なので、まず前作『東方 外来人が幻想入り』をお読みいただくとより内容をご理解できると思います。
第八章:人間が大好きな谷河童
コーリン堂を後にした萃香達は、河を目指して森を進んでいる。
彼「なぁ萃香、こっちで合ってんのか?」
その森は空が見えず薄暗くジメジメとして少し不気味だった、、
萃香「もう目と鼻の先だよ」
萃香がそう言うと確かに水の音がする
薄暗い森を抜けるとようやく目的地の河に着いた、
緩やかに流れるその河は途轍もなく綺麗で澄み切っている
彼「さて、、そいじゃガッツリ釣るか!」
萃香「おーっしゃーっ!」
二時間後・・・・・・・
彼「釣れんっ!!」
釣を始めて二時間全く釣れない、、、というか魚がいない。
彼「澄んだ河に何とやらか、、、しかし、こりゃ無いわ、、、、」
萃香「あぁ、、無いわーぃ!」
終始、寝転び瓢箪をラッパ呑みしている萃香も唸る
彼「お前、、、釣る気無いだろう、、」
萃香「釣る気はある、、無いのは魚だ、、、。」
彼「たしかに、、、、。」
萃香「んーもー!こんな釣れない場所で魚釣って来いとかっ無理難題出してんじゃねーぞ、紫よぉ!!」
萃香が荒れてらっしゃる、、、
彼「はぁ、、、萃香よう、言い訳考えようぜ。」
萃香「大体魚一匹流れて来ないじゃないかっ!!」
彼「時間帯悪いのか?」
萃香「『人』は流れてきてるのに、、、、、」
彼「あぁ、、、、ん?、、人?」
スッと目線を上流に向けると水色の服が保護色となって見ずらいが、確かにうつ伏せで流れて来る、、、、、、
それは紛うこと無き人だった、、、。
彼「わあっひぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」ドバシャーン!
彼は助けようと反射的に水に飛び込んだ
萃香「うおっ!?」
奇声を上げて飛び込んだそんな彼の姿をみて萃香が驚く。
彼「ブッハァ、、!萃香っ!!馬鹿力っ!手伝えっ!!」
萃香「お、おう。」
萃香とその人を引き上げる、、すると。
萃香「あれ?コイツは。」
彼「萃香?、、知り合いか?」
萃香「コイツが溺れる訳ないじゃ無いか。オラっ起きろ。」ボカッ!
彼「おぃぃぃぃ!?頭たたくな!」
萃香「ほっ!」
シュワァァァッ、、、、、、、、、、、
霧となって姿を消す萃香
彼「消えんなっ!つーかお前ソンなん出来んの!?」
?「う、ん、、?」
どうやら今ので気がついたようだ。ショック療法とは流石は鬼
彼「よぅ、、大丈夫か?」
?「、、、、人、、、、間?」
彼「え、、?あぁ、、」
彼がそう答えると
?「・・・・・・・・・っ!!!!そっそそっそれじぁこれでっ!」
ガバっと跳び起き又河へ逃げるように飛び込もうとしたその時、、
ガシィッ
萃香「オヤオヤーいけないねぇーにとりよ。助けて貰っておいて名も名乗らず、礼の言葉もなしとは、、、、」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ
いきなり萃香が姿を現し、その『人?』の足をつかんだ。
にとり「ぎゃあぁぁぁ!鬼ぃぃぃぃぃ!?ズイガざぁぁぁぁーん゛!?」ガクガクガクガクッ
萃香「何でお前コイツの時より怖がるんだよっ!?」
状況が悪化したようだ
その後どうにか落ち着かせた、、
萃香「んで、、お前何で溺れてたんだよ?」
にとり「いやープカプカ浮いて昼寝してたらそのまま流されまして、、、」
萃香「お前な、、、」
にとり「あのまま下流まで流されて人間の里付近まで行ってたらショック死しそうですよ。
本当に有難う御座いました。萃香さん」
萃香「助けたは私じゃ無くコイツ何だが?」
萃香が彼を指す
にとり「君が私を・・・?」
彼「えっ?あぁ、」
にとりの表情が歓喜に変わる
にとり「おおぉぉそうなのかい!?君が私を助けてくれたんだね!流石は盟友何て心やさしい人間なんだ!」
先ほどの萃香との対応とうって変わってフランクだ、、、萃香の雲行きが怪しい
河城にとり「私は河城にとり通称『谷河童のにとり』よろしく!」
彼「あぁ、、えっ?河童?」
にとり「うん!河童だよ!」
彼「ふぅ、、、」 『河童の河流れとは正にコレか。』
にとり「所で盟友よ。こんな所で何してるんだい?」
萃香「見てのとうり釣りだが魚が一匹も居ないどうなってる?」
にとり「・・・・・さ、さぁ、、、?」ダラダラダラダラ(汗)
萃香「お前何か知ってるだろう。」
にとり「いやーそのー、、、昨日仲間と一緒にご飯食べようと思いまして、、、、それで、その、、、、、、、、。」
萃香「・・・・・。」
にとり「ちょと乱獲しちゃいました。」
萃香「てんめぇぇぇぇぇっ!!」
にとり「ひゅいっ!!?」 ビックゥッ!!!
『この鬼、、又キレやがった。』とっ彼は止める。
彼「はいはい、萃香っドウドウ」 ガシィッ!
暴れられても困るので彼は萃香をまたも羽交い絞めした
萃香「傍迷惑な発明作ってんじゃねぇ!魚獲るんだったら竿か網使え馬鹿野郎!」
ジタバタジタバタッ!!
にとり「ひぃぃぃぃい!すみません!ゴメンなさい!すみません!ゴメンなさいぃぃぃぃぃ!」(泣)
余程、萃香の事が怖いのかとうとう泣きだした。
彼「おいっ!萃香っもぅ、、、もう泣いてるからっ!」
萃香「う・る・ぜぇ!離せぇぇぇぇぇぇぃや゛ぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」ブォンっ!
鬼の怪力の前に羽交い絞めなんて意味がない彼も判ってはいた、彼は又ブン投げられた。
そして目の前は河、、、、もう、、、、判るな?
彼「・・・・・・・・・・・」『俺が幻想郷に来て出来た二人目の友達、彼女は鬼で俺は人間でした。
その鬼は友情に厚い大酒豪で、こんな鬼と友達になれる俺はきっと特別な存在なのだと感じました。
今日も又、友達が増えそうな予感
種族は勿論妖怪、何故なら此処は幻想郷
彼女も又、特別な存在だからで、、、、、ヴェルタースッ!』
(ザッボゥゥゥゥーーーーンッ!!!)
にとり「盟友ぅぅぅぅぅぅぅぅ!!?」
萃香「・・・・ワリィ、、、またやっちまった。」
河へと顔面ダイブを果たした彼は衝撃で気を失いつつあった。
朦朧とした意識の中、川の底へと沈み流され行く彼を、飛び込んだにとりが凄い速さで引き上げてくれる感覚があった。
そして気がつくと何故か懐かしい光を感じる眼を開けると同時に見慣れていた物が一斉に視界飛び込んでくる
プラズマテレビにゲーム機、ケータイ、パソコン洗濯機そして見た事も無いような電子機器や武器まるで近未来のそれを髣髴
(ほうふつ)とさせる しかもちゃんと機能しているようだ。
ここには電気があるのだろうか?
にとり「ああーっ!起きたっ!大丈夫どこか痛い所とか無い!?」
にとりが心配そうに駆け寄ってきた
彼「ああ、大丈夫、耳に水入った程度、、、、、、。」
にとり「ううグスッ、、、無事でぇグスッ、うっ、、よかっ、、、、良がったよぉぉぉぉ!」
にとりの顔が涙と鼻水でグチャグチャになっていた、、、
彼「取り合えず鼻水拭け」 『ここまで心配されるとは、、、』
にとり「うん、、、」ズズッー
彼「んで、俺を投げた奴は何処行った?」
にとり「萃香さんなら、、」
彼「あぁ、クローゼットから角生えてるな、、」
萃香「・・・・・」キィ、、、
萃香が伏せ眼がちでクローゼットから出てきた。
彼は無言で萃香に近づき顔を覗き込み一言
彼「・・・何か言う事は?」
萃香「・・・ゴメンよ、、、。」
彼「うっしっ!素直でよろしいぃぃぃぃぃっ!」グシグシグシグシッ
彼は仕返しとばかりに萃香の頭を鷲掴みにして髪をグシャグシャにしてやった。
萃香「うわぁ!ハッハハっ止めろぅぅぅぅアアッハハハ!」
萃香の顔に笑顔が戻った。
にとり「さぁてっ!お二人さん!」
唐突にじゃれ合う二人に、にとりが吼える、、自宅というホームグランドだからか、強気に見えた。
萃香「何だよ?人間が大好きな重度の人見知り河童っ!」
にとり「ひゅいっ!?」
そうでも無かった。
にとり「ああ、いえ、その助けてくれた盟友に何か御礼をと、、、。」
彼「そんなの気にしないでいいよ。」
萃香「あぁいいさ礼なんて、代わりに酒をくれ。」
彼「もうダメだコイツ、、、。」
萃香「てっいうか魚は如何するんだ?私たち紫にシバかれるぞ。」
彼は此処へ来て目的を忘れる所だった。
彼「にとりさん頼みがあ、、、、」
にとり「まかせてよ!」
彼「まだ言ってない。」
にとり「魚でしょう任せてよ!いい場所しってるよ。」
コレは期待できそうだ。
にとり「途中私の里も通るから見てしてくといいよ、盟友が知らない珍しい物が沢山あるよ。」
にとりの河沿いの家(洞窟)を出て上流を目指す道中河童の里を通るらしいが果たしてどんな所なのだろう?期待が高まる。
ここまでの人物紹介
射命丸:文
(しゃめいまる・あや)
【種族】 ・鴉天狗
概要
鴉天狗の妖怪で新聞記者(ブン屋)。「文々。新聞(ぶんぶんまるしんぶん)」という個人新聞を発行している。
鬼が幻想郷にいた1000年以上前から住み着く天狗。元は鴉。普段は妖怪の山に住んでいる。
真面目で融通が利かない。頭脳明晰で非好戦的。思考能力は非常に高く、人の何倍ものスピードで考えを巡らせる。
容姿
黒髪ショート、赤い瞳、
赤い山伏風の帽子(通称:ZUN帽)、赤い靴(天狗下駄)、
フリル付きの黒いスカート、白い半袖のシャツ、等。
性格・
真面目で融通が利かない性格。萃香曰く「強いものには下に出て、弱いものには強気に出る。もの凄く強いのに適度に手を抜く。頭が切れるのに惚ける。やたらと狡猾」。
ただ、取材の相手となれば常に礼儀正しい。
能力
風を操る程度の能力
文字通り風を起こす事が出来る。彼女が手に持つ扇を振ることでも風を起こせるが、振らなくても風は起こせる。
その風はその辺のものを何でも吹き飛ばす台風のような風から、岩をも削り取る竜巻まで自由自在。
なお、彼女は能力のおかげもあってかすさまじい飛行速度を誇る。
伊吹 萃香
【種族】 ・鬼
能力
密と疎を操る程度の能力
容姿
薄い茶色のロングヘアを先っぽのほうで一つにまとめ、真紅の瞳を持ち、
その頭の左右から身長と不釣り合いに長くねじれた角が二本生えている。
幼い容姿の持ち主で、身長は低い。
服装は白のノースリーブに紫のロングスカートで、頭に赤の大きなリボンをつけ、
左の角にも青のリボンを巻いている。
また呑んべぇなだけにいつも伊吹瓢という紫の瓢箪を持ち、
三角錐(三角)、球(丸)、立方体(四角)の分銅を腰などから鎖で吊るしている。
能力
密と疎を操る程度の能力
あらゆるものの密度を自在に操る能力。
物質は密度を高めれば高熱を帯び、逆に密度を下げれば物質は霧状になる性質がある。
密と疎を操るとは、要するに物を萃めたり散らしたりする事である。
アリス・マーガトロイド
【種族】 ・魔法使い
魔法の森の洋館に住む生粋の魔法使い。属性を問わず万能の魔法使いであるが、
基本的には自作の人形を操って戦うスタイルをとる。区分としては妖怪(人の姿をした人以上の力を持つ者)にあたる。
容姿は金髪で肌の色は薄く、一見すると人形のような姿をしているという。
瞳の色は、作品によって青系統(「妖々夢」など)または褐色・金色系統(「永夜抄」など)など様々。
青のワンピースのようなノースリーブを着用し、スカートはロング。
その肩にはケープのようなものを羽織っており、頭にはヘアバンドのように赤いリボンが巻かれている。
イメージカラーとしてはトリコロール(青、赤、黄)。パッと見はブルーが強調される。
よく手に一冊の魔導書をもっており、リボンなどで縛って鍵がかけてある。
性格
他人に無関心で、基本的に物事に拘らないさっぱりとした性格をしており、一人でいることを好む。だが人見知りという訳でもなく、宴会には頻繁に参加しており、里の祭りではしばしば人形劇を披露している。
また、迷い人を家に泊めたり、森の外まで送っていったり、身体が温まるまで保護したり、と親切。自称、都会派。
能力
魔法を扱う程度の能力
人形を扱う程度の能力
河城にとり
概要
種族は河童。
能力:水を操る程度の能力
二つ名は「超妖怪弾頭」・
「水棲の技師」由来は不明。
妖怪の山に住む河童。
人間の事が好きなのに人見知りなエンジニア
河童であるためきゅうりが大好物。また同じく河童である以上頭の上には皿があるはずだが、常に帽子をかぶっているため詳細は不明。
ちなみに着ている服は光学迷彩スーツであり、手段は不明だがこれで姿を隠すことができる。
容姿
ウェーブのかかった外ハネが特徴的な青い髪を、赤い珠がいくつも付いた数珠のようなアクセサリーでツーサイドアップにして、緑のキャスケットないしキャップをかぶっている。
第九章:力と種族と友愛と、、、、。
にとりの家を出て彼らは上流に在るにとりの知っている釣りの穴場を目指す道中『河童の里』なる場所を通る事となる。
川沿いを三人は歩く、青空が広がり木々が風に揺れ、流れる河の音が自然の癒しを際立たせている。
その自然が奏でる音色と共に突如、聞こえる、、、、、
萃香「あぁぁぁぁぁぁっ!!?」
耳を劈く萃香の叫び声が彼の癒しを叩き壊した。
彼「うっせーな萃香っ!、何だよいきなり?」
萃香「何てこった、チキショウ、、、、」
余りの萃香の表情の深刻さに少し心配になって来た
彼「ど、、如何したんだ、、、」
萃香「大変な事になった。いいか良く聞け」
彼「・・・・・・・」
にとり「・・・・」
萃香「酒が切れた如何したらいい!?如何したらっ、、、、、、、、、、」
彼「えっと、にとりさんだっけ?」 テクッテクッテク
にとり「『にとり』でいいよ盟友。」 テクッテクッテク
彼「じゃあ、にとり、その服の素材変わってるな。」 テクッテクッテク
にとり「フフーン、そうでしょう、そうでしょう。これねー、防刃、防弾幕、仕様で光学迷彩機能付、、、、、」 テクッテクッテク
萃香「うぉい!?聞けよ人の話しっ!!」
彼「だから人じゃ無いだろ、、、、酒切れただけで騒ぐなよ、、、。」
萃香「私にとって酒は、命から7番目位大切なものなんだよ!」
彼「何でそんなリアルな順位なんだよ、、、。そこはお前嘘でもいいから、一番って言っとけよ、、」
萃香「鬼は嘘付かないんだよ!それに私は嘘は大ッ嫌いだ!!」
にとり「鬼さんは基本、嘘が嫌いなんだよ。」
彼「へぇー、、。」
萃香「とっいう訳でちょっと待っててくれ」
そう言うと萃香は酒の切れた瓢箪に河の水を入れだす。
彼「ちょっ、水入れて何する気だよ?」
萃香「ふっふっふっ、、、呑むか?」
彼「断わる!!」
いやな予感がしたので即答で答えてしまった。
萃香「・・・・・ぶっはぁーーやっぱり昼間っから呑む酒は格別だねぇ」
物凄い酒の臭いがするどうやら瓢箪の中で水が酒に変わったらしい。
彼「どうなってンだソレ?」
萃香「あぁ、コイツはな瓢箪の中に「酒虫」っつう水を酒に変える虫を入れてただの水を酒に変えてるんだよ、」
彼「普段からそんな呑んでたんだな」
にとり「萃香さんはお酒が切れると極端に弱気になるんだよ。」
彼「アル中じゃねぇか。」
萃香「でもぶっちゃけ呑み飽きたんだよねコレ。」
彼「四六時中、呑みゃ、そら飽きるわ、、、」
萃香「はぁ、コイツの里に美味い酒、合ったっけ?」
彼「河童が作る酒か、、、高いかな?」
萃香「いや、、只だ、、」キュピーン★
彼「取ンなっ!」
萃香「あーいーから、いーから」
そしてスタスタ先に行く萃香
彼「おいっにとり、アイツ止めないとマジでやりかねねぇぞ。」
にとり「しょうがないのだよ、、萃香さんや他の鬼さん達が妖怪の山にいた時から頭が上がらないから」
彼「大変なんだな、、」
にとり「この間なんて萃香さん里で『有り酒全部持って来い!』とか言ってキュウリ酒まで全部呑んで私達の里が深刻な酒不足になったのは記憶に新しいよ、、、」
彼「うわぁ、、、、、」
萃香「おーい見えたぞー。」
どうやら着いたようだ。
にとり「これが里への入り口だよ。」
其処にはデカイ洞窟が口を開けている、
にとり「さぁどうぞ、どうぞ」
中に入った彼は驚愕する。
ネオンが色鮮やかに光り輝き機械音が響くまるで洞窟全体が機械仕掛けのようだ。
しかも、これだけの機械を使っているにも関わらず洞窟の中はひんやりとして空気も汚れていない。
外の世界とは全く違う、進んだ技術なのだろう。
にとり「フッフッフッ凄いでしょう?河童の科学は世界一なんだよ。」
彼「こんな場所が幻想郷に在るなんてな、、、、」
萃香「相変わらず面妖な里だねぇ。」
里の河童達が彼の(人間)存在に気づく
河童A「あっ人間だ!」
河童B「ゆっくりしていってね!」
河童C「いらっしゃい盟友!」
何か凄い友好的だ彼自身こんなに歓迎されるとは思わなかった。
にとり「此処に人間が来る事何てマズないからねぇ、皆人間が大好きなんだよ。」
彼「そ、そうか、、まぁそれはともかく、、、アイツは如何した物か、、、、、」
アイツとは、、、、、、、、、。
河童D「あわわわわ、鬼様!」
河童E「ひゅいっ!?」
河童F「ひぃぃぃっ、山の四天王の伊吹萃香様だぁぁぁぁ!」
萃香「・・・・・・・・・・」
コイツである
彼「何という待遇差・・・・」
萃香「チキショウッ!!!呑まなきゃやってられるかぁぁっ!!」
彼「さっきから、もう呑んでンだろうが、、、、」
萃香「うるせぇい!そんな事より酒だ!私は先に行ってるぞ!」
そう言い残すと萃香は霧状となり姿を消した。
彼「ちょっおいっ、、、たっくよ、、あのアル中鬼、、、」
にとり「きっとこの先の出口にある酒場と飯屋に行ったんだと思うよ。」
彼「ンじゃ、適当に見て回るか。」
にとり「この里は一本道だから迷う事はないから安心して見てってよ」
洞窟の中に更に両サイドに穴を掘り一階と二階に分け居住や店が所狭しと並んでいる、まるで商店街だ。
住んでる場所は原始的だが使っている機材や売っている品物、それらは現代の科学では足元にも及ばない、
ハイテクな物ばかり。
彼の河童に対する既成概念を叩き壊す、まさにカルチャーショックと言えよう。
そんな事を考えていると、、、
河童G「ねぇ、にとりー、この間のCX-65の基盤の事なんだけど、、、」
にとり「あぁ、それならもう修理して送ったよー」
河童G「本当に!?ありがとう!また宜しくねー!」
彼「CX-65?」
にとり「ふふんっ私達、機械には無茶苦茶強いんだよー、幻想郷で1番の発明家だからねっ!」
にとりのどや顔は兎も角、『河城にとり』、、、、、この名をさっき会う以前に彼はどこかで、聞いた否、、見たような気がした。
にとり「如何したの?盟友。」
彼「あぁっ、思い出したぞ!」
それは初めて彼が八雲 藍と一緒人里に買出しに行ったときの事だ
『万屋の入り口』にでかでかと「河城にとり製・追加予定」と書かれてあったのを彼は思い出した
彼「お前、武器屋だったの?」
にとり「んー確かに武器も作るけど基本なんでも作るよ?」
彼「今は何か作ってんのか?」
にとり「今は特には無いけど、、そうだっ、盟友に何か作ってあげるよ!御礼も兼ねて!」
彼「いや別に俺ぁ、、、、、、」
にとり「さぁっ!そうと決まったら色々見て回ろう、案内するよ!」
彼「人の話し聞けよ、、、」
にとり「ほらっ何してんの盟友!ボヤボヤしてると尻こだま獲られちまうよ!」
発明家には変人が多いように、にとりもまた、そうなのだろうか、口調がコロコロ変わっている。
そして尻こだま、、、今いる場所が場所だけに洒落に聞こえない
にとりと色々見て回る、しかし河童がこれほどの技術を持っている事など、外の世界では一切伝えられてはいない。
中には外の世界の電化製品を独自に分解、改造して更に使いやすくしたものまであった
外の世界の人類程ではないが少し機械に依存している傾向があるようだ。
そうこうしている内に出口が見えてきた。
どうやら飯屋は無事らしい、、、が酒場は、、、、
萃香「おーい店員ちゃーん!このナンダかよく分からン緑色の酒おかわりー」
店員河童A「ひゅいっ!?もぅお酒無くなっちゃいますよっ!」
酒場の中に客は萃香しか居なかった、他の客は皆避難したんだろう懸命な判断だ。
にとり「あぁ、、、、、悪夢再び、、、」クラ、、クラ、、、クラ
彼「にとりっ!気をしっかり持て!現実を見っ、、、、」
そんな彼らを萃香が気づく。
萃香「おーぅ!オ前ら待っレたぞー!!」
一時間も立ってないのにすっかりヘベレケだ、、、呂律が回ってない
彼「オラ、立て萃香、行くぞ店の人に迷惑だろうがっ!」
萃香をズルズル引きずって店の外へ出ようとする彼とにとり
萃香「ヤーダ!ヤーダ!もっと呑ませろぉぉぉっ」
彼「駄々子かっ!?」
すると萃香が、、
萃香「なぁ、、、」
彼「ああっ?」
萃香「私、、先に二人に謝りたいンだ、、、」
彼「な、、何だよ急に、、、、、?」
萃香が突然真面目口調で話し出す
萃香「本当にすまないな、、、」
彼「えっあぁいや、、、まぁ、、、、、、気にするな。」
にとり「はい。」
萃香「そうか、、、、、そレじャァ、、、、、出スぞ、、、、」グラッグラ
何故か萃香が揺れ始めた
彼「え?、、、出す?」
にとり「ひゅい?」
萃香「っ!、、、、ゲェロ゛ヴェ魯具下グバッゼヴェェェ!」
彼「イエア゛ァ゛ァぁァぁぁァぁァぁァぁ!?」
『出すってそういう事かよぉぉぉ!?』
にとり「ヒュッイイイイイイィィィィィィィィィィィッ!?」
『悪夢再びぃぃぃぃぃぃぃぃ!?』
河童店員A「ひぃぃぃぃぃぃぃ!?」
『これ誰が掃除するのよぉぉぉぉぉぉぉ!?』
河童店員B「うわぁぁぁぁ!?」
『やっぱり私らぁぁぁぁぁぁぁ!?』
河童店主「ぎゃあぁぁぁ!?!?」
『つーか店ン中で吐かないでヨオォォゥゥゥゥーーーーーーー!!!?』
・・・・河童清掃中・・・・
彼「ホント、ウチの連れの鬼がご迷惑お掛けして、、、、、、、申し訳御座いません!」
彼は全力で頭を下げて謝罪する
河童店主「いえいえ、よくある事ですから。」
騒動は、酒場にあった万能掃除機で事なきを得た。
酔いつぶれて眠りこけている酔いどれ鬼を背負って彼らは酒場を後にする。
里の出口付近
にとり「さて、、盟友、この先の景色がまた迫力満点だからね。」
彼「どんな?」
にとり「それは見てのお楽しみ♪」
いったいどんな風景なのだろう、、、
洞窟をでる里の中も明るかったが太陽には敵わない日の光が眼に沁みる。
眼が慣れ始めた彼の眼にその風景が映る
にとり「ご覧あれ、これが山の神々の総本山、、、『妖怪の山』!」
遠くに見えていた山、彼は今その麓(ふもと)にいる。
その山の威圧感に圧倒される。
外の世界の山には無い独特の威厳がある
八雲 藍が言うにはこの妖怪の山では天狗を中心に高度な社会を作っているらしい。
ひと昔前まではこの山を納めていたのは鬼だった、、その鬼の中でも力の規模が計り知れない四匹の鬼達がいた。
山の妖怪はその鬼たちの事を『四天王』と呼び恐れた。
しかしその鬼達もこの幻想郷から姿を消したが、影響力は未だ尚健在で、妖怪の山在住の妖怪達は未だに鬼に対して頭が上がらないらしい。
そして,今彼の背中で酔い潰れているのが、何を隠そう四天王の小さな百鬼夜行と呼ばれた 『伊吹 萃香』、その鬼である。
にとり「絶景でしょう?」
彼「あぁ、、、スゲェなこの山」
にとり「でも一人じゃ危険だから絶対に入っちゃダメだよ。」
彼「あぁ。、、、、それで、穴場って何処だ?」
にとり「すぐ其処だよ、山の湧き水が流れてるトコで凄く綺麗だよ!」
彼らは険しい獣道を突き進むそして
彼「わおっ!綺麗じゃん」
にとり「でしょう!でしょう!」
小さな湖を丸く囲む様に木々が生い茂り空を見上げると青空が円を描く
萃香「うーあー、、、ヒックっ」
彼「おい萃香、、、、こんな綺麗な場所で絶対吐くなよ、、、、」
『こいつなら、やりかねん』と彼は釘を刺す
萃香「あぁ分かってるって霊夢。小銭を萃めるんだろぅ、、、」
彼「どんな夢観てんだ?」 『ツーかレイムって誰だ、、、、。』
.
酔いどれ鬼は兎も角、釣りをすることにした。
が、、、、、
二、三匹釣った所で餌が切れるというハプニング、、コレは痛い
彼「こんな事なら餌買えば良かった、、、、」
にとり「ふふふ、、今こそ私の出番だね!」
ここぞとばかりに、にとりが立ち上がる。一体何をする気だろうか?
にとり「これぞ私の発明!、、、、、活目して見よ!のびーるアーーーーム!!」ウィーン!ガシャッキン!ガシャン!
何と、にとりの背負っていたリュックの中から五メートルはある多関節のマジックハンドが飛び出した!
あの小さなリュックにどうやって収納されていたのか、一言で纏めると『河童の科学は世界一!』だと言うこと。
彼「にとりさんや、そいつで如何する?」
にとり「これで直接、魚を、、、」
その時である
萃香「話しは聞かせてもらった!!」
酔いつぶれて地面に放置しておいた 萃香が復活した。
彼「回復早いな、、、?」
萃香「私は鬼だからな!あんなチンケな酒同ということあるか!」
にとり「ひゅい、、、キュウリ酒を馬鹿にしないで、、、、」(泣)
萃香「にとりっ!とっとと終わらすぞ!私が魚を一箇所に集めれば事は終わる!」
にとり「、、、っ!あぁ、、成る程、、」
彼「何する気だ?」
萃香「よく視てな人間これが鬼の、、、伊吹 萃香様の力だぁっ!」
『密』
右手を翳(かざ)す萃香、しかし
彼「・・・・・・別段何も、、、、」
だが何か違和感が、、、ふと水面を見ると、、、
彼「何、、、だと、、」
何と魚が団子になるぐらい集まって来た、、、妖怪の山上流からも来たのか凄い数だ
それをにとりが伸ビールアームで鷲掴みキャッチ&クーラーボックスへ
彼「何だこりゃ!?魚がヤヴァイ!てかっクーラーどっから出した!?」
にとり「こんなことも有ろうかと用意してリュックに入れたのさ!」
萃香「よーしっにとり!ドンドン獲れ!」
にとり「サッー!」
彼「・・・・・・こんなの釣りじゃねぇ、、、、」
鬼と河童の釣り(?)が終わり、、又河童の里を通ってもと来た道をもどる途中、にとりの家に寄り、
魚の血抜きと腸を出す作業に取り掛かる。
大量なので三人でやっても少してこずった。
途中、にとりが『生モノは鮮度が大事』という事でエアコンを掛けながら作業するが、
そこは、にとりが作ったエアコンまるで冷凍庫だ。
萃香「あぁ、、、何か、、、、眠くなってきたぞ、、、。」
彼「おぃぃぃ!寝るな萃香っ!寝るンじゃねぇぇぇぇぇ!」
にとり「ひゅ、、い、、、ZZzzzz」
彼「にとりぃ!?、、、、、、、でぇぇぇぇぇい!!エアコンきれよっ!!!」
などなど色々あったが何とか作業を終えた彼らはまだ時間にも余裕があるので
にとりの家で寛(くつろ)ぐ事にした。
彼「じゃあ、萃香は『密と疎を操る程度の能力』を使って魚を一箇所に萃めたと。」
萃香「あぁ、そぉさ、私に萃められないモノは無い」
彼「お前らスゲーな、そんな力持ってて、、。」
萃香「そう言うお前だって、、、紫から聞いてるぞ白玉楼で鍛えて来たらしいじゃないか?」
彼「お前ら程強くはなってないよ。」
すると、にとりが、、、
にとり「そうか盟友は剣士さんなんだね。」
彼「いや剣士なんて程のモンじゃ無い、、、、、、」
にとり「よし、盟友!手のひらの大きさと腕の長さ測らせてっ」
彼「如何して?」
にとり「いい武器作ってあげるよ!」
彼「えっ?マジ、、?」
にとり「約束したでしょう?待っててすぐ出来るから。」
そう言うとにとりは、工具箱から大量の工具を取り出し作業に掛かる。
ワクワクしている彼を他所に面白くなさげな萃香がポツリと一言漏らした
萃香「得物(えもの)を持たなきゃいけないとは、、人間てのは不便だネェ、、」
彼「俺だってお前みたいに素手で闘える程の力が欲しいよ、、、」
すると萃香が頬杖(ほおづえ)を付き酒の入った瓢箪を見つめながら彼に問いかける。
萃香「力か、、、強くなって如何すんだい、お前?」
彼「強いに越した事無いだろう?」
萃香「まぁ当たり障りの無い答えだな、、、、だがそれじゃあダメだな、、、、。」
彼「、、、、、?、、、如何いう意味だ?」
萃香「なら解り易く言ってやるよ、人間は弱く脆(もろ)いすぐに傷つき、すぐに死ぬ。だから人は力を求める、、、
此処までは良い、、問題は此処からだ、、、。力を得た人間は力に飲まれる、力が強大であればある程、、、私はそんな人間達を何人も見て来た。」
何時もの萃香では無い真剣な面持ちで語る。
萃香「アンタは『力を支配する側、、、力に支配される側』どっちだろうねぇ?」
彼「・・・・・」
にとり「出けたぞぅエーあ゛っ」 ドサッ
全力で作業に取り掛かかっていた、にとりが作成し終えたようだ。
そして乱雑している工具や部品の中央に其れが有った。
幅広が広く、肉厚でがっしりとした作りのマチェットの様な剣だ
その剣身は、ダークグレーに輝き異常な見た目の重さを感じるが驚くほど軽量化されている。
また、重量を犠牲にした際の攻撃力低下を補うため、中央のくびれた独特の形状は、ククリナイフの様な高い殺傷力を実現させている、
そして人間工学に基づき 設計されたグリップ部分は溝付のラバーグリップになっおり、汗で滑ることは無い。
まさに至れり尽くせりの『にとりの』近接特化型戦闘剣と言えよう。 Twilight【トワイライト】と刻印が彫られている
彼「凄いぞ、、、、にとり!」
にとり「ふっふっふっ」グッ
仰向けで倒れている、にとりが親指を立てる
その後、武器の説明と萃香の小言やら漫才やらで
すっかり遅くなってしまった。 萃香の提案で森を抜けるのは危険なので迂回して帰ることにした
その道中、萃香がポツリと漏らす。
萃香「さっきは、その、、、、すまなかったね、説教臭くなって、、、、、」
先ほどの会話で気まずくなったのを察したのか萃香が詫(わ)びる
彼「萃香、、、?」
萃香から昼間の覇気を感じられないどこか寂しげで、何かを恐れている様だった。
すると萃香は歩みを止めた。
彼「如何し、、た?」
その時まで彼は鬼があんな悲しそうな表情をするとは思っていなかった
そして 萃香は語りだす。
萃香「大昔こんな奴がいた、、、」
・
・
・
・
萃香が語ったのは、力に魅入った哀れな男の話だった。
その男は無慈悲に、自分に刃を向けた妖怪は勿論、人間をも容赦なく殺した。
時には自分に歯向かった者、三人を殺すのに男はその三人を匿った村人全員を皆殺しにした事もあったという
そして人間では物足りなくなったのか、男は鬼の首を狙い始めた。
萃香の飲み仲間の鬼達も何匹か殺されたらしい。
彼「ちょっとまて、、そいつ人間だろう?鬼がそう簡単に人間に殺れるか?」
萃香は眉間に皺をよせ真顔で彼に言った。
萃香「いや、『人』、じゃない、、、、あれは、、、、。」
何百もの人と人外の血を浴び続けた男は生きながらに鬼と化していた。
その殺しと、血に飢えた異例の鬼人を唯の鬼に、対抗出来る術が無かったのだ。
しかし『眼には眼を、、、異例には異例を』萃香を含めた鬼の四天王達の力で辛くもその鬼人を倒した。
そして鬼達はまた、、、人間の隠された恐ろしい可能性を知った、、、、、、。
・
・
・
・
・
萃香「私は、お前にそうなってほしく無いんだ。」
彼もまたその男のように力に飲まれないかと心配なのだろう。
萃香「そうだっ!そんなに力が欲しいのなら私が『お前の力』になれば良いんじゃないか!」
彼「萃香、、、、、。」
萃香「そうすれば、、、、そうすれば、お前も力に飲まれる事も無い!万事解決じゃないか!ハハッ、、、ハハハッ、、、、、」
彼「萃香、、、、もう、、、、、、、良いから、、、、」
彼は萃香の頭を優しく撫でた
彼「萃香、、、、俺にとっての力、、、、、、強さは可能性なんだ、、。俺の選択肢は何時も一つだったんだ。
外にいた頃、唯一選べた事といえばこの世界に来るか来ないか、、、、」
力の無いものは選択の機会すら与えられない、何もかも奪われ、そして独りになる、、、、故にいつしか彼は力を求める様になった。
心無い、、悲想(おもわない)世界こそが外の世界の真理なのだから。
震えた声で萃香は言う。
萃香「それでも、もしそうなったら私は、、、」
彼「まぁ、、そんなん成ったら、成ったで、そん時ゃ、、、、ソイツみたいに俺を殺してくれや、、、、。」
萃香「・・・・・・・ッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
彼のこの軽口が萃香の逆鱗に触れた
萃香「・・・・・・・ッ!!」ガシィッ
萃香が彼の胸倉を思いっきり掴む
彼「え、、?ちょっ、、うぁっ、!」ドシャッ!
萃香は胸倉を掴んだまま彼を地面に引きずり倒し馬乗りになった
さすがに痛かったので彼は声を荒げる
彼「ッ!痛ってーなっ!!ンだよってめぇ!?」
馬乗りになっている萃香が大声で彼を一喝する。
萃香「馬鹿野郎っ!!!、、、、、、、、、友達を殺せるかっ!!!!」
彼「っ、!!?」
萃香「私は、、、、鬼の中でも異端な存在で『はぐれ者』と言われ、、、いつも一人だった。
だから、、密と疎を操って人間を集めては酒呑んではしゃいだ頃も会ったさ。
でもそれは人間達の意思じゃない、いずれは、皆霧の様に消えて居なくなってしまう。
天狗や河童は私や鬼の力を恐れて付いて来てただけだった。
霊夢や魔理沙に至っては人間だが、力があるから私を恐れていない、、、」
『香霖堂』での『アリス』とのやり取りの時もそうだった。これはきっと彼の想い上がりではない、、、、、
萃香「お前だけなんだ、、、、力が無くても私を、、鬼を恐れずこうして、一緒に笑って、泣いて、喧嘩して、居なくならないのは、、、」
ポタポタと雨が降ってきた、、、、しかしその雨は彼の顔の上にしか降らない。
萃香「そんな、、、お前を、、殺せる訳無いだろうっ!!!」
彼女も、萃香も、、、、いつも独りだった、、、、彼はそれを、、、心に沁みて理解できた。
彼「萃香、、、、ゴメンな、、軽口が過ぎた。」
彼は起き上がり涙を拭ってやる
彼「萃香、俺は間違ったりしない、、、。」
萃香「何でそう言いきれるのさ、、、、。」
彼「お前が俺を止めるからだ、、、萃香」
萃香「・・・・・・・・?」
彼「お前は俺に言った、、『私がお前の力になれば良い』って、だから、俺のそばに居て、、もし俺がそうなった時はお前が俺の力になって俺を止てくれ、、、、」
萃香「・・・・・・・・」
萃香は涙で滲(にじ)ませた眼を見開いてキョトンとしている
彼「鬼は嘘が嫌いなんだろ?」
萃香「ぷっ、、くっ、、、、はははは!、そんな事、言われたら断われないじゃないか。」
彼「ホントの事だろ?」
すると萃香は呆れ顔で
萃香「全く、、、鬼の揚げ足とった挙句に、鬼に頼み事とは、お前本当に人間か?」
彼「相変わらず鬼鬼鬼鬼と、、種族アピール好きだな?お前、、、」
萃香「何だよー。鬼の私とヤローってのか?もう盾になる天狗は居ないぞ!」
彼「上等だよっ今度畳にめり込むのはお前だっ伊吹萃香!」
萃香「畳ねぇ?、、、天井にめり込ませてやるよ!」
彼「ぶっ、、、ぐっ、、て、、天井てっ、、、、」
彼・萃香「・・・・くっ、、、ふっ、、、、、」
彼・萃香「ぶっはっははははははは!!」
一気に笑が込み上げた。
彼「あー、たっく、さぁ帰ろうぜっ、もう夜だ。」
萃香「あっ、、ちょっと待て。」
彼「何だよ?まだ何かあんのか?」
萃香「天狗は居ないって言ったよな、、、」
彼「あ?」
そう言うと萃香は又霧となって姿を消した。
彼「ちょっ、、おい!?」
ガサッガサガサッガサッ
すると萃香は近くの背の高いヤブの中から帰ってきた。
萃香「天狗居たわ、、、」
萃香に片足を持たれて宙ぶらりんの天狗を手土産にして、、、、、、。
彼「お、お前はっ!『ウゼェ丸 文』!?」
射命丸 あや「・・・・・・・・・『射命丸あや』です、先日はどうも、、、」
彼「つーか何でアンタこんなトコに居んだよ?」
射命丸「えー、、とりあえず萃香さん?」
萃香「なんだ?」
射命丸「降ろしては頂けないでしょうか、『清く正しい』私しが殿方の前でこんなハシタナイ格好は如何な物かと、、、」
それもそのはず、逆さになっているのでスカートがえらいことになっている。
射命丸「ジ~」
彼を凝視する射命丸。
彼「なっ何だよ?」
射命丸「そんなにマジマジと視つめないで下ださい、、私、『清く正しい射命丸あや』本日、勝負下着では御座いませっ、、、、、」
彼「萃香、、、、殺れっ、、、」 、、、、、、
シュビッっと彼は親指を下に向ける。
萃香「喜んで殺ってやるうぅぅぅぅぅ!」
射命丸「うぁあ!?ちょっと待って下さい!あぁぁぁぁぁぁぁ!?」
ボコッ! バキッ! ドゴンッ!バシッ!ズドンッ!ドッグォンッ!
グチャッ、、、、、、ゴリッゴリッゴリッゴリッゴリッ!!
ドゥゥゥゥゥゥン、、、、、、、、ピチューンッ!
正直此処までやるとは思わなかった。有る意味、描写してはいけない域まで達している。
途中、萃香の能力なのか、周りの岩をゴリゴリと萃(あつ)めて『射命丸』に向けて投げつけていた。
又もや『射命丸』は本格的に息を引き取りそうだ。
萃香「今のは私の友をおちょくって気分を害させたからだ、、、」
射命丸「ズビマ゛ゼンっ、、、ゲヴハァアッ!反省しております。今後このような事態にならないように厳守致します!」
萃香「まぁ良いだろう。、、、、、じゃあ、次は私の番だ、、、」
射命丸「ハァァァァアッ!!??」ゴビーン!!
萃香「当たり前だろう?あんなでたらめな記事のせやがって、、お前、覚悟はできてるな、、、。」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!
射命丸「あやややややややややっ!」(泣)
彼「・・・・・」『あかん、、、、これ、、、、あかんヤツやわぁ、、、。』
・
・
・
・
身から出た錆びとは言え、あまりに可哀想なので彼は止めました。
彼「ンで如何して此処に?」
射命丸「いやー、偶々通りかかったらお二人を見かけまして。本当に偶々」
彼「まぁ良いや暗いから気をつけて帰れよ、、。」
射命丸「あやーっ、お優しい御言葉、御馳走様です!それじゃあ、私はコレで、、、、」
その時、萃香の足元に一枚の写真が落ちている。
さっきの騒ぎで落としたのだろうか、、、見てみると、、、、
魚が涙目になる様な萃香とにとりの反則釣り殺法が写っている、、
彼「萃香、コレ見ろよ、、、」
射命丸「ハッ!?それは、、、、。」
萃香「何だ?、、、、ほう、、、」
射命丸「・・・・・・。」ダラダラダラダラ(汗)
萃香「射命丸よ、、、試しにいつから居たか言ってみろ、、」
射命丸「あのーその写真には何が写っていっ、、、」
萃香「いつからか言えっ!!!」
射命丸「萃香さんがスキマ妖怪のスキマから落ちて尻餅を付いた時から、、、」
萃香・彼「最っ!初っ!からじゃねぇえかっ!!!!!」
ドゴォォォォンッ!!!!
射命丸「、、、ですっ、ヘボンッ!?」ドサァッ! ピチューン!
どこぞの残虐超人も真っ青な萃香の顔面ラリアットと彼の振り抜き式掌底が前頭部と後頭部に同時に炸裂
射命丸は引っ繰り返った。
そして射命丸の持ち物を萃香が確認すると、今日撮った写真が大量に出て来た。
彼の河への顔面ダイブ、、酒場での萃香の横暴と醜態、、、事細かく写真に収められている。
彼「ええぇぇ?何コレ?恐えぇぇぇ、、ストーカー天狗、恐ぇぇぇぇ!」 ガタガタガタガタッ、、、、
萃香「・・射命丸よ、流石の私もコレにはドン引きだわ。」
彼「、、、、、退治した方がいいのかな?」
萃香「うーん」
射命丸「ちょっと御待ち下さいっ!!」ガバッ
射命丸が復活した妖怪というのは回復が早いらしい
射命丸「それは全部資料ですよ!」
萃香「本当か?」
射命丸「本当ですよ。『清く正しい』私はこの一枚しか使いません!」
そう言うと射命丸が赤い山伏風の帽子から取り出した、一枚の写真
さっきの萃香が彼に馬乗りになって見つめ合っているように見える写真だ。
彼「射命丸さんよ、、その写真をどう掲載する気で?」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
射命丸「あやーっ私としては、前回の記事の続きを書きたかったので、、、」
萃香「んで、、見出しは如何する気かねぇ?」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
射命丸「そりゃもうお二人の愛が溢れる記事内容にしょうかと、、、」
また捏造しようとしている、如何しようもないマスゴミ野郎だということが彼にも理解できた。
彼と萃香は無言で臨戦態勢をとった。
只ならぬ殺気を感じ取った『射命丸』は、、、
射命丸「むぉ!?しかし、、私だって簡単には殺られませんよっ!鬼と人間のこんな『美味しくなるネタ』をみすみす見逃せますかっ!!」
葉団扇を取り出し構える射命丸。
萃香「てめぇの『死亡記事』でも載せやがれ!!」
彼「スマン、『生かして返す訳』にはいかん、、、」
満点の星空の下一枚の写真を巡って、かつて無い死闘が繰り広げられようとしていた。
彼・萃香・射命丸「うおぉぉぉぉ!!!!!」
三者が激突しようとしたその時、、
ヴォォォン!!
紫「いい加減っ早く帰ってきなさいっ!!!!!!!」
突然、八雲紫が彼らの間に割って入るように現れ、驚いた萃香と彼の真下に隙間が出現し、落とし穴のように落ちてゆく。
彼「げっ、、!紫さ、、うわぁ!」ストンッ
萃香「おっ、、おわっ!」ストンッ
射命丸「・・・・・・・・では私はこれで、、、、、」
紫「貴女もよ、、、」
射命丸「あややややっ!」バックン!
スキマに落とされた彼らは『迷い家』に着いていた。
藍「あぁ、おかえり。」
橙「おかえりなさーい!」
そして、、、
紫「全く貴方達は魚を獲って来るぐらいで、如何してこんなに、時間が掛かるのかしら?」
紫に正座させられて、三人は説教を食らっていた
彼「それは、、、その色々あってっ、、、なぁ、、?。」
彼は萃香の方を見る。
萃香「あぁ、魚が居なかったり色々あったんだよ、、、」
射命丸「えぇ、それは、それはもぅ、、河童の里でお酒呑んで吐いたり、武器を作ったり、気だるい漫才をしたり、
取っ組み合いをしたり、『清く正しい』天狗をイジメたり」
萃香・彼「うぉいっ!?」
射命丸「おぉ、、恐い恐い、、、。」
紫「まぁ良いわ、河童のおかげで沢山、魚が取れたのでしょう?」
彼「えっ?」
紫「あら、『何で知ってる?』って顔ね、、当然一部始終見てたからよ。」
影で見ていたのは『射命丸』だけでは無かったのだ、、、。
彼「んなっ!?じゃあ出て来て、手伝ったってバチ当んないでしょう!?」
紫「あら、ダメよそれじゃ、、」
彼「如何して?」
紫「よく考えなさい貴方達三人を観察していたのがそこの天狗。
そしてその天狗をも含めて観察していたのが私、、、。」
彼・萃香・射命丸「うん、、、」
紫「プッフフッ、、何この構図っ!凄く面白いじゃないっ!?」
彼・萃香・射命丸「・・・・・・・・・・・・・」『え???』
藍「すまないな、紫様の笑いのツボは何時もこうなんだ、、、、」
紫さんの機嫌も直ったので、獲ってきた魚をみんなで調理することにした。
今夜の食卓には豪勢に河魚尽くしだ。
しかし、河魚がこれほど美味い物だろうか、歩き倒して空腹も有ってか箸が止まらない。
橙「藍様、このイワナの塩焼き美味しいですよ。」パシャッ
藍「そうかい橙、まだまだ沢山あるから、いっぱい食べなさい。」パシャッ
会話も栄える
萃香「この鮎も、旨っめぇ!鯉の甘露煮も酒に合うねぇ。」パシャッ
萃香もご満悦だ、、、
彼「所で、、」パシャッ
射命丸「あっ、すいません醤油とって頂けませんか?」
カメラのシャッターを切りながら飯を食う射命丸が彼の目の前に有る醤油を指す。
彼「何でお前まだ居るんだよ?あれだけ写真撮ったらもう良いだろう。」
射命丸「何を仰ってるんですか。種族が違えど食卓を囲み、、皆で談笑する。これぞ幻想郷の在るべき姿、、そう思いませんか?」 どやぁ、、、、
心にも無い事、いけしゃーしゃーとこの天狗は、、、、。
彼「何『良い事言ったっ!!』みたいな面してンだよっ。」
射命丸「おぉ、、どや顔、どや顔、、、、。」
彼「ぬ゛ぅ、、、、ハァ、、、、まぁ、、いいけどよ、もぅ、、、」
この天狗と話すと少し疲れる。
射命丸「所で、、醤油とって頂けませんかねぇ。」
彼「ホラよっ」
射命丸「あやー、有難う御座います。」
彼「鰍(かじか)は小骨多いから、気ぃ付けて食えよ、、、。」
射命丸「あやややっ、これは又お優しい御言葉を有難う御座います、、、
口は悪いですが『愛と優しさ』に溢れる方ですネェ、、、よっ!『二代目、幻想ジゴロ』っ!!」
彼「おめぇ、本気でぶっ飛ばすぞ、、、」
橙「藍様、『じごろ』って何ですか?」
藍「橙は知らなくていいんだよー」
こうして夜が更けていき、結局夕飯の後、、酒と摘まみで宴会になっていた。
気が付くと、にとりや白玉楼・永遠亭の面子、、そして寺子屋を営んでいる『上白沢 慧音』、
そして永遠亭のある迷いの竹林で道案内兼ボディガードをしている。『藤原 妹紅』
らが宴会に参加していた。
自然に集まったのか萃香の能力で萃めたのか、、定かではないが賑やかになった。
そういえば、、、、萃香の姿が見えない。
彼は席を立ち廊下に出た、、すると其処には
廊下の縁側に座り月見酒にほろ酔う萃香がいた。
彼「よぅ、寂しんぼっ」
萃香「ああ、お前か、、、、。」
彼「お前の好きな宴会だぜ?混ざんないのか?」
萃香「いやなに、、、宴会の賑やかな声を遠巻に聞いて、、、お月さんを肴にしてたのさ、、」
彼「そうか、、じゃあ気ぃ向いたら来な、ごゆっくり。」
萃香「なぁ、、、」
戻ろうとする彼を萃香が呼び止める。
彼「んっ?」
萃香「コーリン堂で、アリスが言った事覚えてるか?」
彼「?、、あぁ、、。」
萃香「お前は本当に、妖怪、、、、、鬼が恐くないのか?」
深いため息をついた彼は萃香に背を向けたまま背中越しに回答した
彼「まぁ、恐い、恐くないで言えば、、、、恐いかもな、、、」
萃香「そう、、、だよな、、、、、。」
彼「でも-----
----鬼が恐いんであって、萃香が恐いわけじゃないだろう?」
萃香「・・・・・・・・・・・。」
蚊の鳴くような萃香の小さな声が聞こえた。
振り返ると萃香は前を向き瓢箪を両手で持ち俯いていた。
そしてそのまま、彼は宴会の席に戻り、、また萃香の元に戻る、、、
彼「隣り、、良いか?」
萃香「?」
彼は酒を注いだコップを片手に萃香の隣に座る。
萃香「お前、酒、、、大丈夫なのか、、?」
彼「今日は特別だ、、」
そういって彼は酒の入ったコップを萃香に向ける。
萃香「、、、、?」
彼「俺は萃香の前から居なくなったりしない、、、一生、死ぬまでお前のダチ(親友)で居てやる。」
萃香「、、、、。」
萃香も笑顔で瓢箪を彼のコップに近づける。
彼「これから、ヨロシクな萃香っ!」
萃香「、、、応っ!!よろしくだ!」
大きな月の下、乾杯と共に萃香の涙が頬を伝い零れた、、、
その乾杯の音色はまるで、今までの人間と鬼の凄惨な歴史を無かった事にする様な、、、
そんな音色だったという。
パシャッ!
射命丸「あややややっ女性を泣かすとは中々どうて罪な男ですねぇ。しかし、、、
元とはいへ、山の、、、鬼の四天王の、あの伊吹萃香氏が、一人の人間に此処まで固執するとは、、、
あの外来人、、何者なんでしょうかねぇ?」
?「こんな所で寝転んでいると風を拗らすぞ?」
射命丸「あやッ!?、、、あぁ脅かさないで下さいよ『上白沢』さん」
上白沢 慧音「又、隠し撮りか?文屋の、、、、。」
射命丸『清く正しい幻想文屋』であるこの私が?、、とんでもない。でも見てください、良い2ショットですよ。」
慧音「そうだな人と鬼の歴史は私もよく知っている。私の歴史の中でもこんな光景は極稀だ。」
射命丸「萃香さん、、あんな表情も出来る方だったのですねぇ。」
慧音「この歴史は、、、、大切にしないとな。」
射命丸「そうですねぇ、、、、、、。」パシャッ 『萃香さん、、、、私し射命丸あやは、貴女を何百年も前から知っておりますが
貴女の口から『月並み』では有りますが、その様な重みのある御言葉を聴けるとは、、思いも寄りませんでした。
蚊の鳴くような小さな声でしたが鴉天狗の中でも一等地獄耳であるこの射命丸 文、そして
外来人の殿方もきっと受け取った事でしょう。貴女の精一杯の心を込めた感謝の言葉、、、そうっ!
『ありがとう』を!!』パシャッ!
射命丸 文が撮った写真が後に『文々。新聞』に掲載された。
其処に大きく写っていたのは、人間と鬼の血なまぐさい抗争の過去とは無縁の
美しい月夜に照らされた、、鬼と人間が縁側で酒を飲み交わし、談笑する安らぎに満ちた後ろ姿だった。
登場人物紹介
藤原妹紅
ふじわらのもこう
二つ名
・ 蓬莱の人の形
・ 紅の自警隊
能力
老いる事も死ぬ事も無い程度の能力
要は不老不死。
容姿
白銀ないし白髪のロングヘアーに深紅の瞳を持つ。
銀髪には白地に赤の入った大きなリボンが一つと、毛先に小さなリボンを複数つけている。
上は白のカッターシャツで、下は赤いもんぺのようなズボンをサスペンダーで吊っており、その各所には護符が貼られている。
ポケットに手を入れていたり、猫背など不良のようなポーズを取る事が多い。
性格
男勝りに気が強く、少々やさぐれており執念深い。
容姿と同じく不良のような印象を受ける。
また不老不死の境遇から自嘲的になり、わざと暖を取らない等の自虐的な行動も目立つ。
だが根は親切でいい奴、竹林で護衛を買って出たりと、親切で面倒見がよいところもある。
ちなみに自分で料理したり漬物を漬けたり、干し柿を作るなど結構家庭的なところがある。
ただし食材は不死にかまけて選んでいるため、たまに有毒だったりとすごいものまで混じっている。
また誘惑などに弱く、物などで釣られることもしばしば。
上白沢慧音
かみしらさわけいね
種族
ワーハクタクと呼ばれる半獣人。狼人間(ワーウルフ)の白沢版だと思えばいい。
性格
面倒見がよく、生真面目で他人を放っておけない性質。
大事なもの(人間など)のためなら命も張る熱血娘である。
容姿
腰まで届こうかというまで長い、青のメッシュが入った銀髪。
頭には頂に赤いリボンをつけ、赤い文字のような模様が描かれた青い帽子を乗せている。
この帽子は六面体と三角錐の間に板を挟んだような形。
衣服は胸元が大きく開き、上下が一体になっている青い服。
袖は短く白。襟は半円をいくつか組み合わせ、それを白が縁取っている。胸元に赤いリボンをつけている。
下半身のスカート部分には幾重にも重なった白のレースがついている。長い。
能力
・歴史を食べる(隠す)程度の能力 (人間時)
・歴史を創る程度の能力 (白沢時)
第十章:招かれざる来訪者
四日連続宴会の次の日の朝、、彼は初めて無事だった。
彼「ああぁ、、目覚めの良い朝って最高だよなっ!チキショウめっ、、、、」
萃香「もう昼前だけどな。」
茶の間にいる萃香が突っ込む
ふと、ちゃぶ台の上に新聞が置いてある事に気付く
恐る恐る見ると、、、内容は
文々。新聞『外の世界から愛と平和の使者か?鬼と人間の友情物語、更なる平和への一歩!』
彼「アイツにしてはまともな記事だな、、、チョイっ照れくさいが、、、」
萃香「普段からこうなら良いんだけどな」
彼「天狗も捨てたモンじゃないな、、」
スパッーンッ!
行き成り勢いよく障子が開く
射命丸「『伝統の幻想文屋!射命丸文っ』御呼びと有らば即参上っ!!」
彼「お帰りください。」
射命丸「おぉ、、、ヒドイ、、ヒドイ、、、。」
彼「地獄耳なのか、潜んでたのかどっちにしてもコエーな、、、」
射命丸「あやや、、お一人ですか?」
萃香がいつの間にか消えている。
彼「紫さんは爆睡中、橙は永遠亭へ遊びに、藍さんは人里へ、、」
射命丸「ホホウと言う事は、お一人という訳ですね、、、。」ニヤリ
彼「又何か企んでるな、、」
射命丸「あやや、、とんでも無い、、、誰にも邪魔されず取材が出来ると思っただけですよ、、、」キュピーン
彼「、、、、萃香、、客だ、持成してやれ」
萃香「証拠にも無く、又強引に取材かい天狗?」ズウゥアァ、、、、
霧となって隠れていた萃香が姿を現す
射命丸「ゲェッ!?萃香さん未だいらっしゃったんですか!?」
萃香「何処にどれだけ長く居ようが私の勝手だろ、、、?それより『ゲェッ』って何だ?」
射命丸「あっ!私、射命丸あや急用を思い出したのでこれにて失礼致しますっ!ではっ!!」シュバンッ!!!キィーーーーーーーーーーーーン
萃香「あっコラ待てっ!」ドッパンッ!ドドドドドドドドッ!!
神風の様なスピードで遥か彼方へ飛んで逃げた射命丸を文字道理、鬼の様な速度で追いかけていった萃香、、。
彼「ヤレヤレだゼっ、、、、とっ」
彼は茶の間で横になり二度寝し始めた。
数時間後、、、、、
誰かの声で眼が覚める
藍「ちぇぇぇぇぇん!」
彼「藍さん、、?」
彼は起き上がり玄関へと向かい家の外に出る
彼「藍さん?」
藍「っ!?丁度よかった!お前、橙を見なかったか!?」
彼「いや、、、家には居ないと思うけど、、、」
藍「未だ帰ってきてないのか!?」
彼「未だ夕刻まで時間あるじぁないっスか、、、永遠亭に遊びに行ったんでしょう?それなら、、、、」
藍「違う!橙が借りてた本を『てゐ』に返しに行っただけだっ!すぐに戻って来ないとおかしい!」
『藍さんの親馬鹿っぷりも酷いな、、、』と彼は感じた。
彼「じゃあ、迷いの竹林まで迎えに行きましょう。」
藍「えっ、、お前も一緒に捜してくれるのか?」
彼「勿論っ、、でも俺、飛べないんで道中運んで下さいね。」
藍「あぁ、分かった、、、。」
彼「じゃあ、準備してきます、、」
藍「すまないな、、、」
彼は【トワイライト】を携え藍と共に広大な迷いの竹林へと降り立つ
そして彼らは二手に別れ捜索を開始する
しかし、、
それが後に彼の身に取り返しの付かない災悪が降りかかる事等、、
その時の彼には知る由も無かった、、、。
迷いの竹林内・・・・・・
彼「あれ?此処さっき通ったような、、、。」
ガサガサッバサァッ!!
彼「っ!?むごっ!!」
行き成り背後から口を塞がれ彼は藪の中へ引きずり込まれた。
彼「ぶぁ!誰だっ!?てめぇっ殺のかコラァ!!」
橙「しーーーーーーー。」
彼「あっ、、ちぇん?」
彼は橙を発見した。、、しかし様子が変だ。酷く怯えている。
橙「静かにして、、、見つかっちゃう、、、、。」
ガサガサと藪の外から音がする。
彼「『かくれんぼ』でもしてんのか?」
彼は藪の中から様子を見た
ズズズッズッズズズズ
?「ア゛ァア゛ア゛ッア゛ア゛ァァァァア゛ア゛ァァァァ、、、、、」
彼「、、っ!?」
彼が眼にした者は爛れて水泡の様な物が体中に見受けられた、苦痛の表情を浮かべた乱れ髪の女性、、、
しかしその半身は蛇のように長くうねり、二本の両腕はあたかも腕の骨が先鋭化したかのような巨大な爪
おぞましく、膿みと、腐敗臭をまとったそれが、彼の目の前をと重い唸り声を上げズルズルと半身をうねらせながら、
ゆっくり横切っていった。
彼「うっ、、、、、、何だよ、、、アレ、、、。」
それを直視した瞬間、最大級の畏怖を感じた彼の鼓動は高鳴った。
橙「分かんないよ、、、行き成り襲われて、、、」
橙をよく見ると所々切傷を負っている。
この竹林で迷っていた所を奴に襲われ逃げ回っていたらしい。
彼「いいか橙、藍さんも近くに居るが闇雲に逃げても藍さんと会う前に奴に見つかる、、永遠亭の方角判るか、、?」
橙「大体は、、、、」
彼「よし、、、静かに行くぞ、、、、。」
正しくこれは命がけの『かくれんぼ』だ、、、、。
二人は藪を出て周囲を警戒しながら永遠亭を目指す、、
橙「ゴメンなさい、、、藍様や、、外来さんを、、こんな危ない事に巻、、、込んで、。」グスッグス
彼「泣くなよ橙、、怒ってねぇから、、間に合ってよかったぜ、」
橙「私がぁっ、、もっ、もっと、、強かったら、、ヒッグッ、。」
橙は妖獣界最強とも謳われる八雲 藍の式故に自分の力の無さ不甲斐無さが許せないのだろう、、、。
嫌な湿ったぬるい風が吹く、、その風に煽られ竹林中の竹がザワザワと揺れる、、、
、、、、が、何か妙な違和感を彼は感じ取る。
不自然に纏まった竹が五本微動だにしていない。
彼は即座に目線をその竹の上部に向ける、、、
そこには、物干し竿の様な長い足(尾)を竹の幹に巻きつけ、長い髪を地に向け、逆さから生気のない白濁とした眼でこちらを凝視している人の形をしているが似つかない、名状しがたい『それ』が居た、、、、、、
その禍々しい風貌に背筋が凍り付く
彼「橙っ!逃っ、、、、。」
バサガサバサバサっ!
?「ア゛ア゛ア゛アァァァァァァァ!」
彼が叫ぶよりも早く、ソレは鼓膜を抉る断末魔のような奇声を上げ地に飛び降り、鞭のように尾を横薙ぎに払い二人を弾き飛ばす
錐揉みしながら竹にブチ当たり、地面に叩き付けられた彼は軽い脳震盪を起こした。
橙「助けて、、だれか、、、、、、藍、、、、様、、」
また、橙が狙われている、体が言う事を聞かない、、、その時、、さっきの衝撃で剣が鞘から飛び出て、
剥き出しの状態で自分の目の前に落ちているのが、、うつ伏せで倒れている彼の視界に入った。
彼「・・・・・・・・」『橙、、、すまない、、、俺は所詮、、、、』
彼は恐怖で倒れたまま体が思うように動かない。
橙「紫様、、、藍、、様、、、外来さん、、、ゴメンなさい、、、、」
彼「、、、、、、所詮は、何だよ、、、この、、、、、ヘタレが、、、、っ」
彼は歯を食いしばり、恐怖を押し殺し震える手で剣を握り締め立ち上がる
彼「護んなきゃ駄目なんだよ、、、、、」 ギリッ、、、
・
・
・
橙「助けて!!」
彼「おぉぉぉぉぉぉうらぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」『この子だけでもっ!』
ズシュッ、、、、、ブシュァァァッ!!
?「ギャアァァァ!?」
化物の横っ腹を一閃、聞くだけで気が振れそうになる様な断末魔を上げ、横転して転げ回る化け物、その血は泥のような異臭を放ち、、、、彼は夥しい返り血を浴びて、少し口に入ってしまう。
彼「橙!早く行け!!こいつは、、俺が殺るっ!」
橙「でも、、、、そんな、、、」
彼「早く行けっ!!」
橙「っ!!」
橙は悔いる様に永遠亭に向かって走って行った。
化け物「グゥゥゥゥゥフゥゥゥゥ!」ズズズッズズズズ
彼「ハァッ、ハァッ、上等だよクソッたれ、、、、、クッ、グゥッ、クソッ、、、クソッたれ!!」
化け物「ア゛ア゛ア゛ァァァァアアアア!!!」
彼「とことん殺ったらあぁぁぁぁっ!!」
恐怖を大声で殺し彼はそれと対峙する。
ギィン、、、、、、ドバァ、バシュ、ズシュ、ザシュッ、、、、、、、
彼が未だ経験した事の無い本当の殺し合い、、、悪夢の様な時間が恐ろしく永く、、、、永く感じられた。
双方から流れる夥しい鮮血が飛び散り、辺りを紅く染め上げてゆく。
そして、、、決着に近づく、、、。
ヒュンッヒュンッヒュンッ、、、ザシュッ!、、、
ドチャッ、、、、!!
とうとう彼は剣を弾き飛ばされた。
彼の眼にはボタボタと血を滴らせ、剣を握り締めている自分の腕が遠くに見える。
眼前の光景が彼には別の世界の出来事のように感じられた、、、、
痛覚も、そして現実感も麻痺して思わず笑ってしまいそうになる。
大量の出血で朦朧とする彼は、化け物の眼前で自分と化け物の血に塗れて立ち尽くしその惨状を眼に映す。
ズブゥッ!
彼「ぎッ、、、、ヴォ、、ゲ、、ァッ、、、!」
化け物の振り下ろした爪が左肩を通して肺に達した
肺に大量の血が流れ込み息ができない、血がこみ上げ顔中の穴から血が吹き出た。
彼は化け物の爪が刺さったままその場に力無く崩れる様に膝をつき座り込んだ
化け物が爪を少し前に倒したので、彼の首はガクッと上に向き、空を見上げる形になった。
緋の色をした夕刻、高く聳える竹林が風に靡く度に血の臭いが風に乗って周囲に流れてゆく、、、
これがきっと、彼が見る最後の風景なのだろう。
だが、その時の彼には後悔も恐怖も無かった。
彼「・・・・・」 『これだけ、、時間を稼げば、もう良いだろう、、、、』
化け物「ギチギチギキチキキヂヂッ」
彼「・・・」 『後は、、あいつが逃げ切ってくれれば、、、、、、』
化け物「ギッガガッガガガッ」
彼「・・」 『俺は、、、、、、それで、、、、、。』
彼の瞳からゆっくりと光が失われてゆく。
化け物「ギィ゛ィ゛ィィ゛ィ゛ィ゛ィィ゛ィア゛ッ!」ヴォンッ!
ガッ、、、、、、、!!
化け物の爪は彼の喉元、紙一重で止まっていた。
そこには彼の霞んだ目の前で爪を素手で塞き止め化け物と対峙している、、
今となっては懐かしさすら感じる九尾が其処に居た。
そして彼の意識はそこで途切れた。
化け物「ギィィィィィィア゛ァァァァァァァっ!」
藍「やれっ!!! 妹紅っ!!!!」
ドスゥゥッ!
化け物の死角から妹紅の真っ赤に燃えた左手を醜悪な腹部へと突き刺す。
妹紅「消し飛べっ!!」
ボォオォアァァァァッ!スゥゥゥゥ、、、、チリ、、、チリ、、、チリ、、チリ
次の瞬間、鉄をも一瞬で溶かすほどの瞬間熱量を化け物の体内で放出したのだろう、黒炭と化す、化け物。
妹紅「何なんだっ今のはっ!?この竹林であんなバケモンっ見たこと無いぞ!」
藍「そんなこと、どうでもいいっ!出血が酷過ぎる!!早く永遠亭運ばないと手遅れになるぞ!」
呪術で応急処置を施し八雲 藍は彼を抱き抱え永遠亭へと走る。
猛スピードで走る藍に抱き抱えられている彼の意識が戻った。
彼「ら゛、、、、ぅん、、ゴッブゥッ」
藍「喋るなっ、直ぐに永遠亭に着くから頑張れ!」
彼「ち゛ぇゲッヴゥア゛ッ」 『ちがう俺そんなことを聞きたいんじゃない』
妹紅「おいっ!?」
彼は気管に血が流れ込み声を出すたび血を吐いてしまう、、、一言、、、一言だけでいい
『血の泡を吐いてでも知っておきたい事がある』彼は願った、、、、
『声を、、、、、、、声を出させてくれ』と、、、彼は全身全霊を込め最後の力を振り絞る
・
・
・
彼「橙はっ!!!!!??、、、、、ゴッヴォッ!ガッハァ!」
言葉を発した瞬間、また彼は大量の血を吐いた、、藍の服が彼の血で染まる。
藍「・・・・・・その、橙に言われて来たんだ、、、、。」
彼「はぁ、、、、、はぁ、、、、、、」『よかった、、、』
藍「だから今度は私がお前を助ける番だ、、死なせはしない。」
自分の死を察した彼は、力なく掠れた声で、その一言に全てを込めた。
彼「生きた、、、意味、、、出来、、た、あり、、、、、、がとう、、、、」
妹紅「・・・・・」
藍「・・・・・・・」
彼は大切なものの存在に気づく、、、、それは既に、彼の近くにあったのだ。
見返りや賞賛ではない唯、、、唯、『命を賭けても護らなければ』と、感じさせる、、、、きっと、
それこそが彼にとっての、、、、、、、、、、。
こんな結果になってしまった今でも、、、、それに気づいた彼に後悔は無かった。
彼「藍さん、、、皆に、、、、伝え、、、、、、、」
藍は下唇を血が滲まんばかりに噛み締めながら走る
藍「ふざけるな、、、、感謝の言葉ぐらい自分で伝えないで如何する。」
彼「はっ、、ハ、、、ハ、」 『藍さん、らしいなぁ、、、』
・
・
・
妹紅「おいっ!見えた!着いたぞっ永遠亭だ!」
藍「・・・・・・・・」
永遠亭は眼と鼻の先、、しかし、八雲藍はその足を止めていた。
妹紅「おいっ何してる!?早くしないと本当にっ、、」
藍「こいつは、、、、、こんなボロボロになっていながら。
橙の心配をしたんだ、、、、、。」
妹紅「、、、、、おい、、、、、、、、そんな、、、、。」
それを見た妹紅の瞳から光が消え、、、彼を抱きかかえた八雲 藍の声が震える。
藍「私は、、、家族同然の、、、勇敢な男を救え、、、、なかった、、、、、どうして、、、こんな事になった!!!?」
八雲 藍の視界が滲んでゆく、、、、。
妹紅「藍、、、、、、、、。」
・
・
・
・
八雲 藍の脳裏に彼との会話が蘇る、、、、。
『彼「アンタは?いや、それよりココ、、、、、何処、、です?」』
『藍「ここは、迷い家(まよいが)紫様のお屋敷で、私は紫様の式の、八雲 藍と申します。」』
・
・
・
『彼「動物虐待だぜ、紫さん、、」』
『藍「はっははは、私は、妖獣だからな、腕力は人間より遥かに上だ、同ということは無い」』
・
・
藍「何故だ、、、、、こんな、、。」
そんな言葉ばかりが口をつき、心には後悔の念しか残らない、、、、。
そしてその体の伸から込上げてくる感情に身を震わせ抑える藍、、、、、、、だが、、、、。
・
・
・
『彼「藍さん、、どうしてこの幻想郷が理想郷なのか、来たばかりだけど、理解できた気がするよ、、、。」』
『藍「・・・・それは良かった。」』
・
・
・
・
・
藍「何故だあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
その、、、、とても切なく、、、痛く悲しい獣の悲鳴にも似た、八雲 藍の叫びは竹林中に木霊した。
しかし、その叫びも逝ってしまった彼には、、、、、、もう、届かない、、、、、、。
幻想郷を愛した外来人は、八雲 藍の腕の中で、その短い幸せに満ち溢れた生涯の、、
幕を閉じた、、、、、、。
【Epilogue】
最終審判
気がつくと、、、名も無き男は河原にいた、、、起きて後ろを振り返ると。
一面に咲き乱れる彼岸花、、、
ここが何処だか容易に想像がつく
ただ思い出せない、、、、、、、自分が何故此処に居るのか、、、
どうして死んだのか、、、、、
そして、、、、、、
男「・・・・・・・・」『俺は、、、、、、、誰れだ、、、』
その生前の一切の記憶を失った男のほかにも誰か倒れている。
近付こうとしたが男は躊躇した、何故なら、、、、
それは巨大な大鎌の隣で高イビキを掻いているのだから。
男はゆっくりと後ずさるが、、、、
?「んっ?」
男はそれと目が合った、、、
男「くそっ!」
男は彼岸花の咲き乱れる河原を全速力で逃げる、しかし振り返ると死神は座ったままなのに一行に距離が離れない。
それは、まるで悪い夢の様に。
男「ゼーヒーッ!ゼェェェェヒィィッ!」
?「逃げても無駄さ、、、あたいは、距離を操れるんだ。あたいからは、逃げられないよ、、、、覚悟はいいかい?」
死神は立ち上がり、鏡のように磨かれたデカイ鎌を手に携え男に近づいて来る。
息が上がり体力の尽きた男は、後ろを振り返ると同時に足がもつれ尻餅をつく。
小野塚 小町「なんてなっ冗談さ。あたいは、『小野塚 小町』(おのづか こまち)、この三途の川で船頭、、、、」
男「待て待て待てっ!鎌でブツ切りとかナンセンスだっ残忍にも程あるぞっ!!」
小町「はっはっはっ、落ち着きなってっ、、、これ形だけだからっ!」
その時である。
ゴチィッ、、、、!
小町「きゃんっ!」
ドサァッ、、、
ヒュンッ!、、ザクゥッ!
男「むぅぅぅっー!もっがぁぁぁぁっー!?」 訳(だぁぁぁっ!あぶねぇぇぇぇっ!?)
突如飛来した、板切れの様なモノが小町の後頭部に直撃し、、
前のめりに倒れこむ小町が、尻餅をついている男に覆い被さる様に倒れ。
小町が持っていた鎌が彼女の手を離れ、彼女の胸に圧迫されている男の顔のすぐ横の地面に突き刺さる。
?「こぉぉまぁぁちぃぃぃっ」
ゴゴゴゴゴゴゴゴッ、、、、!
小町「なっ何で映姫様が此処に!?、、、てっ言うか、、痛ってぇ、、槌で殴られた様な、、、、」
四季映姫「それは貴女の罪の重さです、、、少しは悔い改めなさい。
そもそも何ですかっ!居眠りしていた挙句に彼岸で死者の魂を運ぶ死神でありながらっ、、、、、、、、」クドクドクドクドクドクド
先ほど投げた『罪』と書かれた板切れを拾い両手で持ち、胸の高さで構え、小町に嵐の様な説教をする映姫。
映姫「聞いているのですか、小町、、、?」
小町「はぁい、、、あのぅ、それより映姫様、、、、。」
映姫「えぇ、彼ですね。」
映姫が男の前に立つ男の顔を見上げる。
映姫「始めまして、私は四季映姫、、、俗に言う閻魔です」
男「はぁ、、、やっぱり、、、。」
映姫「唐突で混乱するかも知れませんが単刀直入に言います、貴方は未だ死んではいません、。」
男「・・・・・・・・・・・」『確かに衝撃的な事実だな、、、。』
映姫「しかし、このままではいずれ肉体は朽ちるでしょう、そこで、、、、私が『白黒はっきりつけて』進ぜましょう」
どう言う事なのか、、、映姫の説明が始まる。
映姫「簡単な二者択一です、一つはこのまま裁判を受けて成仏して輪廻転生する事
二つ目は輪廻転生せずにもう一度地に降り立ち『人として』、では無く人妖として天命を全うするかです。」
男「、、、っ!?、、人妖?」
何故、人ではないのか、その疑問よりも、、、、人妖、人有らざる者、その言葉に何故か
男は懐かしさを感じる
映姫「二つ目を選ぶと貴方は今までに無い苦しみを味わうでしょう。
人外や異能を恐れる人間たちの奇異の眼差し。人でも妖怪でもない己への劣等感、、、業の塊の様な醜い妖怪に、
汚らわしい人外や化け物共と同類になる。」
映姫は彼に一つ目の選択しを進めているのだろう。
それが自然の理というもの、、誰が好き好んで二つ目を選ぶのか、、、。
『人妖』その意味を自己解釈していた
しかし、、、その映姫の差別的な言葉が男の感情を逆撫でする。
男「・・・・・・皆の事を悪く言うな、、、」
その言葉が口を突いて出た
彼「あの人はっ、、、俺を救ってくれたんだ!!何も無かったこの俺に、、、、
俺に生きる意味を、、、生きる場所を、、与えてくれた、、!
もし、あの人が居なかったら、
俺は、、、俺はなぁッ、、、、何も知らねぇ癖に知った風な口を利くなぁぁぁっ!」
映姫は全てを見透かすかの様な眼で激する彼を凝視する。
男はその感情の高ぶりが自分の物では無い様な気がした、、、、
自分の中に眠っている何かに突き動かされていた様だった。
映姫「生前の貴方の行いは、ただ自堕落に生き、粗暴で、自暴自棄、、さらに降りかかる火の粉を払う為とはいへ他者を傷つけてきた、、、
それは業が深すぎる、、、、
だがしかし、、幻想郷にやって来てからの貴方は自分を偽ることなく、他者の事を考えた慈愛に満ちた行動、情状酌量の余地がある。」
映姫は悔悟棒(かいごぼう)を彼に向ける
映姫「判決が下りました。」
四季映姫のその言葉と同時に
男の体が煙のように消え意識が途切れた。
・
・
・
・
・
小町「いやー、しっかし、、あのダンナ、、、最後熱かったですねー、映姫様、、、。」
小町が手団扇をしながら項垂れる。
映姫「本音を言うと貴女にも、もう少し熱くなって貰いたいのですけどね。」
小町「あたいは、この方が性に合ってるんですよ。」
笑いながら返す小町の言葉にため息を吐きそして遠くを見つめる映姫。
映姫「・・・生きると言う事は死ぬ事よりも困難です。しかし彼はあえてそれを選んだ。
『他を想いやる、良心』『人外を型ではなく個の本質を見て友となり受け入れる、、、友愛』
そして『他意無き自己犠牲』・・・・・・・」
映姫「小町、、、外界の人間も、まだまだ捨てた物では無いかも知れないですね、、、、。」
≪・・・・・・TO BE CONTINUED・・・・・・≫
・・・・・・次回予告・・・・・・
てゐ「アレを生きてるって言えるのなら、他に辛い事なんてこの世にゃ無いウサ。」
永琳「大丈夫よ、治してみせるわ、、、安心しなさい」
輝夜「助けてってばっ!!!」
てゐ「っ!!」
彼「ハヤ、ク、、、、ニゲロッ、、、、、」
てゐ「お、、お前、、、」
彼「オ、、、、れっ、、、は、、、イナク、、、、ナラ、、、無いっ」
鈴仙「外来さんっ!」
てゐ「何でアイツ動いてるウサ?まぁ後で報告すれば、イイや、、、それより、、、」
彼「・・・・・・・・・・・」『ここを、、、、、知っている、俺、、、ここに居た?』
此処からが本当の彼の物語、、、、、
東方PROJECT・二次創作品
第2部
東方 【外来人心収攬】
?「お帰りなさい、、、、、。」
次回からは第一部『東方 外来人が幻想入り』から『東方【外来人心収攬】』第二部となります。