「私が生徒の性欲処理をすれば解決するのでは!?」「いい考えですね先生!」 作:からあげ
久しぶりに街に戻ってきた。その街の様子は以前自分がいた街と本当に同じなのかと疑うレベルで荒れていた。
建物は倒壊し、地面はえぐれ、あちこちに弾痕があり、お店の窓ガラスが全て割れており、食料や飲料水が強奪された形跡も見られる。
空を見上げると煙が流れているのが見える。複数の場所から黙々と煙が上がっており、何か焼けているような匂いもする。
「…こうなったのは私の所為だ。たとえこの身が滅びようと責任は取らないと」
頬をパシッと叩いて気合を入れ直すと
「その通りですよ先生」
「…牢屋にいたはずだよね」
「この状況でそれを言いますか?」
「それもそうか」
現れたのは防衛室長の不知火カヤ。衣服が裾で汚れており、時々咳き込んでいる。恐らく煙を吸ってしまったのだろう。
「分かっていると思いますが、この状況を引き起こしたのは先生。あなたの所為です」
「そうだね」
「大人なら責任を取らないといけませんよね?」
「あぁ」
「なら私の命令通りに動いてもらいます。幸いにも連邦生徒会は麻痺寸前とはいえ機能していますし、先生の言葉と姿なら今争っている生徒達の動きも操ることが可能です。異論はありませんね」
「そうだね。でも報道は使えるの? 電線が切れているところもあったけど?」
「緊急用の回線を使います。今がまさに緊急時ですので」
「使えるならいいけど。それでどんな報道を流すの?」
「決まっているじゃないですかそんなの。本当は虫唾が走り、自殺したくなるくらい嫌で仕方ない方法ですよ。しかし任せられる人がいませんし、超人であるこの私にしかできないことですから」
細目がゆっくりと開かれる。カヤの目をしっかりと見たことはあまりないが、これまでにないほどの気迫を感じさせるものだ。カイザーとつるんでいた時の子悪党のような嘲笑の目ではなく、何が何でも街を落ち着かせる、混乱を防ぐ、そういう強い意志を感じた。
それならこちらもそれくらいの気持ちでカヤに付き合うのが道理というもの
カヤが口を開く
「先生。私と結婚してください」
「…なんでそうなるの?」
「付き合うだけでは弱いです。それだと周りの野生動物たちが自分が恋人だと言い張ってきます。弱い一撃を入れて様子を見るくらいなら、最初から最大火力を叩きこんで硬直したところを一気に搔き乱す方法で行きます。本当に急がないともう間に合わないでしょうし」
カヤがある方向を見る
どっかーん!
大きな爆発がした後に建物が崩れ下にいた生徒達の下に瓦礫が落ちる
「危ない!」
そう叫ぶも生徒達は恐怖からか動くことが出来ず、そのまま瓦礫の中に埋もれた
「あ…あぁ…う」
「これくらいで吐かないでください。あれは氷山の一角ですよ。あれよりもっとえぐいことが沢山の場所で起きています。だからちまちまやる余裕もありませんし、生徒達の動きを一度で止めるにはさっきの方法が有効なのです。超人である私の意見ですよ? わかりますよね?」
「…そうだね。吞気なことをしている場合じゃないね」
「じゃあ早速連邦生徒会に向かいましょう…ほら手を出しなさい」
「?」
「こんな状況でも手を繋ぐとかで周りにアピールするんですよ。ほら急ぎますよ」
私はカヤに手を引かれてあちこちで煙が噴く街中を走った