モンスターハンター【夕闇の不協和音】   作:陰猫(改)

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そのハンターは改造人間である

「ネロさんの性別は?」

「見ての通り、男だ」

「あっと、ネロさんはジェンダーとかご存知ですか?」

「なんだ、それは?」

「・・・いえ、なんでもありません。薄々気付いてましたが、ココット村って辺境にあるんですね?」

「流石にいまの若い世代が知っているとも思わんが、ココット村の村長は英雄が生まれたモンスターハンターの原点とも言われる場所だ。本来であるならば、知る人間がいれば、村長の名前くらい知っていると思うのだが・・・」

「すみません。このエルガドの地では聞いた事もありません」

「だろうな。俺の方も薄々とだが、そんな気がしていた」

「質問を続けますね?・・・ハンターを志した理由はなんですか?」

「それしか取り柄がなかったからだな。まあ、戦う事以外は叩き込まれて来なかったからな」

「え?それもココット村の風習ですか?」

「誤解がありそうだな。俺は元々、孤児でな。親の顔も解らなかった身だ。まあ、それで孤児を集めていたとある施設で戦闘訓練って言うのを叩き込まれただけだ」

「ええっ!?それって大問題じゃないですか!?」

「ああ。だから、その施設はギルドナイトに抹消されたって訳だ」

「・・・えっと、これって書いて大丈夫なんですか?」

「知らん。判断するのは雇う側であるそちらの王国だろう?・・・聞かれたから正直に話をしているだけで後についてはおひめさんに任せるさ」

 俺は番茶のおかわりを貰い、中身を冷ましながら喉を潤す。

「他に質問はあるか?」

「え?あ。えっと、ご家族は?ーーって、すみません。孤児だって言われてましたね?」

「肉親はいないが、伴侶ならいるぞ?」

「・・・へ?」

「なんなら、娘もいるぞ。俺の跡を継ぐって言って聞かなくてな。今年でハンター歴が幾つになるんだったかな?」

「ちょちょちょーーちょっと待って下さい!?ネロさんって幾つなんですか!?」

「五十を数えてからは覚えとらん。妻の方も竜人族だからか、その辺りの年齢関係に疎くてな」

「も、もう!流石に冗談ですよね!?真面目に答えて下さいよ!?」

「嘘は言っとらんぞ?」

「いやいや、どう考えても嘘ですよね、それ!?だって、ネロさんはどう見ても若いじゃないですか!?とても五十歳を越えた人には見えませんよ!?」

「よく言われるな。だが、ハンターになるのに嘘を吐いても俺にメリットがある訳ではあるまい。まあ、少し特殊な人間ではあるがな」

 正直に答えているつもりなんだが、やはり、"アレ"を見せた方が早いだろうか?

 その方が手っ取り早いのは確かだが、混乱しているおひめさんを更に混乱させそうなんだよな。はてさて、どうしたものか?・・・まあ、悩んでも始まらんな。一応、正直に見せておくとするか。

「おひめさん」

「わー!わー!もう騙されませんよ!正直に答えてくれるまでネロさんの言う事なんて聞きませんからね!」

「それは理解した。生半可な質問だけだと信じて貰えないのだろう?・・・だから、手っ取り早い方法を取る事にする」

「・・・へ?」

「俺の目を見てくれれば良い。それが答えに繋がる」

 俺がそう言って"目を変化させる"。それを見て、おひめさんはかなり驚く。だが、先程の米虫の時と違って、それ以上に声が出せない程、かなり驚かせてしまったらしい。

「どの道、狩りにのめり込めば、化けの皮が剥がれるんだ。今の内にお偉いさんにだけでも正体を見せておいた方が良いだろうと思ってな?」

 そう告げると俺は飛竜種独特の金色に輝く目でおひめさんを見据えながら正体について伝えておく。

「さっき、ギルドナイトに抹消されたとある施設について触れたよな?ーー俺はそのとある施設が極秘裏にやっていたモンスターの血と肉、臓器を移植する人体実験で生まれた改造人間って奴のプロトタイプであり、成功例の一つなんだよ。だから、他の生き方って奴を知らないし、ハンター以外の生き方を知らないんだ。おひめさんは信頼出来る人間独特の臭いって奴がするから見せたんだ。他の奴はまだ警戒心の臭いの方が強いから、もう少し信頼を勝ち取ってから教えていくつもりだ。

 それで避けられるのなら仕方あるまい。

 まあ、万が一、受け入れが難しいのなら他の方法も考えよう。他に隠し事はない。どう書くかはおひめさんに任せるが、少なくとも嘘は言っとらんのは理解して貰えただろう」

 俺は番茶の中身を飲み干し、目を人間のものに戻して席を立つ。

「まだ混乱や不安もあるだろうから他に質問なんかが出来たら、また声を掛けてくれ。いまのおひめさんからは整理する時間と猶予が必要そうな臭いがすらるからな」

 最後におひめさんに「ごちそうさん」と言って、俺はその場を後にするのだった。

 ーーあとはなるようになるだろう。多分。

 

※【注意】※

 

改造人間のネタは陰猫(改)の独自要素で実際のモンハンのゲームでハンターの体内に何かを移植とかはされません。

ココット村で激レアだったモノブロスハートをはじめ、ネロの身体には当時のモンハンの裏世界の最先端技術が施され、プロトタイプ扱いながら改造人間となっています。

尚、ネロと同じ移植による成功例は彼も含めて三人で、その内の一人はモンハン界隈の禁忌であるパーティー五人編成での行動による事故死しています。

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