東方 : 外来人が幻想入り   作:現代の人妖

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この小説は続き物となっております。
東方・人心収攬2を見て頂くと、より一層内容が理解できます


東方・【外来人心収攬】3

2012 1月3

                   

            ステージ6:通りすがりの怪力乱神

 

『鬼』それは豪傑(ごうけつ)にして豪快にして大酒豪、

『鬼』その力は単体で幻想郷のパワーバランスを崩す程の者まで居る、最強クラスの種族、、、

『鬼』、、、、卑劣(ひれつ)な人間に愛想を尽かし、人の世から消え、忘れ去られた存在、、、、。

しかし、絶滅した訳ではない、『鬼』は何時も人間のそばに居る、、、そして、、、彼女もまた、、、、、。

 

昼・人妖事務所・・・・・

 

萃香「オエェェェェェェェェッ!!」キラキラキラキラッ

 

トイレの便器に向かって盛大に吐く萃香

 

緋色「おーい萃香ー、大丈夫かー」(棒読み)

窓際にあるデスクに座っている緋色が萃香に声をかける

 

萃香「もう、、、本当に、、な、酒止める、、、、、」

 

扉が全開のトイレから弱々しい萃香のそんな声が聞こえる。

 

緋色「とっ言いつつ明日もまた呑んでしまう、萃香チャンであった、、、とっ。」

 

萃香「酒呑まない奴に、、、この苦しみが分かる、、、かっ、、、オゥ、、、ウェェェ、、、」キラキラキラキラッ

 

緋色「泣けるぜ、、、、」

 

彼は立ち上がり医療棚へと向かい酔い止めの薬を探すが、、、、。

 

緋色「あぁ?ンだよ、無ぇーのかよ、クソタッレ、、、萃香、薬無いから適当に吐いたら横になっとけ、、、、。」

 

しかし、返事が無い、、、、。

 

緋色「なぁ、萃香っ聞てんのか?」

 

彼は萃香が盛大に吐いている筈だが妙に静まり返ったトイレに向かう。

 

扉が全開なので中を覗くと、其処には、、、

 

頭の両サイドの角が便座に引っかかっているとはいへ、顔を洋式便器に突っ込んだまま気絶している萃香が視界に飛び込んだ。

 

萃香を抱きかかえ、移動さそうとするが、、、。

 

緋色「おいっ萃香起きっ、、、うわっ、、、クサっ!、おもにゲロくせぇっ!」

 

緋色は萃香の顔を拭いてやり、ソファーにソッと寝かす。

 

緋色「待ってろ萃香、夜までには戻る、、、、クソっこんな時あいつ等(チルノ達)が居たら、使いっパシリに出来たんだが。」

 

チルノ達は訳け有って今日は来ていない。

緋色は装備を整えコートに袖を通し、酔い止めの薬を求めて永遠亭へと向かう。

 

人妖移動中・・・・・

 

迷いの竹林・・・・・・・

迷いの竹林入り口に到着した彼は、立て札が竹に縛り付けられているのが目に付いた。

 

『この竹林は大変危険です。永遠亭に御用の際は一声おかけ下さい。・・・・・・・・・・「藤原妹紅」』

 

しかし彼には余り危険は関係なかった何故ならば、、、、

 

迷いの竹林内、中腹・・・・・

 

化物「ギチギチギチッ!」

 

化物「オ゛おお゛オ゛オ゛ぁぁぁあああ゛!」

 

化物「オウ゛ッオウ゛ッオウ゛ッ」

 

彼にとって危険とは即(すなわ)ち、日常なのだから。

 

不快な悪臭を放つ、外来の醜悪な無数の化物に取り囲まれていた。

 

緋色「一度しか言わんぞ、、、、失せろ、、、ザコ共、、、、。」

 

化物「ギャアァァァッ!」

ブォンッ!

一匹の化物が背後から鋭利な爪で緋色に襲い掛かる。

ザッキュッ!

 

ポタッ、、、、タッタッタッ、、、、、、。

 

しかし化物の爪は緋色には届かなかった。

剣のグリップを逆手に持ち振り返ることなく、緋色は化物の頭部を串刺したのだ。

 

ドチャッ!

 

緋色「忠告はしたぜ、、、、。」

カチャッキンッ

剣の峰を肩に添え、銃を抜いた緋色の殺意に満ちた鋭い眼が、これから死行く化物達に向けられる。

ドッダンダンッドッシュッ!ザシュンッ!ダンダンダンッ!ドッシュッ!、、、、、、、。

 

十五秒と掛からぬ内に彼は、化物の群れを鏖殺(おうさつ)せしめた。

 

緋色「群れたら強いと勘違い、、、まるで外の世界の人間みたいだぜ。」

 

忌々しそうな視線を冷たくなった化物に浴びせ、彼はその場を後にし永遠亭へと向かおうと歩みを進めようとした、

その時、、、、。

 

プチンッ! キィッン!

 

緋色「あ?、、、プチンッ、、、?」

 

緋色の足元で、まるで細い糸でも切れたかのような音と、緋色の前方から背後にかけて一直線に真鍮(しんちゅう)のような

金属片が跳ねたような音がほぼ一斉に響き渡った。

次の瞬間、、、、

 

ボガァァァァァァァァァァァァァァン!!

 

緋色「にぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」ピチューン!、、、。

         ・

         ・

         ・

永遠亭・診療室・・・・・・

緋色「飛んでくるのは見えたさ、、、でもな、、、、あんなの避けれるかっ。」

 

爆風とそれに乗って彼に放たれるパチンコ玉程の鉄球による点ではなく面での攻撃

 

鈴仙「本っ当にゴメンなさいっ!」

 

八意 永琳に治療されている緋色の傍らで、深く謝罪する鈴仙、、、、、。

 

最近この永遠亭周辺の竹林が物騒になってきたので、永琳が竹林に地雷の類(たぐい)を広範囲に設置するように鈴仙に頼んだのだ。

それに偶々、緋色が引っかかったのである。

鈴仙「妹紅さんには安全な道を記した地図を渡しておいたんですが、、、立て札、見なかったんですか?」

 

緋色「危険なのは化物じゃなくて、、、、、アンタが仕掛けたトラップの方の警告だったか、、、?」

皮肉を言う緋色

 

鈴仙「ううっすみません、、、。」

 

緋色「まぁ良いさ、、、でも人だったら今頃バラッバラだぞ」

 

永琳「あらあら、、、そうねぇ軽い火傷、五箇所とカスリ傷(グレイズ)二十箇所、、、まぁこの薬と貴方の治癒力なら三十分位で

   治るわね。」

 

てゐ「お前はもう、完全に人じゃなくなったなウサ、、」

 

開けぱっなしの診療室のドアの廊下から、ヒョコッと室内を覗く、てゐの顔が見えた。

 

鈴仙「こらってゐっ緋色さんに失礼な事言わないの!」

 

緋色「いいって鈴仙さん、、、、ようっ、てゐ!」

 

てゐ「久しぶりウサ緋色、珍しいな、お前がここに来るなんて、、、今日はどういった用件ウサ?」

 

彼は萃香の事を話す。

 

永琳「それは、、、何とも言いがたいわね、、、、。」

 

鈴仙「大変ですね、、。」

 

てゐ「アイツから酒取ったら何も残らんウサ、、、。」

 

緋色「まぁ、、、な、、、。」『スマン萃香、、、、反論できん、、、、。』

 

永琳「それじゃあ、コレを、、、いつもの様にぬるま湯で。」

 

緋色は永琳から酔い止めの薬を受け取り支払いを済ます。

 

緋色「有難う御座います。それじゃあコレで、、、。」

 

永琳「あっそうそう、もう直ぐ新薬が完成するかもしれないの、貴方の身体能力を一時的に上げる効果があるわ。」

 

緋色「そりゃ楽しみだ!」

 

鈴仙「ほら、てゐ、、、竹林の出口まで送ってあげなさいよ。」

 

緋色「問題ないぜ、、、それじゃ姫さん(輝夜)に宜しく、、、。」

 

永琳「あら、駄目よ、また『ピチュる』わよ?」

 

緋色「うっ、、、『ピチューン』は、、、簡便だな、、、、。」

 

そんなこんなで緋色は幸せウサギに連れられて迷いの竹林出口へと向かう

 

人妖移動中・・・・・・・・・・

 

緋色「スマンなてゐ道案内させて、、、。」

てゐ「良いって事ウサ。」

 

そこらじゅうに鈴仙が仕掛けたのであろう地雷等の罠で埋め尽くされている。

緋色「スゲェなコレ、、、、全部起爆させたら竹林無くなっちまうぞ、、、。」

 

てゐ「心配ないウサ、それよりも私の罠に掛からなかっただけ、運がいいウサ。」

 

緋色「今度はどんな落とし穴掘ったんだ?」

 

てる「中に竹槍と爆竹仕掛けたウサ」

笑顔でとんでもない事を言う、てゐ。

 

緋色「お前それ、もう悪戯じゃねぇぞ、、、。」

 

てゐ「そして、その竹槍の先に動物の糞を付けて置いたウサ、、、ひっひっひっひっ、、、。」

 

緋色「何処のベトOンだよ、お前、、、、、。」

 

てゐの笑顔の裏から彼女のドス黒さを感じる、、、。

 

てゐ「良く考えたらお前が、しきじきに来るなんて、おかしいウサ、、、、他の連中は如何したウサ?」

 

緋色「あぁ、、、それなぁ、、、その、何つーか酒臭くて長い話なんだ。」

 

緋色は訳を話す、、、。

 

緋色「実は昨日チルノが『アタイは料理も最強だから今からアタイが最強の晩御飯作ってやる』とか言い出してな、

   止めに入った萃香に向かってチルノが『家庭的な料理も満足に出来ない鬼はスッコンでろ!』とか言ってな、、、

    今度は萃香がブチ切れて『お前らに鬼の家庭料理を作ってやる!』とか言い出して事務所を飛び出してったんだ、、、

    その後、萃香の奴、如何したと思う。」                   

 

てゐ「どうせ鮭獲ってきて鮭と酒を掛けて、鮭(酒)雑炊とか言って振舞ったんじゃないのかウサ?」

 

緋色「ハッハッハッハッ、、、、、当たりだよチキショウ、、、、。」ボソッ

 

てゐ「その、、、、なんかスマン、、、、その後どうなったウサ。」

 

緋色「誰も食ってくれなかった、ショックを受けた萃香は塞ぎ込んで、やけ酒、

   それを見て可哀想に思ったリグル達がその雑炊を食って

   きっと今頃 各自、家で寝込んでる、、、、まっそれで今に至るだ。」

 

てゐ「まぁ、生きてりゃ色々あるウサ、、、」

 

緋色「あぁ、、、まったくだ。」

 

そしてようやく出口付近にたどり着いた

 

緋色「ありがとなっ萃ッ、、、あっイヤ違うってゐ!ココまでで良い。」

 

てゐ「道中気をつけるウサ。」   『緋色、あの鬼の事、無茶苦茶、心配してるウサ、、、。』

 

てゐと別れ彼は再び歩き出す、、、、、しかし、その顔は穏やかでは無かった

彼は歩みを止め、作ったようなため息をつく、、。

 

緋色「、、、それで隠れてるつもりか、、、、いい加減出て来いっ!」

 

彼は永遠亭を出た辺りから誰かに監視されている事に気がついていた。

肌に伝わる強大なその闘気から、どこぞの天狗ではない事だけは理解できた。

 

?「はぁ、、、、やっぱりコソコソするのは性に合わないねぇ。」

 

竹の藪の奥の方からソレが姿を現す、、、。

 

?「最初は見て帰るだけのつもりだったけど、、やっぱり駄目だわぁ。」

彼は驚いた、、、何故なら、、、、、、。

?「お前さんが戦ってンのを見ちまったら、、、アタシも滾(たぎ)ってきてねぇ、、、」

それはかつて、、、、人の世から消え忘れ去られた、、、、。

?「なぁ、人妖、、、。」

額に猛々しい一角を持った。

 

 

?「鬼のアタシと力比べしないかい?」

 

緋色「、、、、あんたは、何を言っているんだ、、、、?」

 

普段の彼なら、もう少し愛想のある返答をしたが今回は違う、、、彼女を警戒し、体が自然に臨戦体勢を取っていた。

無理も無い、その鬼の表情は笑ってはいるが先程から滲み出ている

強大な闘気は薄れるどころか、彼の目の前に姿を現した時点で更にその闘気が強まったからだ。

 

?「いやネ、アタシは強い奴を見ると放っては置けない性質(たち)でねぇ、、、、ちょいと、ツラァ借りるよ、、、。」

 

鬼は左手の指をゴキゴキと鳴らす

 

流石は鬼、一方的に話を進めていく、どうやら彼には拒否権は無いらしい。

緩やかな風が竹林中の笹の葉を揺らすと同時に闘争の空気が周囲に流れ始める。

 

?「さぁっ行くよっ!!アタシを楽しませてくれっ!」

ゴァッ!!、ブォンッ、、、、、!

 

ガコッ!バリバリバリッ、、、、、。

 

掛け声と共に鬼は一直線に突っ込んで、右から左へと右腕でなぎ払う、彼はサイドステップしてそれを避ける。

そしてその豪腕が彼を捉えず空を裂くが、その風圧で彼の居た大地が大きく五本の指の形に深く大きく抉れる。

恐らく鬼の前では、にとりの特殊繊維コートも紙切れと代わらないだろう。

 

緋色「チィッ!!」

 

ブォンッ!!

 

避けたと同時に緋色は剣を鬼の首に向けなぎ払った。

 

?「おっとっ。」   ヒョイッ

 

鬼はそれを読んでいた様に身をかがめ緋色の攻撃を避けたと同時に、左拳に力を込める。

 

?「そらっ!!」

 

ドパァァァァァァンッ!!

 

緋色「ヴォオッゴァ!」  ミシィッ、、、、、。

 

斜め下から突き刺すように緋色のわき腹に拳を叩きつける鬼、

その強烈なボディーブローで後方へ吹っ飛ばされる緋色

 

緋色「グゥッ、、、!」    カチャキンッ 

 

彼は吹っ飛ばされながら瞬時に右手に持っていた剣をしまい素早く右手で銃を抜きテンペストの銃口を鬼に向ける

 

ドッダンダンダンダンダンダンダンダンダンダン!

 

しかし、、、

 

?「無駄!無駄!無駄!無駄!無駄!無駄!無駄!無駄あぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

バシッバシッバシッバシッバシッバシッバシッバシッバシッバシッ!!!!

 

鬼は緋色の無数の妖力弾幕を素手で全て弾き飛ばしたのだ。

 

緋色「そんなンありかよ、、、、、、。」ザザザザッ

 

着地する緋色

 

?「とんだ期待はずれ物だねぇ、、、、弾幕ってのはなぁ、、、こうやるんだ--------

                   

バチバチッバチ!

 

-----よっ!!」

ドゥ!ドゥ!ドゥ!ドゥ!ドゥ!ドゥ!ドゥ!ドゥ!、、、、、、、、、、

 

ズガンッ!ズガンッ!ズガンッ!ズガンッ!ズガンッ!ズガンッ!ズガンッ!

ズガンッ!、、、、ドガァァァンッ!!!

 

鬼から放たれた弾幕が一旦、空高く舞い、次々と緋色に向け降り注ぎ、避ける彼の近くで榴弾の様な爆発を起こし周囲に土煙が立ち込める。

 

?「ありゃ?おーい、、、何処行ったー?」

 

彼はその土煙に紛(まぎ)れ藪に身を隠し応急する。

 

先ほどの鬼の拳を身を捻り左腕で防いだのだが、その腕がヒシャゲ紫色になっていたのだ腹部に直撃していたら打たれずよい彼でも唯では済まなかっただろう。

 

永琳の処方した液体薬を患部にかけると傷が見る見る内に回復してゆく。

 

?「やっぱり人間上がりか、もうチョイ楽しめるかと思ったんだけどねぇ、、、。」

 

彼が今、対峙しているのが鬼だという事を痛感する。

 

緋色「待たせたな、、、、、、、。」

 

緋色を確認した鬼はニヤリと笑う。

 

?「そこでそのまま隠れて出てこないかと思ったよ手当てはもう良いのかい?」

 

どうやら隠れた位置はバレバレで更に治療が終わるまで待っていたようだ。

 

緋色「、、、アンタ名前は、、、?」バチバチッバチッ

 

星熊 勇儀「あん?勇儀だけど、、ここで名前聞いて如何する?」

 

緋色「これから刺し違える相手の名前ぐらい知っときたいだろう?」バチッバチバチッバチバチッバチバチッバチ

 

勇儀「はっ!いいねぇっ、、、、負けん気の強いのは嫌いじゃないよ!さぁ来なっ緋色!!」

 

緋色「鬼にも名が知れてるとは  恐れ入る、、、ぜっ!!!」【ルブルムドライブ】 

ブォンッブォンッブォンッブォンッブォンッ

ガゴッ!、、、、ドガガガガガガガガガガッ!!

 

ほとんどノーモーションで剣に妖力を流し込み【ルブルムドライブ】を撃ち放つ。

 

五つの紅い疾風の様な斬撃が

空を裂き地を抉りながら勇儀へ向けて一直線に走る。

 

しかし、勇儀は避けようとしない、それどころか、、、、。

 

勇儀「おおぉぉうらぁぁっ!!」バシィッ!バシィッ!バシィッ!バシィッ!ドパァァァァァンッ!!!

 

勇儀は【ルブルムドライブ】の斬撃を又しても素手で払いのけ、最後の一つは拳で相殺したのだ。

 

勇儀「ほらほら如何したっ!!こんなもんで-------

 

緋色「ルゥアァァァッ!!!!」

緋色は左手で剣を構え、その爆発的な推進力で勇儀の正面に突っ込んだ。

 

-------刺し違える!?この程度でかいっ!!!」

ギィィンッガシィ!!

 

剣の鋭利な突きを左手で鷲掴む勇儀しかし、、、、。

 

緋色「だあ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛っ!!!」

 

勇儀「うおっ!?」

 

剣を持ったままで繰り出された緋色の右掌底(しょうてい)が勇儀の顔面を捉えたかのように見えたが

 

グヂゥボッ、、ギシィ、、、、ボギィィィィィッ!

 

緋色「ぐぅうっおぉぉあぁぁぁ!!!」

 

勇儀「がぁっ!?」

 

掌底は勇儀の額(ひたい)の角に当たり、緋色の手の平を射抜き突き刺さったまま

勢い良く振り抜いた為、角の先がへし折れたのだ。

 

緋色の右手には勇儀の折れた角の先が突き刺さったままになっている。

 

緋色から距離をとりよろめき方膝を着き俯(うつむ)いていた勇儀が顔を上げる。

 

勇儀「ははっ、、、、やれば、、、出来るじゃないか、一矢報いたつもりかい、、、、でもまぁ、この辺が限界だろう、、、?」

 

緋色「何、、、だと、、、」

 

勇儀「五体満足でも、てこずってんのに右手無しじゃねぇ、、、、、お前さんも所詮、鬼の前では有象無象に過ぎんさね。」

 

しかし、勇儀の余裕(よゆう)で上から目線の彼女の言葉が緋色の逆鱗に触れた。

 

緋色「それが如何した、、、まだ右手に穴ぁ開いただけじゃねぇか!」

角の先端が突き刺さった右手から血をボタボタと滴(したた)らせ、緋色が吼える。

 

勇儀「、、、その負けん気の良さ、、気に入ったよ、、、よしっ後で診療所に放り込んどいてやる、、、だから安心して、、、、、

 

 

 

           寝なっ!!」 

 

拳を振り上げ突進して来る勇儀、恐らくアレを喰らうと永久に眠ってしまうだろう。

彼は身構え、左手のみで勇儀の攻撃に備えた、、、しかしその時、彼にはまるで時間が低速に成ってゆく様な感覚に陥った。

そして彼の耳に、どこか遠くで獣の遠吠えの様な声が響く、、、、。

幻聴の様に感じた次の瞬間

『オォォォォォォォォォォォォォォン!!』

 

緋色「ぐっ!!??」

 

まるで耳元で吼えたかの様な巨大な咆哮(ほうこう)が彼の耳を劈(つんざ)き耳鳴りが響く

それは正しく先に彼らが倒したケルベロスの物だった、、、、。

 

緋色「っ!!」

 

ドゴォォォォォォォォォォォンッ!!

 

竹林中に拳と拳のぶつかる、重低音にも似た衝撃音が響き渡る。

 

ギチッ、、、ギチッ

 

勇儀「おいおい、、何だぁ、如何なってんだい、それ?」

 

彼の姿を見て驚く勇儀、無理もない、緋色の手の平を貫いていた勇儀の角の破片は消え去り、瞬く間に傷は癒(い)へ、

その両腕と両足に見慣れないダークシルバーの金属の様なガントレット(籠手)とブーツ(具足)備わっていたのだ。

 

何が起こったのか彼にも分からない、、、しかし心当たりが在るとすれば、

チルノから受け取った手の平に吸い込まれる様に消えたケルベロスの牙の破片と

先程の右の掌に刺さった勇儀の角の破片、

この強大な妖力や魔力が秘められた二片を無意識に緋色が取り込み魔具(まぐ)として彼の体内で具現化したのだ。

 

緋色「アンタには、、、教えたくないな、、、。」

ギチッギチッ、、、ギチッ

勇儀「つれないねぇ、、、。」

ギチチッ、、、、ギチッ

拳と拳の繋がった力比べ、その均衡が壊れるのは、そう長くは掛からなかった。

 

緋色・勇儀「っ!!!」バギィィィィィィンッ!!!

 

今一度互いの拳を打ち合わせた瞬間発生した衝撃波で二人は大きく後ろへ仰(の)け反った。

両者そのまま距離を取り弾幕戦へと移行する。

 

ガシュッガシュッガシュッガシュッ、、、、、、

 

緋色「、、、、、っ!?」 『遅い、、、!?』

 

テンペストの連射速度が明らかに下がっている。

 

勇儀「はっ!なんだい、、、、、また豆鉄砲かっ!?」

 

勇儀は初弾を払い避けようとするが、、、。

 

ジッ、、、バッシィィィィッ!!

 

勇儀「い゛っ、、、な゛ぁっ!?」『重てぇぇ!?』

小さな弾幕が、、、、あたかも大砲の球でも弾くかのような重いモーションに変わる。

バッシィィィィッ!バッシィィィィッ!バッシィィィィッ!バッシィィィィッ!ドパァンッ!!

 

勇儀「痛でぇっ!!?」

最後の一発を捌(さば)きそこなう勇儀

鬼とケルベロスの力を足して二で割ったガントレットを装備している緋色の妖力は飛躍的に上がっている。

 

勇儀「このっ、、、、!!」 

『大江山嵐』

 

ズゥアアァァァァッ!

 

勇儀の弾幕が横殴りの雨のようにばらまかれる。

 

しかし、彼はその大粒弾幕の雨を先程とは比べ物にならないトリッキーな動きで難なく避ける

弾幕戦では分が悪いと踏んだ勇儀は鬼らしく接近戦に持ち込んだ

熊の様な一撃必殺の大振りの横なぎを避ける緋色

 

脚力が飛躍的に高まり鞭の様な右ハイキックから左回し蹴りを受け止める勇儀。

一進一退の攻防戦、地雷だらけの竹林の中での殴り合い、唐突に手に入れた鬼にも勝るとも劣らない力、、、

いつか憧(あこが)れた否、、、恋焦がれる程に求め続けた伊吹 萃香の様に素手で闘える力に酔いしれる。

緋色は今、楽しくてしょうがなかった、、、、そして勇儀もまた。

 

勇儀「はっはっはっはっはっはぁっ!!いいね、いいねぇ!やっぱり喧嘩ってっなぁっ得物無しじゃないとねぇっ!!」

 

久しぶりの強者との出会いが勇儀を滾(たぎ)らせる、そして一時距離をとっていた勇儀が間合いを詰めようと踏み込むと。

 

カチンッ!

勇儀「おっ?」

 

緋色「ゲッ!?」

 

勇儀の足元で何かのスイッチが入ったような音が聞こえた、先ほどの経験から緋色は何が起こるか理解した。

 

ボコンッ!ヒュンッヒュンッヒュンッ、、、、、ボゥンッ!

バラバラバラバラバラバラッ!

 

五メートルほどの距離で対峙(たいじ)する彼らの目の前で一列に隊列を組んだ三つの円盤のような地雷が地中から垂直に一メートル程、横回転しながら跳ね上がり空中で周囲に無数の鉄球をバラ撒き炸裂したのだ。 

 

勇儀「こなくそぉっ!」ドパンッ!!!

 

爆風に乗って飛んでくる無数の鉄球を勇儀の突き出した拳の風圧によって鉄球の勢いが殺され

遊戯の手前で『ボトボト』と重い音を立て地面に落ちる。

 

緋色「くっ!?」

パパパパパパパパパパパパパパパパパパンッ!

彼が両腕を交差させ身構えた瞬間彼に音速で飛来する鉄球が全て消え去ったのだ。

そしてガントレット越しに何か握っている感覚が彼に伝わる

 

緋色「ワォ、、、。」

 

彼の握り締めていた手の中にクシャクシャに潰れた多数の鉄球が握られていた。

手の平を逆さにするとジャラジャラと握り潰された鉄球が地に落ちてゆく

 

どうやら彼は無意識に音速で飛んでくる鉄球を自分に命中する分、全てをとんでもない速度で捕らえたのだ。

 

勇儀「なんだいお前さん、やるじゃないか、それじゃあ、、、続きだ、、、、。」

 

楽しくてたまらないような表情をした勇儀が身構える。

 

緋色「そう、、、、、、だなっ!」

ドガッ、、、、!

緋色は大地を蹴り宙を舞う、ブーツの力かいつもより十メートルは高く跳んでいる。

 

そしてそのまま空中から急降下して勇儀へ蹴り込む、

 

勇儀「来いやぁぁぁぁっ!!」

 

勇儀は緋色の攻撃を真正面から受け止める。

 

ドッ、、、、ビシィッ!

 

勇儀「、、、っ!?」『弾かれたっ!?』

 

着地した緋色はすかさず怒涛(どどう)の連続攻撃を体勢を崩した勇儀へ浴びせた。

 

緋色「おおぉぉぉぉぉぉるぅぅぅぅぅああああああっ!!!!!」

ドゴンッ!!バババババババババババッ!!、、、ドガガガガガガガッ、、、

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッパァァァァァァン!!!

 

ショートフックが勇儀の顔面を捉えへ続いて高速回転した回し蹴りから来る百烈キック、

そして『射命丸 文』でさえ捉えられないような、先ほどの鉄球を捌ききったガントレットの光の軌跡が見える亜音速パンチの連打、最後に大振りの拳を叩き込む。

バキッボリボリボリィッガサザザザザッ、、、、!

勇儀は二つ折りになって竹を薙ぎ倒しながら弾き飛ばされた。

 

勿論、彼は格闘技など習った事はなく、これらは彼の人妖なる強靭な体が可能にした彼のイメージした技である。

とにもかくにも彼は鬼を殴り飛ばすほどの力を手に入れたのだ。

 

しかし薙ぎ倒された竹林の奥からゴキゴキと首を鳴らしながら強者との闘争に悦を感じニヤニヤと笑みを浮かべた勇儀が歩いて戻ってきた。

勇儀「あぁ、、、痛ぇ、、、。」

 

緋色「タフだな、、、、。」

 

勇儀「この力の勇儀さんを嘗(な)めないどくれよ、それに、、、ここからが良いトコなんだ。」

 

すると勇儀は不自然な程ゆっくりと彼に歩み寄る、、、。

 

勇儀「どうやら、お前さんを見くびっていた様だ、、、。」

壱歩、、、、、。

勇儀「さっきは悪かったな、有象無象なんて言って。」

弐歩、、、、、、。

勇儀「こいつは詫びだ。」

参歩、、、、、、、、、。

四天王奥義、、、、

 

勇儀「受け取りなっ!!」

 【三歩必殺】

ゴゥ、、、、ッ

緋色「あ?」  ヴォァァァァァ、、、、、、

 

カッ!!

 

ドゥガァァァァァァァァァァァァァァン!!

 

三歩、歩いた勇儀が渾身の力を込めて地面に向かって拳を突き立てる。

その瞬間、大地が揺れ勇儀を中心に地表が大爆発を起こし緋色はそれに飲み込まれた、、、、、、。

 

同時刻・・・・・永遠亭・診療所内・・・・・・

ガタガタッ!キィン、、、、、

鈴仙「うわあっ!?師匠っちょっと揺れましたよ!」

永琳「もぅ、、てゐったら、ちゃんと緋色君を出口まで案内したのかしら、、、」

鈴仙「でも今のは地雷の爆発音じゃないですよ!?」

 

永琳「この強大な気は、鬼ね、、、ハァ、こんな事ならお土産に救急セットでもあげればよかったかしら、、、。」

 

鈴仙「どうします師匠?」

 

永琳「優曇華、この回復薬ハッピーセットを今すぐ緋色君に届けてくれないかしら?」

鈴仙「もちろんさぁ★、、あっ、いやいやネーミングセンスが、、あんな大爆発起こった所に向かったら私死んじゃいますよ!!」

 

永琳「貴女、元軍属じゃない、死地に向かうのなんて慣れっこでしょう?」 

 

鈴仙「慣れてたら逃げ出してませんよ、、、。」

 

迷いの竹林内・・・・・・・

 

焦土に成った竹林の一角、、、その土煙の中、動く影が一つ

 

勇儀「あちゃー、、、手加減したつもりなんだけどねぇ、、、。」

爆風によって円の外へと押し出され竹の下敷きになって動かない彼がそこにいた。

 

勇儀「まっ、しょうがない、、、約束したしな診療所まで運ん----」

 

緋色「ぐぅ、、、、うっ」

 

勇儀「お?」

 

ボロボロになりながら竹の下から自力で這い出す緋色。

 

勇儀「おぉ、巫女以外でこの技、食らって立ち上がれるなんてねぇ、、、」

 

緋色「・・・・・・」

 

無言で睨み付ける緋色

 

勇儀「その眼、、、まだ死んじゃいないね。」

 

緋色「へっ、、、、。」

 

勇儀の問いに対して不適な笑みで答える緋色

 

勇儀「気に入ったぁ、、、、、、、お前さんホントに気に入ったよっ!!!さぁ行くよっ      

    もっと楽しませてやるから駄目になっちまうまでついて来なっ!!!」

212

勇儀は拳をかまえ緋色へと地表を踏みしめ抉りながら突進する

 

緋色「・・・・・・・・・。」スゥ、、、、、、

 

緋色はゆっくりと拳を振り上げる、、、そして勇儀が緋色の眼前に迫ったその時

 

勇儀「・・・・っ!!」『なっ、、、、まさかコイツ、、、、!?』

 

緋色「破っ!!」  『グランドゼロ』

 

ガゴッ、、、ドゴォォンッ!!

 

緋色は振り上げた拳を大地に打ちつけ妖力を一気に地中に流し込み緋色の周囲数メートルの地面を隆起させ雑魚なら消し飛ぶ程の衝撃波を発生させた。

ここへ来てまた緋色の『我流を極め自分の物にする程度の能力』が勇儀の技をその身に刻んだのだ。

 

地割れに脚を取られながらも、それを紙一重で避ける勇儀

勇儀「このっ、、、猿真似野郎ぅ、、、、、」

 

緋色「おぅらあぁぁぁっ!!」『デュアルインパクト』

ゴッ、、、バゴォォォォォォォォォンッ!!

隆起した大地が勇儀の視界を遮っている、その眼前の岩を打ち砕き現れた緋色の拳が勇儀の腹部に直撃した。

 

ドッムゥッ、、、、!!メキメキメキッ、、、、、

 

鈍い音が響き渡る。

 

勇儀「ゴゲェァっ!!」 

 

強烈なボディーブローと化した拳をカチ上げると勇儀はくの字に折れ曲がり、宙へと舞う。

 

緋色「だあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!」『メテオストライク』

 

ゴシャアァァァァァァァッ、、、、、、!!!

 

宙に浮かんで無防備の勇儀への追撃、空中で勇儀の顔面を鷲掴みにし、

そのまま地面に渾身の力を込め叩き付ける大技を敢行した。

 

そのあまりの衝撃に勇儀の巨体が地面に深々とめり込んだ。

 

緋色「ハァ、、、、、、ハァ、、、、、ハァ、、、、、、。」

ドシャッ!

幻想郷最強クラスの鬼との戦いの末、満身創痍となってふら付き勇儀に背を向け座り込んでしまう緋色

再び訪れた静寂が竹林を包み込む、、、、、。

 

しかし、、、、

  

緋色「っ!?」

 

ボコッ、、、ズサァ、、、。

 

勇儀「ああ、吃驚(びっくり)した、、、、。」パンッパンッ

 

何事もなかったかのように、ほこりを払いながら立ち上がる勇儀。

 

その光景を目の当たりにした緋色は絶句する。

 

そして勇儀は無言で緋色へと近づき手を伸ばす。

 

座り込んだ状態で身構える緋色、、、、しかし、、、、。

勇儀「いやあ、いい勝負だったよ!鬼のアタシについてこれた上に技まで真似するなんてなぁ!!」

 

満面の笑みで緋色の肩を叩く勇儀。

 

緋色「俺を、、、殺す気、、、だったんじゃ、、、、、、」

 

勇儀「殺す?冗談言うな、言ったろアタシは強い奴が大好きなんだ、ここで殺したら勿体無いだろう?」

 

緋色「はぁ、、ホントに何なんだ、アンタは、、、、、、。」『よく分からん鬼だ』

 

勇儀「それより良いのかい、こんな所で鬼にかまける暇が有るんなら早く萃香に薬届けてやりな。」

 

緋色「あ、あぁ、、、。」『アンタが問答無用で襲って来たんだろうが、、、、。』

 

少々解せぬ思いを抱きながらも緋色は帰路へとつく

 

勇儀「じゃなっ今度会うときはもっと強くなってろ!!楽しみにしてるからな!!」

 

鬼に見送られ彼はようやく迷いの竹林を抜け見晴らしのいい平野へと抜けた。   

 

その時ふと、緋色に疑問がよぎる。

 

緋色「・・・・・」『なんであの鬼、薬と萃香のこと知ってるんだ?』

 

勇儀「あいつの言ってた通り、面白い奴だったなぁ、、、さてと、今夜はいい酒になりそうだ、、、、っとその前に、、、、」

 

腹部を押さえながら歩き出す勇儀

 

勇儀「診療所、寄ってこ、、、、、。」トボトボ、、、、、

 

 

人妖事務所前・・・・・

 

ようやく薬を得て事務所に帰ってこれた緋色しかし彼を待っていたものは

 

萃香「よぉーう!お帰りぃぃぃ緋色ぉぉぉぉ、、、ヒックッ」

 

なぜか全快して、また酒を浴びるように飲んでいる萃香だった。

 

緋色「お前なんで動けんだよ、、、、」『酒くせぇ、、、』

 

萃香「いやな、あれだけ吐き倒しただろ、そしたらさぁ、、、、治った、、、、。」

 

怒る気もうせる緋色

 

緋色「はぁ、、、たくっよ、人がどれだけ心配して、、、、」ブツブツ

 

萃香「それよりお前なんで、そんなボロボロなんだよ?」

 

緋色「あぁ、迷いの竹林で変な鬼に絡まれてな、、、、」

 

萃香「っ!?、、、、あいつ本当に行ったのか、、、、隠れて見るだけだって言ってたのにさ、、、」ボソ、、、、

 

緋色「あ?」

 

萃香「んで勝ったのか?」

 

緋色「そうは言えんな、、、」

 

萃香「まっそうだなウチら鬼に勝つには、お前じゃまだまだ修行が足りんからなぁ、、、んにゃははははははははっ!」

 

緋色「チッ、、、分かってんよ、ンな事、、、、、。」

 

舌打ちしながら戸棚に薬を置く緋色

 

萃香「・・・・・・・・」『いや、、、お前は何も分かってないよ、勇儀は私たち鬼の四天王の中でも群を抜いて強かったんだ

           その勇儀と殺り合って勝敗は兎も角、五体満足で帰ってきた、、、

           それにお前、また強くなったんだな、、、、

           強い気配が近づいてくると思ったら、ドアを開けるまでお前だと判らないぐらいに、、、』

 

緋色を見て微笑む萃香、、、、。

 

緋色「、、、?何だよ、、、?」

 

萃香「、、、、、私のために苦労をかけたな、、、、ありがとうな、、、緋色」

 

緋色「ちょなっ、、、、いきなり、改まんな!?」

 

柄にもなく赤面してしまう緋色であった。

 

チルノ「おぉヒイロとうとうかおまで、あかくなったなぁ」

 

大妖精「チルノちゃん失礼だよぅ。」

 

いつの間にかチルノと大妖精が事務所内に帰ってきていた

 

緋色「うぉっ!?お前らもう大丈夫なのか?」

 

萃香「さすが妖精だけあって回復早いな。」

 

他の連中はまだ寝込んでいるらしいが復活したチルノと大妖精が見舞いに行ったところ、明日にはまた来れるそうだ。

 

緋色「それじゃあ今度は俺がまともな晩飯作ってやるよ。」

 

萃香「おっいいぞ緋色、ついでに酒の肴も頼むぞっ!」

 

緋色「へいへい、、。」

 

大妖精「あっ私も手伝います。」

 

月が昇り夜が更けてゆく

 

こうして今回の騒動は幕を閉じた。

幻想郷某所・・・・・・

 

?「これが今回の彼の戦闘の成果よ」

?「そう、、また新たな力を手に入れたのね、、、。」

?「それではあの人妖を招き入れますか?」

 

?「・・・・・・いいえ、まだよ。」

?「お嬢様?」

?「まだその時ではないわ、あの程度の力ではお話にならないもの、もう少し、、、

  もう少し実がなり、青い果実が熟すまで気長に待つとしましょう、、、」

 

?「かしこまりました。」

 

?「遅かれ早かれアイツはここへとやって来る、どう足掻こうが、、、運命には逆らえない、、、そう、

この、、、、

レミリア・スカーレットの描いた運命からはっ!」

 

 

 

2/16

 

                    今回の人物紹介

 

星熊勇儀(ほしぐまゆうぎ)

 

種族 ・鬼

 

二つ名 ・語られる怪力乱神

     ・破滅的な金剛力

 

能力 ・怪力乱神を持つ程度の能力

 

 

旧地獄に住まう鬼にして「山の四天王」の「力の勇儀」。

かつては山に居たとき萃香や他二人と共に『四天王』と呼ばれていた。

現在は地下に堕とされた怨霊を妖怪達と鎮める代わりに、地底での暮らしを満喫している。「地底世界は私達の楽園」だとか。

 

地霊殿では3面ボスとして登場するが、鬼という強大な力を持つ種族なので実力はかなり高い。

「杯に入った酒をこぼさずに戦う」という縛りを課して戦っているが、その実力の片鱗は全般の力技っぷりや、負けても余裕綽々な様子から伺える。

 

 

容姿

 

金髪ロングで頭には赤い角が一本生えている。角には黄色い星のマーク。目の色は赤。

体操服をイメージした服にロングスカート。射命丸によると、「このスカートは実は半透明で、下に何か穿いている」とのこと。

 

手首には萃香同様、手枷が付いている (萃香のようなオプションはない)。

足には下駄を履いており、足枷が付いている。

赤く大きな盃を持っている事もある。

 

 

能力

怪力乱神を持つ程度の能力

 

怪力乱神(かいりょくらんしん)とは人知を超えた、不思議な現象や存在のこと。 『論語』の孔子の言葉より。

「子、怪力乱神を語らず」とあり、「孔子は理性で説明できないことは語らなかった」ということ。

 

それぞれ怪異・勇力・悖乱・鬼神で怪力乱神である。

ただ、具体的にどのようなことが出来る能力なのかは不明だが、「怪」は尋常でないこと、「力」は力の強いこと、「乱」は道理に背いて社会を乱すこと、「神」は神妙不可思議なこと。であるとか。

射命丸によると、「人里の1つや2つ焼き払える」らしいが、これが能力によるものなのかは分からない。実際には咆哮する声だけで弾幕を発生させていたりと底が知れない。

 

 

大江山嵐

おおえやまあらし

 

力業「大江山颪」と微妙に名前と内容が変わる。

 

 内容は、右上から左下へ横断するように大量の大玉が降り注ぐだけという

非常にシンプルなもの。しかし、シンプルゆえこれといって安全に避けられる方法がなく、

いわゆる気合避けを余儀なくされ、それ故に事故率が高く危険である。

 右上から左上の大玉弾に加え左上から右下方向に流れる大玉弾も加わり

途中で交差する形になるため、事故率が跳ね上がりより危険な物になっている。

 まさに「力業」と言うにふさわしいゴリ押しである。

 

 

 

四天王奥義「三歩必殺」(してんのうおうぎ さんほひっさつ)

 勇儀が最後に使ってくる初見殺しとも言える恐ろしいスペカ。

 

 弾幕の内容としてはスペカ名になぞらえ三段構成となっている。

まず大地が軽く揺れた直後に勇儀の周辺に高密度の動かない弾幕を展開(一段階目)。

次に同じく画面ゆれの後、一段階目よりまばらな密度で勇儀を中心に、

一段階目より外側の範囲で円状に動かない弾幕を展開(二段階目)。

 

 最後に大きく力を溜めるような演出とともに二段階目よりも大きく長めに大地が揺れ、

二段階目より外側全体を高密度の弾幕で埋める。

この際、最初のセットでは三段階目に配置されるのは小玉弾であるため、

三段階目の領域にいても避けることは可能であるが、次のセットでは画面が真っ白に

埋め尽くされるほどの大玉弾が大量に配置されるためこの領域にいると少なくとも直撃必至の状態となる。

 

 このため、二段階目展開までは三段階目の場所に陣取り、二段階目展開後から三段階目展開の間に、

二段階目の弾幕の隙間に避難する必要があり、何も知らない初見はここで「必殺」されることとなる。

なお、三段階目展開後は勇儀を中心に外側に向け全ての弾幕が放たれる

ため問答無用で本当に「三歩必殺」となる。

緋色との力比べでは相当手を抜いていたようだ 、、、、

 

 

  ステージ7:貪欲な魔女

 

妖怪の山下流・にとりの工房

 

にとり「ありぁーコリャまた派手に傷が付いちゃってるねぇ、、、、。」

 

破壊不可能なほど頑丈に作ったにとりの最高傑作なだけににとりは驚きを隠せない。

 

緋色「スマン、、。」  フイ、、、、、

眼を逸らして謝る緋色

 

にとり「所々に殴打の後があるよ盟友?一体何と戦ったんだい?」

 

緋色「竹林で鬼とちょっとハシャイダだけだ。」

 

にとり「ひゅいっ!?『ちょっとハシャイダ』ってレベルじゃ無いよっ、、、、よく生きてたね!?」

 

緋色「お前のコートは俺の生存に貢献したよ、コレが無かったら最初の一発で戦闘不能だ、、、、ホントありがとう、、、

    そしてスマン。」

 

にとり「そ、そんな謝らないでよ形あるものなんていつかは壊れるんだから、

    まぁ座ってお茶でも飲んで待っててよ、今度はもっと頑丈なの作るからさ。」

 

緋色「ありがと。」

 

にとり「あっそうそう、銃も出しといて面白い設計図を書けたんだ」

 

緋色はにとりの淹れてくれたキュウリ味のお茶をチビチビ飲みながら作業音を小耳にはさみつつ、外の世界(現代)から幻想入りした忘れ去られた週刊誌を読む

 

緋色「1972年の週刊誌か、、、、、、ちっとも参考にならんな、、、、、。」

 

にとり「出来たーぞっ」

 

ものの20分程で完成したらしい

 

緋色「流石にとり仕事が早いな」

 

にとり「早速撃ってみて、あそこに手ごろな的があるから」

 

にとりが指差す方向に等身大の藁人形が置いてある。

 

緋色「確かに手ごろだな、、、。」

 

緋色は銃口を藁人形に向けゆっくりと引き金を引く

 

にとり「・・・・・・・・」

 

ドガッドガッドガンッ!!!

 

銃口から放たれた妖力弾は散弾となり中距離の等身大の藁人形を四散させた。

 

緋色「うおっ、、、、!?」

 

にとり「よっし、完璧っ威力も申し分ない!」

 

緋色「威力は上がったが、流れ弾とか危なくないか?」

 

にとり「そこも、ちゃんと考えてあるよ盟友、今使ってる赤い弾倉を黒の弾倉に交換したら今までと同じように撃てるようになるよ。

外見も肉抜き加工を施しカラーも緋色好みにしたよ、それと、フィルター部分も劣化していたから緋色の妖力に耐えられるように、、あとバレルも強化しておいたよ。」

 

緋色「流石にとりだぜ。」

 

にとり「安全第一だからね、、、それとコートの修理も終わったよ。」

 

緋色「ホントすげーなお前。」

 

にとり「さらに頑丈にしておいたからね」

 

そしてにとりに手渡された物は、、、

 

ガシャッ、ガシャンッ、、

 

緋色「えっ?」

 

まるで鉄で拵(こしら)えた様な鎧だった。

 

にとり「絶対破壊不可能、これでキズ一つ付かないよ」 

そしてこのドヤ顔である、、、、

彼は河童の技術力を侮っていた、、、、、と言うよりも、あの薄っぺらいコートをどうやったらこんな鉄の鎧に改造出来るのか

参考に成らない週刊誌よりも、にとりの作るその工程にもの凄く興味がわいた緋色であった。

 

緋色「・・・・・にとり、、、、、。」

 

にとり「なにかね?」フフンッ。

 

緋色「コートに戻してくれ、、、、、、。」

 

にとり「だよね、、、、、、。」

 

元のコートに戻してもらいにとりの家を跡にする緋色

 

道中、化物の奇襲も無く事務所まで帰ってこれた緋色であった、そして何時もどうりに事務所のドアを開ける。

 

しかし、、、、、、、、、、、

彼を待っていたのは、満身創意で床に倒れこむチルノたちと室内が物色され荒らされた跡、

そしてドアから真正面に有る事務所に居るときの彼の定位置ある大きなデスクの真後ろの壁にまるで極太レーザーで焼き貫いたような直径三メートル程のデカイ穴だった。彼はその光景に戦慄する。

 

緋色「何、、だよ、、、、みんな、如何し、、、。」

 

チルノ「グッ、、、、」

 

緋色「チルノ、、、、ッ」

 

チルノ「おかえり、、、、ヒイロ、、、、」

 

緋色「如何したんだよコレ、、、、一体何が、、、。」

 

チルノ「ごめん、、アタイたちがんばったんだけど、、、、、あいつは、、、、、やっぱり、、つよ、、、い、、、、」

 

そう言い残すとチルノは再び気を失った

 

緋色「・・・・・ッ」

 

彼は大量のガソリンに火を近づけたかの様な感覚に陥る

そして響く怒号、、、、

緋色「萃香ああぁぁぁぁぁぁあああああっ!!」

 

ズァァァァ、、、

 

萃香「・・・・・・」

 

萃香が姿を現した、

 

緋色「テメェ、、、、お前が居ながら、、、、何でこんなん なってんだよっ!?」

 

緋色は涙ぐみ怒声を上げながら萃香に詰め寄る。

 

萃香「抵抗はしたさ、、、でもな、私達が撃退するのがヤットだったんだ、、、、。」

 

緋色「じゃあ俺が殺してやる、、、、相手はどんな化けモンだ!」

 

萃香「霧雨魔理沙(きりさめまりさ)、、、、人間だよ、、、、、。」

 

緋色「何だと、、。」

 

萃香「だがもう、人間を辞めていると言っても良い、、、私達鬼に近い力(能力)を持ってる、、、。」

 

彼は戸棚の引き出しを開ける、、。

 

緋色「薬もやられ(盗まれ)てる、、、、。」 『手持ちのしか使えないのか、、、クソがっ、、。』

 

萃香「アイツと殺り合う気か、、、。」

 

緋色「当たり前だっこのまま生かして返すかっ!」

 

萃香「言っても聞かないか、、、奴は魔法の森へ向かったよ、、、、だが気をつけろ腐ってもアイツは今まで博麗の巫女と共に数々の異変を解決してきた奴だ、それにアイツは一度自分のものにしたら飽きるまで手放さない」

 

緋色「萃香、俺は物を取り返しに行くんじゃない、、、、寧ろ盗まれた物はついでだ。」

 

萃香「、、、、」

 

緋色「・・・・・・・・・こいつらを頼む、、、、、、、」

 

緋色は倒れて気を失っている、チルノ達に眼を向ける

 

緋色「この落とし前は必ず付けさす、、、、。」   

 

バタン、、、、!!

 

緋色は事務所を飛び出し賊を追う、仲間を傷付けられた今の彼は人間でさえも殺害対象に入りかねない程に激昂している。

 

魔法の森、某所

彼は森の中をしらみつぶしに探すが、魔法の森は、迷いの竹林よりも広大で、この森は常に禍々しい妖気で溢れており、

化け物茸の胞子が舞っていて、普通の人間は森の瘴気に長時間耐えられない。そのため、人間だけでなく妖怪もあまり寄り付かない場所となっている。人間の頃から免疫の有る彼は兎も角、普通の人間がこんな所に逃げ込むなど、萃香の言う通りそいつは人間を辞めているのかもしれない。

 

その時である、、、。

 

?「おっコレ、新種だ、、、イタダキだぜ。」

 

茂みの向こうで声がする

 

彼は近づき茂みの先を見るとそこには、毒々しい茸採取をしている、特徴的なウェーブのかかった、金髪のロングヘアー

そして黒系の服に白いエプロン、黒色の先がとがった帽子を着用し箒をもった、如何にも『魔法使いでござい』と言わんばかりの人物が彼に気づく。

?「こんな所で誰かに会うなんて珍しいぜ、何してるんだこんな所で?」

 

駄目もとで彼は事務所に押し入った賊の事を聞いてみることにした。

 

緋色「人を探してるんだ霧雨 魔理沙っつーコソ泥なんだけど、、、。」

 

?「あぁ、そいつなら妖怪の山に向かって行くのを見たぞ。」

 

緋色「そうか有り難う、、、コレ少ないけど、、、、礼だ---------

 

 

             ---------受け取れ、、、、、。」

 

ドンッ!

 

?「っ!?」バッ!

 

ザザザザザザッ

 

彼はホルスターから銃を抜き妖力弾を放った

しかし対象は素早く右横へ跳び避け距離をとって臨戦態勢をとる。

 

緋色「魔理沙ってお前がだろうが、、、」

 

?「、、、、、如何して気付いた」

 

緋色「魔法を使うんなら場所を選ぶんだな、お前の体から垂れ流してる魔力と、

    事務所の壁穴の魔力の残り香が同じなんだよっ!!!!」

 

?「なんだ、、、ただの筋肉馬鹿じゃ無いんだな、だが一つ訂正が有るぜ、、、、、。」

 

緋色「何、、、、?」

 

霧雨 魔理沙「コソ泥じゃないぜ、、、私は普通の魔法使い、、、、、

 

霧雨 魔理沙だ!!」

 

ヒュン、、、バラバラバラッ

 

大胆に自分の名を言い放つと同時に、無数の青い液体の入った試験管を彼の目の前に投げつけた。

 

シュッボンッ!

 

次の瞬間強烈なフラッシュが彼の視界を奪った。

 

緋色「小ざかしい、、、、、、、、、、、、、っ!?」

 

彼は魔理沙が人間だと思い油断したことを後悔した、眩(まばゆ)いフラッシュの先から、人の身では有り得ない程の魔力が

魔理沙の構えた小さな火炉に集まっていく、、、、。

 

魔理沙「さっきの礼だ受けとりな--------

        マスタァァァ、、、、、、

 

スパアァァァァァァァク!!」

ゴアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!

極太高温熱線ビームが瞬く間に彼を飲み込んだ

 

その威力は彼の後ろに有った木々を全て消し炭にする程に

 

緋色「・・・・・・・・・・・・・・・」ドシャッ、、、、、

 

魔理沙の魔砲『マスタースパーク』の直撃を受けた緋色は煙を上げ黒焦げになって膝から崩れ落ちうつ伏せに倒れる

 

魔理沙「天狗の記事には打たれ強いとか書いてたけど、大した事無いな、まっ私が相手じゃ当然か、弾幕はパワーだぜ。」

 

箒にまたがる魔理沙。

 

魔理沙「今日は大量だぜ、アリスのトコにでも行って武勇伝でも聴かせて自慢話してやるぜ、、、」

 

魔理沙は緋色をそのままにし、意気揚々と箒にまたがり飛び去っていった。

 

彼は今まで幾度と無く死線を乗り越えてきた、外来の未知の化け物、幻獣、鬼、、、

時には致命傷に成る程の傷を負う事もあった、それでも彼は即座に治療し戦線復帰を果たし何度も立ち上がってきた

 

しかし、、、、、、

 

緋色「・・・・・・」  『何だよ今の、、、、反則だろ、、、、萃香たちが負けたのも頷ける、、だが、、、、

            あいつ等のために一矢報いる事さえも出来ずに、、俺は、、、俺は、、、、、、』

 

小雨の降りしきる中、歯がゆい思いを抱きながら、視界が暗くなり意識が遠退いて行く、、、、、。

 

緋色「クソ、、ッ、、、、たれ、、がぁ、、、。」

 

 

                 人心収攬、4へ、、、、

 




人心収攬、4へ、、、、
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