転生したら神父だった件   作:純心太

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大変おひさしぶりです(約二年ぶりの執筆)
読み専になってあの頃よりも多くのジャンルに触れ(主にブルアカとか)、最近更新されている転スラの小説を楽しませてもらって.....ふとまた書かなければという気持ちが再燃し今に至ります。できるだけエタらないようにゆっくり書いていけるようにしたいです。


今回の話で、作者の独自設定、独自解釈があります。
ご注意ください。



ワイズの名付け

 

 

 

牙狼族.....もとい嵐牙狼族が平原を颯爽と駆け抜けていく。

 

現在、俺たちはアメルド大河と呼ばれる大河に沿って北上していた。

 

目指すは技術者ドワーフのいる国、武装国家ドワルゴン!

 

 

 

ちなみに俺とリムルの他に同行者は案内役として以前ドワルゴンに行ったことがあるというゴブタ、リグルドの息子のリグル、その他二名のゴブリンだ。

 

 

 

それにしても凄いな.....

 

何が凄いってランガ達、嵐牙狼族のことだ。

 

名付けする前の姿だった牙狼族のときよりも遥かに強くなっている気がするのだ。姿も大きく変化しているし、進化した彼らのスピードがこれまた速いのなんの!

 

 

 

これならあまり時間をかけずにドワルゴンにつけるかもしれない。おらワクワクすっぞ!

 

 

 

 

 

 

 

「あるじ、乗り心地はどうだー?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アァ、トテモ気持チガ良イゾ。『イギー』」

 

 

 

「イギーうれしい。あるじのためにもっとがんばるー」

 

 

 

 

 

俺を背に乗せて走っている嵐牙狼族にそう返事を返す。

 

そう。何を隠そうこの嵐牙狼族はリムルではなく俺、ワイズが名付けした子だ。

 

 

 

これについて詳しく話すには、リムルがランガに名付けをした事により魔素切れを起こし、眠りに着いた後まで遡る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時を戻そう★

 

  

 

 

 

 

 

 

 

リムルがランガに名付けをした直後。

 

 

 

 

 

「リムル様!?」

 

 

 

魔素切れを起こし、低位活動状態スリープモードに入ったことによりリムルの体がドロドロに崩れる。

 

 

 

 

 

「お気を確かに!」

 

 

 

「ワ、ワイズ様!リムル様が!」

 

 

 

「落ち着ケ、今調ベル。……ヤハリ『教育者』ノ言ッタ通リニナッタカ……」

 

 

 

 

 

俺に助けを求める名付けされたばかりのゴブリン村長……リグルドに駆け寄り、リムルを預かる。

 

もしもの事もあるし念の為、解析鑑定だ『教育者』。

 

 

 

 

 

《事前にお伝えした通リ、多くの名付けによって個体名∶リムル=テンペストは体内の魔素が一定値を下回った事で低位活動状態に移行したようデス。》

 

 

 

 

 

はぁ……やっぱりか。だから気をつけろと言ったのに……まぁ止めなかった俺にも責任はあるっちゃあるが。

 

 

 

それで『教育者』、リムルは目覚めるのにどんぐらいかかるんだ?このままウン十年も目覚めませんでした!なんてオチ、流石にシャレにならないぞ?

 

 

 

俺は思考加速を使用しつつ『教育者』の言葉を待つ。

 

するとすぐに答えが返ってきた。

 

 

 

《ハイ。問題はありまセン、マスター様。この状態ならば不足している魔素をユニークスキル『捕食者』にて隔離されている存在、個体名∶ヴェルドラ=テンペストから徴収する事により復活が予定されていマス。》

 

 

 

 

 

なら良いか………って、ん?魔力をヴェルドラから徴収!?

 

つまり?足りなくなったリムルの魔素分だけ、ヴェルドラは魔力を強制的にスキルに絞られているってことなのか?

 

 

 

 

 

 

 

『ぎょえええぇぇ!?我の力が吸い取られるぅぅ!!!!』

 

 

 

 

 

 

 

……何故かヴェルドラがギックリ腰になった時みたいな顔で絶叫してる姿が見えた気がする。

 

うん。きっと気のせいだな。きっと、メイビー。

 

 

 

 

 

《なお個体名∶リムル=テンペストの完全復活は3日後デス。》

 

 

 

 

 

そうか、ありがとうウィスパー。

 

少し前につけてみたあだ名で『教育者』にありがとうを伝えてみたが、返事はなかった。

 

うーん、やっぱり普通にスキル名で呼んだ方がいいのか?

 

 

 

 

 

「それでワイズ様、リムル様の容態は……」

 

 

 

 

 

おっと、そんなことよりもまずはリムルの事を説明しなきゃあな。

 

 

 

 

 

「問題ナイ、リグルド。ドウヤラ「名付け」デノ魔素ノ消費ガ原因ダソウダ。心配セズトモ リムル ハ3日後ニハ目覚メル。安心シテイイゾ。」

 

「おぉ!そうでしたか!異常が無くて良かったですぞ!」

 

 

涙を浮かべつつほっとした様子のリグルド。周りのゴブリン達も安心した顔をしていた。

 

俺としても少し安心したな……本当に良かった。

 

 

「兎も角、マズハ リムル ヲ安全ナ場所ニ置イテオカナケレバナ。」

 

 

取り敢えず今の無防備なリムルを安全な場所に移さないといけない。

 

近くにいたゴブリナにリムルを任せ、俺は新しく嵐牙狼族の長となり、リムルが名付けをした狼……嵐牙に視線を向ける。

 

 

「コレデ話ガデキソウダナ、ランガ」

 

「!もしや気づいておられたのですか?」

 

「「名付け」ノ後、何カ話シタガッテイル様子ヲ感ジテイタ。リムル ノイザコザデ後回シニシテシマッタガナ。」

 

そう、リムルがランガに名付けをした後、何やら俺に向けて話したげな様子だったのだ。まぁリムルのドタバタのせいで凄い気まずそうだったけどな!

 

 

「実はワイズ様に話したい事とは……我の妹についてなのです。」

 

 

そう告げたランガの背後から現れたのは、周りにいるものよりも一回り小さい牙狼族。

 

何よりも注目すべきはその体の色だった。

 

 

「黒イ……牙狼族ダト?」

 

 

ランガ達が体の色が青に近い色だったの対し、俺の目の前にいるのはくすんだ黒色の毛を纏っていた。

 

 

 

「はい。我が話すことについて、まずはこいつの境遇についてワイズ様に知ってもらいたいのです。」

 

 

 

それからランガが詳しいワケを話し始めた。

 

「かつて此奴は我らとは違う牙狼族の群れの一匹でした。しかし、毛の色が自分達とは違うという理由で群れの者達から迫害を受けていたのです。」

 

「色違イガ故ノ差別.....ソレデ群れカラ 爪弾キ二サレタ、トイッタ感ジカ」

 

「はい。此奴はそれで一人彷徨っていました。そこを親父殿.....牙狼族の長が引き入れたことにより今に至ります。」

 

 

 

「.....事情ハ大体把握シタ。ソレデ、私ハ何ヲシテヤレバイイ?」

 

 

正直、目の間のこいつに対して俺がしてやることなんて無いと思うんだが。人種の違いとかのトラブルは前世でも結構テレビでも何度も見たが、それまでだ。

 

ランガは俺になにを求めてるんだ....?

 

 

 

「頼みとはズバリ、妹に名付けをしてもらいたいのです!」

 

 

 

お、俺に名付け!?

 

「我ら牙狼族は『全にして個』。それにより長となった我が名が種族名になり、我以外の者も嵐牙狼族に進化した___はずだったのですが....」

 

 

ランガが言葉を淀ませる。

 

ランガの言う通りならば眼の前にいるこいつは進化しているはずだが.....見た感じ色以外は進化前のランガ達と変わっていないように見える。

 

 

「恐らくですが、此奴がもともと別の牙狼族だったことが原因かと思われますが....詳しい原因はわかりません。」

 

 

 

「ソウカ....」

 

 

そこんところどうなんだ『教育者』?

 

《解答。名付けのシステムについては未だに不明な点があるため確証はありまセン。一つの可能性として、この牙狼族自身が個体名リムルの名付けによる進化を拒絶した可能性が高いデス。》

 

なるほど.....結局は本人に聞いてみないと分からないな。

 

 

「ランガ、少シ ソイツト話ヲシテモイイカ?」

 

「もちろんですワイズ様!」

 

 

 

ランガに一言言ってから、その子に話しかけてみる。

 

 

「ハジメマシテダナ。私ハ ワイズ。」

 

「ワイズさま?」

 

 

ん゙がわいい(かわいい)

 

きゅるんとしたつぶらな瞳で見つめてくる狼。思わず撫でたくなってしまう気持ちを抑えて、俺は話を続ける。

 

 

「オマエ ハ ドウヤラ、ランガ達トハ 違ウ群レ ダッタラシイナ。」

 

「うん。わたしねー、ほかの子とはちがうて言われたの。前のパパもわたしのことなでてくれなかったの.....でも今のパパとかランガにぃはなかよくしてくれてねー、わたしうれしかったの!」

 

 

とても嬉しそうに話す牙狼族の子。

 

後ろにいたランガも自分のことを褒めているのが伝わっていたのか、照れ隠しをするようにそっぽを向いていた。

 

 

「ソウカ。ソンナ オマエに一つ提案ガアル。私二『名付け』ヲサレル気ハ無イカ?」

 

「わたしにワイズさまが.....うれしい、うれしい!わたし『名前』ほしい!」

 

 

嬉しさを表すように飛び跳ねる牙狼族の子。

 

どうやら乗り気みたいだ。断られたりしたらどうしようかと思ったが、喜んでくれてよかった。

 

 

「我の方からお願いです、ワイズ様。」

 

「たとえ血がつながっていない義理の関係とはいえ、此奴は我の大切な妹。だからこそ.....我が主リムル様と同等の強さを持つワイズ様、貴方様に託したい。」

 

 

 

 

 

「どうか妹のことを、よろしくお願いいたします」

 

 

 

 

 

ここまでランガに言われたんだ。ならそれに答えなきゃ、男が廃るってモンだ!

 

そうだな、名前は折角ならジョジョのキャラの名前をお借りして.....そういえば黒い犬といえば彼がいた!

 

 

 

 

 

「イギー」

 

 

「ソレガ今カラ オマエ ガ名乗ル「名」デアリ、私トノ「繋がり」ダ。」

 

 

イギー。ジョジョの奇妙な物語の三部に登場した犬のスタンド使い。種族は違えど確かに「黄金の精神」を持ち、同じくエジプトを旅した人間の彼らとともに悪のスタンド使いと戦ったキャラクターの名前。

 

そんな彼の名を与える。彼のような魂をもってほしいから。

 

 

 

 

 

「わかった!!「イギー」!それがわたしのなまえ!」

 

 

 

 

 

名付けを行ったことでたちまち体から魔素が吸われてゆく。

 

おぉ〜これは結構....いやちょっと待って思ってたより吸われてってるんだけど!?ヘルプゥ!ヘルプミーウィスパー!

 

 

 

《了解デス。リンクしている「大賢者」へ「捕食者」から不足した70%分の魔素の譲渡を申請....承諾されまシタ。マスターに供給しマス。》

 

 

.....ふぅ、危なかった。「教育者」ことウィスパーさんがとっさに対応してくれて助かったな....流石に村のリーダー格が二人も機能しないのはまずいだろうからな。

 

 

そうこうしている内にイギーの進化が完了する。

 

進化したイギーは名付けをしたことで牙狼族から黒嵐牙狼族(ブラックテンペストウルフ)に進化した。どうやらランガ達の嵐牙狼族の亜種らしい。

 

進化によってその姿もかなり変化していた。

くすんだ黒色だった毛は見る影も無く鮮やかかつ艷やかな、まるで漆のような漆黒に。そして背中や足などに白いラインが走るような模様が現れ、ランガ達とはまた違う様子を見せていた。

 

無事進化を終えたイギーは目を輝かせ、花開くような笑顔で感謝を告げたのだった。

 

 

「コレカラ ヨロシク頼ムゾ、イギー。」

 

 

 

「よろしくね、あるじ!」

 





転スラの原作でリムルの名付けを拒否したりする場面がなかった気がするので、拒否したらこうなるのかも?という妄想で書きました。ぶっちゃけワイズにランガ枠をつくるためのものですのでご了承願います
どうか許してください!何でもしますから!

以下オリキャラについての補足とかです。


イギー

元牙狼族。メス。
ランガ達とは別の群れで生まれた個体。常に明るく、どこか幼い様子を見せる。
生まれつき体の色が通常の個体とは違う黒色だったために群れの中で仲間外れ扱いされていたが、そんなところをランガの父である元族長が引き入れた。
主にランガが面倒を見ていたこともあり、ランガのことを「にーさま」と呼び慕い、ランガもそんな彼女を義妹として大事にしている。

実は自分を救ってくれた元族長に恩を感じていたこともあって、弱肉強食の掟は理解していても族長を殺したリムルのことをあまり受け入れられていなかった。名付けがされていなかったのもイギーがリムルによる名付けの進化を拒絶したため。(ここ独自設定のつもりなため原作で言及あったら教えてください)
そこにいたのが我らがワイズであり、リムルじゃなくてこの人ならいいかも.....とワイズによる名付けを受け「イギー」の名を与えられる。


絶賛胃の中のヴェルドラさん

リムルに魔素を急に吸われた後に、すぐさまワイズにも吸われたせいでぎっくり腰した時みたいな状態になってる。
なお今後しょっちゅう同じことが繰り返される模様。
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