IS 荒ぶる黒龍は咆え、喰らう   作:黒色晩餐

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さてさて、ようやく本編が始まりました。
第1話はクラスでの自己紹介から何処まで進みますかねぇ……皆様、駄文ですがお楽しみください


第一章〜入学編〜
1話〜サクラサク新学期〜


 

 

桜が咲き始める頃、ほんのり暖かな陽射しを浴びれば眠気が襲ってくれば大きく口を開き欠伸をした。転生前の癖で俺はこれから1年間お世話になる教室に朝早くから来ていた。

 

 

アレだアレ。テンプレよろしく決して入学式が楽しみで寝られなかったからとかじゃねぇからな。転生前の記憶を思い出したせいでその頃の感覚で起きちまったから暇なんだよ。

 

 

それなら早くから来てもいいじゃん暇なんだし。それに…まだ静かな外の遊歩道を歩きながら桜を見てよ、日本酒かビールを飲みた……おっと、いかんいかん。前は成人だが今は未成年だから自重しないとな…一家揃っての蟒蛇だったからその血が騒いじまった。

 

 

「しっかしこの席順は意図的なのかねぇ」

 

 

朝早くから来て自分の座る席を見たが一番前で両隣に主人公とファースト幼馴染が居ると言う中々に面倒くさい状況となってしまった。特に幼馴染の方から主人公への視線が刺さりまくると思うので確実に流れ弾が当たる。多分だがあの人が1枚噛んでる感じがしてならん……あの鬼教師&バトルジャンキーめ………

 

 

っとまぁ…自分の席に座って腕を組み、目を瞑ったまま今後の事を考えて悩んでいればいつの間にかにSHRの時間となっていたらしく、意識を戻し自己紹介を聞いていると……

 

 

パァァアン!

 

 

「いっ──!?」

 

 

見事なまでに軽快な音をさせる出席簿アタック……食らったのが俺じゃなくて隣の主人公でよかったと胸を撫で下ろしていたら…

 

 

「げえっ!関羽‼︎」

 

 

「誰が三国志の英雄か、馬鹿者」

 

 

スッパァァアン!!

 

 

オゥ……1回目の出席簿アタックを食らってるのに2撃目をわざわざ出させるような事を言うとか織斑一夏って男はMなのかもしれないな…

 

 

「諸君、私が織斑千冬だ。君達のような尻に殻がついたままのヒヨコを一年で使い物になる操縦者に育てるのが仕事だ。私の言うことはよく聴き、よく理解しろ。出来ない者には出来るまでしっかりしごいて指導してやる。そして理解できない事があるならば理解できないままにせず必ず質問しろ。そして逆らってもいいが、私の言うことは聞け。いいな。」

 

 

おっと…そう言えばそろそろ女子達の音響爆弾が来るか……織斑千冬からのありがたーいお言葉を聞いてから事前に用意していた耳栓を両耳に入れた直後…

 

 

「「「「きゃああああああああああ!!」」」」

 

 

耳栓をしていても聞こえるくらい大きな女子達の黄色い声と言う音響爆弾。チラッと隣の席に座っている一夏を見れば案の定、音響爆弾攻撃をモロに受けて机に突っ伏している。

 

 

「千冬様、本物の千冬様よ!」

 

 

「私は千冬お姉様に会いたくて北九州から来たんです!」

 

 

「ずっとファンでした!」

 

 

やはり最強と名高いブリュンヒルデこと織斑千冬はISを使う者達にとってはアイドルと同等かそれ以上の存在らしい。まだ全員分の自己紹介が終わっていないにも関わらず、各々が言いたい事を好きなだけ言い始めている生徒達を見て織斑千冬はこめかみを押さえながら大きな溜め息を吐いていた。

 

まぁ俺は関係ないし。生徒達が若干暴走気味になって涙目になっている副担任の山田先生、暴走気味になった原因の織斑先生には御愁傷様としか言えない……って何故に恨めしそうな目で俺を睨むんですかね…え?耳栓外せって?面倒く……はい、わかりましたよ。

 

 

「全員静かに!おい黒瀬、自己紹介をしろ。」

 

 

「まだ順番じゃな…「いいからしろ」イエス、マム…」

 

 

「えー……黒瀬龍也、です。身長は176cm、趣味は筋トレ、広く浅くがモットーでやっているヲタ活、あとは……諸事情で流派の名前は言えないですが実家で教え込まれた古武術の形稽古くらいですか、ね…。好きな食べ物はキノコ類、鶏のササミとかが好きです。あと、顔の傷は稽古の時に一瞬、気を散らした不注意でついた傷なので戒めも含めて態と残しています。世間からは2番目とか1番目の予備とか色々言われてますが…皆さんの足を引っ張らないよう、頑張っていきたいと思っていますのでよろしくお願いします。」

 

腹いせに簡素な自己紹介で済ましてやろうかと思ったが出席簿アタックを食らう可能性があると頭の隅を過れば席から立ち上がる。当たり障り無く比較的好印象を持たれるように自己紹介をしてから軽く一礼を済ませ、席に座り直せば小さいながらも数人の拍手が聞こえた。

そこからは滞り無く順調に自己紹介をし、最後に山田先生からの自己紹介が終わる頃にSHRは終わり、休み時間を挟

んでから1時限目の授業が始まるのであった。

 

 

1時限目のIS基礎理論授業は中々に興味深い内容だった。何せ頭では理解していたつもりでも実際に使った事がある人の経験も含めた説明をされればそう言う事なのかと理解が深まるのでもっと知りたいと俺の中の知識欲が湧き出てくる。

尚、まだ最初の授業なのに半分近く死にかけている男が視界の右端に映っているが知らんぷりしておこう……と思いきや左側の席に座っていた女子が話しかけたと思ったら一緒に教室から出て行ってしまった。うむ……初日から青春しているみたいだな…

 

 

休み時間が終了するチャイムが鳴ると2時限目の授業が始まった。元々記憶力とかは良い方だからか入学前に渡された参考書を半分近くは既に読み終えている。授業中は専門用語や文面では理解出来なかった部分を質問する程度でとどまっていた。質問内容を聞いた周囲の女子達が小さく驚きの声を出したり授業を行っていた山田先生なんて目を輝かせていた。

ただし、右隣の席に座る一夏に関しては一目見るだけで既に授業内容について行けてないと言うのは確実だろう。なんせ俺が質問したら嘘だろって驚いた顔してやがったからな。

 

 

困り果てた顔をしている一夏を見かね、山田先生が「織斑くん、何かわからないところがありますか?」との訊ねたのに対して一夏は「ほとんど全部わかりません」と答えたのである。

 

 

そんな答えに周囲も引き気味となれば見るに見兼ねた織斑先生が一夏に入学前の参考書はどうしたのかと訊ねれば古い電話帳と間違えて捨てたと来たもんだ……案の定、見事と言わんばかりに強めの出席簿アタックを喰らって撃沈していた。

 

 

その後、何事も無く平和に2時限目の授業が終わり休み時間に入ればそろそろ最初のイベントが始まる頃合いかと思っていた矢先…一夏が俺の方を向いて手を差し出してきた。

 

 

「俺は織斑一夏。改めて宜しくな、黒瀬!男子は俺達2人しか居ないしお互いに協力し合っていこうぜ!」

 

 

「ああ、そうだな。改めて言うが俺は黒瀬龍也だ。まぁ……君の幼馴染が嫉妬してこないくらいの距離感で宜しく頼むよ一夏。あまり距離感が近過ぎると他の女子達に男が好きなんじゃないかと誤解されてしまうからな。」

 

 

「そ、そうか……それもそうだな。でも何でそこで箒が出てくるんだ?」

 

 

差し出された手を握り軽く握手を交わしただけで後ろから嫉妬混じりの刺さるような視線を感じる。男同士なんだから嫉妬するなよと思いながらも適切な距離感で頼むと言えば嫉妬混じりの視線が弱まったのにこの鈍感系主人公は……何故に油を撒いてある所に火を放つのだろうか…嫉妬混じりの視線が怒りに燃える視線に変わっているし。

 

 

「そんなの、一夏の事を「ちょっとよろしくて?」……あ?何か用でも?」

 

 

先ずは後ろの剣道女子の怒りを鎮火させるべく自覚させる一言を言おうとしていた所に横から俺の言葉と重ねるように話しかけてきたのでつい、反射的に適当な返事をしてしまった。

やっとイベント発生か…しっかしアニメとかで見た時よりも実際に見るほうが綺麗な顔してんなぁ…なんて適当な返事をした時に阿呆な事を考えていたら金髪縦ロールに整った顔立ちだが攻撃的な表情をし、俺と一夏を睨みつけていた少女の視線が俺の方を向いた。

 

 

「まあ!なんですの、そのお返事。わたくしに話し掛けられただけでも光栄なのですから、それ相応の態度というものがあるのではないかしら!?」

 

 

待っていたイベントが発生したが彼女の今までの生い立ちやら色々な事を知ってはいるが目の前でこう言われるとやはり……イラッとはするな。

目の前の少女ーーーセシリア・オルコットはイギリスの代表候補生でもあり、珍しく没落していない貴族の家系で大財閥の娘でもある少女は真っ直ぐな性根で心を開いた相手には優しいのだが…母親に頭が上がらず情けない姿を晒す父親を反面教師にしてる上に女尊男卑の風潮が拍車を掛けているせいでかなり高飛車で男性を嫌っている。それが今現在の彼女の姿である。

 

 

一夏とセシリアを衝突させても良いのだが先ずは、平和的な解決を模索しようではないか。その為にも一夏が余計な事を言ってしまう前に自分の席からスッと立ち上がり、ニッコリと微笑みかけてからセシリアを見つめたまま流れるような動作でボウ・アンド・スクレープ(右足を引き、右手を体に添え、左手を横方向へ水平に差し出すもの)で軽く挨拶をしてみれば何人か見惚れたような視線を感じたがまぁ、気のせいだろう。

 

 

「確かに、イギリスの代表候補生であるセシリア・オルコット嬢に対して失礼な態度をとってしまいましたね。失礼しました。それで、我々二人にオルコット嬢が如何様なご用で話しかけてきたのかお聞きしても?」

 

 

「あら?極東の島国で育った無知で粗暴な野蛮人かと思いましたのに…どうやらあなたなら少しくらいなら話が解るようですわね?まあ、わたくしはイギリスの代表候補生ですし?泣いて頼まれたらあなた方2人をわたくしが教えて差し上げてもよくってよ?何せわたくし、入試で唯一教官を倒したエリート中のエリートですから」

 

 

随分と自信満々に言うものだ。しかも唯一だけ強調してまるでそれを誇りに思っているかのような口振りでな。

 

 

「入試で、ですか……それはISを動かして戦うやつですか?」

 

 

「ええ、そうですわ。それ以外に入試などありませんもの。そちらの方はどうでしたの?」

 

 

「あれ?俺も倒したぞ、教官。」

 

 

「は………?どう言うことですの?」

 

 

エリートとして誇っていた教官を倒していたって部分を見下していた相手から自分も倒したって聞いたらそりゃあ思考停止するわ。

 

 

「わ、わたくしだけだと聞きましたが?」

 

 

「女子ではってオチじゃないのか?」

 

 

ありえる。今のセシリアならそんな事知っていたプライドとか傷付いて目の敵にするだろうし。

 

 

「あなたはどうなのですか?まさかあなたも…」

 

 

「あー………俺はエネルギー切れで負けたけど20分近くは粘って戦えたかな。鬼きょ………織斑先生とだけど。」

 

 

俺以外、何故か教室内の空気が凍りついたように感じるな。……なにかマズったか?

 

 

「えっ……は……?本当にですの?」

 

 

「ああ、そうだぞ。入試担当の先生がたまたま居ないって事で何故か織斑先生とやることになってな…人間ってよ、死にかけると…マジで走馬灯が見えるんだな……」

 

 

やっぱ言わなきゃ良かったかな……あの日の事を思い出したら目から汗が出てきたぜ…

右目から一筋の涙を流しながらも何処か遠くを見つめ乾いた笑い方をしていると誰も何も言えなくなったのか静まり返る。オイッ一夏とその幼馴染、合掌をするな合掌を!とまぁ…タイミングがいいのか悪いのか始業のチャイムが鳴ればセシリアも少し気不味そうな顔をしながら席に戻り3時間目が始まったのであった。

 




今回は3時間目手前まで。
次話はクラス代表を決めるところまで行けたらなぁ…と。
戦闘描写は龍也とセシリアだけになるかも…筆が乗れば龍也と一夏もあるかも?

ラウラの嫁呼び、どれがいいですか?

  • そのまま嫁、呼び!
  • ここは夫、呼び!
  • 変化球で旦那、呼び!
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