点から見たその光景は同じことを繰り返しているようにしか見えないんだが……

 

 けど、退屈しているわけではない。

 

 彼女が真剣に服を選んでいる姿は、俺にとってはまだ見ぬ表情で、時折その真剣な顔が綻ぶ瞬間を見るのは、実はちょっと楽しかったりするのだが。

 

 ふと、マユちゃんは何かに気付いたようにパッと手にしていたハンガーを戻すと、慌てて俺の方に駆け寄ってくる。

 

「ご、ごめんねオウサカくんっ。やっぱりつまんないかな……?」

 

 何に気付いたのかと思えば、俺のことを考えてのことだったらしい。

 

「いや、つまらなくないよ」

 

 ありのままを話す。

 事実、退屈はしていないのだから。

 しかし、そう返してもマユちゃんの顔はどこか浮かない。

 

「うーん……」

 

 気を遣ってもらっていることを気遣っている、とでも言うべきだろうか。

 

 俺のことならいいよ、と言いかけてその言葉を喉元で押し止める。

 

 マユちゃんからすれば、自分が何を言おうと『オウサカくんに気遣ってもらっている』と言う意識は、恐らく変わらないだろう。

 

 ならばここは、逆に考えてみる。

 

「じゃぁさ、次は書店に行ってもいいか?」

 

「本屋さんだね、いいよ」

 

 ブティック漁りはこんなもんにして、次は書店へGOだ。

 

 

 

 同じフロア内にある書店へ移動して。

 

「オウサカくんは何がお目当て?やっぱりマンガとか、ラノベ?」

 

 マンガやラノベなぁ、この世界ではどんなものが今流行っているのか気になるところだが、今日のところはそれが目的じゃなかったりする。

 

「いや、参考書。来週からテスト勉強始まるし、その準備だよ」

 

 中間テストの範囲や内容は、マユちゃんやミカゲさんに教えてもらうとは言え、今の俺ではそれだけじゃ勉強量が足りんのである。

 特に二年の範囲は、一年の時に習った範囲を知っている前提で進むのだ。打てる手数が多いに越したことはない。

 

「オウサカくん、真面目だぁ……わたしもちょっとは見習わないと」

 

「いや、俺の場合は勉強量が足りてないだけだから。アサナギさんは、前の中間はどのくらいの成績だったんだ?」

 

「わたしは、どの科目も平均よりほんのちょっと上くらい。全然普通だよ」

 

「その普通にこなせるようになるレベルくらいには、なっておきたいな」

 

 いやほんと、洒落になってねーので。

 

「オウサカくんは真面目だし、大丈夫。ちゃんといい点だって取れるよ」

 

 言われて嬉しいことを素直に言ってくれる……マユちゃんはほんとにいい子だなぁ。

 

「アサナギさんにそう言われると、頑張りたくなるな」

 

「頑張るのはいいけど、無理しちゃダメだよ?」

 

「分かってるよ」

 

 無理は承知!だがこれくらいのことをしなければ、夏休みを平穏無事に過ごすことなど出来ん! 

 そんなカッコつけたこと言わなくても、当日に無理が祟ってテスト受けられませんでした、なんてそれこそカッコつかないので、無理はしません。

 

 

 

 事前に調べていた、レビューポイントの高い参考書をいくつか買い込んで、マユちゃんは自身が言っていた通りラノベやコミックを見て回り、それも済めばそろそろ昼食時なので書店を出る。

 

 

【挿絵表示】

 

 

 マユちゃんのお気に入りの軽食喫茶で食事とお茶をいただいて、さてもう一度モールへ入館しましょう……と、言う時だった。

 

「お?」

 

 モールの入口とは真反対の位置にある、どこか古めかしい商店。

 看板を見るところ、古物商と占いを営んでいるようだ。

 

「あ、今までよく見てなかったけど……ここ、占いもやってるんだ?」

 

 占いと聞いて、マユちゃんは興味を唆られている。

 女の子っておみくじとか占いとか好きな傾向があるけど、そういったものに全く興味がない女の子との割合が極端とも言える。

 

「入ってみるか?」

 

「うん」

 

 興味本位の赴くままに、その『御影古物商』なる商店へ入ってみる。

 

 カランコロン、と言うドアベルの鳴る音ともに入店。

 

「いらっしゃいま……え?」

 

 カウンターの中にいたのは、見慣れてきた紫色のロングヘアの美少女――ミカゲさん(美少女モード)だった。

 

「あれ、ミカゲさん?」

 

 何故ココにミカゲさんが?

 

「オウサカくんに、アサナギさん?」

 

 ミカゲさんも心底意外そうな顔で瞬きしている。

 

「あ、ミカゲさん、こんにちは」

 

 ぺこりと会釈するマユちゃん。

 

 なるほど、ここがミカゲさんちだったのか。家業を営んでいると聞いていたけど、まさか古物商とは。

 

「はい、こんにちは。二人は……あぁ、デートかしら?」

 

「デ、デートっ!?」

 

 俺とデートしているのかと邪推したミカゲさんに、マユちゃんは頬をぼふんと炸裂させた。

 

「ちち、違うよっ!?デ、デートじゃなくて……そうっ、テスト勉強前に遊びに行こうって話をしててね!?」

 

 はわわと慌てるマユちゃんはそっとスルーしつつ、ここへ入店した本題を話す。

 

「アサナギさんがここの占いに興味があるそうなんだけど……もしかして、ミカゲさんが占ってくれるのか?」

 

「そうよ。占いをしてほしいのね?」

 

 ミカゲさんの視線が、慌てるアサナギさんに向けられ。

 

「あ、あ、うんっ。ここの占いって、どう言う占い?」

 

 正気に戻ったマユちゃん。

 

「タロット占いよ。一回1100円いただくけど、構わないかしら?」

 

 結構するんだな。

 

「う、結構高いね……?」

 

「これでも占いの中では格安よ。本場はこれの4、5倍は平気で要求してくるもの」

 

 たかが占いごときに、とは言うものの、それがずばり当たるから料金を払うだけの価値があるってことか。

 

「なら、ここは二人で半分出そうか、それなら550円だ」

 

「いいよいいよ、わたしが自分で払うから……」

 

「俺がとりあえず払うから、あとで半分返して欲しい」

 

 財布から千円札と百円玉を取り出してみせる。

 

「あ、うん……ありがと」

 

 申し訳無さそうに縮こまるマユちゃんだが、もう払ってしまったので、あとは運否天賦を委ねるだけだ。

 

「毎度あり。準備してくるから、そこの席でちょっと待ってて」

 

 料金を受け取ったミカゲさんは、店の札を取り替えて、一度カウンターの奥へ引っ込む。

 そこの席――カーテンに囲われた、なんだかそれっぽい雰囲気のある席へ。

 

 少し待つと、タロットカードとかを収めているのだろう、古ぼけた箱を手にしたミカゲさんもカーテンに入って来て、俺達と対面する。

 

「それで、アサナギさんは何を占って欲しいの?」

 

 あ、そうか、占いと一口に言っても色々あるんだったな。学業とか、金運とか、恋愛運とか……

 

「えぇと……じゃぁ、恋愛運でっ」

 

「恋愛運ね、分かったわ」

 

 ミカゲさんは頷くなり、タロットカードをテーブルに広げ、上下左右が分からなくなるようにシャッフルしていく。

 

「二人も少しでいいから混ぜて。イカサマが無いようにという確認のためよ」

 

 俺とアサナギさんもカードをこねくり回すと、シャッフルされたカードを集めて、それを山札にする。

 

「さて、お立ち会い。この山札から、一枚引いて」

 

「一枚……どれにしようかな……」

 

 どれを引くか迷うマユちゃん。

 

「どうせどこを引いてもアサナギさんの運は変わらないわ、深く考えないで」

 

 おいおい、仮にも占い師がそんないい加減でえぇんかい。

 

「じゃぁ……一番上の、これでっ」

 

 マユちゃんは、山札の一番上を俺のターン!ドロー!する。

 ドローしたカードを引っくり返してテーブルに置く。

 

 カードに描かれている絵は、男女とそれを見下ろす天使。

 その向きは正位置で、『THE LOVERS』という文字も書かれている

 

「『恋人』の正位置……つまり、私が四の五の言うまでもなく、アサナギさんの恋は成就するでしょう、と言う意味ね」

 

「わっ、やった!」

 

 良い占い結果であったことに、喜ぶマユちゃん。

 

「他にはどう言う意味合いがあるんだ?」

 

 "恋人の正位置"って、恋愛の成功の他にはどんな意味があったっけな?

 

「美しさ。情熱。好きで打ち込む趣味。重要な事件の発生による選択の時期。克服される試練。アサナギさんの場合は、『ガンプラバトルに関することで、何か大きな決断を迫られるかもしれない』ということね」

 

「大きな、決断……」

 

 大きな決断。

 それが何を意味するのかはまだ分からない。

 

「さっきも言ったけど、深く考えないでいいのよ、良い結果なら素直に享受すればいいし、悪い結果ならそうならないように努力すればいいだけ……占いってしょせんそんなものだから」

 

「信じるも八卦、信じないも八卦、結局は自分次第ってことか」

 

 そういえば……三国志演義に出てくる、曹仁(そうじん)の『八門金鎖の陣』は、あれも確か星の動きによって陣の形が決められているんだっけか。徐庶(じょしょ)にあっさり見破られていたけど。

 

「オウサカくんにも当て嵌まるわよ。もしも仮に、オウサカくんとアサナギさんが恋人同士になったら、その相性は良いということだから。ガンプラバトルにしてもそう、もし強敵が出てきても、二人が力を合わせれば勝てるかもしれない、ということでもあるわ」

 

 ほぇ~、すっげ。占いなんてニュース番組の最後の方でやってる星座占いくらいしか見ないから、それは知らなんだ。

 

「そ、そっか……わたしと、オウサカくん、相性いいんだ……♪」

 

 えへへ、と頬を緩ませるマユちゃんがかわいいなぁ。次の瞬間には我に返って元の顔に戻ったけど。

 

「アサナギさんの運勢結果は以上よ」

 

 そう言って、ミカゲさんは山札にしていたタロットカードを集め、マユちゃんが引いた『恋人』のカードも回収し、

 

「……?」

 

 ふと、その手を止めた。

 

「ミカゲさん?どうしたんだ?」

 

「……いいえ、少しカードに違和感を覚えたけど、気のせいね」

 

 気のせい?

 まぁ俺は占いに関しては素人だし、気にしても仕方ないか。

 

 カーテンから出て、ミカゲさんは表の看板の表示も元に戻した。占い中は一時的に店を閉じるらしい。

 

「占ってくれて、ありがとう。また学園でね」

 

「またな、ミカゲさん」

 

「えぇ、また週明け月曜日に」

 

 互いに会釈しあって、俺とマユちゃんは古物商を後にした。

 

 

 

 御影古物商に立ち寄った後は再びモールに戻り、メディアショップや雑貨屋、家電製品店を見て回り、3時のおやつ時には疎らになったフードコートでスイーツを食べたりと、実にデートらしいデート時間を満喫出来た。

 

「あ、もう夕方……」

 

 夕陽が街を茜色に染めていく中、マユちゃんはスマートフォンの時刻を確認する。

 

 17時半を過ぎて間もなくの頃だ。

 

「そう言えばアサナギさん、門限とかは大丈夫か?」

 

 彼女の家の門限のことを考えてなかった。

 さすがに高校生にもなって17時までが門限とはいかないだろうが、確認も含めて一応訊ねてみる。

 

「あんまり遅くならないなら、暗くなっても大丈夫。……一応、18時くらいには帰るつもりだけど」

 

「そっか、ならそろそろ帰る感じかな」

 

 二人が見て回りたいところは、粗方見て回ったし、ここらで切り上げるのがベストだろう。

 

「うん、じゃぁ帰ろっか」

 

 マユちゃんの方もそろそろ帰るつもりのようだ。

 

「家の近くまで送るよ」

 

 さすがに自宅の前まで、は遠慮するべきだと言うことは俺にも理解している。それはもう少し彼女との関係が深まって――それこそ恋人同士になってからにすべきだ。

 

「あ、駅前まででいいよ。オウサカくんちから遠くなっちゃうし」

 

「ん、分かった」

 

 とは言え、駅前からは双方とも距離があるわけではないので大差はないのだが、彼女の意見を尊重しよう。

 

 モールを出て、駅前広場まで肩を並べて歩く。

 

「今日はありがとうね、オウサカくん」

 

「いや、誘ってくれたのはアサナギさんだし、こちらこそ」

 

 あぁ、こう言う何でもない、何気もないやり取りに、とても充実感を感じる。

 

「週明けからはテスト勉強期間かぁ……」

 

 なんだかちょっと憂鬱そうなマユちゃん。

 

「でもそれさえ済めばもう夏休みだし、ほら、さっきの占いにもあった、試練を乗り越えると思えば」

 

「そっか、それもそうだね」

 

 しかし、『恋人』の正位置か。

 

 加えて、俺とマユちゃんとの相性は良いと。

 でも、相性が良いからと言う理由で付き合うのも、付き合ってすぐに価値観の違いとかで破局するカップルみたいになりそうで嫌だな。

 

 ……けど、マユちゃんと恋人同士になったら、それはきっと幸せかもしれない。

 顔が良いとか、綺麗だからとか、外見だけじゃない、内面も。

 

 でも彼女はこれまで、そんな『外見しか見ていない男(特に馬の骨とか)』に言い寄られてきたことが何度もあったらしい。

 

 俺に対しては、こうしてデートに誘ってくれるくらいには心を

許してるんだろうけど……

 

「期末テスト、頑張ろうね」

 

 夕陽を背に、柔らかく笑うマユちゃん。

 その姿がどこか艶やかで、幻想的な光景に、俺は――

 

「そうだな」

 

 いや……今はそんなこと考えなくていいか。

 

 ただ目の前のことをやる。恋も友情もガンプラバトルも、その先にしか無いのだから。

 

 

 

 時は少し前――リョウマとマユが古物商を出た後にまで遡る。

 

 二人を見送ったトウカは、踵を返してカウンターの中へ戻る。

 先程のタロット占いでマユが引いた『恋人』のカードだが、微かな違和感を感じた時点でそれを箱に戻さずにそのままにしておいた。

 改めて、『恋人』のカードを手に取り――

 

 ずるりと、カードが二枚に分かれた。

 

『恋人』のカードの裏に、もう一枚のカードが重なっていたのだ。

 

「ッ!?」

 

 トウカは悲鳴を押し殺した。

 マユは確かに、一枚のカードを引いたし、間違って二枚引いたようにも見えなかった。

 

 トウカが手にした時もそう。

 感触も、厚さも、見た目も、一枚としか感じなかったし――だからこそ違和感があったのだろうが、こんな初歩的なミスをするとは思えない。

 

 なのに、実際は二枚重なっていた。

 

 祖母からタロット占いを任せられるようになって数年、初めての事だ。

 

 薄ら寒さを感じながらも、そのカードの絵柄と位置を見る。

 

 

 

 

 

『死神』の逆位置。

 

 

 

 

 

 その意味は、意識の変革。再生。創造。運命。更新。スクラップ&ビルド。病気回復。蘇る愛。遺産相続……など

 

「恋人と……死神……」

 

 試練と、再生。

 

 つまり、それらを併せ持つ、という結果になった。

 

「オウサカくんとアサナギさんは、恋人として強い結び付きを持つ……その先に、『命懸けの試練』を受ける、と言うこと……?」

 

 表裏一体だ。

 試練を乗り越えればその結び付きは永久不滅。

 乗り越えられなければ、死。

 

「(この、形容し難い胸騒ぎ……単なる、悪いカードが出た時の思い込みとは思えない……)」

 

 オウサカ・リョウマと、アサナギ・マユ。

 

 二人の前に待つ試練とは。

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