あれから2日後、花帆は歌詞を完成させ、梢にチェックしてもらうために歌詞ノートを提出した。
現在、梢が目を通して歌詞をチェックしている。
それを他のメンバーも固唾を呑んで見守っている、
梢「…………………」
花帆「……………!」ドキドキドキドキ
さやか「な、なんだかこっちまで緊張してきました」
綴理「ん」
そして、梢はチェックを終えて口を開く。
梢「うん。素敵な歌詞だわ。あなたらしくて、まっすぐな気持ちが伝わってくる。これでいきましょう」
っ!!
花帆「よ、良かったぁあああ〜〜……」
アタシが机にへたり込む。
瑠璃乃「やったじゃん、花帆ちゃん!」
慈「まさかほんとにひとりで書いてくるなんてねー」
みんながそれぞれ労いの言葉をかけてくれる。本当に頑張ったよ〜。
梢「がんばったのね、花帆」
花帆「ま、まあ! 梢センパイを優勝させるって誓いましたから、ね! これぐらいできるようにならなくっちゃ、ですよ!」
うう、いつからアタシこんな見栄っ張りになったんだろう……。
梢「ふふっ。ずいぶん頼りになる後輩だこと……でも、だからって急に頼ってもらえなくなるのも、寂しいわね」
花帆「ええっ!?」
梢「冗談よ、冗談。……ちょっとだけだから」
花帆「どっちですか〜〜!?」
梢センパイ〜〜!!
慈「でも、これで曲のめどはついて、ステージ制作もあとひと踏ん張り! いや、ふた…よんふんばりぐらい!」
さやか「今回、招待した人数が多くなってしまって、 音楽堂が使えませんからね…………」
そうだよね。ステージの準備も大事だよね。アタシと梢センパイは、作詞はできたからあとは作曲、振り付けを考えないと!
瑠璃乃「でっかいステージ作る労力ぱねえー! これからもこれが続くとなると、ルリ、ワクワクしてきちゃった!」
綴理「いっぱいいっぱいトンカンしようね」
慈「まあ、なんとかなるでしょー!」
アタシたちが盛り上がっていると、
沙知「いやあ、みんな元気すぎだねい」
花帆「うわぁ! びっくりした! いつの間に!?」
入って来た気配しなかったのに!!いつ入ってきたの!?
沙知「ドアの外で様子を窺ってたよ。作詞の出来はあたしも気になったからね。なんせ花帆はものすごーく苦労をしてて――」
花帆「わーわーわー! なんでもありません! なんでもありませんからね!? 梢センパイ!」
梢「え? ええ」
すると、
慈「ハッ! 人手だ! にがすなつかまえろー!」
綴理・瑠璃乃「「おー!」」
瑠璃乃ちゃんと綴理センパイが生徒会長を捕らえようと襲いかかる。
沙知「わー!」
生徒会長は逃げようとするが、明らかに形だけ。逃げる気など無いのが丸わかりだ。
そしてあっさりと捕らえられる生徒会長。
沙知「つかまっちゃったかぁ。しょーがないなー。なにやればいい?」
さやか「ええ!? いいんですか!?」
さやかちゃんが生徒会長に確認を取ると、生徒会長は少し申し訳無さそうな顔になり
沙知「あたしはむしろ、キミたちに助けてもらった立場だからね。もう少しで、1年間、生徒会長としてやってきたことが、無駄になるところだったんだ。これぐらいはもちろん手伝うさ」
生徒会長がそう言うと、綴理センパイがシュンと顔を曇らせる。
梢「それも元はといえば、私たちのためにいえ、どちらがというのは、不毛なお話ですね。ありがとうございます。助かります」
さやか「生徒会長……ありがとうございます!」
瑠璃乃「ほんで、さちパイセンは、なにができるんですかー!?」
綴理「なんでもできるよ」
沙知「いやさすがになんでもは……どれも70点ぐらいだよ。当時から、歌は梢! ダンスは綴理! トークは慈! キミたちの方がずっとうまかっただろうに」
うん。さすがに生徒会長でもその分野でセンパイたちに勝ててる気はしないけど。
梢「ふふっ、ご謙遜を」
慈「なんたって沙知先輩は、ひとりで私たち3人とユニットを組んでた。バイタリティモンスターだからね!」
花帆「ええーっ!? 衝撃の事実!」
前言撤回! もっとヤバかった!!
さやか「おひとりで……って、スリーズブーケも、DOLLCHESTRAも、みらくらぱーく!も、ぜんぶやってたんですか!?」
瑠璃乃「覚える歌と振り付け3倍じゃん! すーげー!」
沙知「むしろいちばん大変だったのは、ライブでの早着替えだぜ! 3組連続で出るときは、ひたすらMCで繋いでもらったねい」
せ、生徒会長凄い……!
瑠璃乃「その話、もっともっと聞きたいデス!」
さやか「ぜひぜひ…………!」
花帆「あ、アタシも!!」
慈「はいはい一年っ子! だったら続きは手を動かしながらにするよ! 時間がもったいないんだよ!」
あっ、それもそうか……。
梢「ふふっ。そうしましょう。ステージ制作なら、沙知先輩がいれば安心だわ。みんな、一から教わったものね」
沙知「ステージ作りか! それなら確かにあたしの得意分野!」
綴理「ボク、釘打つのも、ペンキ塗るのも、すごく上手になったよ」
綴理センパイが、主人に褒められたい子犬のように生徒会長に甘える。
沙知「そうかそうか! よーし、そんじゃ久々に腕を振るうとしますかねい!」
これは、心強い味方かも!!
さやか「よろしくお願いします!」
瑠璃乃「ルリ、今度のライブはとことん楽しんでやるからなー! みんな覚悟しておけよー!」
綴理「蓮ノ空さいきょー」
梢「ふふっ。では、こちらは沙知先輩率いるステージ制作陣に負けないよう、腕によりをかけて曲を作らなくっちゃね。花帆、手伝ってくれる?」
花帆「はい、喜んで!」
慈「それじゃあ、蓮ノ空学院スクールアイドルクラブ! この1年間応援してくれた人たちのために――がんばるぞー!」
花帆・さやか・瑠璃乃・梢・綴理・慈・沙知「「「「「「「おーーーー!!!!」」」」」」」
そして、生徒会長を仲間に加え、その日の晩、よる9時になり、淳兄ぃにテレビ通話をした。
そしたら、
淳平『はぁ!? 沙知先輩が!! くっそーー!!なんで俺アメリカにいるんだよ!! 沙知先輩が一緒に準備してくれるんだったら成功が確約されたようなもんじゃないか!! 俺も教えてもらいたいことまだたくさんあるのに!!』
淳兄ぃが凄くくやしがっていたのを生徒会長は『あはは……』と、照れながら頬をポリポリとかいていた。
ー つづく ー
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