蓮ノ空スクールアイドル録   作:松兄

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第109話:大会後…。藤島慈

俺を一行に加えたルリちゃん、花帆、梢の3人。めぐの部屋に行く前に、購買でめぐの好物の抹茶ドーナツを数個買い、その後で女子寮の慈の部屋に来ていた。

俺はちゃんと入る時に女子寮の寮母さんの許可を得て入ったから問題はない。

 

 

 

◇◆

 

 

ー 慈の部屋の前 ー

 

花帆「メンタルヤバいって、どういうことでしょうか………?」

 

梢「………わからないけれど、慈はこういうとき、荒れるのよね」

 

淳平「ああ。俺みたいにめちゃくちゃ荒れてると思う……」

 

花帆「あ、荒れ……!?」

 

すると、ルリちゃんはめぐの部屋の扉をノックする。

 

コンコン!

 

瑠璃乃「め、めぐちゃ〜ん。ちょーし、どぉ………?」

 

返事はない……。

 

瑠璃乃「めーぐちゃーん、抹茶ドーナツもあるよ〜…。あーけーてー……」

 

それでも、返事はない………。

 

すると、

 

梢「こほん。慈? 私はいいけれど、ユニットの仲間があなたのことを心配して来てくれているのよ。せめて顔ぐらいは、見せてあげたらどうかしら」

 

すると、中からこちらに向かってくる足音が聞こえ、扉が開くと、さっきまでの俺と同じく、髪がボサボサのめぐが出てきた。

 

慈「………なに」

 

瑠璃乃「や、やっほー、めぐちゃん。ルリちゃんだよー……」

 

物凄い不機嫌なブスッとした顔。こうなっためぐは立ち直らせるのにかなり苦労するぞ……

 

花帆「な、なんだか8月に初めて慈センパイの部屋に来たときみたいですね………」

 

慈「あ"!?」

 

花帆「ひっ!?」

 

めぐが、仮にもアイドルの名を冠する女の子が出してはいけない様な声を出す。

すると、梢が花帆を背に庇い……。

 

梢「こらこら、後輩を威圧しないの」

 

慈「別にしてない。きょうはこういう顔ってだけ。入って」

 

そしてめぐは俺達を部屋に入れてくれて、俺達4人は中に入る。

 

瑠璃乃「めぐちゃん、抹茶ドーナツここに置いとくね。 って……モニターの、これ」

 

花帆「あたしたちのステージの。動画………」

 

淳平「俺と似たような事してたのか……」

 

慈「……ごめん、るりちゃんとジュンのこと気にしてる余裕なくて」

 

梢「それで、なにをしていたの?」

 

慈「帰ってきてから徹夜でずっと本戦の動画みてた。むかつきすぎて……」

 

花帆「ええっ…………!? 淳兄ぃと同じことしてる……」

 

慈「同じこと……? そっか。やっぱりジュンだったらするよね……」

 

淳平「まあな……」

 

めぐの言葉に、俺は苦笑して答える。

 

慈「なんで負けたのか、意味わかんなかったから」

 

梢「…………それで、わかったの?」

 

慈「ッ! ぜんぜんわかんないよ!! だって、私たちが世界最強だったじゃん!めちゃくちゃ大きな失敗とかがあったならわかるけど!みんなちゃんと力を出し切って……それなのにさあ!!」

 

めぐは、瞳からボロボロと涙をこぼす。

 

慈「確かに、終わってから繰り返し見てたら、もっとできることがあったのかもしれないって思うよ! 歌もダンスもこうすればよかったってさ! でも! こっちには私とるりちゃんと……サポートにジュンまでいたんだよ!? だったら負けるのはおかしいじゃん!! むかつく〜〜〜〜っ!!」

 

髪をガリガリと掻きむしるめぐ。俺も悔しかったし……同じことしてたからな……気持ちは痛いほど分かる。

 

瑠璃乃「めぐちゃん……でもルリは、みんなと一緒にステージに立てて、楽しかったよ……? ね、めぐちゃんはむかついた、だけ……?」

 

慈「違うの!それはそれ。これはこれ! 私だって、るりちゃんと大きな舞台に立てて、楽しかった! また踊れるようになって……いろんな人に名前を覚えてもらって、嬉しかった!」

 

めぐは「でも…」と言葉を繋ぎ、

 

慈「だったら、勝ったらもっと楽しいじゃん!!」

 

花帆「それ、さっきの瑠璃乃ちゃんの……」

 

瑠璃乃「うん、そうだよね! やっぱり、勝ったほうが楽しいよね! だからさ、次は勝とうよ!!」

 

淳平「ああ! もう二度と負けるのなんかゴメンだ!!」

 

慈「当たり前! 次は勝つっての! 絶対に! 私とるりちゃんと、ジュンと、スクールアイドルクラブが最強だって、世界に知らしめてやるんだから! もうね! ただ勝つだけじゃ許さないよ! 他のスクールアイドルが「参りました〜!」って頭下げに来るぐらいのパフォーマンスで、勝つ!!」

 

瑠璃乃「おー! そんなにハードル高くしすぎちゃうなんてめぐちゃんかっけー!」

 

淳平「やってやろうぜ……めぐ!!」

 

慈「うん! 私たちをナメたやつら全員の墓に、みらくらぱーく!のアクスタをお供えさせてやる!!」

 

瑠璃乃「ほらめぐちゃん! いったん甘い物食べて! 好きでしょ、抹茶ドーナツ!」

 

慈「うん! はーむ。んん〜! おいひい! おいひくてむかちゅくー!!」

 

めぐは意外と早く立ち直ることができた。それを見ていた花帆は……、

 

花帆「あの、これは………?」

 

梢「……慈はね、いっつもひとりで落ち込んで、それから怒って、結局は勝手に立ち直るのよ。でもまあ、今回は……、ずいぶん早かったみたいね」

 

 

 

ー つづくー




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