ガンダムブレイカー・シンフォニーRe:BREAK 作:さくらおにぎり
ガンプラバトル部が部員集めに奔走している間にも、日常生活は関係無く進む。
今日も今日とて、俺はヒーコラ言いながら日々の授業を受けながら予習復習をしているのである。
いや、ほんとにもう、異世界の魔法学園じゃ(次席と大きく差をつけて)首席だった俺の学力も、この現代日本じゃ中卒以下なんだもの。
しかもこの創響学園って結構偏差値が高い高校だから、油断してると一気に置いていかれる。
しかもこの数学の授業の、テストに出すぞと公言するくらいいやらしい応用問題が分からない。
教師の話を聞きながら片手間で予習復習してるから、ひとつ聞き逃したら追いつくのが大変大変。
ってもう授業終わりじゃん!?
やばい、ここ分からないまま次回に持ち越しとか大変よろしくないぞ。
俺が慌てておたおたしてる間にも週番の号令、きりーつ、れーい、ありがとごじゃしたー。
昼休みだけど、この応用問題が分かるまでご飯なんて食べてる場合じゃない。
勉強で困った時は誰に頼るといいってマユちゃん言ってたっけ?
えーっとえーっと、確か紫色のおさげが綺麗な人……そうそう、ミカゲ・トウカさん!
「リョー、中庭のベンチ行こうぜー」
あぁ、イツキからのお誘いは嬉しいんだけど!
「ごめんイツキ、俺今日はちょっと無理かもしれない」
「無理って?」
「さっきの授業で分からないところあってさ。悪いけど今日は二人で行っててくれ」
「ふーん、大変だなー。そんじゃマユと二人で行くなー」
他人事のように言ってのけて、イツキはマユちゃんと教室を後にしていく。
それを見送ってから、出入り口から一番遠い左端の席にいる女子生徒――ミカゲ・トウカさんは、まだゆっくり教材を片付けている途中だった。セーーーーーフ!
「ミカゲさん、ちょっといいかな?」
「……オウサカくん、だったかしら?」
知的感溢れる瓶底眼鏡の内側に秘めるラベンダーの瞳から、ちょっと訝しげな視線。
ミカゲさんからすれば、今話題の転入生アゲアゲでヤベーワンチャンある俺が話しかける理由なんて無さそうだもんな。
「そうそう、オウサカ・リョウマな。さっきの授業の応用問題で、分からないところがあるんだけど、教えてくれないか?昼飯時で申し訳ない」
「……構わないわ、別に急がないし。それで、どこ?」
良かった、ここで「……別に私じゃなくて、アサナギさんに教えてもらえばいいでしょう?」とか言われなくて良かった。
「えーっとな、教科書の18ページの……」
ミカゲさんの説明は懇切丁寧かつ分かりやすく、俺ですらすぐに理解出来た。
「助かった……ありがとうな、ミカゲさん」
「……どういたしまして」
終始眉一つ動かすことなく淡々と教えてくれたミカゲさん。
そう言えば、昼食は別に急がないと言っていたけど、一緒に食べる友達は……いなさそうかも?
「ミカゲさんは、弁当派なのか?」
「……そうだけど?」
「あー、その。一緒に食べる約束してる友達とかいたんじゃないかなって」
「……いないわよ」
即答だった。地雷踏んじゃったよテヘペロン。
「そ、そうか……ごめん」
「……別に謝らなくていいわ。こんな地味子ちゃんに話しかける男子なんて、オウサカくんくらいのものだし」
おいおい、自分で自分のこと「地味子ちゃん」って言ってるよ……
落ち着け、逆に考えるんだ。『俺くらいしかいない』んじゃなくて、『俺以外に前例がない』んだ。
「よし、それなら俺が最初ってことだな」
「……最初?」
「ミカゲさんと一緒にお昼を食べた最初の男子ってことだよ」
「……何、それ。自分に対する不名誉?」
ひっでぇ。
この娘、口を開けば実は毒舌キャラってやつだな!?
「いやいや、むしろ名誉だよ。ミカゲさんみたいにかわいい女子と二人きりで勉強教えてもらった上から一緒にお昼とか、ご褒美もいいところだってこと」
「……そういうのは、アサナギさんとか、タツナミさんに言ってあげれば?」
自己評価低くないですかね……もうちょっとこう、照れてくれてもいいかと。
「言われてみれば、かわいいって面と向かって言ったのはミカゲさんが初めてかもしれないな」
「……変な人」
はっはっはっ、奇人変人人外魔境、時にはスライムに転生したこともあるから、なんでもござれだよ。
「ま、いいか。とりあえず一緒に食べようか」
「……別にいいけど」
その辺の空席を勝手に拝借して、ミカゲさんの席と向かい合わせに配置する。
互いに弁当を広げて、いざいただきます。
「……………」
「…………」
「「……」」
咀嚼する音だけが俺とミカゲさんとの間にある効果音だ。
会話が……会話が無い……!
コミュ力なんて不必要と言わんばかりの沈黙を貫くミカゲさんに、どうやって話しかければいいのやら……
あっ、そうだ(名案)
「そういえばミカゲさんって、部活とか入ってるのか?」
「……入ってないわ。帰宅部ね」
キタコレ!!
ヤベー、ワンチャンあるわー。
よし、善は急がば回らず突き進め。
「俺やアサナギさん、イツキが入ってるガンプラバトル部なんだけど、来週から始まる地区大会に出場するには後一人足りなくて、部員を探してるところなんだ。ミカゲさんさえ良ければ、俺達と一緒に戦ってくれないか?」
「……私、ガンプラなんてこれっぽっちも知らないのだけど?別にその地区大会にこだわらずに、次の大会に備えればいいと思うけど」
「その地区大会で結果を出さないと廃部の線が濃厚という、デッドラインギリギリの境目にいます」
「……それ、素人一人を今からどうこうするより、外部から人を頼った方が良いんじゃないかしら?」
「外部から助っ人も厳しくてね……声を掛けられそうな人にはもうほとんど声を掛けたし、ミカゲさんぐらいしか望みが無いんだ」
頼む、と『お願い』と『打算』と『期待』を含ませて頭を下げる。
打算?『頭を下げて誠意を見せる』ほど安くて対費用効果が出るものはないよね。それが出来る人間くらい普通なんだが、実はそんなにいないんだけど。
全く、どうして何の謂われも無ければしょーもないトンチンカンな"被害妄想による誤解"で殴りかかってきておいて、それでなんで『殴られた側が譲歩してやる』必要があるのかね。
しかもこっちが誠意と譲歩と妥協を見せているというのに向こうは間者越しに「二度と関わるな」の機械的リピートな返答しかしないとか、何それ新手のヤンツン系?
さらに質が悪いのは、殴りかかる前に相手に悟られないように外堀を埋めて周囲への根回しも万全(感情に訴えかけて理論を挟ませないという杜撰にもほどがある)という、正気の沙汰とも狂気の沙汰とも思えない陰謀だったよ。
Xデーの前後で周囲の人間の不自然さと違和感に気付いて無きゃ、そのまま何が起こったのか分からないまま殺されるとこだったね。
極めつけは、旗色が悪くなるや否や証拠隠滅を図って、誤解していたことへの謝罪も無く、何ごとも無かったかのように振る舞っている始末。
「誤解していました、ごめんなさい」で済むはずだし、俺も低頭平身で謝る人に必要以上に責めるつもりも無いんだけど、後腐れするような幕引きをしてくれやがったからなぁ、『吐き気を催す邪悪』って言うのは、こういうことなんだって思い知ったよ。
……おっと、話が逸れたな。今は政治屋同士の足の引っ張り合い濡れ衣の着せ合い揚げ足の取り合いに興じている場合じゃない。
「……はぁ。そこまで真摯に頭を下げられて、「どうしても無理です」とは言えないか。……いいわ、入ってあげる」
っしゃあ!アズナブル!
「ありがとう、ミカゲさん。これで地区大会に出場出来るよ」
心の中でガッツポーズ。
「……それはいいのだけど、私、ガンプラどころかプラモデルを作ったことすら無いから。ガンプラバトルの戦力としてアテにされても困るわ。やるからには、真面目にやるつもりだけど」
「真面目にやってくれるならそれだけで十分だ。アサナギさんやイツキも喜んでくれるさ」
腕と実力はあっても、馬の骨みたいに人格がアウトでは論外だしな。
「……それで、地区大会には私も出るのよね?意味もなく足手まといになりたくはないから、やれることはやっておきたい」
やる気満々だな、嬉しい限りだ。
「とりあえずは、ガンプラ作りから始めた方がいいか。今日のところは部長に挨拶と、普段何してるのかって言うのを見学かな。ガンプラを買いに行くのは……ミカゲさん、明日明後日は土日だけど、どっちか空いてる日はある?」
「……言いそびれていたけど。私、家業の手伝いもしなければならないの。どっちかは空けられるから、オウサカくんの都合のいい方で構わないわ」
ふむ、家業の手伝いもあるのか。その辺りのことは、ケイスケ先輩にも教えておこう。
「なら、早速明日でいいか?出来れば、アサナギさんやイツキも誘うよ」
「……ん、分かった。今日のところは、部の見学ということね」
よし、なんとか当たり障りないように勧誘することが出来たぞ。
戦力としては頼りないかもしれないが、少なくともガンプラバトル部に入って後悔しないようにしてあげよう。
「これからよろしくな、ミカゲさん」
「……よろしく」
五限目の授業が終わった休み時間で、マユちゃんとイツキに、ミカゲさんのことを話すと、驚いたけど喜んでくれた。
ケイスケ先輩には先んじて『
で、六限目の授業も終わって放課後。
今日はミカゲさんも含めた四人でガンプラバトル部の部室に向かう。
「いやー、まさかリョーがミカゲちゃんを連れてくるとは思わなかったなー」
向かう途中で、イツキが背伸びしながらそう言ってきた。
「でも、本当に良かったよ。ミカゲさんが入ってくれるおかげで、地区大会にも出られるし」
マユちゃんも頷いている。
「……私もまさか、転入して間もない男子から勧誘されて、それに了承する日が来るとは思っていなかったわ」
いや、まぁ、俺もダメ元だったけど、取り敢えず頭を下げてみる価値はあるもんだわ。
「何にせよ、これで首の皮一枚繋がった。あとは来週の地区大会までに、出来ることをやるだけだ」
創響学園ガンプラバトル部はこの日、新たなスタートを切ることが出来た。
――のは、いいんだがこの後で一悶着起きるなんて誰が予想したよ?
「……オウサカくんに誘われて来ました、二年一組のミカゲ・トウカです」
「ご丁寧にどうも。ようこそ、ガンプラバトル部へ。部長のサイキ・ケイスケだ。やる気がある奴なら、誰でも歓迎するぜ」
まずは、新入部員たるミカゲさんと、ケイスケ先輩の事務的な挨拶から。
「とはいえリョウマ、こちらのお嬢さんは、全くの初心者なんだってな?」
「はい。今日のところは、ガンプラバトル部がどういうことをしているのかって見学と、明日にイツキとアサナギさんも含めた、四人でガンプラを見繕いに行く約束をしてます」
「手回しが早ぇなー……ま、そういうことなら心配は無いか」
よし、とケイスケ先輩は頷く。
「ここ、ガンプラバトル部での活動は大きく分けて二つ。一つはガンプラの製作。もうひとつは、部の名の通りガンプラバトルの練習だ。まず、ガンプラバトルってのはどんなもんかを見てもらうとすっか……リョウマ、相手してくれ」
「ん、バトルをしてみせればいいんですね」
デモンストレーションってやつね。
よしいいだろう、ようやくガンプラバトルにも慣れてきたからな、ここらでいっちょケイスケ先輩にも俺の(過去の異世界転生のリアルMS戦で培われた)対MS戦闘を見せてやろう。
「あ、そうそう。リョウマはオリジネイトじゃなくて、違うガンプラでやってくれ。初心者に対して見せるデモンストレーションだから、尖った性能がない機体の方がいい」
あぁなるほど、複雑な機構や特殊な武装のない、オーソドックスでベーシックなバトルをするから。
「分かりました、そこのショーケースから借りてもいいですね?」
「おぅ、お好きなのをどーぞ」
そう言いつつも、ケイスケ先輩は濃淡二色のグレーにパープルの差し色を加えた機体、『ハインドリー・シュトルム』を手に取っている。
A.S.のグラスレー・ディフェンス・システムズが開発した、『ハインドリー』の実戦仕様機だ。
こいつの頭部形状やゴーグルフェイスといい、バックパックのキャノンといい、どうも宇宙世紀の『ジム・キャノン』にそっくりなんだよなぁ。
で、対する俺はどれを使おうかね。
ショーケースの中には多種多様なガンプラが多数陳列されている。
「これにするか」
数巡の末に選んだのは、『Gエグゼス』。
こちらはA.G.のマッドーナ工房製の『シャルドール』をベースとした、ウルフ・エニアクルの特注機で、彼の異名『白い狼』に肖ってか、側頭部のアンテナが犬耳のような形状をしている。
武装もオーソドックスなビームライフルとシールド、バックパックにビームサーベルが二丁に頭部バルカンに加えて、両サイドスカートにはグレネードランチャー二発、合計で四発仕込まれている。
どちらも比較的スタンダードな機体だが、ビームキャノンの有無もあってハインドリー・シュトルムの方が火力は上だが、機動力ならGエグゼスの方が上、ってところか。
細かい説明をしてもミカゲさんにはちんぷんかんぷんだろうから、手っ取り早く進めていく。
スマホのアプリからバナパスを読み込ませ、スキャナーにガンプラをセット、読み込ませてデータを生成。
フィールドは手動選択で『グリーン・ノア1』に決定。
ジェリド・メサの「なんだ男か」の一言を発したのが全ての大失態、ガンダムMK-Ⅱが三機もエゥーゴに奪われた原因となり、カミーユ・ビダンというエースパイロットの卵がエゥーゴ入りし、究極的にはティターンズの壊滅を引き起こしたんだっけなぁ……口は
『んじゃぁ行くぞ。サイキ・ケイスケ、ハインドリー・シュトルム、出るぞ!』
「了解。オウサカ・リョウマ、Gエグゼス、行きます!」
グリーン・ノア1内部に進入、地表に着陸してほどなく、前方よりハインドリー・シュトルムを捕捉する。
『ガンプラバトルと言っても、ようするに普通のゲームとそんなに変わらない。敵の攻撃を躱して、ライフルやサーベルで攻撃。そうして相手の機体を撃破すれば勝ちだ。HPの概念が無いのが、普通と少し違う点だな』
ミカゲさんのために説明を交えつつ戦って見せるケイスケ先輩。説明上手な人だ。
ハインドリー・シュトルムが、バックパックのビームキャノンで遠距離から射撃してくるが、こちらはまだ射程外だ、ステップを踏んでビームを躱す。
射程に踏み込んだところで、こちらもビームライフルを撃ち返し、ハインドリー・シュトルムも回避に動き出す。
『スラスターを使ったジャンプや飛行で、高く飛んだり、素早く動くことは出来る。ただし、スラスターにはゲージがあって、ゲージが無くなると、オーバーヒートを起こし、放熱が完了するまでスラスターが使えなくなる』
互いにビームライフルを撃ち、躱し、交錯する。
ウェポンセレクターをビームライフルからビームサーベルに切り替え、抜刀、ついでに頭部のバルカンで牽制しつつ、ハインドリー・シュトルムへ接近を試みる。
『後ろに下がって射撃戦に持ち込むか、前に出て格闘戦に持ち込むかは、戦い方次第だ。ガンプラの特徴や、相手との相性、あるいはフィールドによって、それは左右される』
対するハインドリー・シュトルムもビームサーベルを抜き放って、真っ向から向かってくる。
蛍光ピンクの光刃が衝突し、迸るスパークが両者を眩く照らし付ける。
弾き返し、すかさず右脚を振るってハインドリー・シュトルムの腹部を蹴り飛ばす。
『ぐっ……接近戦と一口に言っても、サーベルでチャンバラするばかりじゃない、このようにキックやパンチも駆使することもある』
そのまま追撃に、サイドスカートのグレネードランチャーを全弾発射するが、ハインドリー・シュトルムは姿勢制御しつつ胸部のビームバルカンを速射、弾幕を形成してグレネードランチャーを撃ち落としていく。
『射撃か、格闘か。この二つを上手く見極めて攻めることが、勝利のカギのひとつだ』
グレネードランチャーを撃ち落としたら、ビームバルカンはそのまま連射しつつ、ビームライフルとビームキャノンと併用してくる。
ライフルとキャノンは回避し、ビームバルカンはシールドで受けつつ、さらに接近。
フェイントを織り混ぜた機動で射角をズラさせ、サーベルの間合いに飛び込んで、一閃。
ハインドリー・シュトルムの肩口からボディを斬り裂き、爆散させた。
ハインドリー・シュトルム、撃墜。
『Battle ended!!』
「まぁ、俺が負けちまったけど……ガンプラバトルの大凡の流れは分かってくれたか?」
「……なんとなくは分かりました」
デモンストレーションバトルが終わり、ミカゲさんの反応も悪く無さそうだ。
「よし、それじゃぁこのハインドリー・シュトルムを使って、ミカゲにも操縦体験を……」
とケイスケ先輩が言おうとしたら、即座にコンコンッと勢いのあるドアノックに出鼻をくじかれてしまった。
「おっと……はいはい、どなたー?」
ケイスケ先輩が声で入室を許可すると、ノックに続いて勢いよくガチャリとドアを空けられる。
「失礼しまっす!最近転入してきた、二年生のオウサカ・リョウマ先輩はどちらっすか!」
やたらと元気のいい挨拶と共に部室に入ってきたのは、創響学園の制服とは異なる、セーラータイプの制服を着用した女子生徒。
体躯を見ても、小柄なマユちゃんよりもさらに一回り小さいな、小学校から上がりたての中学生だろうか。
濃紺のウルフカットの短髪や、琥珀色をした気の強そうな瞳を見る限り、活発そうな娘だ。
それにしても、『最近転入してきた、二年生のオウサカ・リョウマ先輩』ってのは誰のことだ?
……俺のことじゃん。
「はい。最近転入してきた、二年生のオウサカ・リョウマ先輩はこちらですが何か?」
素直に応じると、中学生ちゃんは挑戦的な目を向けてきた。
「ウチは『ウマノ・チユキ』っす。突然っすけど、オウサカ先輩にバトルを申し込みますっす!」
……おいおい、これまた突然だな。
この世界は見も知らない相手でも目が合ったらいきなり勝負をすることになるルールでもあるのか?ポケットなモンスターのマスターかよ。
「おーっとその前にだお嬢さん。そちらさんはどちらさんかな?」
出会って五秒で即バトル……の前に、ケイスケ先輩が割って入ってくれた。お手数おかけしてすいません。
「というか君、その制服、隣の『師寺江洲(しじえす)中』か。いや、それより……ウマノ、というと」
「はいっす。ウチのバカ兄貴……ウマノ・ホネオがいつもお世話になってますっす」
バカ兄貴?
あっ、この娘、あの馬の骨の妹ちゃんか!?
嘘やん、全っ然似てねぇ。
「それでですね、バカ兄貴から「卑怯な騙し討ちでボロ負けさせられた挙句、部から追放された」って聞きまして……ウチが代わりに御礼参りに来たってわけっす!」
「……卑怯な騙し討ち?」
ケイスケ先輩が目を丸くして首を傾げてらっしゃる。
その"卑怯な騙し討ち"をしたってのは、俺のことですよね?
「別にオウサカくんは、卑怯なことなんて何もしてないよね?」
横から聞いていたマユちゃんもキョトンとしてるし、イツキも同じような顔をしている。
「よく分からないが、あの人の中では、俺は『卑怯な騙し討ちをした』という"設定"になっているらしい。『あの人の中ではな』」
それで負けた腹いせに妹さんをけしかけるとか……どんだけ救いようが無いんだあの馬の骨。
「とにかく!チユとバトルしてもらいますよオウサカ先輩!」
えぇ……(困惑)
「なら、ちょうど良かった。デモンストレーションじゃなくて、"ガチのガンプラバトル"をミカゲに見せる、いい機会だ。頑張れよ、リョウマ」
頑張れよって言われてもな。
「いーじゃん!リョーは卑怯なことなんかしてないって、バトルで教えてやりゃいいし!」
お前もかイツキェ……
いや、このチユキちゃんが言うところの"卑怯な騙し討ち"のアウトラインが分からないんだけど。
飛び道具なぞ使ってんじゃねぇと言わんばかりの肉弾戦をやれっていうのか?どこの
とかなんとか思考が錯綜している内にも、ケイスケ先輩が筐体を立ち上げてセッティングしてる。
……やるしかないかぁ。
ランダムフィールドセレクトは『タクラマカン砂漠』。
一年戦争中において、ホワイトベース隊とランバ・ラル隊が激突し、アムロのガンダムがラルのグフを撃破してみせた戦場だ。
砂漠地帯か……慎重に立ち回らないと、砂に足を取られる可能性があるな。
それに……ビームライフルだと砂塵の影響を受けて射程が低下するかもしれない。ハイパーバズーカを主体に立ち回るか。
オールグリーン確認、出撃準備完了。
「オウサカ・リョウマ、オリジネイトガンダム、行きます!」
音声入力と共にゲートから飛び立つオリジネイト。
おぉぅ……ホログラムとはいえ、強い陽射しと陽炎がなかなかリアルだな、見ているだけで汗をかきそうだ。
っと、汗をかいている場合じゃないな、ウェポンセレクターを、ビームライフルからハイパーバズーカに切り替えて、と。
オリジネイトのリアスカートからハイパーバズーカが取り出され、空いたスペースにビームライフルを納める。
ハイパーバズーカを右肩に担いで、急いで索敵。
すると陽炎の向こう側から、砂煙を蹴立てながら迫る物体を捉える。
砂煙に混じった装甲は緋色、しかし機体の全高はやけに低い……
「あれは……フラウロスか。いや、フラウロスにしてはやけに軽装だな?」
俺が知る限りなら、その機体は『ガンダムフラウロス』と呼ばれるガンダムフレームで、長距離レールガンによる砲撃戦を旨とする機体だ。
だが、チユキちゃんのガンプラらしいあのフラウロスは、特徴的なレールガンは搭載されておらず、一対のマシンガンの他には、砲撃モード時に機首となる背部ユニットの内側に、連結されたダブルブレードが装備されている。
どちらかと言えば、
「……ザフトの四足歩行型MSみたいだな」
『その通りっす!これがチユのガンプラ……『ガンダムフラウロスベスティア』っす!』
その通り、と当のチユキちゃんが言ったように、フラウロスベスティアと言うらしいあのフラウロスは、犬や猫のように素早く砂地を駆け回りながら、一対のマシンガンをばら撒いてくる。
なるほどな、フラウロスにザフト四足歩行型MSのコンセプトを組み込んだってわけか。ガンプラバトルならではの改造だな。
っとマシンガンを撃ってきた。
銃弾を避けつつ、こちらも頭部バルカンで牽制返しだ。
しかしフラウロスベスティアは、砂地の不安定な足場でも簡単に急制動を掛け、バルカンの銃弾を躱してみせる。
そうそう、四足歩行型MSの何が厄介って、こういう悪路でも機敏な動きが可能なんだよなぁ。
『ほらほら!こういうフィールドはチユの庭同然っす!』
四足歩行型MSを相手に砂漠戦……少し"引き"が弱かったか。
それに、あの機体はあくまでもガンダムフレーム、つまり、ビームに対して強い耐性を持つ『ナノラミネートアーマー』を持っている。
ただでさえ砂塵でメガ粒子が減衰する上に、敵機は素早くて当てにくい、さらにビームライフルでは豆鉄砲にすらならん装甲と来ると……思 っ た よ り 不 利 な 状 況 だ な ?
「やりようはあるさ」
撃ち返されてきたマシンガンをシールドで防ぎつつ、ハイパーバズーカ……は、普通に撃っても当たらないから、
「こういう使い方もある!」
発射。
ロケット弾はフラウロスベスティアへの直撃コースではなく、その足元近くに着弾、炸裂すれば爆風が砂丘をめくり上げる。
すると、だ。
『おわぁっ!?』
急に足元がひっくり返るんだ、これに即座に対応出来るのは本物の猫科の動物くらいのものだろうさ。
案の状、フラウロスベスティアは砂を転がって転倒する。
構造上、人間で言うところの"腕"が無いから、一度転倒してしまうと起き上がるのに時間が掛かるんだ。
この追撃にハイパーバズーカを撃ち込もうと考えていたのだが、
『なんっ、の!』
フラウロスベスティアはすぐさま下半身をぐるんと回転させ、アームカバーも格納させると、『MS形態に変形して』すぐに起き上がった。
……ほうほう、MS形態への変形はそうやって使うのか。
起き上がって、すぐにまた四足歩行形態に変形してくる。
こうなるとあとはもう接近戦で仕留めるしかないな。
ウェポンセレクターを入力、ビームライフルをマウントラッチから切り離し、ハイパーバズーカをそこへ戻して、空いた右マニピュレーターでランドセルからビームサーベルを抜き放つ。
『接近戦ならチユの得意分野っすよー!』
マシンガンを撃ちながらジグザグに、なおかつ不規則なステップを踏みながら迫りくるフラウロスベスティア。
どのタイミングで踏み込めば良いのか、あるいはどのタイミングで向こうが踏み込んでくるのか、分かりにくいな……
マシンガンの銃弾を織り交ぜながら不意に飛びかかってこられると、カウンターを仕掛けるのも難しい。
すれ違いざまのダブルブレードの一撃が、オリジネイトの脇腹を掠め、すぐに反転しつつビームサーベルを振るっても、既に間合いから遠のいている。
機体の性能だけじゃない、チユキちゃんの反応も早いな、野生の勘って奴か。
……地上戦なら向こうの方が千日手、とまではいかないが、決め手に欠けることに変わりはない。
だが、想定外への反応にはそこまで早くないのは、先程の足元を揺るがす攻撃で確認済みだ。
であれば、"出し抜く"までだ。
チユキのガンダムフラウロスベスティアの、機敏な四足歩行によるヒットアンドアウェイ戦法に、リョウマのオリジネイトガンダムは翻弄されている……ように見えるがその実、的確かつ最小限のダメージで攻撃を凌いでいる。
互いに決め手に欠け、膠着状態へ縺れ込む。
「砲撃型のフラウロスを敢えて軽装にして機動力を高め、なおかつ四足歩行本来の利点に回帰する、か」
ケイスケは、砂塵を蹴立ててオリジネイトガンダムに攻め立てるガンダムフラウロスベスティアを評する。
イツキも同じく、ガンダムフラウロスベスティアの各部を注意深く見やる。
「よく見たら、前脚のアームカバーの尖端……あれ多分、ルプスレクスの爪と同じじゃないすか?」
それは、高硬度レアアロイよりもさらに高い強度を誇る、金色に輝く特殊合金製の武装だ。
研ぎ澄まされたそれは、レアアロイの装甲すら物理的に斬り裂くほど鋭い斬れ味を持つ。
ただのクローと侮れば手痛いダメージを受けるだろう。
ガンダムバルバトスルプスレクスが、人型からやや離れた姿として完成されたことも鑑みれば、ガンダムフラウロスが四足歩行を用いて戦闘を行うそれは、人の技術の革新か、あるいは獣性への原点回帰か。
「ウマノ先輩、自分より妹さんの方がずっと強いんじゃ……?」
マユは、見た目ばかりに比重を置いているホネオのガンプラよりも、得意なバトルスタイルのために的確なベース機とその改造が施せるチユキの方がビルダーとしてもファイターとしても優れているのではないかと勘繰る。
だが、意外にもその勘繰りを「違うな」と言ったのはケイスケだった。
「ウマノの奴は今でこそ"あぁ"だが、一年の頃はもっと真面目でストイックだったんだ。俺も負けてられない、と思うくらいにはな」
「じゃぁ、わたしやイツキが入部した時には、どうしてあんな風になっていたんですか?」
「一年の間で着実に結果を残して、学園からもその活躍を期待されているのを、何か勘違いしちまったんだろうな。そこからは、坂を転げ落ちるように傲慢になっていった……あいつの態度がどこかおかしくなったと思った時には、もう遅かった。そういう意味じゃ、あいつの傲慢さに歯止めを掛けられなかった、俺の責任でもあるんだがな」
だから、とケイスケはチユキの集中した横顔を見やる。
「妹さんは、卑怯なことをしたらしいリョウマが許せないくらい、兄貴が好きだったんだろう、ってな」
まぁなんか勘違いしてるみたいだが、とケイスケの語る言葉を、隣りにいたトウカも黙って聞いていた。
ふと、膠着した戦況が再び動き出したようだ。
マシンガンの銃弾をばら撒きつつ、ダブルブレードや前腕部クローによるすれ違いざまの斬撃によるヒットアンドアウェイは、殊の外厄介だ。
加えてこちらは砂地という不安定な足場も気にしなくてはならないため、一方的に不利と言わざるを得ない。
ハイパーバズーカの残弾は一発、バルカンもあと数発しか残っていない。
問題は……あるが、焦ることもない。
今は我慢の時だ。
『なぁに企んでるか知りませんけど、来ないならウチから行くっすよ!』
フラウロスベスティアはこれまでと同じように、マシンガンで弾幕を張りつつ接近を試みようとしてくる。
が、しょせんは手持ちの銃火器で予備の弾倉なんてものは無いだろう。
だから、そう早くない内にその時は起きる。
俺の目論見通り、勢いよくマシンガンを撃ちまくっていたフラウロスベスティアだが、不意にマシンガンが沈黙――弾切れだ。
「ようやく弾切れだな」
『だから何っすか、このままチユのペースのまま……』
「いいや、それもここまでだ」
俺にとってはマシンガンの弾幕こそが厄介なのであって、ここからは俺のターンだ。
最後のハイパーバズーカを発射、してすぐにバルカンを速射、撃ち出されたばかりのロケット弾を撃ち抜き、爆発、前方視界が爆煙に覆われる。
『ただの目くらまし!』
フラウロスベスティアは爆煙の中に突っ込んで来るつもりのようだ。
よし、いい子だ。
無用になったハイパーバズーカを捨てて素手になると、俺もオリジネイトを爆煙の中へ突っ込ませる。
瞬間、爆煙を切り裂いて互いのフェイスがドアップで現れる。
読み通りだ!
すかさず操縦桿を跳ね上げて、オリジネイトは両手を伸ばし、フラウロスベスティアの機首を掴み上げる。
『んなっ!?』
このダブルブレードはバクゥやラゴゥのそれと違ってビームサーベルではないから、接触するだけならダメージは少ない。
「悪いが、そっちのオーダー通りに戦わせてもらうぞ、ズルも卑怯も無い、ち、か、ら、わ、ざ、でな!」
さらに操縦桿を押し上げ、フラウロスベスティアの上半身を持ち上げる。
『うっ、嘘っ、なんつーパワーして……!?』
フラウロスベスティアは前脚をバタつかせるが、機首が前方に長いのが災いして、前腕部クローも届かない。
機首を抱え込んで押さえつけ、そのまま真上へ上昇、フラウロスベスティアもろとも上空へ連れて行く。
オリジネイトの完成度は高い、こいつのバーニア出力ならばMS二機分の重量くらい軽々と持ち上げられる。
『ちょっ、ちょっ!?な、何する気っすか!?』
ちょうど、フラウロスベスティアの機首は下方、地面を向いている状態だ。
雲スレスレの高度まで上昇したところで、バーニアのベクトルをやや斜め下に向けつつ、高速回転――したまま落下開始!
「ちょっと
ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐると錐揉み回転しながら落下していくオリジネイトとフラウロスベスティア。
『ぎゃーーーーーーーーーー!?!?!?!?!?』
さすがのガンダムフレームと言えども、高度数千mから地表に激突すれば耐え切れるもんじゃないだろうさ。
数秒間たっぷりと遠心力と落下速度を加えたベクトルと共に、フラウロスベスティアを地表にぶち込む!
激突。
その拍子にオリジネイトは弾かれてしまうものの、すぐにバーニア制御で立ち上がる。
一方のフラウロスベスティアは……上半身と下半身が見事に真っ二つになっていた。
むしろ砂地だからこの程度で済んだんだろうな、市街地のコンクリートだったらこんなもんじゃなかったかもしれん。
ガンダムフラウロスベスティア、撃墜。
『Battle ended!!』
YOU WIN!!
というテロップが画面の前に出てきそうな結末だったけど、勝ちは勝ちである。
「ふぅ、思ったより手強かったな」
安堵に一息つきつつ、オリジネイトをスキャナーから回収する。
さて、チユキちゃんの反応は如何かな?
「ガ、ガンプラでプロレス技をするなんて、なんちゅぅ人っすか……」
わなわなと震えているチユキちゃん。
なんちゅぅ人っすかと言われてもな。
「君の言う「卑怯な不意討ち」の定義がよく分からなかったから、小細工なしの肉弾戦に持ち込ませてもらったけど……それで、俺は『卑怯な男』だったかな?」
あるいは、あの馬の骨の悪いところを見習っているかもしれないしなぁ。「自分が負けたのは相手が卑怯な手を使った(根拠なし)から」って思い込むかも。
「い、いえ!すいませんっした!」
すると、チユキちゃんは勢いよく頭を下げてきた。
「よく考えたらウチ、バカ兄貴の言ってた『卑怯な不意討ち』がどんな手だったのか知らなくて……それに、卑怯な不意討ちで勝ったような人が、他の先輩方から認められるわけがないって思い直しまして……」
あぁ、この娘、あんまり人を疑わないタイプだな。
真っ直ぐ過ぎたがために、あの馬の骨の言葉を真に受けて、ここまで突っ走ってきたと。
「とりあえず、帰ったらあのバカ兄貴シメときますんで」
うんうん、こんなしょーもないことを引き起こした兄貴はみっちり絞ってやってくれ。
「まぁそれはそれとしてだ。誤解が解けたようで何よりだよ」
変な噂が流れても困るし、早めに禍根を取り除けたからまぁ良しとしよう。
「そう言ってもらえるとありがたいっす。他の先輩方も、ウチのバカ兄貴がすいませんした!失礼します!」
チユキちゃんは他の部員に頭を下げて謝罪の意を示し、フラウロスベスティアを引っ掴んで部室を駆け出していった。
部室のドアが閉じられるのを見て、ケイスケ先輩は溜息をついた。
「やれやれ、とんだお転婆ちゃんだったな」
「でもまさか、ウマノ先輩にあんなにかわいい妹さんがいるなんて思わなかったよ」
マユちゃんの言う通りだ、父母で遺伝子違いすぎんだろ。
「それなー。おまけにバトルもけっこう強いし、あたしもやってみたかったなー」
イツキ、君は今シェンロンの改造中だろうに。
「……そう言えばあの娘、中学生なのよね?入校許可は取っていたのかしら」
ふと、ミカゲさんが誰も気付いていなかった疑問を呟く。
「あの様子だと、無許可で入って来たのかもしれないなぁ」
――あとで聞いた話だが、チユキちゃんを見掛けたシノミヤ副会長が事情を聞いて、ガンプラバトル部の部室の場所を教えて上げたのだとかなんとか――
予想外の珍客に慌ただしく時間が過ぎてしまったが、まぁ慌てることもない。
来週の地区大会に必要な頭数は揃っているから、じっくり鍛えてから臨めばいいのだから。
その後は、プラクティスステージでミカゲさんに操縦体験をさせたり、ガンプラを製作中のマユちゃんやイツキに意見を求められたり、ケイスケ先輩と再度模擬戦をしたりと過ごして、下校時間だ。
「えーっと、明日は俺、アサナギさん、イツキ、ミカゲさんの四人で、ミカゲさんのガンプラを見繕いにガンダムベースに行く、って感じだったよな」
下校前に、明日の予定を女子三人と照らし合わせる。
「うん。朝の九時に、駅前広場で待ち合わせだね」
マユちゃんが待ち合わせ場所と時間を復唱してくれる。
「向こうでバトルとかもするよな?なら、あたしは別のガンプラ持ってくる」
イツキは向こうでもシェンロンの改造をするだろう。そのついでのバトルでは違うガンプラを持ってくるらしい。マユちゃんも同じかな。
「……ガンプラって、どのくらいの値段?あんまり高いのは、お財布に辛いのだけど」
ミカゲさんはガンプラの価格について心配しているので、答えてあげよう。
「普通のHG……俺達が普段使っている、1/144スケールなら、2000円もあれば大体一つは買えるし、安いものなら二つ買える」
「……意外と安いのね」
とはいえ、新しいシリーズになればなるほど素組みの完成度が高いから、それに伴って価格も高くなるのは已む無しか。
「中には高いものもあるけど、普通のものを買うぶんならお財布にも優しいから、大丈夫だよ」
マユちゃんもフォローしてくれる。
「そういや、ケイスケ先輩は来れないんすか?」
ふとイツキが、ケイスケ先輩が話に反応していないことに気付いて声をかけるが、
「あー、俺明日は野暮用があってな。悪ぃけど欠席させてもらうわ」
「わっかりましたー」
ふむ、ケイスケ先輩は野暮用につき欠席か。何の野暮用かは知らないが、そこで訊くのはそれこそ野暮というものだ。
「よーし、部室閉めんぞー。みんな、今日もお疲れさん」
お疲れさんっしたー。
明日は九時に駅前広場だな、寝坊しないようにいつも通りの時間で起きるとしよう。