龍也が別行動をとってから数時間後……セシリアの屋敷の正面玄関前にて、腹の底に響きそうなくらいのエンジン音をさせながら1台の車が停車する。
「流石、アーサー兄…採寸した覚えが無いのに俺の身体にフィットしてるし……」
黒いスーツからパーティー用にあつらえたダークブルーのタキシードに着替えており、更には長い髪の先まで手入れされ、前髪は全てオールバックになっている龍也が車から降りてきた。
それに加えて袖にはカフスリンクが付けてあり、右袖の方は己の尾を噛んで環となった竜とその環の中央に髑髏が彫り込まれ、左袖の方は尾が頭部に変わっている蛇が螺旋を描く様に互いの身体を交差している姿が彫り込まれていた。
「だがまあ……このカフスリンクの意味が分かる奴はアッチ側ってのを片隅に置いてもだが…流石に趣味が悪くねぇか?
これ、タトゥーやらピアスやらも追加したら完全にアッチ側の人間だろ…店の人が言うには、これでも控え目にしたとかアーサー兄が言ってたみたいだし……」
タキシードの着心地は抜群。だが、婚約発表するのにこのカフスリンクは悪趣味すぎる。流石の龍也もブツブツと文句を言いながら車に『トランスフォーム』させていた『ペイルライダー』を待機状態にする。
「サウンドウェーブかお疲れ様。ここに戻って来る間で問題は無かったか?」
「はい、問題ありません。現状、奥様を狙う不届き者が探知範囲に入った形跡はありません」
車の姿で待機していた『サウンドウェーブ』がロボットモードに変形すれば龍也へと近付き、報告をし始める。
「よし……なら、レーザービークやラヴィッジを使えるんだったら、その2体も使って周囲を警戒させておいてくれ。
サウンドウェーブはビークルモードで待機しつつこれから来るであろう客人達の顔認証と経歴を洗い出したり、情報収集をしてくれ」
「わかりました。敵は発見次第、消せばよろしいでしょうか?」
「いや、捕獲するか泳がせて依頼主を見つけろ。ちゃんと話が出来て生きていればどんな状態でも問題ない」
「了解です。レーザービーク、ラヴィッジ、我らが主からの任務を遂行せよ」
報告を聞いた龍也は『サウンドウェーブ』に新たな指令を出しつつ弟子や部下も武器扱いで装備され使えるなら、それらも使って任務に当たる様に言えばゆっくり頷き、自身の体内から『レーザービーク』と『ラヴィッジ』を出し弟子と部下に命令をする。
命令を受けた『レーザービーク』は空中から警戒し、『ラヴィッジ』は超小型の『マイクロコン』を数百個を口腔から出し、球状から変形した『マイクロコン』と共に屋敷周辺の林の中へと消えていった。
「今日は夜になったら今まで待たせた分だけセシリアを沢山、可愛がるんだ……そんな日を邪魔をする空気の読めない産業廃棄物共にはご退場、願わないとね?だから……待機しつつ情報収集の方はしっかり頼んだよ、サウンドウェーブ」
「ええ…主の言う通りでございます。では、待機任務へと移ります」
『サウンドウェーブ』から出てきた弟子と部下が空と陸での警戒に当たるのを確認した後、頼み事をすれば頷いて『ビークルモード』へと変形した『サウンドウェーブ』は待機場所へと戻る。
龍也は屋敷の中へと入ればセシリアと合流すれば軽いスキンシップをしつつ、セシリアがメイクをしたり着替えたりする時間になるまでしばらく2人で時間を過ごしていた。
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「うん。今日は一段と綺麗だよ、セシリア」
「龍也さんも何時もよりカッコイイですわよ」
「それじゃあ、行こうか?」
「ええ、そうですわね」
セシリアとの婚約発表をする為、親族や付き合いのある貴族達が集まり、パーティー会場で各々親睦を深めるために会話をしていた。
そんな中、会場の扉が開くと蒼色のドレスを着たセシリアを龍也がエスコートしながら会場内へと入って来れば会場内の全員が注目していた。
男性陣はセシリアに、女性陣は龍也に見惚れていたがその中で数名だが龍也のカフスリンクに気付いたらしく、顔色が悪くなる者や誤魔化すためにグラスに酒をいっぱいに注いで一気飲みしたりする者がチラホラと居た。
「皆様、お初にお目にかかります…私、黒瀬龍也とセシリア・オルコットが婚約する事を皆様にお伝えする為に本日、この場にお集まり頂きました」
全員が2人に注目していれば龍也が一歩前に出ると軽く一礼をし、人当たりの良さそうな笑顔を見せながら話し始める。
「彼女との付き合いはまだ短いですが私にとって大切な人であり、私の命が燃え尽きるまで愛し続ける程に惚れています。
ですので宜しければ、皆様から私と彼女が夫婦になる事を了承し、祝福して頂ければと思っています。では皆様、本日の宴を存分にお楽しみください」
手短にだがセシリアへの想いを込めつつ、彼女の隣に立って腰に手を回し抱き寄せ密着すれば2人の関係を祝福して欲しいと頼むのだった。
しばらく沈黙が続いたが1人が拍手すれば次々と拍手していく様子は2人のこれからの幸せを祝福しているかのようだった……のだが、数名は拍手をしているが龍也に対して敵対的な目で睨みつけているのを龍也は見逃さなかった。
「龍也さん?その…もう離れても問題は無いのでは?」
「もう少し…セシリアとの関係を見せつけないとね?邪魔者が釣れないから……」
「わたくしを釣り餌代わりにしないでくださいまし。ですが仮に、邪魔者が釣れたとしてもこの場で事を荒立てたり、血生臭い事をしないでくださいましね?」
龍也が挨拶をし終えればそれからは用意された食事を摘んだり、酒や飲み物を飲んだりしつつ各々で話したり、龍也とセシリアに話しかけたりしていた。
その間も龍也はセシリアの腰に手を回し、抱き寄せ密着しながら離れる気配も無く、ヒソヒソと小声でセシリアから話しかけれると耳元で囁いたり、参加者達に見せ付けるように頬や首筋に軽くキスをしていた。
「わかってる。邪魔者は後で片付ける…か………ああ、先に向こうが引っ掛かったみたいだな。
しばらく離れるけど大丈夫?」
「その後で片付けるからの部分が物凄ーく、引っ掛かりますが何も言わないでおいてあげますわ。
ええ、大丈夫ですわ。龍也さんと出会う前からこう言った催しには出ていますから何かあれば連絡しますわ」
どうやら外を警戒させていた『マイクロコン』の内の1体が侵入者を感知したらしく、『サウンドウェーブ』経由で知らされると既に行くつもりなのかセシリアへと問いかける。
そんな問いかけに大丈夫だと答え、問題が起きれば連絡すると伝えると龍也は腰に手を回し抱き寄せるのをやめ、少し距離を取るようにセシリアから離れた。
「ありがとう。んじゃあ、ちょっと招かれざる客の対応をしてくるわ……穏便に、お帰り頂けないなら少々手荒な対応をしなきゃならないけどね」
「戻って来たら怪我をしていないかどうかを隅々までチェックしますから覚悟してくださいましね?」
「はいはい。隅々までチェックするって、何処までするか気になるけど……それよりも来客の対応をしないとね?」
「何処までするのかは、龍也さんが生きて帰って来たら分かる事ですわ」
「じゃあ、五体満足で帰って来ないとね……セシリア、行ってきます」
「必ず、帰って来てくださいまし。んっ…龍也さん、行ってらっしゃいまし」
侵入者の対応をしてくると言って離れようとするが、服の袖を掴んで来たセシリアからの言葉に少々苦笑いを浮かべつつ、行ってきますと離れ際に唇と唇を少し深く重ね合わせてから龍也は会場から出て行くのだった。
「さてと……サウンドウェーブはこのまま待機。マイクロコンを数体、会場内に侵入させてセシリアに何かあれば即座に俺へ連絡しろ。俺は侵入者を殲滅する」
会場から出て行き、外に出れば監視中の『サウンドウェーブ』へ通信しつつISを展開すると全身が黒色の『ナインボール=セラフ』の姿となり、上空へ一気に上昇すれば侵入者の報告があった場所へと向かうのだった。
どうも、新ウマ娘のドリームジャーニーを引けず、天井も出来ずでウゾダドンドコドーン!になっている作者です
課金はチケット付き以外は極力しない縛りでやっているので課金するべきか、しないべきかで迷っています
とまあ、ドリームジャーニーはなんとか引くとして……次回は久々の戦闘回となります
龍也の嫁、増えたら嬉しいか
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YES
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NO