機動戦士ガンダムSEED ボクラノキズナ 作:ただのリボン付き
具体的に言うなら元プロデューサーで元提督で元マスターで現トレーナーです。
ついでに付け加えると某弾幕シューティングもやってました。
故に息抜きを兼ねるとなるといきなりそっち方面の何かが上がる可能性も否定しきれないと言っておきます。
トレーナーとしては今日からいよいよ第3期が始まるので、個人的には外から彼が実名で突っ込んでくるか否かで4話の前書き時のテンションが変わると思っていてください。
今回はアークエンジェルの登場と自分たちの機体の解説回となっております。
では、どうぞ。
先にワタルがタイプLから降りるのを確認し、続いてユキト達もフブキから降りた。
降りてきた中にマリューから見れば見知らぬマユラの姿を見てぎょっとしているが、ユキトがすぐに説明する。
「彼女は僕の部下です。本来は本国でテストパイロットをやっているんですが、ちょっと野暮用でここに来ていたみたいで、先の戦闘中に保護しました」
「それよりもラミアス大尉。俺ならストライクを見ても大丈夫ですね? ちょっとOS、見させてもらいますよ?」
「え、ええ。シラミネ技官なら……」
モルゲンレーテ側スタッフとしてG兵器に関わってきたワタルはさっとストライクのコックピットに駆け上がって機体のOSの確認を始めていく。
一方でユキトとマユラは機密を見てしまった事で身動きできなくなった学生たちに目を向ける。
ユキトはマリューの方に氏名の確認を行っていた。
「ラミアス大尉。彼らの名前は?」
「キラ・ヤマト君、サイ・アーガイル君、トール・ケーニヒ君、ミリアリア・ハウさん、カズィ・バスカーク君です。先ほど確認しました」
「了解しました。こちらから改めて事情を説明いたします。あと、あの子はマユラ・ラバッツ。先にも言った通り、僕の直属の部下でもあります」
マリューからの返答に説明で返すユキト。
マユラの方はというと先ほど、拘束されている学生たちを見ていたのもあってこう尋ねた。
「あれ、カトーゼミの学生さん達?」
「貴女は……さっきの教授のお客さんの人と一緒にいた……」
お客さんと聞いてピンとくるユキト。
「(なるほど……カガリ様はカトー教授を訪ねたのか……)」
「ねえ。そのお客さんの子、どうなったか知らない!?」
故に、その行方を知っている可能性が高いのは彼らだった。
機動戦士ガンダムSEED ボクラノキズナ PHASE-03 大天使降臨
その問いかけに反応したのは一人の少年だった。
「えっと……その人なら僕がシェルターに入れました」
「それは本当か!? えっと……」
「キラ・ヤマトです」
「キラ君か。ああ、ごめん。名乗り遅れた。僕はユキト・クラマ。オーブ国防軍に所属しているパイロットだ」
ユキトは自己紹介を済ませると改めて「キラ・ヤマト」に尋ねる。
「それは何時頃の話になる?」
「僕があのMSに乗る少し前です。その子をシェルターに入れた後、他の所に行こうと思ったんですが……」
「ストライクとイージスの区画に居合わせた事もあって私が機体に乗せました。キラ君が向かおうとしていた区画は既にドアしか残っていない状況でした」
マリューが補足の説明を入れる。
一方でキラの言葉に胸を撫で下ろしているのがユキト達。
その行動に怪訝そうな表情を向けるキラと彼の友人たち。
「あの……その人がどうかしましたか?」
「え? ええっと……」
「その人は僕たちの友人なんだ。さっきの戦闘で行方が分からなくなっていたから心配していたんだ。シェルターに入れたなら一安心だ」
のヮのな感じで目が泳ぎつつ慌てて取り繕うとするマユラを遮ってユキトが冷静な表情で誤魔化しにかかる。
そりゃそうだ。
自分たちの国のお姫様がお忍びで来ていた上に戦闘に巻き込まれたなんて口が縦に避けても言い出せるわけがない。
おまけに今は連合軍の軍人であるマリューも傍にいる為、余計に駄目だ。
「(嘘は言ってないぞ。嘘は)」
ユキトとて面識はあるのだ。
普段はかなり振り回されている事もあって苦労させられているのだが。
同時に彼は学生たちに今現在の状況を説明する。
「さて、君たちは連合軍の新型であるX105の中身……つまり、連合軍の最重要機密を見てしまった。拘束されて銃を突きつけられても仕方のない行動だ」
「オーブの軍人さんでもどうにかならないんですか?」
そう尋ねるのは学生組のまとめ役である眼鏡をかけた「サイ・アーガイル」。
ユキトは首を横に振りながら言う。
「こればっかりは他国の軍人である僕でもどうにもならないよ」
「でも、今あっちの機体に乗った人は良いんですか!?」
一番気弱そうな「カズィ・バスカーク」も声を上げる。
今現在、ストライクにはワタルが乗り込んで調査を行っている事を指摘しているのだろう。
「彼は開発段階から関わっているから存在自身が機密情報みたいなものだからなぁ…」
「あ、ついでに言っておくけど、私たちの機体を覗いたら今度はオーブ軍に拘束されるからそのつもりでね?」
さらっと血の気が引くことを学生たちに告げるマユラ。
つまりは連合の新型に匹敵するほどのオーブ軍の機密情報の塊という事だ。
「こら、マユラ。あんまり脅かさない」
「言っておかないと同じ事が起きるじゃない? だけど、3号機持ってかれちゃったからもう機密も何もあったもんじゃないと思うけどねぇ…」
と、そこへストライクから降りてきたワタルがやれやれといった表情をしながら近づいてくる。
00ナンバーを手掛けたワタルをしてそんな態度を取らせるとはとちらっとキラを見やるユキト。
「まったく、何だあのOSの設定っぷりは……目玉飛び出るかと思ったぞ」
「ワタル君がそんなに言う程!?」
「正直、モルゲンレーテへの推薦状渡したくなるぐらいだな、あれ。たぶん、あっちのOSに応用したら一発で量産機用のナチュラル用OSの出来上がりレベルだな」
あっちと聞いて以前までテストをしていた機体を思い浮かべるマユラ。
これを聞いたユキトはすぐに確認を取った。
「という事は……さっき動きが変わった時には既に…」
「ええ。キラ・ヤマト君がOSの設定を弄りまして…」
「ふうん……」
少し考えるユキトだが、既に彼の頭に浮かんでいるのは1つの可能性だけであった。
オーブだからこういった事は起こりうるのは間違いない話だ。
「キラ君。1つ確認させてもらっていいかな?」
「はい。何でしょうか?」
「……コーディネイターだね、君?」
その問いかけに首を縦に振るキラ。
これに反応するのが「トール・ケーニヒ」と「ミリアリア・ハウ」の2名だ。
「待ってくださいよ、キラはコーディネイター以前に俺たちの友達です」
「そうです!! ザフトとは関係ありません!!」
庇い立てする行動をさせてしまったユキトは罪悪感を抱きながらも謝罪する。
「ごめん。誤解させた。それを言うなら僕とワタルだって同じだよ」
「すまんね。興味本位が上回っちまった。しかしまあ、ヤマト君……訓練無しであんな動きか……」
「私も02Aでならそれなりに動けるけど……ヤマト君並となると無理ね」
MSを動かすというのは今現在、ナチュラルには厳しい事なのだ。
実際、キラに代わるまでマリューが操縦していたストライクはのろのろとした動きであり、オーブの本国で開発されている量産機も同じ程度である。
現状、ナチュラルがまともに動かせるのはユキト達の開発チームで開発された01とその護衛機02シリーズと呼ばれる機体であり、マユラはその02シリーズの2番機のテストパイロットでもある。
それ故に訓練もなしにあれだけ動かせるのはもうコーディネイターしかありえないと考えていたが、想像通りだった。
話を変えるようにワタルがマリューに尋ねる。
「それで、ラミアス大尉、どうします? ストライクがフェイズシフトダウンを起こしてる様子を見るにストライカーパックぐらいは持ってきた方が良いんじゃないですかね?」
「私もそうするつもりでした。どの道、警報のレベルが上がった事でもうシェルターの扉もロックされているでしょう」
「そうですね。僕達もまだおいてきてある装備があるので手分けして集めてきましょう。おそらく、時間的な猶予はしばらくはあるはずです」
ユキトはそう判断して互いに分かれて行動を開始した。
彼らはトレーラーを一台借り受けると00ナンバーが置かれていた工区に戻ると残されているものを確認していく。
「タイプTの装備は全部持っていかれたか…タイプRの予備武装が破壊されなかったのは幸運だな」
先ほどの戦闘でタイプTは後ろ腰に主兵装である71式ビームブレードガンを保持していたのを確認している。
ワタルはいら立ちを抑えながら続ける。
「ホント……憎ったらしい程優秀だな、ザフトレッドは…」
「プラントの技術力だったら、解析されるのも時間の問題かもしれない」
予備のシールドやライフルと言った武装類に加え、一部予備パーツの回収も行っていく。
ふと、マユラは気になったのか、ワタルにこんな事を尋ねる。
「ねえ、ワタル君ならG兵器と00ナンバーの違いが判るんだよね?」
「ああ。簡単に言うけど、フレームの違いだな。00シリーズにはG兵器とも規格が違うOフレームを採用してんだ」
「各フレームがそれぞれ独立した構造になっているのが特徴だね。このおかげで被弾部を即座にパージさせられるから誘爆には強い機体になっている」
独自開発したフレームの搭載によるパイロットの生還率の向上。
これがまず00ナンバーでワタルが試している事柄の一つだ。
「万が一って時には胸部ブロックが脱出艇の役割も果たすように考えてはある。推進機器と一体化しているブロックだから、宇宙空間での戦闘なら四肢を失っても帰還できるようにはしてある」
「だからM1と違ってコックピットは胸にあるんだ…」
「それに、フェイズシフトを解析して発展させたヒヒイロカネを装甲に採用しているから、実弾攻撃にも強いし、太陽光さえあれば徐々に充電だってされていくから経線能力はG兵器を上回っている筈だ」
00ナンバーの装甲はモルゲンレーテ本社がどうやっても解析できなかったフェイズシフトがベースになっている。
唯一解析できたのがワタルだけだったが、これを量産機に採用すればコスト増大で数を揃える事は不可能としており、まずは実証機たる00ナンバーへの採用を主張したのである。
同時に、フェイズシフト装甲の弱点ともいえる常に電力を消耗する一点の解消を図るべく、装甲の内部に極小サイズの太陽光パネルが仕込まれている。
これをオーブのルーツである今は亡き極東の国家である日本の神話から引用してヒヒイロカネ装甲と名付けて搭載している。
「……それにしても、前々から思っていたんだが、お前、そう言った方面は異様に詳しいよな?」
「爺ちゃんと婆ちゃんの家にそう言った資料がいっぱい置いてあってな。自然と好きになっちまった」
「……ユキナさんから聞いてた話、本当だったんだ……」
あきれ顔になるマユラ。
彼女が聞いていた話とは00ナンバー、01、02シリーズの名称の事だ。
いずれも名付け親はワタルであるのだが、これが彼の趣味が全振りした名づけだった。
「んなもん、00Rは時代を変える先駆けにする気で開発したからな。フブキ以外の名前は有り得ねえよ」
「……自然現象由来の名称だから機体名に引用しても違和感はないけどな」
粗方残っていたものをトレーラーに積み込み終えた3人。
そのまま工区を後にしてマリューたちと合流しようと移動を開始するが、その時、頭上を2つの影が通過していった。
現れた影は「TS-MA2mod.00 メビウス・ゼロ」と「ZGMF-515シグー」の2機である。
シグーを駆るのは今回のG兵器奪取作戦の指揮を執っているザフト軍の指揮官「ラウ・ル・クルーゼ」。
相対しているメビウス・ゼロに乗っているのは「エンデュミオンの鷹」の2つ名を持つ連合のモビルアーマー乗り「ムウ・ラ・フラガ」であった。
ヘリオポリスの外で戦っていた2機だが、内部にシグーが侵入した事でそれをメビウス・ゼロが追撃してきたのだ。
2人はそれぞれに状況を確認していた。
「あれが最後の1機……む、もう2機あるだと!?」
「何だ!? あんな2機があったなんて聞いていないぞ!?」
情報外の機体が存在して少々驚く両名。
一方でシグーを確認したユキトは再びヒヒイロカネ装甲のスイッチを入れる。
フブキの装甲が色づくと同時にトレーラーに乗っているワタルとマユラに指示を出した。
「2人とも、早くストライクの下へ。僕が時間を稼ぐ!!」
「気をつけろ、ユキト!! あの機体はシグーだ。指揮官クラスが乗っている可能性が高い!!」
「じゃあ、ザフトの実力者クラスって事!?」
指揮官ともなればその実力は高いはずだ。
そもそも連合の新兵器の奪取に使われる部隊がただの一般部隊なわけがないのだ。
スラスターの出力を全開にしてシグーへと向かわせつつ周囲の状況を確認する。
ストライクの側も何台かトレーラーが集まっており、どうやら開発できていた装備の改修は済んでいるようであった。
「こちらX105ストライク。応答……」
「キラ君、敵だ!! 外にいたザフトがまた入ってきた!!」
「っ!?」
どこかへ通信を送ってきたストライクにそう警告を送る。
視線を再びシグーに向けるが、シグーは左腕のシールド裏面に装備されているバルカンシステムを撃ち掛けてきた。
「その程度!!」
ヒヒイロカネ装甲で無効化しながら迫るフブキ。
「……連合の新型と同程度の脅威か!? ここにあった事を考えるならオーブの新型か!?」
「でぇぇい!!」
ビームセイバーを振るうフブキの斬撃をシールドで受け止めるシグー。
互いの機体が拮抗し、互角の押し合いとなる。
「パワーもこちらと互角かそれ以上……ええい、厄介な!!」
「そこの機体、下がっていろ!! 奴はラウ・ル・クルーゼだ!!」
ムウのメビウス・ゼロが外部スピーカーでそう呼びかけてきた。
同時に抑え込んでいる所でメビウス・ゼロがリニアガンを発射するが、読まれていたのもあり、シグーはフブキを蹴り飛ばし、リニアガンの射撃を避ける。
「ぐううっ!!」
「甘いぞ、ムウ・ラ・フラガ」
蹴り飛ばした反動で加速したシグーがメビウス・ゼロに迫り、右腕に持つ重突撃機銃を発射。
数発がメビウス・ゼロを霞め、一射がその主兵装であるガンバレルの1基を破壊する。
「クルーゼの野郎!!」
「クルーゼって事は……ザフトのトップエース、ラウ・ル・クルーゼか!!」
その名前はオーブにいるユキトでも聞いた事があるものだった。
開戦以来、多大な戦果をあげてきたザフトのエースの1人である。
地球上では「砂漠の虎」や「紅海の鯱」などが有名だが、宇宙ではクルーゼの名前が一際目立っている程だ。
「動いてくるならそのクラスだとは思っていたけど、いきなりザフトのトップエース相手か!!」
今の自分で勝てるか。
おそらく機体性能ではどうにかなるだろうけど、純粋な実力では大きく劣る事は間違いないだろう。
クルーゼの方も先の鍔迫り合いだけでフブキの性能を把握してみせていた。
「地球軍の新型よりもよほど性能の良い機体をオーブは作ったという事か……やはりあの国は侮れないな。惜しいな、情報があったならそちらを優先したのだが…」
今回の情報で確認できたのはあくまでも連合側の5機のみ。
既に1機奪取に失敗しているものの、先ほど最後の1機を奪取する予定だったラスティが眼前にいるオーブ機の同型機の奪取に成功しているという報告は受けていた。
「まあ、良い。想定外ではあるが、ラスティがその中の1機を奪ってくれたのが幸いだったな。後で比較してみるとしよう」
再度、向かってくるフブキに意識を向けるクルーゼ。
全員の意識が別の方向に向いたのはその時だった。
ヘリオポリスを再び大きな震動と爆発音が襲ったのだ。
「何だ!?」
「あれは……」
爆炎の中から現れたのは白亜の巨体だった。
地球連合軍の新型強襲機動特装艦「LCAM-01XA アークエンジェル」であった。
次回予告
シグーを撃退するも、コロニーに大穴を開けてしまうストライク。
無事だったアークエンジェルに身を寄せ合う一行だが、キラ達の処遇を巡って一悶着が起きてしまう。
だが、敵であるザフトはそれを待ってはくれず、再びコロニー内部へと部隊を送り込んできた。
次回、機動戦士ガンダムSEED ボクラノキズナ PHASE-04 G.U.N.D.A.M出撃
戦いの空へ、飛び立て、G.U.N.D.A.M!!
主人公であるユキトと合わせてマユラを早期登場させたことによる主な影響を考えるとやっぱりヘリオポリス組にとってはプラスなんですよね。
ムウよりも年が離れていないからより親身になって相談にも乗れるし、ユキトはキラと同じコーディネイターで対するマユラはヘリオポリス学生組同様にナチュラル。
幼馴染というアドバンテージを持っている事でコーディネイターに対する偏見皆無の彼女はこれ以上ない学生組の良きお姉さんポジションに付けるかなと思っています。
今はまだ明かしていませんが、ユキトとマユラはお互いに物凄い激重感情抱えている所もあるので、第1クール中には明かせていけるかと。