「どうも。はじめまして。私がチッチェになります」
「あんたがチッチェ姫か・・・すまないが、お偉いさんとの接し方については詳しくないのでな。何か無礼があったとしても勘弁してくれ」
「それじゃあ、ココット村について教えて下さい!あんまり、大きな声じゃ言えませんが、他の国のハンターさんとお話しするのとても楽しみにしていたんです!」
「物好きなおひめさんだな?・・・まあ、此方は一向に構わんが」
「それじゃあ、仮登録や紹介状を書く為にもネロさんの事を教えて下さいね!」
そんな話をしていると俺の腹の虫が鳴った。それを聞いたおひめさんがクスクス笑う。
「まずはご飯にしましょうか!カムラの里から輸入されたお団子は格別に美味しいのでオススメですよ!いつか、私もカムラの里に行って本場のお団子を食べてみたいです!」
「ほう?団子が特産品なのか?そんなに品質の良い米虫が取れる場所があるのか?」
「・・・へ?」
「・・・ん?」
なんか、妙だったな。気のせいか会話がいま、噛み合わなかった気がする。そんな風に違和感に首を捻る俺におひめさんが恐る恐る尋ねて来た。
「・・・あの、こめむしってなんですか?」
「なんだ?おひめさんは米虫を知らないのか?」
「知りません!知りません!ーーえ?お米って虫なんですか!?」
「面白い事を聞くな?・・・ちょっと待ってくれ。確か、非常食用の米虫がポーチにあった筈なんだが・・・」
そう言って俺はポーチから瓶に詰められた米虫を見せた。
保存してからだいぶ経つので生きているか不安だったが、瓶の中で産卵していたらしい。
瓶の底に死骸やら脱皮した跡などが貯まってしまったが、活きが良さそうに瓶にこびりついてウゾウゾと蠢いている。
「旨そうだろ、これがーー「いいぃぃやあああぁぁーーっっ!!」
・・・何故かおひめさんが耳元で絶叫した。
その悲鳴を聞いてフィオレーネ達が駆け付けて来る。
「どうしました、チッチェ姫!?」
「お米が・・・お米が虫だったなんて・・・」
「お気を確かに!米は穀物であって虫ではありません!」
青ざめたまま、しゃがみこむおひめさんに紫の王国騎士がなんか言っているな。
王国では米虫だけで、そんなに珍しい事なのか?
「貴殿、チッチェ姫に何をした?」
「人聞きが悪い事を聞くな。俺は何もしとらん。ただ、米虫の入った瓶を見せただけだ」
「・・・こめ、むし?」
「お前もなのか?・・・だから、これがそうだ」
俺がそう言ってフィオレーネにも米虫の入った瓶を見せてやるとそこにいた全員が面白いくらいに戦慄する。
「こ、こここ米が蠢いている!?」
「・・・お、俺、カムラの里の米で良かった。場所によっては米の代わりに虫を食うのかよ?」
・・・米虫くらいでこいつら、どんだけ驚くんだよ?
王国騎士ってのは米虫を食わないのか?そんなんで力が出るのか?
「因みにこいつは蒸し焼きにして食うと旨いぞ?」
「「「カムラの団子の方が良い!!」」」
よく解らんが、米虫よりカムラの団子とやらの方が、こいつらからすると旨いらしいーーと言うか、こいつらはそもそも、米虫と言うのを食わないのか?・・・俺の方からすると、そちらの方が驚きなんだがな?
これがカルチャーショックと言う奴なのか・・・しばらくは文化の違いで苦労しそうだ。
「・・・なんだ?俺が悪かった・・・のか?
とりあえず、ギガントミートとリュウノテールをつまみに食いながらビールでもーー」
「「「そんなもの、あるかあああぁぁぁーーっっ!!」」」
・・・マジかよ、こいつら?リュウノテールもギガントミートもビールもない生活とか、これからしなきゃならないのか、俺は?
異文化交流を甘くみていたらしい。こんな場所でハンター生活とか、本当に出来るかな?
※【注意】※
米虫に関しては実際、過去の公式モンハンのイラスト集などに載っていたりしています。
昔の古き設定のハンター達はこれを食べてから皆、狩りに出掛けてました。
尚、ギガントミートは肉類、リュウノテールは野菜になります。この組み合わせで狩りに出掛けたハンターも多い筈。