IS 荒ぶる黒龍は咆え、喰らう   作:黒色晩餐

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今回は何時もより糖分は少なめ、微ヤンデレ混入回となります




48話〜心の歯車は狂イ始めル。徐々に、徐々ニ、彼女ノ心を黒く染め上ゲる〜

 

 食堂にて、何時もの定位置に座る龍也を挟むようにラウラと本音が座ってはいるのだが…その席周辺の空気だけ張り詰め、異様な程に重かった。

 

「……あのー…本音さん?怒ってらっしゃいます?」

 

「私の事を忘れて、今日の夜もラウラウとイチャイチャしようとしていた黒瀬君からの質問には答えませーん」

 

 隣に座るラウラは黙々と食事をしながらも気不味そうにしている龍也の腕を肘で突っつき、話をするよう促していた。

 その空気とラウラからの早く話せと言わんばかりの視線に耐えきれず、ようやく龍也が本音に話しかけるも昨日の時点ではまだ許していなかったらしい本音は龍也に背中を向けるようにそっぽを向いてしまう。

 

「んー………よいしょっと…なあ本音?もしかしてさ、向こうで起きた事を誰かから聞いた?」

 

「っ!…………聞いた……お姉ちゃんから危ない目に遭ったって聞いたよ。でも、それとコレは別だもん…黒瀬君が私に帰って来ていた事をすぐに伝えなかったり、おかえりの挨拶もせずにラウラウとばっかりイチャイチャしてた件とは別だもん」

 

 本音の態度から何となく他の原因も察したのか、後ろから抱き締めたかと思いきや軽々と持ち上げ、膝の上に乗せてしまえば聞き耳を立てている他の人に聞こえないよう、耳元で囁くように問いかける。

 どうやら例の事件を姉経由…いや、刀奈が本音の姉である布仏虚に伝え、それを昨日の朝食が終わってから今までの間に虚の口からかなりオブラートに包んだ内容を聞かされたって感じか。

 

「あの痴女会長…余計な事を言いやがって……次会ったらタダじゃおかねぇぞ…」

 

「私に言ったのは会長じゃなくてお姉ちゃんだよ?」

 

「その会長様が本音の姉さんに伝えて、その内容を本音が聞いたんだ。たっく、何処から情報を仕入れてんだか…」

 

「じゃあ…黒瀬君の口から直接、何があったか教えてくれるんだよね?ラウラウには話しておいて私にだけ内緒って事はしないよね?」

 

 あ、ヤッベ…不味ったな…流石に失言だったか。でもなぁ…言わないと怒るだろうし言わなくても怒るんだろうな……しゃあなしだ。どちらにせよ怒られるなら素直に話して怒られるか。

 

「んー………聞いたとしても怒らない?嫌わない?」

 

「黒瀬君が本当の事を言ったら許すよ?でも、隠し事をしたりするなら怒るし、隠した内容によっては嫌うからね」

 

「……物騒な内容だからあんまり聞かせたくないんだよなぁ…俺にとってはさ、本音は擦れた心を癒やしてくれる存在で、俺が俺として戻っ?!痛い!痛いんですがラウラさん?!骨!そのまま続けられると肋骨が折れちゃうからね?!」

 

 いやはや、これも失言だったな。多少だが機嫌を良くしてくれた本音の代わりに今度はラウラが不機嫌だ。

 頬を膨らませて無言のまま一本の肋骨をピンポイントで狙って連続で小突いてくる。しかも、中指だけ少し出っ張らせた握り拳だがら命中する度にかなり痛い。

 

「龍也、その言い方だと本音以外は貴様の擦れた心を癒やしてくれる存在では無いと聞こえるんだが?その真意を聞かせてもらおうか」

 

「言葉の綾ってやつだからね?ラウラ達だって俺を癒やしてくれる存在なのは確かだよ。だからそれ以上は、肋骨をピンポイントで殴らないでもらえると助かるんですけどねぇ?!」

 

「ならば何故、ああ言った…隣には私も居ると言うのに言葉の綾では済まないぞ」

 

「いだっ?!いだだだだっ!ヤバイ、ヤバいって!肋骨がっ!冗談抜きで肋骨が折れる!」

 

 小突くだけでは終わらず、次は中指を出っ張らせたまま握り拳をグリグリと押し付けてくる。

 さっき小突かれた所と寸分違わずに押されるからめちゃくちゃ痛い。タンスの角に小指をぶつけた時の十数倍は痛いしミシミシって骨が軋む音まで聞こえてきやがる。

 

「ふんっ!この程度で貴様の骨は折れるほど軟弱ではないだろ?それに、私が怒るのはここまでだ。あとは本音と話すのだな」

 

「ゴフッ……えっ?は?どう言う事な…あの、本音さん?笑顔が怖いんですが…」

 

 先に食べ終えたラウラからのトドメの一撃と言わんばかりに重い一撃を食らい、そこを庇うように押さえていれば捨て台詞を吐いてから空の食器を乗せたトレーを持って席を立つラウラ。

 不機嫌なまま立ち去ろうとする彼女にどう言う事なのか聞こうとすると横から頬を突かれ、そっちの方に顔を向けると…そこにはニッコリ笑顔だがうっすら覗かせる瞳は笑っていない、本当に怒っている時の本音が居た。

 

「ねぇ、龍也君?私達を蔑ろにしたり、隠し事するからそうなるんだよ?ちゃんと反省してる?してないなら…もっと怒るよ?」

 

「いやいや、皆を蔑ろにした覚え…は……すんませんした。先ずは飯を食ってから、さ?部屋で話そ?」

 

 こいつは……マジで怒ってんな。本音ってば有無を言わさぬ雰囲気だもん。でもなぁ…流石に人目がある場所で話す内容では無いしな…

 

「い・ま・こ・こ・で、話せない内容なの?」

 

「話せないし、話せたとしてもこの場では話したくない。例え話した結果、本音に嫌われるとしてもこの場では話したくない」

 

「むぅ………なら、部屋に行ったら洗いざらい話すって約束する?」

 

「もちろん。俺が嘘ついたのがわかった場合は1日、本音が俺の時間を独り占めしても良いからさ?」

 

「嘘だったら、1週間ね?」

 

「2日は?」

 

「6日ね?」

「3日でどうだ」

 

「5日と半日…かな?」

 

「………4日と半日」

 

「いいよ。じゃあ、龍也君が嘘ついたら6日と半日、私と一緒に居てもらうね?ちゃんと、お姉ちゃんや会長に嘘じゃ無いかどうか聞くし調べてもらうから」

 

 おいおいおい、マジか……そこで6日半って要求するってさ………いや、それだけ怒っているって事になんのか…

 

「ちょっ!?ちょっと待って?そこは5日とかじゃないの?」

 

「龍也君が渋るからだよ?それとも、もっと増やして欲しい?」

 

「せ、せめて……6日じゃ…駄目か?」

 

「良いよ。けど…私が出す条件を飲んでくれるなら、ね?」

 

「その条件ってのは?」

 

「それは龍也君の部屋に行った時に教えてあげる」

 

「………今すぐには言えない?」

 

「言いたくない」

 

「どうしても?」

 

「どうしてもだよ。龍也君から今すぐ沢山キスされたとしても言いたくない」

 

 うーん…これは圧倒的に俺側が不利か。このままだと更に日数を増やされそうだし…本音を怒らせるくらい不満を溜まらせてしまった手前もあるし、俺からあまり強く出られないしな。

 

「じゃあ、残りのご飯をさっさと食べて部屋に行こうか」

 

「うん。……あ、残りのご飯は龍也君が食べさせてね?」

 

 そう言うも龍也はあと少しで食べ終わるが、本音は半分くらいで食べ終わる量だった。

 何かを思い付いたのか龍也が食べ終わったのを見計らっていたのか、本音が悪戯っぽい笑みを浮かべながら残りは龍也から食べさせるように言えば膝の上に座り、食事が運ばれるのを口を開けて待っていた。

 

「はいはい……ほら、あーん」

 

「あーんっ」

 

 そうして、龍也が本音に食べさせていくと言う何時もの光景ではあったが龍也の方は若干ではあるがぎこちなかった。

 そんな龍也とは真逆で何時も以上に嬉しそうにしている本音は何時もより密着し、運ばれてくる食事をパクパク食べていけばあっと言う間に食事を済ませるのであった。

 

「本音、着替えてから俺の部屋に来るのか?」

 

「んー……それは秘密かな」

 

「そう、か…じゃあ、俺は片付けてから戻るから後で俺の部屋な?」

 

「うん。龍也君の部屋でじっくりとお話し、するから覚悟してね?」

 

「はい………わかりました」

 

 何時もより密着してくる本音に優しく触れていたが本音から覚悟するようにと言われ、項垂れた龍也を見た本音が膝から降りる瞬間に龍也の口元へと触れる程度のキスをしてから離れ、振り向けば小悪魔の様な悪戯っぽい笑みを浮かべていた。

 

「ちゃんと、龍也君がお話しをしてくれたらその時は許してあげるからね」

 

「……ッス」

 

「顔真っ赤にしてる龍也君ってば可愛い。じゃあ、また後でね」

 

 普段の本音ならば人前ではしない行為にいきなりの事で思考がフリーズして固まってから返事をした龍也だが、悪戯っぽい笑みから少し小悪魔っぽい笑みに変わった本音を見て耳まで顔を真っ赤にさせていた。

 どうやら本音も意識してやった行為らしく、恥ずかしかったのか少し顔を赤らめながら一言残せば小走りで食堂から出ていくのであった。

 

「…………………不意打ちでしかも人前であれはダメだろ…」

 

 彼女が小走りで食堂から出て行ってからしばらくして…今にも爆発しそうなくらい真っ赤になる龍也は両手で顔を隠し、ボソッと独り言を呟いていた。

 

「……戻って冷水シャワー浴びて頭でも冷やすか」

 

 先程のやり取りのせいか女子達の視線が龍也に集中し始めており、その視線に耐えれなくなった龍也はまだ顔に赤みを残したまま空になった食器を乗せたトレーを持ち、返却すれば足早に自室へと戻って行くのであった。

 

_______________

 

 頭を冷やすために冷水のシャワーを浴びた後、腰にバスタオルを巻いただけの姿のままドライヤーで髪を乾かしていると、本音が部屋に入ってくる。

 髪も長くなった事で髪を乾かし終わるまでに何時も以上に時間がかかり、誰かが部屋に入ってきた事にも気付いていなかった。

 しかも、知らない内に浴室や洗面所以外の電気を消され、カーテンも閉められ、室内を真っ暗にされていた。そんな事など知らない龍也がボクサーパンツ1枚の姿のまま洗面所の扉を開けた瞬間、誰かに腕を引っ張られる。

 

「うぉっ?!…ちょっ!グエッ!?」

 

「フフフ…くろくろ、つーかーまーえーたっ♪」

 

 完全に油断していた事もあってベッドの方へ引っ張られ誰かに押し倒されると間髪入れずに、手首辺りでカチャリと音がすれば龍也も抵抗する為に起き上がろうとするのだが、腹部の上に誰かがのしかかる。

 そして、部屋の電気が点くと腹部の上に何時もの寝間着を着たパッと見は何時もの笑顔を貼り付けた本音が跨り、その手には親指に使う用の手錠を持っていた。

 龍也も手首に手錠を掛けられたのだと理解し、両方とも玩具の手錠なんて生易しいものでは無かった…警察や軍が使う本物の手錠なのだから。

 

「………で、何で話をする前に俺は拘束されてんのかな?」

 

「逃走防止の為かな?さっき向かってる途中で会長が『彼の事だから都合が悪くなったら逃亡する恐れがあるから、これを使いなさい』ってプレゼントしてくれたんだ〜」

 

 最後にカチャリと、親指にまで手錠を掛け終えてニコニコと笑みを浮かべ満足している本音に対し、龍也は問いかける。『何故、拘束する』のだと。それに対して本音は『逃走防止の為』だと、何時もの屈託の無い笑みを貼り付けたまま答えていた。

 しかも手錠をプレゼントしやがったのはあの、生徒会長だとか…ぜってぇーこの前、頼み事を拒否した件に対しての報復っつうか嫌がらせだろこれ。

 チョイスが縄とかじゃなくてモノホンの手錠だし…ピッキングも可能といえば可能だが……他の手錠と比べたら圧倒的にピッキングしにくいタイプのヤツだしさぁ……敢えてコレを選んで渡したって事は後で仕返しされても文句は言わせねぇぞ刀奈…また昔みたいにコテンパンに負かして大泣きさせてやる。

 

「逃げないからさ、外してくんない?流石にパンイチ状態からの手錠で拘束は俺の趣味じゃないんだが…」

 

「今日はダーメ。くろくろのお願いは聞かないからね?今日は……何時も私に心配ばかりかけちゃう、くろくろにお仕置きする日なんだ……だからね…モウ、ニガサナイヨ?」

 

 逃げないと言った側からガチャガチャと手首を動かし、多少の抵抗を試みるが基本、鍵を使って解錠以外での方法では外れないらしい。

 手首と手錠の隙間もほぼ無く、関節を外して抜け出すにしても親指にも手錠を掛けられているからこそ、静かにかつ負傷せず短時間で、バレずにと言うのは無理だった。

 

「あのー…本音さん?何時もの天使の様な笑顔が真っ黒なんですが?」

 

「イツモノエガオダヨー?クロクロガ、ゼンブワルインダカラ……キョウハ、タクサン、オハナシシナガラネ、クロクロヲ…タベチャウヨ?」

 

 何時もの楽しそうで明るい笑みは徐々に黒く染まり、瞼はゆっくりと開かれ、瞳のハイライトは消滅していた。

 何時もと比べて口角も上がり、歪な笑みを浮かべながら本音は龍也の腕に自身の手の痕が残ってしまうくらいの力を込めて掴む。

 

「……本音の気が済むならそうしてくれて構わない…だからさ、泣かないで俺には何時もの可愛くて天使のような笑顔を見せてくれないか?」

 

「泣いてないヨ…泣いてナンカないモン……クロクロが…クロクロが何もカモ悪インダヨ」

 

 痕が残るくらいの力で掴まれている腕は血の流れが弱くなっているらしく、掴まれている所から指先にかけて痺れ始め徐々に感覚が失われていくそんな中、龍也の頬や胸元辺りにポタポタと大粒の水滴が落ちてくる。

 真っ黒で歪な笑みを浮かべている本音ではあったが、無意識になのか目からは大粒の涙を流していた。

 それを見てしまった龍也は優しく微笑みかけながら何時もの笑顔を見せてくれ、と語りかける…だが、今の彼女には届きはしない。今まで表に出さないようにし、溜めに溜め込んでいた真っ黒な感情に侵食されているのだから。

 

「そうだな…全部、俺が悪いな。本音を悲しませたくない、心配させたくないからと黙っていた俺が悪い。だからこそ…今の本音を見たくないから多少の無茶はさせてもらうぞ?」

 

「ソウダヨ…全部、ゼンブ…クロクロガ…ワルッ?!」

 

 今の本音に対して言葉での説得は無理だと悟った龍也が全て自分が悪いのだと言い、本音は大粒の涙を流しながらそうだと言ったその時、龍也の手首辺りからゴキッ!ガキッ!ボキッ!と音が鳴る。

 自分が悪いと言う龍也の顔に本音の視線が集中したその時だった。普通の人なら下手をすれば変な癖やら怪我をするかもしれないのに筋肉を動かし、無理矢理に指の関節を外し親指に掛けられた手錠から抜け出していたのだ。

 そのまま流れるように手の関節も外して手首に掛けられた手錠からもシレッと抜け出していた。

 

「いつつつ…本音、逃げないからその手を離してくれ。包み隠さず話しをしようじゃないか」

 

「ヤダ…ヤダ、ヤダ、ヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダ!!!くろくろは私が危険な事に巻き込まれない様にって絶対っ!絶対隠すもん!」

 

 無理矢理に関節を外したのだからそれ相応の激痛が手全体を容赦無く襲う。額からは脂汗が浮き出し、気絶してしまった方がマシだと言えるくらいの激痛は関節を元に戻した後も続いていた。

 寧ろ、外した時と同じ様に筋肉を動かして関節を元の位置に戻したせいらしく、外した時と比べたら倍以上の激痛が襲い始めていた。

 

「隠さないよ。絶対、隠さない。それだけは約束する」

 

「なら、沢山ちゅーして?私の頭がぼーっとするくらい、沢山」

 

「そのくらいならお安い御用さ。今日は話し終わるまで沢山キスしながら抱きしめてやる」

 

「今度デートする日、私だけを見て?他の女の人に目移りしたら許さない…絶対に、ユルサナイ。目移りしたら会長とお姉ちゃんに頼んで私とくろくろだけの秘密の部屋を用意して貰って…トジコメルカラ。デートの日の夜は何処かで二人っきりになれる場所で泊まるよね?トマルヨ、ネ?」

 

「OK、OK…目移りなんかしないし、皆には内緒で二人きりで何処かに泊まろう。それこそ二人きりで泊まるなら丁度いい旅館があるからそこにしよう」

 

 瞳のハイライトが消えたまま腕を握る手に力を込め続ける本音からの要望を全て受け入れ、龍也は龍也で本音に対してデートの日は旅館に泊まろうとまで提案をしていた。

 

「何でそんな場所ヲ知っているのか聞かないけど、約束破ったら……ワカッテルノカナ?」

 

「破らないよ。ちゃんと、約束は守るさ…だから、手を離してくれないか?」

 

「約束だから、ネ?」

 

 何故、そんな旅館の情報を知っているのかなど彼女にとっては些細な事だ。今、この場で彼からの言質は取ったしこの後はお楽しみの時間でもある。

 うっ血するくらい力強く握っていた腕から手を離すと、掴まれていた部位には彼女の手型がハッキリと残り、真っ赤に染まっていた。

 

「あーあ、この痕はしばらく消えないな」

 

「痛かった?ごめんなさい……でも、この後は沢山くろくろの身体にも痕を残すからね?痛いからやめてって言ってもやめないから」

 

 先程の2種類の手錠による拘束でさえも力ずくで取り外しているのだ。今後、拘束するならば更に増やすか、彼専用の拘束具が必要となるだろう…

 少しの間、離れただけなのに死の匂いを濃く漂わせる彼を拘束し、邪魔が入らないように閉じ込め、皆で取り囲み、彼が溺れてしまうくらいの愛情を捧げ、彼からも窒息してしまうくらいの愛情を貰い、寿命や病以外での死を遠ざけ、その身に彼との子を宿し、彼の妻になる者達と協力し、幸せな家族を築く為にも…………

 

「痛くないよ。それはー……多少なりとも手加減してもらえるとありがたいかな?」

 

「じゃあ、いっぱいキスしないとね?」

 

 好き…大好き……

 

「そんなの言われなくても沢山するさ」

 

「でも、お話するのも忘れたら駄目だよ?」

 

 愛してる…アイシテル……

 

「わかってるさ…忘れる訳が無いだろ?」

 

「くろくろの事だもん…わざと忘れたフリするでしょ?」

 

 絶対に離さない

 

「しないって…信じてくれないのは悲しいな」

 

「信じてるよだからこ、んっ……」

 

 本音に跨がれた状態のままではあったが上半身を起こすと、本音の言葉を遮るように唇を浅く重ねてから徐々に深く重ね合わせていく。

 

「んっ……んんっ…ぁ…」

 

「んにゅっ…ふっ…んちゅ…」

 

 彼女も受け入れ、彼の首に腕を回し密着すれば自ら求めるように重ね合わせ、しばらくお互いに無言のまま唇を重ね合わせつつ舌も絡ませ合っていった。

 

「んぅ………本音、愛してる」

 

「私も愛してるよ、龍也」

 

 ■■が死んでも愛し続けるから

 

「心配かけちまってごめんな」

 

「謝るくらいなら内緒にしないで」

 

 ■■がどこにも行かないように壊したくなるから

 

「じゃあ、話しをしようか」

 

「うん。包み隠さずにね?」

 

 嘘ならユルサナイ

 

 そうして、また唇を重ね合わせ始めていけばけっして深くは重ね合わせず、浅く重ね合わせながら息継ぎする間に話しを始めていく。

 

「………だから………そ…でだ………こ…し……お……は…ざ…人……」

 

「うん……うんうん………くろくろは悪くない……そんな存在じゃないよ」

 

 沢山、傷付いた……その分だけ沢山癒やすから

 

 ■■の身体を誰にも傷を付けさせたくない…

 

 力が欲しい…■■を守れる力が……■■を死なせない為に

 

 ■■、アナタが傷付くのはもう見たくない

 

 何人、作ろうか……■■との子供ヲ……■■を幸せにするために

 

 ■■が幸せになれるなら………

 

 

 

 

 

 

 

 

龍也ノ死ヲ偽装シテ何処カニ閉ジ込メナイト駄目ナ状況ニナッタトシテモ、ネ?

 

 

 

 

 

 

 

 

「ネェ、クロクロ…私ハドンナ事ガ起キテモスゴーク大好キナママデイルヨ」

 

 龍也からの話しを聞いたあと、ニッコリと何時もの笑みを浮かべる本音ではあったがうっすらと開かれた瞼からはドロリとした黒い感情に染まりきり、ハイライトが完全に消えてしまった瞳が龍也を見つめていた。

 

「ありがとう、本音」

 

「だって、クロクロは私がイナイトダメダモノ」

 

 表面上は何時もの笑顔を見せてきた彼女を抱きしめると頭を優しく撫でつつ、首筋へと触れる程度のキスをする。

 龍也に抱きしめられた本音も抱きしめ返すとハイライトが消えた瞳がハッキリと見えるくらい瞼を開き、口角を上げ狂気と歪んだ愛情を孕んだドス黒い笑みを浮かべていた。

 

 





さてさて、先ずは本音のヤンデレ度を少々…2つまみ程の量を上昇させまして……え?少々じゃないと。
まあ、普段は人目をはばからないくらい甘々な状態からですから…多少の誤差はありますよ。多少の、誤差は……ね?

龍也の嫁、増えたら嬉しいか

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